2019年04月14日

【今週の風考計】4.14─「F35」147機・6兆円購入と政治の荒廃

岩屋防衛相は、日本の軍事費が「今後5年の間に、GDP比で最大約1.3%に達する」旨の見解を、9日の昼、国会で明らかにした。
これまで日本は軍事大国化への歯止めとして、軍事費を国内総生産GDP比で1.0%以内に抑えるのが原則である。しかし米国トランプ大統領の増額要請に抗しきれず、今年の軍事費は5兆円を超え、過去最高を更新した。それでもGDP比では0.929%と1%以内に収まっていた。

ところがここにきて、さらなる最新鋭ステルス戦闘機「F35」の爆買いなど、軍事費の予算総額を約27兆円も積み増す動きが急だ。いよいよ自民党が掲げる軍事費のGDP比2%へと舵が切られ始めている。

9日の夜、「F35A」が青森県三沢基地から東へ135キロの太平洋上に墜落した。すでに5日が立つ。今なお水深1.5キロの海底に沈んでいる機体は、1機116億円。米国の軍事史上、「最も高価な最新鋭ステルス戦闘機」である。
オッとどっこい、米国政府の監査院はF35戦闘機シリーズには、966件の未解決の欠陥があると指摘していた。昨年9月の墜落に始まり、パイロットの生命維持装置である酸素レベル低下事態が6回、タイヤの耐久性への疑念、一時は飛行中止の措置まで取られている欠陥戦闘機だ。カナダでは「F35」65機の購入を白紙に戻している。

だが安倍政権は、この欠陥戦闘機「F35」43機の購入に加え63機の追加発注、さらにヘリ空母「いずも」と「かが」に搭載する「F35B」42機の調達まで決めた。1機あたり運用30年とみて、その整備費307億円を合わせると、なんと合計147機の購入・整備費は6兆2000億円に達する。
人の命を奪うだけの軍事費の増額に向け、躍起の政治家、次の事実にどう顔を向けるのか。「F35A」1機分116億円あれば、日本全国に90の認可型保育所が新設できる。また福島県から原発事故で自主避難した人たちへの住居支援、このほど打ち切られたが、その額は約80億円、給付型奨学金だって105億円、1機分の額より少ない。どちらが命に貢献するか、はっきりしている。(2019/4/14)
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2019年04月11日

【月刊マスコミ評・新聞】 外務省情報に「嫌韓」悪意が=白垣詔男

韓国では3月1日、「3・1独立運動100年」を記念して全国各地で集会やデモがあった。私は、「日韓・韓日反核連帯」というグループの呼び掛けに応じて家族で集会・交流会に参加するためにソウルへ行った。

 2月28日、ソウルで、日本外務省が「韓国:『3・1独立運動100周年』に際するデモ等に関する注意喚起」と題する「スポット情報」を出したのを知った。私の周りにいた日本人は「平穏な韓国なのに外務省の姿勢は不可解、悪意が感じられる」と感想を述べる人が大半だった。

 帰国して3月1日の朝刊を見ると、朝日、西日本、産経が「スポット情報」の記事を掲載。毎日、読売にはなかった。

朝日「韓国渡航で外務省『デモの可能性』 3・1独立運動100周年」の3段格横見出しで4面に載せていた。「ソウルなどで市民団体が行うとみられるデモなどに近づかないよう注意を喚起している」という「スポット情報」の内容を伝え「外務省担当者『総合的に判断した』と説明した」と背景を書いていた。西日本は5面に「韓国渡航者に注意喚起 外務省、デモ警戒」の小さな1段見出しで事実のみの目立たない扱い。産経は2面トップ3段見出しで目立つ扱いだった。記事には「三・一独立運動をめぐっては2月27日の自民党外交部会でも出席議員から『一人の日本人でも傷つけられることがあったら、日韓関係はとんでもないことになる』などと、強い懸念が出ていた」と韓国嫌いと思われる新聞らしい内容だった。

 韓国の実態は、中央集会が開かれたソウル・光化門(クァンファムン)広場を中心に南に延びる世宗(セジョン)通りでは、韓服(ハンボク)を身にまとい民族楽器を演奏する大合奏隊や多くの市民らが整然と行進していた。

多数の警官が目についたが全員、手持ちぶさたの様子で、「国民の祝日」を祝うムードに包まれ、外務省が出した「スポット情報」が場違いであることが分かる。

 なぜ、外務省は「スポット情報」を出したのか。そこには安倍政権の「嫌韓姿勢」の悪意が感じられてならない。

 新聞は、外務省の広報以外に、産経は無理としても、そうした「悪意が感じられる外務省(政府)の姿勢」にも触れてほしかった。

白垣詔男

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2019年3月25日号
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2019年04月10日

【メディアウォッチ】 記者たちついに立ち上がる 「知る権利守る」と猛アピール 報道各社は一丸となって闘え=編集部

記者たちが怒りの声を挙げ、立ち上がった。菅儀偉官房長官会見での「特定記者」への質問の制限や妨害など、国民の「知る権利」を奪おうとする政府に抗議する集会「FIGHT FOR TRUTH」が3月14日、首相官邸前で開かれた。新聞、民放、出版の各労連などでつくる日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)が呼び掛けた。

国際的にも広がる

5日の会見で菅官房長官に「あなたの質問に答える必要はありません」とあらわに回答拒否≠ウれた東京新聞の望月衣塑子記者は集会で、「メディアが権力に厳しい質問ができなくなった時、民主主義は衰退します」と壇上で訴えた。

問題が顕在化したのは昨年12月末、首相官邸報道室長名で内閣記者会に、特定記者の質問を「事実誤認」「度重なる問題行為」と断定ことから。

3月に入って、国境なき記者団が「政府は記者会見の質問が適切か不適切かを判断してはならない」との声明を発表するなど、安倍政権への批判が国際的にも広がっているとは言え、政府の対応は一向に変わらない。加えて取材報道の自由の制限をより強めており、メディアは深刻に受け止める必要がある。

東京新聞が2月20日に1ページ全部を使った特集「官房長官会見問題 本紙の検証と見解」を載せている。望月記者の質問に対し、内閣広報官らから9回もの不当な内容の申し入れが東京新聞にあったと伝えている。そんなに頻繁にあったのかと驚かされるが、その内容を読んで、政府がこんなおかしな主張をしていのかと驚き、あきれ、怒った人が大勢いたのではないだろうか。

昨年6月の申し入れは「国民の代表とは選挙で選ばれた国会議員。貴社は民間企業であり、会見に出る記者は貴社内の人事で定められている」というのだ。民間企業の新聞社の記者が国民を代表するわけはないとの認識で、記者会見は行政サービスとしかみていないのだろう。ジャーナリズムを単に企業活動としか受け止めていない政権だから、記者の質問を封じる発言が平気でまかり通ることも理解できる。

問題は、こんな政権の考えを世の中が「容認」してしまっている現状を招いてしまっていることだ。なぜこうなってしまったのかと問えば、申し入れのたびにきちんと批判をしてこなかったことが一因ではないのか。

個別に対峙はダメ

東京新聞の検証記事には、不当な申し入れがあったことをその時点で報じなかった理由は特に書いていないが、「政府が、こんなバカな常識はずれの主張を言ってきた」ので反論するのもバカバカしいと考えたのかもしれない。しかし今、そんな対応が甘かったと反省する必要があるだろう。

国民の「知る権利」のため、国民を代表して取材する記者が、国民に知らせずに、各社が個別に対峙するだけでは、かえって政権に好都合となりかねない。報道各社の枠を超え、さらに検証することが求められる。

(編集部)

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2019年3月25日号
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2019年04月09日

【お知らせ】 月刊機関紙「ジャーナリスト」4月25日号主要記事予告

●ひどくなるばかりの安倍官邸の報道恫喝に対して南彰新聞労連委員長が反撃、「メディアは官邸に屈しない」と訴える
●統一地方選前半戦終了 唯一の与野党対決だった北海道知事選と維新による党利党略の大阪ダブル選挙に注目。北海道
はなぜ「保守王国」に転落したのか、「維新1強」の大阪に落とし穴はないのか。地元記者が分析。
●平成から令和に改元 鼻につく異様な「新元号」狂騒報道。新聞と放送についてジャーナリズム研究者が断罪。
●判決先延ばし、口頭弁論再開と奇っ怪な行動の東京地裁の植村隆訴訟 植村支援チームが問題点整理と平易な解説を。
●3・22NHK前抗議行動 「アベチャンネル阻止」で市民立ち上がる 日報労委員長にも面談。抗議参加者によるルポ。
●業績不振で崖っぷちの出版業界 再生の道について「文化通信」星野編集長が語る。
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【映画の鏡】 破天荒な生きざま貫く「全身画家」─『ぼくの好きな先生』─子どもたち自由と勇気を=今井 潤

 画家、瀬島匠は56歳、山形の東北芸術工科大学で学生たちに教え、全国を飛び回って創作活動を行っている。30年間“runner”というタイトルで絵を描き続ける。
 映画監督、前田哲は全身アーティスト瀬島匠に出会い、自らカメラを回し、しゃべりながら、漫才を演じながら、観る者の心を激しく揺さぶる人間ドキュメンタリーを作った。

 広島県因島に生まれた瀬島は、造船所に勤めながら地方画家として活動していた父と同じく、絵や彫刻を作り続ける母の影響もあり、幼いころから画家の道をこころざした。
 現在は大学で絵を教える立場になったが、因島、飯山、川崎などで創作活動を続けている。

 前田監督としゃべりながら描くのは、大きなトタン板のキャンパスに、海辺と広がる空をナイフで白と青の絵の具を塗りたくっていく。紹介される受賞作は具象画で廃船、大きな山など迫力に満ちたもので、いずれも“runner”とタイトルがついている。なぜ”runner”なのか答えはない。瀬島匠という画家の絵を描く姿勢そのものが、走る男なのかも知れない。

 前田監督は<どんどん不寛容になる社会の中で、窮屈に生きさせられている若者たち、子供たちへ「もっと自由に生きていいんだよ」、「失敗を恐れず楽しもうよ」と瀬島匠の破天荒な生き様と創作姿勢と学生たちの交流を通して、“エール”を送りたいと思ったのです>と述べている。
(公開は3月23日(土)新宿ケーズシネマ、3月30日(土)大阪シネヌーボなど全国順次)

今井 潤

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2019年3月25日号
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2019年04月08日

【沖縄リポート】 「三線の日」沖縄文化の底力みせた=浦島悦子 

 2月24日、県民投票当日は、朝から冷たい雨が降りしきった。投票率がなかなか上がらず、夕方になっても50%に届かない。最後までやきもきしたが、最終投票率52.48%にほっと胸をなでおろした。

(埋め立て)反対票は、昨年知事選での玉城デニー知事の獲得票39万票余を大きく上回る43万4273票(投票者総数の約72%)。それは予想を超えるものだった。県民投票潰しに失敗したあと、投票率を下げようと躍起になった官邸・自民党の目論見ははずれた。悪天候の中、静かに、しかししっかりと意思を示したウチナーンチュを私は改めて尊敬し、誇りに思った。

 しかしながら、想定内とはいえ翌日も、海には埋め立て土砂が投入され、ゲート前では機動隊が市民を排除し、ダンプが列をなして石材・資材を搬入した。県民投票などなかったかのように全く変わらない光景に「心が折れそうだ」とつぶやく人もいた。

 3月4日、さんしん(三線)の日。1993年から始まった「ゆかる日 まさる日 さんしんの日」は、正午の時報とともに全県一斉に、沖縄の祝いの席に欠かせない「かぎやで風」を奏でるイベントだが、辺野古ゲート前でも一昨年から行っている。

 正午。三線や太鼓の奏者たちが並んで演奏したあと、数十人が「かぎやで風」を群舞。奏者も踊り手も、普段から座り込みに参加している人たちだ。

今日は搬入はやめてほしいと要請したにもかかわらず、正午過ぎ、石材を積んだダンプや生コン車の行列が近づいてきた。機動隊が、作業ゲートに座り込む市民を排除するいつもの光景が再現され、悲鳴や怒号が上がる。国道を挟んだ向かい側では、それに動じることなく演奏が続けられ、プロの腕前を持つ熟練の踊り手が見事な舞を見せている。その堂々とした振る舞いに沖縄文化の底力を見る思いがした。

 国道の右と左に繰り広げられる、あまりにも対照的な光景は、沖縄と日本(政府)との関係を象徴しているようだった。

 3月25日、沖縄防衛局は新たな工区への土砂投入着手を宣言しているが、1〜4日に行われた専門家調査団の調査で、新基地予定地に活断層の存在が明らかになり、工事の先行きはますます見えなくなっているのが実態だ。

浦島悦子

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2019年3月25日号
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2019年04月07日

【今週の風考計】4.7─一刻も早く消費税10%中止を決断せよ!

もう消費税増税10%は止めるしかない! 10月に実施すれば、日本経済も国民生活もズタズタだ。
このほど日銀が発表した企業の景況感を示す業況判断指数は、企業規模を問わず軒並み7〜10ポイントも下がった。8年前の東日本大震災直後の11ポイント低下に匹敵する。

勤労者の実質賃金は2カ月連続で前年比1・1%減少。消費の冷え込みは続くうえに、米中の貿易摩擦や英国のEU離脱による輸出の不振が、日本経済を揺さぶり、国民生活にしわ寄せがきている。
そこへ消費税増税10%を浴びせたら、「令和」の世に東京オリンピック開催などと、浮かれてはいられなくなる。

あるシンポジウムで、岩田規久男・前日本銀行副総裁までが「日本は年金生活者や非正規労働者といった消費税増税に弱い人が多い」と語り、デフレ脱却のため「増税は凍結すべきだ」と訴えるに至った。これまでの消費税アップが、ことごとく個人消費の冷え込みを促進し、国民が貧困化していく事実を直視すべきだという。
安倍政権のもと「アベノミクス」を担当した、元内閣官房参与の藤井聡・京大教授も「消費税増税自体が景気を悪化させ、財政の基盤を破壊する。消費税増税は影響が半永久的に続く」と懸念している。

そもそも消費税は経済を不安定化し、貧しい者ほど負担が重くなる逆進性を持つため、国内の所得格差は拡大し、しかも消費を減退させ、デフレを継続させる欠陥税制であるのは、はっきりしている。
いくら軽減税率の導入とかポイント還元だとか、弥縫策を取ろうとも、その本質は変わらない。10月の消費税10%の凍結・延期の判断は、5月20日前後がデッドラインと言われるが、安倍首相は、もう一刻も早く中止を決断すべきだ。(2019/4/7)
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2019年04月05日

【小森陽一対談チャンネル】 21世紀版「大日本帝国」が狙い 浜矩子さん アベノミクス痛烈に批判=河野慎二

 九条の会事務局長の小森陽一氏(国文学者)がキャスターを務め、ジャーナリストや研究者ら各界を代表するゲストと安倍暴走政治≠フ問題を論じ合うFⅿA自由メディア「小森陽一対談チャンネル」の放送が3月から始まった。
 第1回のゲストは、浜矩子・同志社大学大学院教授。アベノミクスについて「どアホノミクス」と名付け、舌鋒鋭い批判を展開している。

 番組で浜氏はまず、アベノミクスの目玉である「異次元の金融緩和」を取り上げ「日銀が財政破たんを隠蔽するため国債を買いまくる。今は、市場で買っているが、日銀が政府と相対で国債を直接買うという、禁じ手の体制を作ろうとしている」と喝破し「そうなると、国の財政収支が全く分からなくなり、完全にファシズム経済になってしまう」と警告した。
 その上で浜氏は「安倍が目指すのは、21世紀版の大日本帝国という軍事大国づくりだ。憲法は絶対に変えると言っている。アホノミクスはそのための足場作りだ。我々はその狙いを片時たりとも見落としてはならない」と強調した。

 浜氏は、安倍政権が進めているキャッシュレス化の問題について「キャッシュレスとは、カネが電子暗号化され、自分の銀行口座から現金を引き落とすことが出来なくなる。国民の資産を、国民の手元から21世紀版大日本帝国の枠組み作りの財源に持っていってしまう」と警鐘を鳴らした。
 浜氏はこの他「ソサイエティ5・0」や「未来投資会議」など、安倍政権の危険な計画についても言及した。

「小森陽一対談チャンネル」は19日にユーチューブで発信した。FⅿAは、第2回以降のゲストとして、中野晃一・上智大学教授(4月)、香山リカ・立教大学教授(5月)、佐々木寛・新潟国際情報大学教授(6月)を確定し、準備を進めている。

河野慎二

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2019年3月25日号
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2019年04月04日

【リレー時評】沖縄めぐる3つの報道課題=松元 剛(JCJ沖縄世話人)

 米軍の辺野古新基地建設に向けた埋め立ての賛否を問う県民投票は、住民投票の有効性の指標ともされる投票率50%を超え、反対が7割超となった。昨年9月の県知事選での玉城デニー知事の得票を約4万票も上回った。
 争点が新基地の是非に絞り込まれた上、全市町村実施にこぎ着けた。圧倒的な反対の民意の歴史的意義は重い。

 3月になって、岩屋毅防衛相は臆面もなく、県民投票の結果にかかわらず工事を継続すると決めていたと明らかにした。了承したのは安倍晋三首相だ。首相は昨年9月の県知事選と同様に、「結果を真摯に受け止める」と答弁したが、うわべだけの空虚さが際立つ。
 「国防は国の専管事項」と言い張り、沖縄に基地を押し付け続ける姿勢は、先の大戦から続く「沖縄切り捨て」の差別的構造の温存に映る。
 国会審議で野党側がこうした安倍政権の姿勢を追及しているが、「沖縄に寄り添う」「真摯に―」と言いながら民意無視を決め込む政権の姿勢は、メディア側が主体的に追及すべきではないか。

 一方、宮古、八重山への自衛隊基地新設も根強い反対を軽んじて進んでいる。沖縄戦は、国体護持、本土防衛のための「捨て石作戦」だった。多くの県民を軍と共に行動するよう仕向け、軍民混在の凄惨な戦場で死に追いやった。沖縄戦の教訓は、「軍隊は住民を守らない」である。
 安全保障問題で、頻繁に用いられる「島嶼防衛」をかいつまんで説明すれば、こうなる。島の戦闘は守備より攻撃が有利。攻め込まれたら、敵にいったん占領させた上で、逆上陸して島を奪い返す─。自衛隊が米軍を巻き込んで繰り返す「離島奪還」という奇妙な名称の訓練の核心である。
 間違いなく巻き込まれる住民の安全は二の次だ。自衛隊内の沖縄戦研究の蓄積を踏まえ、「第二の沖縄戦」が想定されている。「島嶼防衛」の危うさに対するメディアの検証は鈍いままではないか。

 平成の世が終わりを告げる4月末までの期間は、昭和天皇によって沖縄が切り捨てられた史実を検証する最後の機会だろう。
 1945年2月、近衛文麿元首相から早期和平を進言された、昭和天皇は「今一度戦果を挙げなければ実現は困難」と拒み、沖縄戦は不可避となった。47年9月、昭和天皇は米側にメッセージを送り「25年から50年、あるいはそれ以上」沖縄を米国に差し出す方針を示した。いわゆる天皇メッセージである。
 「象徴天皇」でありながら、昭和天皇がなぜ外交に深く関与し、沖縄の命運を暗転させた重大な方針を示したのか。「昭和天皇実録」などでもその経緯は未解明だ。沖縄に関する昭和天皇の「戦争責任」と「戦後責任」は明白だ。今に続く沖縄の基地過重負担に天皇制が及ぼした影響をあらためて検証し、その史実を後世にしっかり伝えることもメディアの役割ではないだろうか。それはもちろん、沖縄のメディアにも課せられている。
posted by JCJ at 09:41 | 政治・国際情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月02日

【市民活動】 東海道五十三次いっせい行動 弥次さん 喜多さん「政治変えようぜ」  安倍退陣へ55カ所=仲筑間卓蔵

安倍早期退陣の声を強めようとマスコミ九条の会が呼びかけた「東海道五十三次いっせいアピール」行動が9日、五十三次宿場など55カ所で行われた。

京都三条大橋では東映の俳優さんが弥次・喜多に扮してアピールし関心を集めた。東京は日本橋と品川。日本橋にはJCJやマスコミ九条の会、九条の会東京連絡会など50人が参加。10人の弁士は異口同音に「アベ政治を終わりにしよう」と訴えた。天気も味方してくれた。

 マスコミ九条の会は昨年12月14日「東海道五十三次いっせいアピール」呼びかけを決め、各地九条の会に要請したが、年初まで動きははかばかしくなく、苦闘が続いた。

 「面白い行動を提起してくれて有難う」(滋賀)の言葉に元気をもらう。問題は、最も宿場の多い静岡。元国労東海の委員長だったY氏の尽力で道が開けた。

 2月に入って「賛同」が集まり始める。手応えを感じる。3月5日。大磯が参加決定。これで神奈川全宿。

 行動当日。愛知の東海市からとりくみの連絡。11日、滋賀の石部宿がとりくんだという連絡。これで滋賀も全宿。

 そして、京都・さがみ九条の会(帷子辻子駅)がやったという。これで48宿55ヶ所が行動したことになる。涙が出てきた。

 神奈川宿からメールが届いた。「今回は提案していただきありがとう。次は全国で九条の会いっせいに行動できればいいですねえ」と。

 3月9日は、「点」が「線」になった。「九条の会」は、5月3日に向けて「3000万署名」を達成して「決起しよう」と改めて「檄」をとばしている。

この国の有権者はおよそ1億人。投票率50%として5000万人。市民と野党共闘で3000万人が決起すれば、政治は変わる。今年はまさに「正念場」の年です。

仲築間卓蔵

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2019年3月25日号
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2019年04月01日

【リアル北朝鮮】 経済成長と生活向上を強調 金委員長 内政に重点移す

北朝鮮の朝鮮労働党機関紙『労働新聞』は8日付論評で、第2回米朝首脳会談が合意なしに終わったことに初めて言及した。

「全世界が朝鮮半島における平和過程が順調に進展し、朝米関係が一日も早く改善されることを願っている。だから、ハノイで行なわれた第2回朝米首脳会談が成功し良い結実があることを願ってやまなかった内外(の関係者)は、合意文なしに終わったことについて、米国に責任があると一様に主張している」

 ただ、論評の趣旨は安倍政権を批判するものだった。

 北朝鮮のメディアは、現段階で先の米朝首脳会談が決裂したとは報じていない。「朝鮮中央通信」は1日、両首脳が「互いへの尊重と信頼をより厚くし、両国関係を新たな段階へと跳躍させられる重要な契機になったと評価した」ことを報じ、「朝鮮半島の非核化と朝米関係の画期的発展のために、今後も緊密に連携し、ハノイ首脳会談で議論された問題解決のための対話を継続することにした」と強調した。トランプ米大統領も、「突然立って出ていくような交渉決裂ではなく、友好的なものだった」と2月28日の記者会見で述べており、米朝ともに「会談は決裂ではない」ことを強調している。

 金正恩朝鮮労働党委員長の関心はすでに内政へと向かっているようだ。10日は最高人民会議(国会)第14期議員選挙の投票日だったが、金委員長も参加し、候補者を激励しながら、経済の活性化や人民生活向上について強調した。9日発朝鮮中央通信によると、党末端組織の活動家大会に書簡を送っているが、「制裁圧力も破綻を禁じえない」としながら、「わが党にとって経済発展と人民生活向上より切迫した任務はない」と強調している。

 来年は、金委員長が16年の党大会で提唱した「国家経済発展5カ年戦略」の締めくくりの年。金委員長は、なんとか経済的成果を出さねばならないと思っているはずだ。

文聖姫(ジャーナリスト・博士)

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2019年3月25日号
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2019年03月31日

【今週の風考計】3.31─続く「琉球処分」の非道と自己決定権!

★平成が終わる。改元を機に沖縄の歩みに目を向け、自己決定権の大切さを考えてみたい。
★140年前の3月27日、明治政府は軍隊や武装警官600人を、琉球本島の首里城へ動員し、武力を背景に琉球国王・尚泰へ廃藩置県の通達を突きつけ、「沖縄県」を設置した。450年続いた琉球王国は終焉を迎えた。いわゆる「琉球処分」である。

★この「琉球処分」から140年たつ今もなお、沖縄の自己決定権は阻害され、政府の強権的な問答無用の押しつけがまかり通っている。
★米軍の<鉄の暴風>にさらされ、20万の犠牲者を出した沖縄は、日本の敗戦後も、米国の戦略的拠点と位置づけられ、1952年のサンフランシスコ講和条約で日本から切り離され、米軍の統治下に置く「第2の琉球処分」扱いを受けた。
★さらに20年後の1972年の沖縄返還は、民意を無視した米軍基地つきの本土復帰であり、「第3の琉球処分」に他ならない。

★その後50年近く、一貫して沖縄県民は、日本政府と米国に対し基地の整理・縮小を求め、1996年のSACO合意からは普天間基地の早期返還、そして辺野古移設の撤回と県外移設を要求している。
★<美ら海に、ジュゴン死すとも、土砂礫>─「辺野古への土砂投入」は、いわば「第4の琉球処分」の強行である。「国益」の名の下で沖縄を国防の道具にする手法は、140年前から続く植民地主義の極まりだ。

★これは自然災害による「苦難」でもなければ、他国からの侵略や戦争による「惨苦」でもない。自国の為政者や行政から押しつけられた「苦境」である。民意を汲んでほしい、自分たちの声を意思決定過程に反映してほしい、それが蹂躙され続けた歴史が刻む「苦境」の深刻さであり、重さである。
★新基地ノーの民意を示した県民投票から1カ月。政府は3月25日、再び沖縄の訴えを無視し、新たな区域への土砂投入を強行した。
★「主権は国民にある」と謳う憲法下で、沖縄だけは埒外とされ、本土の政府から自己決定権まで奪われる事態に、本土の我々が立ちあがらずんば、民主主義は死ぬ!(2019/3/31)
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2019年03月30日

首相官邸で何が起きているのか

日本ジャーナリスト会議(JCJ)神奈川支部例会
官房長官会見の質問制限
首相官邸で何が起きているのか


菅義偉官房長官は記者会見で、辺野古の米軍新基地建設について、「埋め立て現場ではいま、赤土が広がっている」と質問した東京新聞望月衣塑子記者に対して「事実誤認」と一方的に断定。さらに質問制限や妨害行為を正当化する政府答弁書の閣議決定をしました。しかし、現場で赤土が広がっていることは明白です。また記者が記者会見で質問することは普通の行為です。
記者会見は記者が市民に代わり当局者の見解を求め、市民の知る権利を保障している現場です。
この問題で首相官邸の記者弾圧に抗議するアピールを発表したMIC(日本マスコミ文化情報労組会議)議長で、新聞労連委員長の南彰さんにお話をうかがいます。


日時 4月13日(土) 午後2時〜4時
会場 横浜市健康福祉総合センター8階8A会議室 
横浜市中区桜木町1−1 TEL045−201−2060
講演 官邸記者会見をめぐって
   南彰 MIC議長・新聞労連委員長
参加費 500円
連絡先 保坂 080-8024-2417 
主催   JCJ神奈川支部

望月衣塑子記者と南彰新聞労連委員長A.JPG
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2019年03月29日

【支部リポート】 福岡 特筆すべき2つの出来事 新加入者の活躍と「望月講演会」=白垣詔男

 この1年、福岡支部では2件の特筆することがあった。

ひとつは昨年9月の支部幹事会に参加した西嶋真司さん(福岡の民放RKB毎日放送を同月退社のOB)が新加入して同時に支部幹事になった。

 西嶋さんは、現役時代、記者、ディレクターなどを歴任した。ディレクター時代、福岡県田川市在住の記録作家、林えいだいさん(2017年逝去)を濃密に取材。2016年には林さんを主人公にしたドキュメンタリー映画「抗(あらが)い〜記録作家林えいだい」を監督として制作、公開した。林さんは、日本統治時代の朝鮮人徴用工問題など朝鮮半島の人々に思いをいたした著作が多いことで知られている。

 西嶋さんはまた、記者時代、ソウル特派員も経験、その後、朝日新聞の特派員になった植村隆さんと親交を結び、「植村バッシング」に対して大きな疑問を感じ、RKB在任中から植村さんのドキュメンタリー「標的」の制作を始めた。植村さんの裁判を傍聴、その後の記者会見などにも参加してカメラを回している。「標的」は5月に完成する予定だ。

 西嶋さんには5月末に開く支部総会で「標的」を公開してもらうことにしている。

もう一つは、昨年12月8日(土)、「NHKを考える福岡の会」主催の「望月衣塑子講演会」を九州民放OB会とともに共催した。外部の団体とともにこの種の総会を共催するのは、福岡支部としては久しぶりのことだった。支部長の私が「NHKを考える福岡の会」の事務局次長になっていることで、福岡支部は同会とは連絡を密にしており、「望月講演会」も支部機関紙「ジャーナリスト福岡」に告知記事、終了後は講演会報告を載せた。

 「望月講演会」は定員270の会場に280人が詰め掛けた。望月さんはいつものように早口と身振り手振り、声色、ユーモアを交えて話してくれた。参加者は、ほとんど私語もなく、望月さんの話術に感心して耳を傾けていた。

白垣詔男

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2019年3月25日号
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2019年03月28日

【内政】 辺野古新基地阻止 世論が決め手 本土が民意示す番だ 沖縄市民グループが全国の地方議会への陳情準備=米倉外昭

沖縄県名護市辺野古の新基地建設の賛否を問う県民投票は2月24日に開票が行われた。投票率は52・48%と過半数を超えた。最も多かった「反対」は有効投票数の72%を超え、43万4273票に達した。これは全投票資格者(有権者)の37・6%に当たる。5市の市長が一時不参加を表明する事態があったが、曲折を経て全県実施が実現した。

23年ぶりの沖縄県民投票は歴史的な成功を納めた。それでも工事を止めることができていない。政府は県民投票告示後も工事を続行し、反対の民意が示された翌日も工事を強行し、現在に至っている。



3月1日、玉城デニー知事が安倍晋三首相と面談した。投票結果を伝え、工事中断と、日米両政府と県の3者協議機関の設置を求めた。しかし、ゼロ回答だった。

国会では連日、野党が政府の姿勢を追及し批判を続けている。しかし、首相らは「普天間飛行場の危険性除去のため」と繰り返し、民主主義否定、沖縄差別の姿勢をあからさまにしている。

埋め立て工事の土砂投入が始まってから3カ月が過ぎた。大浦湾の海流を変える新たな護岸の建設も始まり、25日には二つ目の区画に土砂投入を開始する方針だ。かけがえのない自然が圧殺されつつある。

大浦湾に広範囲にわたって軟弱地盤があることを、ようやく政府が認めた。海面から90メートルもの深さの部分もあり、地盤改良は極めて困難だ。砂ぐいを7万本以上打ち込むとしており、新基地完成まで13年、工費は2兆6500億円に達すると県は試算している。このまま進めても、十数年も普天間飛行場の危険が放置される。

さらに、普天間飛行場返還には、緊急時に民間の長い滑走路を使用するという条件もある。那覇空港を明け渡すことを意味し、事実上不可能だ。結局、新基地が完成しても普天間が返還される保証はないことになる。

それゆえ、玉城知事は辺野古固執こそが「普天間の危険を固定化する」と主張している。国が地盤改良のための設計変更や希少サンゴ移植などを申請しても県は承認しない。政府は展望がないまま既成事実をつくっているのである。



16日に玉城知事の支持母体「辺野古に新基地を造らせないオール沖縄会議」が那覇市内で1万人規模の県民大会を開く。

埋め立て承認「撤回」の執行停止決定を巡り、国を相手取って提訴するかどうかを、県は22日までに決定する。

玉城知事の知事選出馬に伴う衆院沖縄3区の補欠選挙は4月21日投開票だ。オール沖縄陣営のフリージャーナリスト、屋良朝博氏と自民公認・公明推薦の元沖縄北方担当相、島尻安伊子氏の事実上の一騎打ちである。7月には参院選がある。

「辺野古のへの字も言わない」という自公陣営の争点隠し戦術は、県民投票が成功したことでできなくなった。再び、新基地の是非、日本政府にどう向き合うかの判断が示されることになる。



次に選択を迫られるのは全国の人々である。4月に統一地方選、7月に参院選がある。沖縄の民意に対して、各政党や候補者は意思表示をすべきだ。沖縄に新たな基地を造ることに賛成か反対か、沖縄の民意を尊重するのか無視するのか。

沖縄の市民グループが全国の地方議会に国民的な議論を呼び掛ける陳情を行う準備をしている。

政府の沖縄差別政策、民主主義の破壊、軍事化と自然破壊を止めるための一番の近道は、全国の世論、国際世論が、新基地建設阻止の意思を明確に示すことである。

米倉外昭(琉球新報記者)

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2019年3月25日号
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2019年03月27日

【編集長EYE】 ナゾ深まるオリパラ選手村疑惑=橋詰雅博

 開幕まで500日を切った東京五輪の晴海選手村建設をめぐり住民訴訟が起きていることを本紙でも2、3回取り上げた。33人の都民が大手デベロッパーに9割以上の値引きで都有地を売却したのは違法であり、小池百合子知事らに損害賠償の請求を都に求めたのである。東京地裁での口頭弁論は、2月下旬に行われた裁判を含め5回を数えた。

 これまでの審理で、廉価な売却額について、都側の代理人は「オリンピック選手村という特殊事情」で決めたと主張している。ところが肝心のオリンピック要因≠フ中身になると、説明を渋っているというより言わないのだ。売却額の算出根拠である日本不動産研究所の調査報告書の全面開示も拒否している。傍聴者は理解しがたく、オリンピック要因という言葉だけが頭に残る。

 そもそもこの13・4fの土地は、防潮堤の外側にあり、住宅を建てられなかった。そこで都は2・5b盛り土した上で道路、下水道など540億円かけてインフラ整備した。それなのに約130億円で売却したのである。完全な原価割れだ。

 異様なのは売却額だけではない。他にも都はデベロッパーに優遇措置を与えている。

○大会中、選手村建物を都などに貸したデベロッパーは賃料を受け取る。

○大会終了後、選手村で使った1万5000台のエアコンや4900台のユニットバス、3900台の給湯器、3900戸分の内装などはマンションに改装するため取り外されるが、その費用は都が負担。金額を小池知事は「数百億円かかる」と発言している。

○土地所有権の移転は、マンション建築の完了確認後とされている。完了の最終期限は「平成36年3月末」だから、所有権移転時までは固定資産税を支払わなくていい。

○譲渡価格の9割の支払いは建築完了後だ。

 原告代理人は「このような歪な権利関係は、公共の財産の処分としては不自然」という。

 ナゾは深まるばかり。

橋詰雅博

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2019年3月25日号
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2019年03月26日

【JCJ賞情報】2019年度(第62回)日本ジャーナリスト会議賞(JCJ賞)─応募と推薦のお願い

 日本ジャーナリスト会議(JCJ)は、年間のすぐれたジャーナリズム活動を顕彰するため、1958年以来「JCJ賞」を設け、贈賞してきました。今年は62回となりました。
 今年度も優れた労作の多数応募を願っています。自薦または他薦によって応募といたします。入賞作には賞状と記念品が贈呈されます。

■日本ジャーナリスト会議賞(JCJ賞)募集規定
〈募集ジャンルと応募資格〉
 新聞、放送、出版、写真作品のほか、市民運動や地域活動なども含み、個人・グループを問いません。
 提出期限までの1年以内に発表された作品 (連載の場合は同期間に発表) を対象とします。

〈提出条件〉
郵送または宅配便で下記、提出先にお送りください。
◆書籍の場合はその現物1冊。放送作品はビデオ、DVDを1本。
◆雑誌、新聞の場合は、その掲載部分をコピー(カラー写真を含む場合はカラー複写)1セット。
※1作品に1枚、エントリーシートを必ず同封してください。特に連絡先担当者、電話、メールアドレスは必ず明記してください。FAX、メールによる送稿は受け付けません。
エントリーシートはJCJ事務所に常備しますが、ここに添付のPDF版も活用してください。2019エントリーシート.pdf

〈提出期限〉
 ◇新聞、出版作品は5月24日(金) 
 ◇放送・その他の作品は5月31日(金)です。

〈提出先〉
  〒101-0051 東京都千代田区神田神保町1-18-1 千石屋ビル 402号
  日本ジャーナリスト会議 「JCJ賞」 応募作品係 (赤で目立つように表記)

※ 応募作品は返却しません。選考経過、選考理由などについてのお問い合わせには応じません。
※ 選考結果は7月中旬に主要新聞に発表するほか、JCJホームページに掲載します。
※ 入選者への贈賞式は8月17日(土)、日本プレスセンターホールにて行います。

〈問い合わせ先〉 JCJ事務所:電話 03-3291-6475 (月、水、金曜日の13時より18時まで)
         Eメール:office@jcj.sakura.ne.jp

                      
2019年3月14日
                日本ジャーナリスト会議
JCJ事務局長  橋詰雅博
JCJ賞推薦委員会統括責任者  大場幸夫

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2019年03月25日

【メディア気象台】 2月から3月=編集部 

比、政権批判記者逮捕に「不当圧力」避難の声

フィリピンのドゥテルテ政権に批判的なニュースサイト「ラップラー」の最高経営責任者(CEO)が報道内容を巡り逮捕され、裁判で有罪になる可能性も出ている。人権団体からは「政権による不当圧力だ」と非難の声が上がっている。国連人権高等弁務官事務所の報道官は「メディアへの威嚇であり、非常に懸念する」との声明を出した。(「神奈川」2月20日付ほか)

質問制限削られた記事「8行」〜忖度による自壊の構図

首相官邸による東京新聞記者の質問制限に関し、18日夜、共同通信はいったん配信した記事の8行分を削除すると通知してきた。削除部分は「メディア側はどう受け止めたのか。官邸記者クラブのある全国紙記者は『望月さん(東京新聞記者)が知る権利を行使すれば、クラブ側の知る権利が阻害される。官邸側が機嫌を損ね、取材に応じる機会が減っている』と困惑する」。共同通信は削除した理由を「官邸記者クラブの意見を代表していると誤読されないため」としている。(「神奈川」2月21日付)

広告費7年連続増

電通が28日発表した2018年の国内の総広告費は、前年比2.2%増の6兆5300億円で、7年連続のプラスとなった。インターネット広告が16.5%増の1兆7589億円と好調で、地上波のテレビ広告(1兆7848億円)に迫った。ネット広告は5年連続で2桁の伸び。(「毎日」3月1日付ほか)

官邸の「誤認」主張でペンクラブが声明

日本ペンクラブ(吉岡忍会長)は1日、首相官邸側が東京新聞記者の質問を事実誤認などと主張している問題で、記者の質問に対して「意を尽くした説明」をするよう官邸側に求める声明文を発表した。声明では、官邸側の対応を「大人げない」と批判。官房長官の記者会見は、国民の知る権利を前提にして「記者がさまざまな角度か政府の政策を問いただす場」だと指摘。(「神奈川」3月2日付ほか)

産経新聞が読売新聞に新聞委託印刷

読売新聞東京本社と産経新聞社は1日、埼玉県や群馬県などに配達している産経グループの新聞計7万部の印刷を、読売の川越工場(埼玉県川越市)などに委託することで合意した。24日から始める。(「毎日」3月2日付ほか)

著作権法改正案、文化庁の説明「不正確」〜賛成意見水増し、慎重意見は省略?

権利者の許可なくインターネットに上げられたと知りながら、漫画や写真、論文などをダウンロードすることを全面的に違法とする著作権法改正案をめぐり、文化庁が自民党に不正確な説明をしたと指摘する「検証レポート」が3日、公表された。法改正について議論した審議会で出た賛成意見を水増しして報告したなどと批判する内容。(「朝日」3月5日付)

NHKネット配信可能に〜放送法改正案、国会に提出

政府は5日、NHKによるテレビ番組のインターネット常時同時配信を可能にする放送法改正案を閣議決定し、国会に提出した。今国会での成立を目指しており、NHKは2019年度中にサービスを開始したい考えだ。NHKは受信料を支払っている世帯の人であれば、ネット視聴のための追加負担は求めないとしている。(「神奈川」3月6日付ほか)

(編集部)

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2019年3月25日号
posted by JCJ at 13:54 | メディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月24日

【今週の風考計】3.24─梶井基次郎<檸檬忌>と春霞の甲斐路の旅

今日24日は<檸檬忌>だと気づいた。梶井基次郎が今から87年前、31歳の生涯を閉じた3月24日を偲んで命名されている。
思い出すのだが、筆者が若かりし頃、魅了された高村光太郎の<レモン哀歌>にある「トパーズ色の香気が立つ」檸檬を、梶井基次郎は、「私は埃っぽい丸善の中の空気が、その檸檬の周囲だけ変に緊張しているような気がした。…(略)丸善の棚へ黄金色に輝く恐ろしい爆弾を仕掛けて来た」と、代表作の短編『檸檬』で表現した。強烈な仕掛けに、何か恐ろしく不安な気持ちになったことが忘れられない。

3日後の27日は<さくらの日>だそうだ。3×9(さくら)=27の語呂合せだという。<さくら>といえば、これも梶井基次郎の『櫻の樹の下には』が、すぐ思い浮かぶ。
『檸檬』から3年後の作品だが、あの有名な冒頭の一文、「櫻の樹の下には屍体が埋まつてゐる!」から始まる、薄気味悪いショートストーリーには、ど肝を抜かれた。爛漫と咲き乱れている櫻の樹の下に薄羽かげろうの屍体が満ちているという。
 しかも「今こそ俺は、あの櫻の樹の下で酒宴をひらいている村人たちと同じ権利で、花見の酒が呑めそうな気がする。」と、最後の1行を締めくくる。この神経の強靭さと繊細さ、20年後に坂口安吾が『櫻の森の満開の下』で、受け継ごうとしたのも頷ける。

さて先週、桜が三分咲きの甲斐路を、身延線を使って旅をした。久遠寺の枝垂れ桜も蕾のまま、奥之院へのロープウェイ下には群生するミツマタが、レモン色の花で山肌を覆いつくす。
武田信玄の隠し湯・下部温泉の源泉館では、31℃の低温泉浴20分、それを2回繰り返す初めての体験。夕食にはヤマメの塩焼きをあてに、山梨の銘酒「春鶯囀」大吟醸を汲む。ここには『山椒魚』で有名な井伏鱒二さんも投宿している。
翌日は信玄が建立した甲斐善光寺へ。金堂天井の鳴き龍とお戒壇巡りを体験。東南に櫛形山、その上には富士山、西へと目を向ければ、まだ雪をかぶる鳳凰山から甲斐駒ヶ岳へ続く山並みが一望できる。3日ほど歩いた甲斐路は春霞に包まれていた。(2019/3/24)
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2019年03月21日

【おすすめ本】植村裁判取材チーム編『慰安婦報道「捏造」の真実 検証・植村裁判』─明かされた右派の杜撰・欺瞞ロジック=安田浩一(ジャーナリスト)

「捏造」したのは誰か─元朝日新聞記者・植村隆さんは、訴え続けている。「捏造記者」のレッテルを張られ、誹謗中傷を受けてきた。「植村裁判」は、植村さんの尊厳をかけた闘いだ。
 裁判の傍聴に通う中で私もまた問われているのだと感じた。不正義を前に沈黙は許されるのか、植村さんの叫びは、メディアに携わるすべての者に向けられる。

 27年前、元慰安婦だった女性が韓国で名乗り出た。植村さんは必要な裏どりを重ね、記事にした結果のスクープ。人権を蹂躙された女性の悲痛な叫びが初めて報じられた。
 だが、これを「捏造」だとしたのが、櫻井よしこ氏や西岡力氏をはじめとする右派系の文化人・メディアだった。様々な悪罵がぶつけられた。それらが原因となって、植村さんは職場を追われ、本人も、さらには家族も殺害予告などの脅迫を受けてきた。
 
 本書は、これら一連の経緯と、櫻井・西岡両氏、出版社を相手取って起こした名誉棄損訴訟を、ジャーナリストたちからなる「取材チーム」が徹底検証したものだ。一方的に植村さんの「捏造」を叫んでいた者たちの杜撰なロジックが暴かれる。
「取材チーム」のひとり、長谷川綾さんは「資料をつまみ食いし、細部の齟齬で全体を否定する。その手法は<ガス室はなかった>と主張するホロコースト否定派を思わせる」と喝破する。そう、「植村裁判」は、日本社会を覆いつつあるヘイトな空気感との闘いでもあるのだ。
 詳細な検証記録によって、ようやく「真実」が浮かび上がってきた。
(花伝社1000円)
『慰安婦報道「捏造」の真実』.jpg
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2019年03月18日

《月間マスコミ評・放送》話題呼んだ「さよならテレビ」=岩崎貞明

 昨年来、テレビ業界で大きな話題を呼んでいる番組がある。中京地区(愛知・岐阜・三重)の夕方のローカル枠で一回放送されただけなのに、番組の録画が各地に出回って、放送関係者たちの間で賛否両論を巻き起こしている。
 名古屋市の東海テレビ放送が「開局60周年記念」として放送したその番組は『さよならテレビ』。90分枠で全編ノーナレーション、氏名を表示した登場人物は三人だけという、今どき珍しい作りのドキュメンタリーだ。
 番組の舞台は、東海テレビ報道部そのもの。デスク周辺やスタジオ、取材現場などでスタッフが交わす会話がリアルに収録されている。
 主人公の一人は正社員アナウンサーで、ニュース番組のメインキャスターに抜擢される。
 彼は東日本大震災が発生した七年前、ローカルの情報番組のキャスターを務めていたが、岩手県産のコメを番組プレゼントとしたコーナーで、当選者を紹介する画面に「怪しいお米 セシウムさん」などとスタッフがふざけて書いたダミーのテロップがなぜか放送され、批判を浴びて番組打ち切りになった経験があった。ネットの掲示板でも叩かれた彼は、キャスターなのに前面に出るのを恐れるというトラウマを抱えている。不適切テロップ問題で会社は例年、放送倫理を考える全社集会を開催している。
 二人目は番組制作会社から来た若い男性。凡ミスの多い不器用な性質で、一年間の契約だけで切られてしまう。彼は局社員の残業を減らす目的で導入された派遣労働者だったが、ニュースで「派遣切り」の問題を取り上げながら、裏では放送局自らが派遣切りをしているという矛盾が現れる。
 三人目はベテランの契約記者。権力監視がメディアの使命と考える正義漢だが、押しが弱い面もある。犯罪の実行行為がなくても罪に問うという「共謀罪」が成立したが、彼はこれを人権問題だとして企画ニュースを提案、自ら取材して放送にこぎつける。しかし報道局幹部の判断で「共謀罪」という呼称は使えず、政府の説明通り「テロ等準備罪」という表現に書き換えられてしまう――。 
 視聴率競争や「やらせ」など、今のテレビが抱える問題点を鋭く突いたこの番組には、視聴者から「テレビはこれだけ裸になれるんですね」という評価もあったという。
 劇場用映画版も制作されているようだが、社内でも議論があることから公開のめどはまだ立っていない。

 JCJ機関紙「ジャーナリスト」2019年2月号掲載
posted by JCJ at 17:34 | メディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月15日

【今週の風考計】3.17─世界で頻発する大統領包囲の民衆デモ

南アメリカのベネズエラが未曾有の危機に立たされている。2013年に就任したマドゥロ大統領は、死去したチャベスの後継者とされ、酪農やコーヒー・肥料・靴などの生産、スーパーマーケット事業などを相次ぎ国営化した。
しかし米国などからの経済制裁に加え、原油価格が下落して事態は悪化。天然資源も人的資源も豊富なこの国が崩壊寸前の状態に陥っている。2015年の選挙で野党が多数派になった国会の権限を無効化し、批判勢力を暴力的に抑圧・弾圧した責任も免れない。
野党連合出身のグアイド国会議長は、自ら暫定大統領就任を宣言し、数千人規模の反政府デモを組織して立ち上がっている。だが米ロなどの大国が軍事介入し、さらなる混乱を招く暴挙は慎まねばならぬ。

隣国のブラジルでは、今年の元旦に就任したボルソナロ大統領の言動も要注意。「ブラジルのトランプ」と評されるが、政界汚職を一掃できるか、犯罪組織による暴力が激化する“殺人大国”の汚名を返上できるか、極めつけの右翼であるだけに軍部と二人三脚での独裁政治に走らないか、不安が広がっている。

転じて北アフリカに目を向けると、アルジェリアではブーテフリカ大統領の立候補に反発する数万人規模のデモが起きている。なんと82歳になる彼は、4期20年の長期政権を率いてきた。6年前に脳卒中を患って以降、公の場にほとんど姿を見せず、健康不安が囁かれているのに、4月18日の大統領選挙へ5選をめざして立候補を表明したからたまらない。
野党勢力が結集して「空前の反乱」を呼びかけている。経済成長率は1.4%まで落ち込み、とりわけ若年層の高い失業率への反発は増大している。

アルジェリアの動きを気にしているのが、エジプトのシシ大統領だ。2014年に就任し、現在2期目・64歳の彼は2022年で任期満了の予定だった。だがシシ大統領を支持する議員が提出した、任期をさらに2期12年に延ばす改正案は、2034年までの在職(20年間)を可能とする内容。
 なんと8割の賛成多数で承認されてしまった。5月の国民投票にかけられ、過半数が同意すれば憲法改正が成立する。日本の永田町でも、安倍首相4選などの発言が飛び出している。
 シシ大統領に戻れば、人権活動家・ジャーナリストの拘束など、彼の強権姿勢は際立っており、「エジプトは記者にとって世界有数の監獄」と評されている御仁だ。

2018年に再選されたトルコのエルドアン大統領も、デモ禁止など国民への弾圧と取り締まりが激しい。仲間優先の縁故主義や独裁主義がはびこり、政治的な迫害や司法制度・法治への不信感、ビジネス環境の悪化などが、怒りに拍車をかけている。経済はぐらつき、通貨リラは急落。ついにトルコ国民も、17年には42%増の25万人超が外国へ逃げ出している。
 いま世界は大統領の言動を包囲する、怒りの民衆ネットワークを作り出している。(2019/3/17)
posted by JCJ at 16:13 | 政治・国際情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月12日

《月間マスコミ評・新聞》カジノ万博の追及は遠慮がち=山田明 

 厚生労働省の毎月勤労統計の偽装から始まり、統計不正問題は拡大するばかりだ。政府基幹統計の信頼が揺らぎ、国民生活、研究教育への影響は計りしれない。国会で疑惑の解明が求められるが、安倍政権は後ろ向きの姿勢が目立つ。
 安倍首相の嘘と居直りとともに、麻生副総理兼財務相の暴言にも呆れてしまう。「産まなかったほうが問題」発言だ。こうした暴言の確信犯、常習犯であり、発言撤回で済む話ではない。
 首相官邸が記者質問を問題視し、制限したことも重大な問題だ。新聞労連が抗議の声明文を出し、朝日などが社説で取りあげている。取材妨害に対して、内閣記者会、メディア全体で毅然と対応してもらいたい。
 沖縄では「妨害」をはねのけ、辺野古埋め立ての是非を問う県民投票が全県で実施されることになった。「2・24県民投票」を注視したい。辺野古の海は、沖縄の民意を無視して米軍新基地建設の埋め立て工事が続く。政府は軟弱地盤の改良工事のため、設計変更するという。政府もマヨネーズ並み≠ニ言われる軟弱地盤を3年前に把握していたが、埋め立てを強行した。こんな杜撰な基地建設、公共事業はあり得ない。ただちに埋め立てをやめ、沖縄県と協議すべきだ。
 来年の東京五輪とともに、2025年に誘致が決まった大阪・関西万博にも注目したい。万博は「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、大阪湾の人工島「夢洲」を舞台に開催する計画である。
 産業廃棄物などで埋め立て中の夢洲は、災害のリスクが懸念され、アクセスなどで巨額の地元負担をもたらす。大阪府・市は夢洲で万博1年前にIR=カジノを開業させようと躍起だ。ギャンブル依存症と隣り合わせのブラックユーモアのような「カジノ万博」だが、地元メディアの追及は遠慮がちだ。
 二度目の大阪万博は夢洲とカジノに固執すると、2005年愛知万博以上に迷走するだろう。大阪万博は、愛知万博の会場変更の教訓から学べ、と言いたい。  
 大阪では、維新が大阪市を廃止する「都構想」を強引に推し進めている。大阪はカジノや万博、「都構想」などより、防災や暮らしに目を向けるべきだ。政策の優先順位が問われている。
 春の統一地方選、夏の参院選に向け、足もとからのシビアな報道を期待したい。

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2019年2月25日号
 
posted by JCJ at 14:07 | メディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月10日

【今週の風考計】3.10─「ダブル選挙」など、やってる場合か!

■東に「トーケイ不正」の隠蔽あれば、西に「トーリ党略選挙」が現れる。なんと大阪維新の会の府・市両首長は、<大阪都構想>のゴリ押しを狙い、同じ穴のムジナよろしく、府知事・市長を入れ替えて、ダブル選の「党利党略・住民不在・私物化」選挙の奇策に打って出た。
■4月7日に投開票される議会選に合わせて、前倒し実施する。それぞれが同じポストでの出直し選挙では、半年の任期しかないが、ポストを変えてのダブル選で勝てば新たに任期4年が確保でき、<大阪都構想>の再住民投票に向けた、コズルイ作戦が仕組める。

■この<大阪都構想>─すでに4年前、「府と市を合わせてもフシアワセ」と、住民投票で否決されたシロモノ。なのに大阪人らしくもなく、ウダウダとしがみつく。安倍政権も貴重な「改憲勢力」である維新の代表・松井一郎氏の立場を擁護し、ダブル選を容認している。
■だが地元の自民党・大阪府連は怒り心頭だ。ついに対抗馬として俳優の辰巳琢郎氏を知事選候補として擁立する最終調整に入った。

■いま大阪は、6月28〜29日のG20開催、さらには大阪万博の会場建設やその内容をめぐって、大きな関心と議論が沸き起こっている。とりわけ2025年5月3日から6カ月間、大阪湾の人工島・夢洲(ゆめしま)で開催される大阪万博は、会場建設費1250億に運営費830億の経費を要する。「地盤沈下」の激しい大阪経済にとって、その財政負担に耐えられるのか、懸念されている。
■しかも万博会場に併設されるIR複合リゾート施設の内容が問題だ。巨大なカジノ建設が計画されている。このカジノ売り上げ、いわば賭博のテラ銭(客の負ける金額)を年間3800億と見込み、IR全体の年間売り上げ4800億の8割を賄うとしている。
 かつカジノ客の75%は日本人と想定しているから恐ろしい。まさに万博に必要なインフラ整備をカジノ事業者が行う図式が成り立つ。これこそカンジンの問題。(2019/3/10)
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2019年03月09日

【国内政治】 地に落ちた統計の信用 企業・大学などに悪影響計り知れず 政治的思惑か忖度か=岡田敏明

 国の統計をめぐる問題が注目を集めている。
 いったい何が起きているのか。厚生労働省が、毎月勤労統計を不正な方法で調査していた。全数調査すべきところを抽出調査していたが、いきなり全数調査に近づける補正が行われたことから名目賃金が異常に上昇。補正は2018年から行われたが、17年以前分は補正されなかったため対比ができなくなった。

基幹の4割に問題
 毎勤統計の不正を調査する特別監査委員会の報告書問題もあったほか、不正は厚生労働省だけではなく、政府の基幹統計全体のなんと4割に問題が見つかっている。政府は新年度予算案を修正、閣議決定をし直す異例の事態に追い込まれた。雇用保険などを過少給付されていた対象者はさらに拡大する可能性がある。
 さらに毎勤統計の調査対象の入れ替えでは、首相秘書官が「問題意識」を伝え、その結果賃金の伸び率が上ぶれしたことなども明らかになった。
 単なる行政ミスが重なったわけではない。政治的な思惑か、官僚サイドでの忖度が働いたのか。不正の隠蔽と虚偽報告等々、疑惑は広がっている。
 日本の統計の信用は、地に落ちた、というべきだろう。

統計委員会の役割
 政府は「世界に冠たる日本の統計」などと自賛し、国際協力として途上国への援助もしてきた。その統計が揺らぎ、国の信用が毀損している。
 今回の一連の報道で統計委員会という存在を知った人も多いと思う。実は、2007年5月に新統計法が成立、60年ぶりに統計の基本法が改正された。この法律で統計委員会が設置された。
 旧統計法は、戦前から戦中にかけての経験に対する反省を踏まえ、積極的に統計体系の整備を図るために、各種統計調査に共通することを規定。指定統計調査および届出統計調査に関する事項等を規定していた。

 旧法は本文23条という小さな法律だったが、世論調査・意識調査などを法の範囲外として意見や意識という面にまで国が入り込むことを避けたという特徴があった。新法は本文64条からなるが旧法の精神を継承し、公的機関が作成する統計全般を対象とした法律に改編された。これまで官庁統計とか政府統計と呼ばれていたものを「公的統計」という名前に統一し、併せて統計データの二次利用促進を明記している。

 最近は、統計を「社会の情報基盤」という言い方をする。新統計法は、社会に必要とされる公的統計が効率的に、しかも人々に役立つように作るためのルールを定める。公的統計の作成、提供の手続、 統計調査で集めた個人や会社の秘密の保護、 全体としてムダなく効率的に統計を整備していくための仕組みなどを規定する。
 5年に一度行われる国勢調査のように国の基本となる特に重要な統計を作るための調査を 「基幹統計調査」というが、 その作成から結果公表に至るまで、 調査を実施する機関は厳しく規制される。統計の数字を都合良く変えたり、 公表前に結果を漏らしたりすることも禁止されている。毎勤統計も56ある基幹統計の一つである。

 西村芿彦統計委員長は「統計委員会では、統計技術的観点から毎月勤労統計及び毎月勤労統計調査の精度向上に多くの審議時間を費やし、厚生労働省にその改善を促してきており本事案は極めて残念である」と厳しく指摘した。事態は深刻だ。
 統計法は基幹統計調査に関して調査対象になった人や会社に回答の義務を定める。回答拒否や虚偽回答には罰則もある。
 国の重要な統計が正確に作れなければ、国や自治体だけでなく、民間企業や大学、統計データを使うすべての人々への影響は計り知れない。国民生活に直結する。
 かつてマルクスが資本主義研究を「資本論」に結実させたのは統計があって可能だったし、最近のトマ・ピケティの「21世紀の資本」も統計あってこそ成し遂げられたことは記憶に新しい。

役所に分散が問題
 この統計不正問題の背景として考えておかなければならないのは、統計部門が「行政改革」の名によるリストラの対象になったことである。04年当時6247人居た統計職員が18年4月には1940人と3分の1以下にまで大幅に減らされている。そして関連予算が削減されていた。統計に対する思想的退廃が見て取れる。
不正の意図は、長年まかり通っていたのはなぜか。―全貌を明らかにするのは重要課題である。 同時に、日本の公的な統計が各府省で分散されているという問題がある。この分散型の統計制度に対し、統計委員会を設置することで「司令塔」としての役割が期待されたのであるが、この制度で十分かも検討すべきである。統計を統合した中央官庁を新たに設置することも重要な選択肢であることを指摘しておきたい。

岡田俊明(元青山学院大学招聘教授・税理士)

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2019年2月25日号
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2019年03月06日

【リレー時評】日本のメディアは連帯感が不十分だ=隅井孝雄(JCJ代表委員)

 昨年12月26日の内閣官房長官記者会見で東京新聞望月衣塑子記者が「辺野古に赤土が投入されているのは、埋め立てが適法に進んでいないことを意味するのではないか、政府としてどう対処するのか」と質問したことに対し、「事実誤認だ。埋め立ては適法だ」との官房長官答弁が行われた。その2日後、12月28日、上村秀紀官邸報道室長名の要請書が内閣記者会に対して発せられた。
「東京新聞の特定記者による事実誤認の質問や問題行動が繰り返されている、官房長官会見の意義が損なわれる」として、自粛を要望した。記者会側は「記者の質問は制限できない」と応じたという。

 特定の記者とは望月記者であることは明白であり、彼女の質問の封殺と、官邸記者クラブからの排除を意図したとみられる。これまでにも望月記者の質問に際して官邸報道室長が数秒ごとに、「簡潔にお願いします」と制止することが常態だった。
 この事実が重大な問題をはらんでいるとみた新聞労連が「首相官邸の質問制限に抗議する声明」(2/5)を発表したことで、官邸による言論封殺の動きが初めて明らかとなった。声明は「会見において質問をぶつけ、為政者の見解をただすことは、記者の責務であり、こうした営みを通じて、国民の“知る権利”は保障される」と表明している。声明をきっかけに朝日新聞、毎日新聞、共同通信、琉球新報、赤旗などが次々に記事にして問題が広がった。

 一連の報道を読んで私が思い起こすのは、昨年11月の米トランプ大統領とCNNジム・アコスタ記者の確執だ。昨年11月7日の会見で移民問題やロシア疑惑を追求しようとしたアコスタ記者から、トランプ大統領はマイクを取り上げて質問を封じ、記者証をも取り上げて、ホワイトハウスへの立ち入りを禁じた。
 CNNは「記者証取り上げに異議を唱えなければ公職者を取材する記者の熱意をくじくことになる」と表明した。アメリカの主要メディア(一部ネットメディアも含む)13社がCNN支持に立ち上がったが、その中には、トランプ政権支持の論調を持つFoxニュースが含まれていた。Foxニュース 社長ジェイ・ウォレス氏は「記者証を攻撃の武器とすることは認められない。自由な報道へのアクセス、開かれた意見交換を支持する」(2018.11.15)との声明を発表した。そして9日後、18年11月16日、ワシントン連邦地裁はアコスタ記者への記者証返還を命じた。

 官邸報道室長の内閣記者会への「要望書」は18年12月28日に出されたが、明らかになるまでに一か月以上かかった。また安倍政権寄りと見られている読売新聞、産経新聞は報道していない。アメリカと比べると、言論の自由、知る権利について、日本のメディアの連帯感が不十分であるために、いま一歩鋭さに欠けているのは残念だ。 
posted by JCJ at 11:44 | <リレー時評> | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月05日

《スポーツコラム》楕円球が生むW杯の絶妙な空気=大野晃

 ラグビーのワールドカップ(W杯)開幕まで半年に迫った。全国12会場では施設整備が完成を迎え、9回目で初めてアジアの日本で開催される4年に1度の世界一決定戦への意気込みを示している。過去8回の大会を現地で目の当たりにしてきたがスポーツの原点を見つめ直す好機である。
 
 ラグビーの魅力は、気まぐれに転がる楕円球を集団で制御して前へ運ぶことにある。阻むものとの不測の激突を結束して乗り越え、かわし、つなぐ。鍛えられた体と知恵と技術、そして精神力で結束を持続する。総合的人間力の競い合いだ。安全を求めてルール改変が進められたが、対戦者同士の協力とフェアプレーがなければケガが続出する危険な競技でもある。 
 競技者はもちろん観戦者もその全体を楽しむ。
 最高峰のプレーが集中するW杯には人間の営みに熱中する空気がある。 
 観戦者たちが自然に溶け込んでゲームの余韻に浸るのも特徴だった。国代表の勝利を喜び大騒ぎするが、排他的でないのは熱中したことの満足感があったからだろう。
 
 過去の大会では、南アフリカ・マンデラ政権の政治利用やテレビ放映権をめぐる商業主義的利用が目立つようになり、興行化が進んだが、競技者と観戦者が醸し出すW杯の空気に大きな変化はなかった。日本代表候補たちが夢の舞台へ懸命な努力を続けているのは、W杯の空気に浸りたいからに違いない。 
 会場の自治体などは外国人観光客の誘致期待が先行しているようだがW杯の空気が、人と人との根源的なつながりを再認識させそうだ。  
 大会興行の負担対策や巨大化した施設の大会後の有効利用策など難問山積だが、W杯の空気と人のつながりを重視した対応が求められる。
 興行が終わったら遺産処分では、W杯の空気は引き継がれない。
 マスメディアには日本の躍進を追うばかりでなくW杯の空気を伝える努力が不可欠だ。(スポーツジャーナリスト)
posted by JCJ at 18:32 | Editorial&Column | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【内政】 天皇の戦争指導・責任を追及 88年JCJ賞受賞番組「遅すぎた聖断」上映 JCJ沖縄2月集会=杉山正隆

 JCJ沖縄2月集会「『遅すぎた聖断』学習会、ジャーナリズム各賞合同報告会・交流会」が9日、那覇市のRBCホールで開かれた。県内や、東京、北九州のメディア関係者30人が参加。沖縄戦がなぜ戦われたか、客観的な史料に基づき天皇の戦争責任などを考える「遅すぎた聖断 〜検証・沖縄戦への道〜」(1988年、RBC=琉球放送、40分)を上映。その後、番組を制作した仲里雅之ディレクター(当時)と大盛伸二カメラマン(同)から制作の狙いなどを聞き、質疑や討論が活発に行われた。

天皇制温存のため
 この番組にJCJ賞を贈呈したことを報じる88年8月25日付機関紙「ジャーナリスト」には、「ビデオを見た各委員はいずれもうなった。テレビでこれほど正面から天皇の戦争責任に迫り得た作品はこれが初めてではないか。日本軍による住民虐殺、20万に及ぶ戦没者をもたらした沖縄戦は、ただ国体護持=天皇制の温存のために戦われたのだ」と。また、「この番組を通じて『天皇の戦争責任』との言葉は一言も出て来ない。だが、積み重ねられた事実は、ものの見事に天皇・天皇制の責任を明らかにしている」と記されている。
 昭和が終わろうとする当時、天皇や君が代、日の丸などの問題をきちんと伝えなければ、との強い危機感が番組制作につながり、県内はもちろん、JCJ賞を受賞するなど県外でも反響が大きかった。

 メディア関係者からは、どんな苦労があったのか、タイトルを決定した経緯などの質問や、どう現役記者にバトンタッチしていけば良いのかアドバイスを求める声が上がった。
 仲里さんは「番組では事実を淡々と伝えていこうと思った。もちろん、どう受け止められるのか不安もあった。古本屋をまわり資料を探した」などと当時を振り返った。「沖縄では戦時中、皇民化教育が強くなされた。小さい頃からすり込まれた。それは皇族の結婚話を見ると、同じようなことが今もあるように感じる。最近の天皇の沖縄訪問の際に、戦時中と同じように『天皇陛下、万歳』の声が湧き上がり、提灯行列があった」とも。
 大盛カメラマンは「実は『遅すぎた聖断』に新しい事実は全く無かった。史実に、研究者の声などを丹念に組み合わせただけ。だから特に何も言ってないのだが、実は伝えたいことはしっかり言っている。ちゃんとしたメッセージを世に出したと今、見てあらためて感じる」と話した。

今の方が状況悪い
 参加者からは「番組を制作した30年前より今は悪くなっている点が少なくない」との危機感や、「沖縄のジャーナリズムを未来につないでいきたい」「沖縄ではきちんと伝えるべきニュースは報道されている。本土でのジャーナリストも工夫しつつ出来ることをすれば良い」「JCJの今後の取り組みに期待したい」などの声が上がった。
 各賞合同報告会では、沖縄タイムスが昨年のJCJ賞を、琉球新報が新聞労連大賞を、またラジオ沖縄や沖縄テレビ放送、FM沖縄などが主要ジャーナリズム賞を受賞するなど、昨年4月から現在までの13分野での受賞が報告された。各受賞者の代表からあいさつがあり、沖縄のジャーナリストの目覚ましい活躍に改めて感動した。

杉山正隆(JCJ運営委員)

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2019年2月25日号
posted by JCJ at 18:24 | 政治・国際情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月04日

【メディアウォッチ】 菅官房長官の報道恫喝 官邸になめられた大メディアと記者会 明らかな言論弾圧だ 委縮・自己規制はね返せ=編集部

 「取材じゃないと思いますよ。決め打ちですよ」。菅義偉官房長官は2月12日の衆院予算委員会で、語気を強め「東京新聞の特定記者」の質問をこう断定した。会見はネット動画で配信されており「事実に基づかない質問は、誤った事実認識を拡散される恐れがある」と、首相官邸の内閣記者会への申し入れの正統性を強調したのだ。国民民主党の奥野総一郎氏が質問で「民主主義国家としてあってはいけない」と追及したのに答えたものだが、記者会見の質問を封じる恣意的で言いたい放題の発言が、国会で平気でまかり通ってしまうこと自体を深刻に受け止めるべきだ。

 ところが今回も、政権による言論弾圧と言っても過言ではない発言が国会でなされたにもかかわらず、マスメディアの反応はとても鈍かった。官房長官答弁を正面から批判はせず、むしろ東京新聞に「9回ほど抗議した」という菅氏の言い分を伝えるにとどまる。こうした当事者意識の薄いメディアの報道姿勢の積み重ねが、今回の事態を招いていると言えよう。

 首相官邸報道室長名で内閣記者会に、東京新聞の特定記者の質問を「事実誤認」「度重なる問題行為」と断定し、文書で申し入れたのは昨年12月28日。特定記者とは、官房長官会見でこの間しつこく質問してきた望月衣塑子記者のことで、記者会は「つっぱねた」とされるが、こうした不当な申し入れがあったことは直ぐには報じられず、2月1日になってから情報誌「選択」が電子版などで伝えたのが初報だ。その後、日本新聞労働組合連合(新聞労連)が抗議声明を出したのをきっかけに、新聞やテレビで報道され始めた。JCJも8日に報道の自由の保障を求める声明を発表した。

 国民の「知る権利」に支えられて取材活動をする記者たちが、世論に訴えることなく、この間の「一強化する権力」と各社がばらばらに対峙するだけでは、官邸になめられるのも必然ではないのか。2014年末の衆院選の際に、自民党が解散前日に在京テレビ各局に「報道の公平性確保」を求める文書を出した時も同じだった。テレビ各局は受け取った時点で報道しなかった。各局の対応に疑問や、あまりに鈍感だと批判も出たが、それ以来、権力側からのさまざまな圧力にメディア側が自粛する傾向が徐々に強くなってきている。

 東京新聞とて、官房長官が言っている「9回」もの抗議を報じることなく、静観してきていることは問題だ。気に入らない質問者を排除しようとする政権の狙いを甘く見ずに、不当な対応ぶりをその都度批判的に報じていくことが求められている。
 さらにひどくなった報道現場の委縮、忖度、自己規制をはね返し、会社の枠を超えた地道な取り組みをしていきたい。

(編集部)

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2019年2月25日号
posted by JCJ at 13:16 | メディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月03日

【今週の風考計】3.3─<サ行変格活用>で日本と世界を見通す

春はあけぼの。陽はサンサン。スタートした3月にちなんで、今週は<サ行変格活用>で見通してみたい。

まず─4日は「三線(さんしん)の日」、琉球に古くから伝わる伝統楽器「三線」を皆で弾いて、その音色を響き渡らせる。うるま市民芸術劇場で開かれる「ゆかる日まさる日さんしんの日」は第27回を迎える。
 5日は「サンゴの日」、沖縄の美ら海に生きるサンゴ礁が危機に瀕している。恩納村では「サンゴの村宣言」を発し、サンゴ礁の保全・再生へのプロジェクトを推進している。
は7日の「消防記念日」、今から71年前に消防組織法が制定された日にちなむ。春の火災予防運動の締めくくりの日でもある。
は9日の「スロバキア大統領選挙」─1993年にチェコと分離独立したスロバキア共和国はEUに加盟、人口450万、首都はブラチスラヴァ、国家元首は任期5年の大統領アンドレイ・キスカが務める。今度の選挙には出馬しない。15人が立候補、激戦の結果はどうなるか。

は5日の「山本宣治暗殺の日」─ちょうど90年前だ。「やません」と呼ばれ親しまれた労農党の衆議院議員が、国会から帰ってきた神田神保町の宿舎「光榮館」で、右翼に刺殺された。反戦平和を貫き、治安維持法の害悪と官憲の拷問を追及してきた。
 暗殺前日の3月4日には、全国農民組合大会で、「山宣ひとり(反対の)孤塁を守る。だが、背後には多くの大衆が支持している」と演説。翌日、国会で論陣を張るつもりだった。それもかなわず39歳の生涯を閉じた。

最後は─「曽我梅林」、実は陽気にほだされ、2日は梅見に出かけた。御殿場線・下曽我駅から徒歩10分。曽我物語の十郎・五郎の史跡や、梅やみかんの産地として知られる曽我の郷。
 箱根連山を背景に延々と広がる田園風景の中に、十郎や白加賀、紅や白の枝垂れ梅が満開だ。梅が枝に下がる短冊に「白梅に触れて老人光りけり─秋光」の句あり。あいにく富士山は雲に隠れて望めず。素朴な梅香うどんで腹を満たす。満足の一日だった。(2019/3/3)
posted by JCJ at 10:00 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする