2017年10月19日

10月21日ジャーナリスト講座開催=テレビの仕事とは何か・須貝

JCJジャーナリスト講座のご案内
新聞やテレビの 第一線の記者らからリアルな「現場」の話を聞き、取材の方法などを学びます。メディアの世界を目指す人たちの参加をお待ちしています。
★10月21 午後1 時半から5 時まで★
「テレビの仕事とは何か」
講師:NHK編成局チーフプロデューサー・日置一太さん

会場:日比谷図書文化館4階小ホール =参加費1000円
テレビ局ではどのような仕事をするのか。活字とは異なる映像メディアの面白さと難しさ、その特徴を語っていただきます。
◇要予約:受講ご希望の方はメールで、氏名、連絡先の電話番号、メールアドレス、受講希望日を明記し、電話またはファクスでお申し込みください。
電話03・3291・6475=月水金の午後
ファクス:03・3291・6478
主催:日本ジャーナリスト会議

【講師のご紹介】日置一太さん
NHK編成局チーフプロデューサー。1987年早稲田大学法学部卒、NHK入局、報道番組部、スペシャル番組センターを経て、編成局コンテンツ開発センタ-
チーフプロデューサー。おもにNHKスペシャルなどの特集番組を担当し、中東、アフリカ、南米などの第三世界を舞台にした紛争や平和構築をテーマとしたドキュメンタリーを制作。福島第一原発事故以降は、放射能汚染の調査報道も手がけてきた。2009
年から、明治学院大学国際平和研究所研究員。
会場の案内◆日比谷図書文化館所在地:東京都千代田区日比谷公園1−4
最寄りは地下鉄内幸町駅か霞ヶ関駅
このジャーナリスト講座は12月以降も順次開催していきます。
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2017年10月17日

 ≪沖縄リポート≫米元軍人会の平和活動に注目

稲嶺市長、新基地問題に終止符を打つ
 8月21日(現地時間)、米国から朗報がもたらされた。辺野古新基地建設が日本の天然記念物であるジュゴンに悪影響を与え、米国の国家歴史保存法(NHPA)に違反するとして、地元住民や日米の自然保護団体が米国防総省を訴えた「ジュゴン訴訟」(2003年提訴)で、サンフランシスコ連邦高裁が、原告の訴えを棄却した一審判決を破棄し、同連邦地裁に差し戻す判決を下したのだ。

 NHPAは、自国のみならず他国の天然記念物も適用の対象としているが、一審判決は「裁判所は工事中止を命じる権限がない」としていた。連邦地裁が「工事は政治問題ではない」という原告の主張を認めたことで、今後、連邦地裁での実質審理に入る。23日付『琉球新報』は「国防と環境保護を比べた場合でも、司法は環境保護に積極的な姿勢を見せる米国においては、差し戻し審で工事差し止めの可能性は十分残る」と報じた。

 米国に本部を持つ「平和を求める元軍人の会(VFP)」の活動も注目される。8月9〜13日までシカゴで開催された第32回VFP全国大会に参加したVFP‐ROCK(琉球沖縄国際支部)は9月9日、沖縄国際大学でその報告集会を行い、同全国大会で、VFP‐ROCKが提案した「沖縄を平和の要石に(普天間基地の閉鎖、辺野古新基地建設の中止、高江の森の原状回復、オスプレイの沖縄からの撤去を米国政府に求める)」議案、およびVFP‐Japanと共同提案した「朝鮮民主主義人民共和国と友好条約を結ぶよう米国政府に求める」議案が圧倒的賛成で採択されたと報告した。VFPメンバーはこれまでも辺野古や高江の座り込みなど沖縄の平和運動に参加し、県民に勇気を与えているが、今年12月にも訪沖を予定している。

 一方、辺野古新基地建設計画の地元・名護では8月23日、稲嶺進名護市長が来年2月4日の投開票の名護市長選挙への三選出馬表明記者会見を行った。会場からあふれるほど集まった市民にかこまれながら、稲嶺氏は「あらゆる権限と手段を行使し、翁長県政と力を合わせて辺野古新基地建設問題に終止符を打つ覚悟」と、「50年後の名護市を見据えた市政運営」を強調した。

 来年11月は沖縄県知事選、沖縄(ひいては日本)の未来を左右する選挙戦がいよいよ始まる
浦島悦子
posted by JCJ at 17:54 | 政治・国際情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月15日

【今週の風考計】10.15─炎上CH53Eヘリとストロンチウム90

◆沖縄県東村の私有牧草地に墜落し、大破・炎上した米軍ヘリコプターは、6月に久米島空港へ緊急着陸したヘリと同一機。◆このCH53E大型ヘリには、放射性物質が収納されている。7枚の回転翼ブレードを持ち、それぞれの根元付近に、放射性物質ストロンチウム90が入った計器を備える。空洞になっている回転翼ブレード内の圧力変化を、飛行中でも常に検知し、劣化や氷結による亀裂などの異常が発生していないか確認している。

◆13年前、沖縄国際大に墜落したヘリも、今度の事故と同系のCH53Dだ。回転翼などからストロンチウム90が検出されている。

◆いま事故機体のストロンチウム90が飛散した現場周辺では、不安が広がる。事故後、現場で消火作業にあたった国頭消防隊員も「被曝したのでは?」と、精神的な不安や緊張にさらされている。
◆現場の西約300メートルの地点3カ所で、放射線調査を実施した矢ヶ崎克馬琉球大名誉教授は、「1u当たり81ベクレルのベータ線が検出された」という。人体にはほとんど影響がないレベルというが、牧草地の所有者は、これから刈り入れする牧草や飼育している豚50頭の出荷に影響が出ると心配する。

◆沖縄防衛局と県は、現場への立ち入りを申請している。だが<日米地位協定>に阻まれ、日本政府や沖縄県の調査は拒否され、またも泣き寝入りが強いられるのは必定だ。沖縄から基地をなくせ! まさに総選挙の争点、やまとんちゅうの一票が問われている。(2017/10/15)
posted by JCJ at 11:00 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月14日

≪月間マスコミ評・新聞≫日本がどう動いたのか見えない

 核開発やミサイル発射を続ける北朝鮮に対して国連安保理は日本時間9月12日夕、新たな制裁決議を全会一致で採択した。米国は当初の「石油の全面禁輸」から譲歩して中国、ロシアが賛成できる提案になったと報じられた。
 13日朝刊各紙は、このニュースを1面トップで報じ社説でも展開した。この制裁決議について社説では、「決議後の行動が重要だ」(朝日)、「挑発阻止へ結束の維持を」(毎日)、「結束の力を『次の一手』に」(西日本)と確実な実行を促した。読売は「スピード採択で包囲網狭めた」の見出しだが「新たな制裁を徹底して実行せねばならない」と最も強い主張だった。ただ、制裁効果は推測の域を出ていない。

 もう一つ、この間、日本がどう動いたのかが各紙の記事を読んでも見えてこない。北朝鮮のミサイル発射後、核実験後に安倍晋三首相がトランプ米大統領と電話会談した報道があった。また、日韓首脳会談で「北朝鮮問題」を話し合ったニュースも流れた。
 しかし、電話会談や直接会談で「北朝鮮に一段と強い制裁を」という結論だけは明らかにされたが、そこで安倍首相がトランプ大統領や文在寅大統領に何を語ったのか、相手の話に相づちを打っただけなのかは分からない。

 13日の社説では「日米が主張した原油の全面禁輸は入らなかったが」(毎日)、「日米両国が目指した石油の全面禁輸は…現状維持で決着した」(西日本)と、日本が「全面禁輸」を積極的に主張したかのような一節が見受けられた。しかし、「全面禁輸」は、電話会談でトランプ大統領から提案され、安倍首相が賛成しただけなのではないか。今の日米関係を考えると、トランプ大統領が提案して安倍首相がそれに追随したと考えるのが自然だ。この件に関して日本の各紙とも触れていない。
 米国が譲歩したのは、トランプ大統領の強硬な考えを国務長官、国防長官が諫めて譲歩提案をまとめたと考えるほうが理にかなっている。その大統領に安倍首相は、電話会談後いつも、「完全に一致した」と述べていたのだから、日本独自の制裁案を持っていたと考えるのは無理がある。
 そうした日米関係を踏まえても今回、日本がどう動いたのか見えてこない。 白垣詔男
posted by JCJ at 18:07 | メディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月12日

≪おすすめ本≫平 和博『信じてはいけない 民主主義を壊すフェイクニュースの正体』既存メディアへの不信が嘘ニュースや情報をはびこらせる=河野慎二

 虚実をないまぜにしたフェイク(嘘)ニュースが世界を席巻している。昨年の米大統領選では「ローマ法王がトランプ支持」などのフェイクニュースが、ニューヨークタイムズやCNNなど、既存メディアと同程度の拡散規模となり、トランプ氏を大統領に押し上げた。
 フェイクニュースの影響力は深刻だ。「児童性愛にヒラリー・クリントン氏が関与している」という嘘ニュースを信じた男による発砲事件(「ピザゲート事件」)が、ホワイトハウスに近いレストランで発生した。
 トランプ支持のフェイクニュースについては、ロシアからの発信疑惑が米FBIの捜査対象になり、トランプがFBI長官を解任するなど、国際謀略戦の渦中にある。

 今年春のフランス大統領選でも、フェイクニュースがマクロン候補を攻撃した。攻撃を仕掛けた一人は「ピザゲート事件」を引き起こすフェイクニュースを拡散したトランプ支持の人物だ。
 だが、右派勢力の野望は、フランスメディアの連携した報道によって打ち砕かれた。ルモンドやリベラシオンなど、34の組織が作ったファクトチェック機関の「クロスチェック」が、フェイクニュースがマクロン追い落としの決め手とした文書が偽造であることを突き止め、ネットで速報。極右のルペン候補当選を阻止した。

 日本でも今後、フェイクニュースの跋扈が懸念される。著者はフェイクニュースが氾濫する背景に既存メディアへの不信があると指摘する。
 ジャーナリストはその指摘を真摯に受け止め、チェック体制を整える必要がある。
(朝日新書760円)
posted by JCJ at 10:24 | おすすめ本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月09日

≪月間マスコミ評・出版≫33歳の男と亡霊に振り回される

 33歳の金正恩朝鮮労働党委員長に振り回されている。北朝鮮に詳しい井上智太郎氏は「世界」10月号で、「北朝鮮の核開発は金体制維持のための『抑止力、国際的威信、強制外交を意図したもの』…とみられているが、最近のレトリックからは日米韓三カ国の『デカップリング』(切り離し)を狙う戦略が鮮明だ」という。
 さらに、「北朝鮮が米国との間で互いに核保有国として衝突を回避しようとする核抑止関係が成立したと判断すれば、むしろ周辺国へのふるまいはより攻撃的で大胆になる恐れもある」そうだ。

 「週刊ポスト」9月22日号の「信頼できるのは『Jアラート』よりAアラート=H なぜ安倍首相は『ミサイル発射前日に限って』総理公邸に泊まっていたのか」が面白い。8月29日に北朝鮮のミサイルが通告なしの発射だったのに、安倍首相が「ミサイルの動きを完全に把握していた」と胸を張った一件を取り上げている。
 「安倍首相が8月に公邸に泊まったのは25日と28日の2日のみで、いずれも翌朝に北朝鮮がミサイルを発射していた」。安倍首相は8月25日午後3時ごろから谷内正太郎国家安全保障局長や防衛省の前田哲防衛政策局長、河野克俊統合幕僚長らと面談していた。結局、「国民ができ得る現実的な対策は、通信社や新聞社がインターネットで速報する『首相動静』を見ることかもしれない」とは皮肉だ。その河野統合幕僚長が右翼雑誌の「正論」10月号に登場し、日米で北朝鮮の潜水艦を監視していると語っている。

 「ニューズウィーク日本版」9月19日号によると、「グアム島のアンダーセン米空軍基地に配備されているB1Bランサー爆撃機はこの数カ月、朝鮮半島上空へ飛行する訓練を繰り返しており、急襲に向けた演習ではないかと北朝鮮は神経をとがらせている」という。トランプ外交は稚拙だ。同誌は「冷戦の『抑止の歴史』に学べ」という記事も掲載している。
 「冷戦」とは何だったのか。その点で、渡辺治氏と不破哲三氏の対談「現代史とスターリン」(新日本出版社)が一読に値する。スターリンにとってアメリカの軍事力をヨーロッパからアジアに引っ張りこむことが、朝鮮戦争を起こした主要な目的だ、そのためには、朝鮮戦争にアメリカの軍隊を出させることが必要だった=i同書282ページ)という秘史が紹介されている。スターリンの亡霊が今も日本を振り回しているということなのかもしれない。 
荒屋敷 宏
posted by JCJ at 16:21 | メディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月08日

【今週の風考計】10.8─核廃絶に背を向ける被爆国・日本の悲劇

ICAN、YOUCAN、All Together CAN!─と叫びたくなるほど、反核団体「ICAN=核兵器廃絶国際キャンペーン」の10年に及ぶ活動に、ノーベル平和賞が授与され、うれしくて嬉しくてたまらない。北朝鮮やイランの核開発が深刻化する今、「核兵器が使われれば人類は破滅的な結末を迎えると注意を喚起し、核兵器禁止条約の実現にむけて、果たしてきた画期的な努力」が高い評価を受けた。広島と長崎への原爆投下から70年以上、いまだに1万5千発の核兵器が世界に存在し、核保有9カ国は廃棄への願いを踏みにじり続けてきた。

今年7月の国連では、加盟193カ国のうち122の国と地域が賛成し、核兵器禁止条約が採択された。その中心的な役割を担ったのがICANだ。唯一の戦争による被爆国日本との関係も深い。日本の被爆者団体と連携しながら、核兵器禁止条約制定に向けたキャンペーンを展開してきた。まさに被爆者とICANの共同受賞といってよい。

だが日本政府はコメントすら出さない。被爆国の政府が、米国の「核の傘」の下にあるという理由で、条約制定の会議や交渉にも参加しない。いまや核廃絶に向けた議論をリードするどころか、被爆者からも各国のNGOからも信用されなくなっている悲劇、それこそ深刻な問題だ。あまつさえ安倍首相は、北朝鮮の脅威を「国難」といいつのり、核ミサイルの廃棄に向けて対話を促すどころか、圧力と制裁ばかりを口にして、自分の政権延命をもくろむ総選挙に血道をあげる。掲げる公約には、「核廃絶」の文字はどこにもない。(2017/10/8)

posted by JCJ at 10:00 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月07日

≪お知らせ≫ JCJ12月集会「フェイクニュースvs調査報道――日米メディアの役割」

JCJ12月集会「フェイクニュースvs調査報道――日米メディアの役割」
 根拠なきフェイクニュースが政治の行方を左右する危うい社会が目の前にある。新聞やテレビさらにはネットの世界で、ジャーナリストは何をすべきか。徹底した取材で事実を掘り起こし、「根拠なき煙幕」を晴らすことが求められる。
 NHK時代に「パナマ文書」の取材に中心的にかかわり、トランプ政権下の米国を半年間にわたり見てきたジャーナリスト、立岩陽一郎さんに事実確認の重要性と日米メディアの役割について語ってもらう。
講師:ジャーナリスト・立岩陽一郎さん(元NHK記者)
日時:12月9日(土)午後2時から5時まで
会場:法政大学(市ヶ谷キャンパス)の外濠校舎5階・S505教室
東京都千代田区富士見2−17−1
JR・地下鉄の市ヶ谷駅または飯田橋駅から徒歩10分
参加費:1000円(学生無料)
主催:日本ジャーナリスト会議(JCJ)
(東京都千代田区神田神保町1−18−1千石屋ビル402号)
(電話03・3291・6475)
共催:法政大学・図書館司書課程
アジア太平洋メディア情報リテラシー教育センター(AMILEC)
【講師紹介】立岩陽一郎さん
調査報道を専門とする認定NPO運営「ニュースのタネ」編集長。アメリカン大学(米ワシントンDC)フェロー。1991年一橋大学卒業。放送大学大学院修士課程修了。NHKでテヘラン特派員、社会部記者、国際放送局デスクとして主に調査報道に従事。政府が随意契約を恣意的に使っている実態を暴き随意契約原則禁止のきっかけを作ったほか、大阪の印刷会社で化学物質を原因とした胆管癌被害が発生していることをスクープ。以後、化学物質規制が強化される。「パナマ文書」取材に中心的に関わった後にNHKを退職。公益法人「政治資金センター」理事として政治の透明化に取り組む。毎日放送「ちちんぷいぷい」のレギュラー・コメンテータ。

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2017年10月04日

≪フォトアングル≫ 9・8キックオフ集会

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「安倍の進める改憲にノンといい、それをストップさせましょう」で始まった「安倍9条改憲NO!全国市民アクション98キックオフ集会」。
3千万全国統一署名の取り組みを訴える発起人と呼びかけ人(左から、浜矩子、鎌田慧、暉峻淑子、佐高信、高野孟、落合恵子、香山リカ。)
8月31日で呼びかけ人約二百十人、賛同人約百四十人。事務局の実行委員会には総がかり行動実行委員会の他、九条の会など6団体が新規加盟した。
=9月8日、東京都中野区の中野ゼロホール 酒井憲太郎撮影
posted by JCJ at 18:01 | Editorial&Column | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

≪おすすめ本≫「負けるな北星!の会」記録編集委員会『北星学園大学バッシング 市民は かく闘った 』マスコミと大学人というリベラル派の限界を突破した闘う市民の記録=徃住嘉文(JCJ北海道支部)

 2014年、日本軍「慰安婦」を歴史から削除したい勢力が、三つの大学に、気にくわない教員をクビにするよう要求した。爆破、殺人予告もあった。神戸松蔭女子学院大と帝塚山学院大は、結果として要求を呑んだ。最後に残った札幌の北星学園大も陥落寸前だった。本書は、これを覆した市民運動の記録だ。
 教員は、元朝日新聞記者植村隆氏。1991年、元慰安婦・金学順さんの存在を報じた。これを「捏造」とする勢力の攻撃で、北星大の非常勤講師職を奪われそうになる。阻止のため市民が急遽作ったのが「負けるな北星!の会」だ。

 本書の第一の特徴は、運動の成果を誇るというより、頼りにしたマスコミと大学人というリベラル派が、いかに「弱虫」だったかを突いた点にある。原正衛北星大経済学部長は、学内リベラル派の実態を率直に報告している。@植村氏を守るため警察が学内に入るAすると自分の研究が国家権力の監視下に入るBだから植村氏に辞めてもらうしかない、といった論法がまかり通っていた。
 取材に当たった現場の記者たちも「あの手この手で書き直しても原稿はボツだった」と、自らの恥と罪を語っている。

 第二の特徴は、「本当の敵を見失うな」とするノーマ・フィールド米シカゴ大名誉教授ら60人を超す執筆陣。「札幌だから闘えた」(中野晃一上智大教授)などシンポジウムの記録もある。
(A4判247頁・頒価500円。注文はFAX011−351−5310かメール:makerunakai@gmail.comで。送料は着払い。本代はゆうちょ銀行振替口座02720−4 番号70218 マケルナ会に振り込む )
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2017年10月01日

【今週の風考計】10.1─世界が注目! 三都市が呼び起こす波紋

アルビル、バルセロナ、ストックホルム─いま世界が注目する三都市である。「希望の党」小池代表の<三都物語>より、ずっとずっと重要だ。

イラク北部にあるアルビルは、クルド自治政府の中心都市。住民投票を行いイラクからの独立を鮮明にした。だがイラクと周辺国は、クルド自治区を孤立させようと空路封鎖など対抗措置をエスカレートさせている。

バルセロナはスペイン・カタルーニャ州の州都。過重な税負担や独裁的な中央政府の介入に抗うため、独立を目指す住民投票が始まった。政府は他州の警察官数千人を動員して阻止する構え。双方の争いは激しくなる一方だ。ストックホルムは、ノーベル賞受賞者が発表されるスウェーデンの首都。ノーベル賞ウイークが、2日の医学生理学賞から始まる。3日に物理学賞、4日は化学賞の受賞者が決まる。この自然科学3賞は、4年連続で日本の科学者が受賞するか、大きな注目を集めている。さらに6日には平和賞、9日に経済学賞と続く。

特に日本からノーベル賞受賞者が出れば、その研究分野に関連した「ノーベル賞関連銘柄」が高騰し、思わぬ経済効果につながる。文学賞は発表の日程が、いつもの通り決まっていない。毎年、注目される村上春樹、予想では現在2位、トップは現代アフリカ文学を代表するケニア出身の男性作家で、「アフリカのトルストイ」と評価されるグギ・ワ・ジオンゴ。日本人3人目のノーベル文学賞受賞者が出るのか。これまで発表前に文教堂や丸善の株価が急騰し、受賞を逃した途端に急落する事態も。(2017/10/1)
posted by JCJ at 11:44 | Editorial&Column | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月26日

≪リレー時評≫核への「知性」と「狂気」 どちらを取るかは明らか=吉原 功(JCJ代表委員)

 8月末から9月にかけて、長崎の反核平和運動の巨星お二人が相次いで亡くなられた。谷口稜曄さんと土山秀夫さんである。もう一人の巨星山口仙二さんはつとに2013年7月に他界されている。
 山口さんは、14歳のとき、学徒動員で防空壕を掘る作業中に被爆、全身に大やけどを負い、顔から胸にかけて残ったケロイドに苦しんだ。1982年の国連での「ノーモア ウォー、ノーモア ヒバクシャ」演説は多くの人びとの心を揺さぶった。

 谷口さんは、16歳で自転車にのり郵便配達中に被爆、背中と左腕に原爆の熱戦を浴びながら生き延びる。山口さんとともに重い原爆症に苦しみながら、被爆者運動の中心として活躍した。海外にも出かけ核廃絶を訴えたが、背中を椅子にもたれさせることは出来ないので飛行機での移動は難行のようだったと多くの人が証言している。
 土山さんは、20歳の医学生として原爆投下の翌日から救護活動に参加。「あの日の町に漂っていた死臭を伝えることは出来ない」と何度も語っていた。80年代のなかごろお話を伺ったが核問題についての造詣の深さにくわえて国際的な知見が非常に深く豊だったことに驚いた。山口さん、谷口さんが実践的運動を主導し、土山さんは理論的支柱として活躍したといえよう。長崎大学医学部長、学長を歴任したほか、20年にわたり長崎平和宣言文起草委員を務め、「北東アジア非核地帯構想」や「核兵器禁止条約締結」などを盛り込むことに貢献した。

 この三人の努力をはじめとする反核平和の粘り強い運動は、世界に広がり、今夏ついに核兵器を違法とする核兵器禁止条約を国連で採択させた。田上長崎市長は平和宣言でこの条約を「ヒロシマ・ナガサキ条約」と呼びたいと大歓迎、推進した国々、国連、NGOなどの「強い意思と勇気ある行動」に感謝を述べる一方、「条約の交渉会議にさえ参加しない」日本政府に対し「被爆地は到底理解できない」と批判した。
 広島・長崎への原爆投下は間違いなく人類史の一画期である。知性ある人ならば核開発は人類滅亡への道ということを理解したはずだ。だが核兵器は拡大し続け、「平和利用」でもチェルノブイリ・福島を経験してしまった。核のボタンを押しかねない人物が政治指導者になっているのが現代世界だ。知性と狂気、どちらを取るべきか明らかであろう。
JCJ機関紙「ジャーナリスト」9月25日号より


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2017年09月25日

前川喜平インタビュー3 《編集長EYE》 「政治家と付き合うのは嫌で嫌で」番外編 =橋詰雅博

 なぜJCJ機関紙のインタビューに応じたのかについて、前川喜平氏は「コマーシャリズムに流されていない。相談した代理人の弁護士も止めなかった」と答えた。

 インタビューのテーマは多岐にわたった。そ の「番外編」をお届ける。

◆収入 定期的なものはない。最近は講演料、多くて3万円、メディアへのコメント料やラジオの出演料が増えてきた。顔を忘れてほしいのでテレビには出演しない。

◆教えたい 若いころ、上智大の非常勤講師を務め、教育行政学を教えた。文科省の仕事を違った視点で見ることができて幸せだった。学校法人などから手伝ってほしいと求められたら有償で教えます。きっと楽しいだろう。

◆仏教 仏教を通じて人間が形成されると考えていた祖父と父親が残した仏教の本を中学、高校のころ読んでいた。東大在学中はサークル「仏教青年会」に入っていた。京都や奈良、鎌倉などで仏像を見るのが好き。文化財部長をやりたかったが、チャンスがなかった。

◆性格 楽天的で、大概の事はどうにかなる。ただ、子どものころは、神経質で引っ込み思案だった。楽天的な性格をつくることができたのは仏教の勉強のおかげ。仏教の核心を簡単に言えば、気にするな、です。

◆好きな俳優 女優は大原麗子。ウイスキーのテレビCM「少し愛して、なが〜く愛して」、あのセリフにゾクゾク。高倉健と共演した映画「居酒屋兆治」のヒロイン役もよかった。男優は渡瀬恒彦。テレビドラマ「十津川警部シリーズ」では、TBSは渡瀬、テレビ朝日は高橋英樹が警部役に扮したが、渡瀬の方に人間的な味わいがあった。

◆酒 たくさん飲めない。今夜はゆっくりしたいなと思ったとき、チョコレートをつまみながら女房とブランデーを飲む。

◆選挙への出馬 国政も首長も関心ない。現役時代、政治家と付き合うのは嫌で嫌で仕方なかった。

橋詰雅博
posted by JCJ at 16:03 | Editorial&Column | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

前川喜平インタビュー2 権力すり寄りすぎ、危険な読売・産経 取材しても出ず―可哀想なNHK記者=橋詰雅博

――取材が集中した当事者として今のメディアの状況をどう見ています。

加計問題で最も先行していたのはNHKです。複数の現役官僚から情報を得ていた。私の知る限り朝日より深く取材していた。GW前の4月ごろ、メディアで最初にインタビューを受け、「この文書を見たことがあるか」「加計学園の獣医学部新設をめぐり内閣官房から働きかけがあったか」などの質問をされた。ところがいつまで経っても放送されない。どうしたのだろうと思っていた。

社会部意地の映像

すると5月16日のNHK番組「ニュースチェック11」は大学設置委員会が建設中の加計学園の獣医学部を実地調査するというニュースを流した。ところが画面に映っていたのは、平成28年9月26日の日付が入った内閣府伝達ペーパーでした。「平成30年4月開学を大前提」は映っていたが、「官邸の最高レベルが言っている」や当事者名などは黒塗りでした。

私も日付入りを見たのは初めて。日付入りは課長レベル以下のための記録用で、私が見た日付なしは、ダイジェスト版で省内上層部などへの説明資料。大臣も副大臣も見ているはず。本当にヘンな形で文書が報じられました。

この映像は私に接触していた記者に言わせると、「我々社会部の意地。黒塗りでもいいから出したかった」と。恐らく朝日はこの番組を見て翌日の朝刊で報じた。しかし日付入りではなく、翌18日に日付入り文書を掲載した。

NHKが私のインタビューを放送しないのは、上から抑えられているからだろうと思っていたが、断続的に接触していた記者は「いくら取材してもこのままではニュースとして出ない、記者会見してもらわないと報じる方法はない」と言うのです。取材を積み重ね、情報を持っているに、可哀想だなと思いました。NHK社会部からの記者会見要請もありました。

政府側に立ち報道

読売と産経はものすごく権力寄り。特に読売は相当、政権寄りであることは間違いない。全国紙で唯一教育部がある。教育問題に熱心という評価はしていた。私も使わせていただいたが、「他社には言っていません、話すのは読売だけです」と言うと、大きく書いてくれた。

下村博文大臣(12年12月に就任、15年10月に退任)はそれを散々やっていた。大きく報じて欲しい時は事前に読売に話していた。義家弘介副大臣(今年8月退任)は産経に。出どころが大臣と副大臣で読売と産経がスクープしても問題にしなかった。ところが朝日や毎日が文科省の動きをスクープしたら、犯人探しを始める。

読売は政府側に立って動いてくれるので便利。しかも発行部数日本一で、政府の意図を国民に浸透させるツールとして重宝していた。文科省自身もお世話になっていた。

だが、安倍晋三首相の改憲構想を読売が憲法記念日の5月3日朝刊1面に載せたのは、どうかナと思った。安倍「広報紙」という感じがした。国会でも「読売を熟読」と発言し、とてもじゃないが一国の首相が言う言葉ではない。

私物化される読売

安倍政権によるメディアの私物化は、読売について特にその感がある。NHKも記者があれだけ取材しているのに報じない。しかも他社がどんどんと報道しているにもかかわらずまだ報じない、どうなっているのかと思った。

私は、安保法制は憲法違反だと思っているし、集団的自衛権行使容認は現憲法で認められるとはとうてい思えない。行政府が勝手に法制局の見解とか閣議決定で憲法の中身を変えるなど、あってはならない。憲法は権力をしばるもので、しばられている本人がしばりを解きますなどということができる話ではない。まさに立憲主義の危機で、違憲立法が行われたと思っている。これをおかしいと言った新聞と、言わなかった新聞があり、そこで線が引かれている。

読売と産経はかなり危険です。あまりにも権力にすり寄りすぎている。私の意見に近いのは朝日、毎日、東京。念のため読売も産経も読んだりします。(1面参照)

聞き手 橋詰雅博(JCJ事務局長兼機関紙編集長)

インタビューの続きは次号10月25日号に掲載します。

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2017年9月25日号8面掲載
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加計疑惑―前川喜平・前文科相事務次官インタビュー 官邸「口封じ」で吹っ切れる=橋詰雅博

「官邸の動きがあった」―加計学園疑惑ついて国会で参考人として発言し、安倍晋三首相を告発した前文部科学省事務次官の前川喜平(62)氏が、本紙のインタビューに応じた。約3時間にわたる取材では、焦点の「総理のご意向」文書から官界の空気、今のメディアの状況、自らの生き方にも及んだ。聞き手はJCJ事務局長兼機関紙編集長の橋詰雅博。


――告発に至った最大の理由は何ですか?
 告発という言葉がその時の状況を的確にあらわしているとは思えないが、成り行き上、そうなった。意を決して立ち上がったみたいな、潔さとか悲壮感はなかった。かなり政治によって行政が歪められたという意識はやはりあった。 
 特定の者に対する利益誘導ではないか、国民のための権力が私物化されているとの疑念があった。これは国民が知るべき事実ではないかと思った。
 また、JCJ大賞を受賞した朝日新聞は、私でなく別の文科省の現役官僚からの取材で情報を得て報じてきたわけで、私は目の前で事実が明らかになればいいと思っていました。

信用落ちたら困る

 文科省は5月19日、メディアが報じた「官邸の最高レベルが言っている」「総理のご意向』などの文書は省内調査の結果、確認できなかったと発表した。だが、あの文書は関係者ならだれでも知っている。「出してくれ」と言えば、すぐ出てくるはず。その「存在を確認できない」のはおかしい。これでは文科省が情報を隠ぺいしていることになる。
 私は天下り問題で不名誉な形で辞めている。特に文科省の評判を落としたのは、違法な再就職あっせんに加えて、事実に反するストーリーで、糊塗つまり隠ぺい工作しようしたことだった。それを繰り返すのはいけない。教育行政に対する信用が一回、地に落ちていますから信用を回復する努力をしなければいけない時期なのに、さらに信用を落とすという気持ちもあり、ちょっと複雑な心境でした。
 ただ、積極的に打って出たのかと言うと、本当ところはそうではない。すでにNHK、朝日新聞週刊文春などと接触があったし、知っていることは話した。
 しかし、名前を出して告発するなんて考えてもいなかった。取材では「この文書は確かにあった」とか「経緯はこうです」などと答えたが、「名前や顔を出すのは勘弁してください」と、最初はそういうことでした。

記事は意外だった

――突き動かしたきっけは何ですか?
 ひとつは今、お話した文科省の隠ぺい工作。もうひとつは5月22日付読売新聞が報じた「出会い系バー」の記事です。私がメディアと接触して(加計疑惑で)コメントしていると、総理官邸には伝わっていたと想像している。実際、「前川が漏らしていると官邸サイドが言っている」と私に伝えたメディアの記者もいました。それとは別に出会い系バーについて一部週刊誌は接触しようとしていた。
 店に行っていたのは事実ですから書かれても仕方ないと思い、相手にせず取材申し込みを放置していた。そうしたら5月22日に読売の記事が出た。極めて意外だった。 
 読売はメールで何回か取材申し入れをしてきたが、記事にはしないと思った。信頼するメディアの記者に話したところ、週刊誌は分からないが、いくらなんでも読売は報じないだろうなという感じだった、私もそうだろうなと思っていたので、取材申し入れを放ったらかしていた。

総理官邸が企てる

(読売の記事の)情報の出どころは官邸、これか明らか。もともと官邸は出会い系バーのことを知っていた。昨年の秋に杉田和博官房副長官(警察庁出身で、警備・公安畑を長く歩み第二次安倍政権発足時に内閣官房副長官に就任)からこの問題でご注意を受けた。
 さらに今年2月にも電話で「あの問題を週刊誌が書こうとしているよ」とお知らせがあった。文春、新潮、ポスト、現代、どこだろうなと考えたが、結局、記事は出なかった。杉田さんの情報は何だっただろうなと首を傾げた。
 あの記事は官邸が書かせたと確信したのは、21日に後輩の文科省幹部から和泉洋人総理補佐官(旧建設省技官出身、第二次安倍政権発足直後の13年1月から総理大臣補佐官に就任)が「会いたいと言ったら対応するお考えがありますか」とメールがきたからです。記事を出させたくないなら取引に応じろ、加計学園関係文書について、発言は控えろという風に想像した。そうとしか考えられなかった。

ためらいが消えた

 読売の記事で私自身、完全に吹っ切れた。次官辞任(1月20日)する前までは政府の中にいた人間だし、私の名前でどこまで真実を言っていいのか、国民の知るべき事実を自ら言うべきか、ためらっていた。
 だが、官邸は加計問題で口封じに動き、読売新聞まで使っている。忖度する問題ではなくなった。堰が切れ、官邸に遠慮しなくていい、躊躇しなくていいという思いに変わり、5月25日に東京・霞が関の弁護士会館で記者会見。取材していた朝日、週刊文春、TBS番組「NEWS23」がその日に「文書は本物」と報じた。(続く)

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2017年9月25日号に掲載
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2017年09月24日

【今週の風考計】9.24─700億の税金を政権延命に使う「逃亡解散」

■「仕事師内閣」が発足して55日、何も仕事しないまま国会解散とは、開いた口がふさがらない。700億もの税金を投入して総選挙を行い、安倍首相自身に降りかかる<森友・加計疑惑>をかわすための「逃亡解散」。大義など一つもない。■「加計については1月20日に初めて知った」との自分のウソ発言を、消すための「エゴイズム・リセット・延命解散」に他ならない。解散権をもてあそんでいいのか。

■東京新聞が<「7条解散」消えぬ疑問>と題して、解散は首相の専権事項という正当化に問題を提起している(9/24付)。憲法に明記されているのは「内閣への不信任決議が可決された場合、10日以内に解散か総辞職をしなければならない」とある69条のみ。7条の<天皇の国事行為>にすがる解散は、大義などいらず、党利党略・首相の恣意的な行使へとつながりかねない。■ともあれ私たちは、今の安倍政権へ厳しい審判を下さねばならない。こうも「ウソと強弁、言い逃れ」が続く政治をストップさせ、国民に目を向けた施策を実現する国会へ変えていこう。

■市民は野党の共闘が進み、憲法9条つぶしの策動に抗う議員が、少なくとも3分の1以上になるよう、心から願っている。民進党も離党続出や「希望○○」の動きなど気にせず、憲法9条を守る政党として、改めて党の一体性を作りあげるチャンスだ。■昨年夏の参院選挙で初めて行使された18歳選挙権、約240万人の若者たちが、今度は衆議院選挙で一票を投ずる。2021年10月まで任期がある衆議院議員、あわよくば安倍首相の任期延長まで目論みかねない総選挙、すべての有権者が重要な判断をしなければならない。(2017/9/24)

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2017年09月23日

≪お知らせ≫10月21日、NHKの日置一太さんが「テレビの仕事とは何か」で講座

◇10月〜11月:秋のJCJジャーナリスト講座◇
新聞やテレビの第一線の記者らからリアルな現場の話を聞き、取材の方法などを学びます。メディアの世界を目指す人たちの参加をお待ちしています。要予約。お申し込み方法は下記をご参照ください。
★ 10月21日午後1 時半から5 時まで★
≪テレビの仕事とは何か≫講師=NHK編成局チーフプロデューサーの日置一太さん
会場=日比谷図書文化館4階小ホール= 定員40人、参加費1000円
テレビ局ではどのような仕事をするのか。活字とは異なる映像メディアの面白さと難しさ、その特徴を語っていただきます。
★10 月 28 日午後1 時半から 5 時まで★
≪記者の仕事とは何か≫講師:共同通信東京編集部デスク・新崎盛吾さん
会場=日比谷図書文化館4階小ホール= 定員40人、参加費1000円
共同通信は全国の新聞やテレビ局に記事を配信している。記者たちは日々、どのような取材をしているのか。記者にとって大事なこと、欠かせない視点など、を考えます。
◎要予約=受講ご希望の方はメールで、氏名、連絡先の電話番号、メールアドレス、受講希望日を明記し、下記のアドレスに、またはファクスでお申し込みください。
sukabura7@gmail.com ファクス:03・3291・6478
主催:日本ジャーナリスト会議=お問い合わせ03・3291・6475=月水金の午後

◇講師のご紹介◇
◎日置一太さん
NHK編成局チーフプロデューサー。1987年早稲田大学法学部卒、NHK入局、報道番組部、スペシャル番組センターを経て、編成局コンテンツ開発センタ−チーフプロデューサー。おもにNHKスペシャルなどの特集番組を担当し、中東、アフリカ、南米などの第三世界を舞台にした紛争や平和構築をテーマとしたドキュメンタリーを制作。福島第一原発事故以降は、放射能汚染の調査報道も手がけてきた。2009年から、明治学院大学国際平和研究所研究員
◎新崎盛吾さん
共同通信社東京編集部デスク1967年生まれ。90年4月に共同通信入社。山形、千葉、成田の各支局で3年ずつ、計9年を過ごし、99年4月から08年9月まで社会部。警視庁公安、羽田空港分室、国土交通省などの記者クラブを担当し、遊軍ではイラク戦争、北朝鮮、赤軍派などを取材。その後、さいたま、千葉の支局デスク、関東・甲信越の支局を管轄する東京編集部デスクを経て、14年7月から16年7月まで新聞労連委員長。昨年9月から東京編集部デスクに職場復帰し現職。沖縄県出身。

会場の案内
◆日比谷図書文化館 =旧都立日比谷図書館)所在地:東京都千代田区日比谷公園1−4最寄りは地下鉄内幸町駅か霞ヶ関駅
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沖縄タイムス・阿部岳記者のスピーチ(JCJ賞贈賞式)=須貝

<突如、始まった工事。むき出しの権力>
 8月19日に東京でJCJ賞の贈賞式がありました。沖縄タイムスは「高江・辺野古 新基地強行を問う報道」で受賞しました。取材班を代表して沖縄タイムスの阿部岳記者がスピーチをしました。
以下はその要約です。

 私は名護市にある北部報道部に勤めている。辺野古と高江を担当するという、とんでもない部署だ。しかし記者は4人だけ。だから本社の各部から交代で記者を派遣してもらい、二つの現場を常時取材している。
 16年7月11日朝に突如、高江のヘリパッド(発着場)工事が始まった。陸の孤島と呼ばれる山奥で、140人しか住まない地域に、オスプレイが使うヘリパッドを4カ所つくる工事だ。前日の参院沖縄選挙区で基地建設反対の野党候補が当確となり、民意が示された10時間後のことだった。
 とにかく山奥で、全国紙だけでなく、地元テレビ局もなかなか記者を送れない地域。だれも見ていないと思って、むき出しの権力が行使された。機動隊500人が本土から送り込まれた。「世界一危険」とされる北九州の暴力団・工藤会のトップを捕まえる頂上作戦で派遣された機動隊は530人だった。それと同規模の500人が丸腰の市民に向かった。そのうちの一人が「土人」と県民に暴言をはいた。取材記者は拘束された。
 共謀罪の先取りとなるような捜査もあった。市民運動のリーダーが2000円の鉄条網を切ったという理由などで5カ月間拘留されたが、辺野古ゲート前でブロックを積んだ容疑もかけられた。ブロック積みには100人から200人が手伝った。立証するため検察は容疑者のライン、メールでのやりとりを調べ、「共謀しただろう」と言って捜査した。結局、起訴されたのは3人だったが、100人でも200人でも(犯行を)立証するには、メールなどでのやりとりがあれば足りるという捜査だった。
 昨年末にはオスプレイが落ちた。大半のメディアは「不時着水」と書いた。目前の残骸を見たら明らかに墜落だ。そのあたりがなかなか本土に伝わらない。私は本土出身だから、なおさら、本土に伝えたい気持ちが強い。著書の『ルポ沖縄 国家の暴力』(朝日新聞出版)も手に取ってみてほしい。
posted by JCJ at 00:07 | JCJ賞情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月19日

≪お知らせ≫JCJ賞受賞作「はりぼて―腐敗議会と記者たちの攻防」を見る会

 チューリップテレビ(TUU)の記者たちは、富山市議会のドンと呼ばれた自民党幹事長の政務活動費不正受給を映像でスクープ。さらに入手した資料を丹念に読み解く調査報道で、市議たちの不正を暴きました。記者たちと腐敗市議との攻防を描いたドキュメンタリー番組は、今年度のJCJ賞を受賞しました。下記の通り「受賞番組を見る会」を開催します。またディレクターが取材の真実を報告、質疑討論を行います。

日時:9月23日(土)13:00〜開場 13:30〜開会
場所専修大学神田キャンパス5号館7階571教室
地下鉄「神保町」駅下車、出口A2より徒歩3分
ゲスト:五百旗頭 幸男(いおきべ ゆきお)ディレクター
資料代:1000円(学生無料)

主催:日本ジャーナリスト会議(JCJ) ☎03-3291-6475

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2017年09月18日

≪10月例会≫ 誰も排除されない社会をめざして─津久井やまゆり園殺傷事件を考える=神奈川支部

 2016年7月26日未明、相模原市緑区にある障害者施設「津久井やまゆり園」で起きた障がい者大量殺傷事件は大きな衝撃でした。
犯人は元施設の職員で、以前から「障がい者は不幸しかつくれない」「いないほうがいい」とする考えを公言していました。

 事件後にはインターネットなどに犯人の主張に共感する意見が書きこまれたりしました。社会に不要だとして障がい者を殺害したナチスの優生思想に通じるものを感じさせます。
 神奈川支部ではこの事件を取材してきた神奈川新聞の成田洋樹記者と、身体に障がいがある脳性マヒ当事者で、障がい者運動に取り組んで来られた「障害者の自立と文化を拓く会REAVA(ラーバ)」代表の渋谷治巳さんにお話をうかがいます。

日時 10月7日(土)17時〜20時
会場 Lプラザ〈かながわ労働プラザ〉第5会議室
JR「石川町駅」から徒歩3分 横浜市中区寿町1−4 TEL045−633−5413
講師 神奈川新聞社記者 成田 洋樹さん
   障害者の自立と文化を拓く会REAV(ラーバ)代表 渋谷治巳さん
参加費 500円

主催 JCJ神奈川支部 連絡先080−8024−2417(保坂)
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2017年09月17日

【今週の風考計】9.17─なんと年間1170時間まで残業OKの法案

「電通」違法残業事件の初公判が22日に開かれる。過労自殺に追い込まれた新入社員の女性は、1カ月前の残業時間が月105時間に達していた。その経緯と労働実態が、公開の場でどれだけ明らかにされるか、注目される。月末に開かれる臨時国会には「働き方改革関連法案」が提出される。その内容が問題だ。「残業の上限規制」と「高プロ残業ゼロ」を、強引に抱き合わせて一本化した法案だ。残業の上限規制にしたって、過労死ラインは月80時間と認定しているのに、繁忙期でも「月100時間未満、年720時間」へと改悪する。

さらにタクシーやバス、トラック運転手は除外され、5年後になって、残業の上限を年間960時間まで改悪しての適用だ。この上限には休日労働は含まれない。なんと年間1170時間まで残業OKとなる。「高プロ残業ゼロ」も要注意。年収1075万円以上の専門職は、この規制から外され残業代は支払われない。これに当てはめる専門職の年収額引き下げは目に見えている。

30年前の1987年11月、N 製本・金井さんが過労死した。金井さんは死亡直前1カ月の残業は129時間24分。労組や過労死家族の会と共に、労災認定・補償を勝ちとるため、労基署交渉や裁判所への要請、街頭宣伝・デモなどに取り組んだ。そして15年、2002年秋に勝利解決した。その闘いに携わった人々の顔が思い出される。いま「全国過労死を考える家族の会」代表・寺西笑子さんは、「裁判で労災だと認定され、企業が謝罪をしても亡くなった人は生き返りません。こんな悲しい思いをする遺族をこれ以上増やしたくありません。今回の法案で健康や命が守れるのでしょうか」と問う。(2017/9/17)
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2017年09月16日

≪おすすめ本≫チューリップテレビ取材班『富山市議はなぜ14人も辞めたのか─政務活動費の闇を追う』地域メディア各社が連帯して取材し、調査報道の重要性を説く実践報告=鈴木賀津彦(東京新聞)

 本書を教科書にして調査報道の講座を開いたら実り多い議論ができるなあと、イメージを膨らませている。取材し報道する意味について、誰もが素直に理解し共感できる実践報告≠セからだ。
「富山市議会における政務活動費の不正を明らかにした調査報道」で今年のJCJ賞を受賞したチューリップテレビ(富山県)の取材班が、どのように取材したのか、素直に自らの手の内を明かし、緊迫した取材時の緊張や不安なども含めて詳述している。

 本書で気付かされるのは、富山の地域メディア各社が情報公開制度を使ってそれぞれ独自の調査・取材を重ね特ダネを抜いたり抜かれたり、しのぎを削りながらも、議員の不正を浮き彫りにし追及する点では連帯して取材している姿である。
 ジャーナリズムの理念などが特に書いてある訳ではないが、若い記者たちの取材への意気込みなどから、ローカルメディアが今、地域にとっていかに重要な役割を担っているのかが実感できる。
 冒頭に「調査報道の教科書」と述べたが、実は一方で、本書を全国の自治体職員や議会関係者にも熟読してほしいと強く期待している。各地で議会改革が叫ばれ、相次いで議会基本条例が制定されたが、形だけに終わっている現状があるだけに、二元代表制である地方議会の在り方、行政との関係などを変えていく起爆剤としても、本書をぜひPRしてほしい。

 さて、この本を読めば実際のニュースや番組が見たくなる。次に、映像DVD付き書籍にして販売できないだろうか。
(岩波書店1800円)
「富山市議はなぜ…」.jpg


posted by JCJ at 14:16 | 出版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月13日

JCJ8月集会:記念講演「監視社会とメディア 共謀罪後の言論の自由とは」

小笠原みどりさん(元朝日新聞社記者、カナダ・クイーンズ大学大学院修士課程在籍)
(2017年8月19日 千代田区・プレスセンターホール)
スノーデン氏にインタビューした小笠原みどりさん。日本における監視社会の深化を警告し、言論領域を少しでも広げるために批判のボトムラインをアップしようと訴える。ジャーナリスト必見の講演。

FmA自由メディア 撮影:吉田・大場・東野 広報:小林・はた
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2017年09月12日

≪ワールド・ウオッチ≫「若い三代目」の冒険心、止まず=伊藤力司

 ひょっとしたら米朝開戦化と心配させた8月危機は寸前で回避された。北朝鮮の独裁者金正恩労働党委員長が、米領グアム周辺へのミサイル発射計画を巡り、(実行するかどうか)「米国の行動をもう少し見守る」と言明したことが15日公表された。

 訪韓中のダンフォード米軍統合参謀本部議長は14日、北朝鮮が本当に挑発行動に出れば「強力な対応」を取ると言明、一触即発の危機だった。
 核・ミサイル開発を進めている北朝鮮の外貨獲得を封じるため国連安保理は5日、厳しい制裁決議を採択した。決議にそって最大の貿易相手国の中国は北の石炭と海産物の輸入を全面禁止、中朝関係は緊迫している。
 06年に北朝鮮が最初の核実験を行って以来、北の核・ミサイル開発は世界的危機の焦点である。先代の独裁者金正男総書記は核・ミサイルを持たない限り、イラクのフセイン、リビアのカダフィのように潰されると信じ、万難を排して核兵器開発を進めた。その遺訓を背負った正恩委員長に核開発を放棄させるのは至難の業だ。

 米朝開戦寸前の危機は23年前にも起きていた。北朝鮮は1993年核不拡散条約(NPT)から脱退、94年に発電用原子炉を利用して原爆開発を進めていたことが暴露された。米朝協議が行き詰まり、時のクリントン米大統領は北朝鮮への軍事攻撃を計画した。しかし38度線から韓国の首都ソウルまでは「長距離砲の射程範囲であり、北の反撃で100万単位の死傷者が出るとの予測から韓国側が開戦に猛反対、在韓米軍も同調した。結局開戦には至らず、カーター元大統領が平壌を訪問して初代の金日成と会談して事を収めた。
 こうした事情は現在も基本的に変わっておらず、米軍当局も本心では開戦に消極的だ。

 トランプ米大統領対金委員長のチキンレース(度胸試し)は、とりあえずかたが付いた。しかし北朝鮮は核開発を断念したわけではない。そういう北朝鮮への制裁を強化する安保理決議が採択されたことは、世界の大勢を示している。
 だが「若い三代目」はまだ冒険心を持ち続けているようだ。朝鮮危機はまだ続くと覚悟すべきだろう。
posted by JCJ at 11:23 | 政治・国際情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月10日

【今週の風考計】9.10─16年目の「9・11」とアウンサンスーチー

<9・11同時多発テロ>から16年─今も米国では、イスラム教徒への暴力・迫害は続き、ヘイトクライムは勃発前の5倍にのぼるという。トランプ大統領は就任してわずか1週間後、1月27日、「テロとの闘い」を名目に、中東7か国からのイスラム教徒の入国を90日間停止、さらに難民は120日間受け入れを停止する大統領令に署名した。その後も、多様な民族との融和を拒む言動が続く。

こうした排他的な動きは、なにもトランプだけではない。いまや世界に広がる。近くはミャンマーでの武力衝突をめぐるアウンサンスーチー国家顧問の態度も、同類と見ていいのではないか。ミャンマー西部ラカイン州に居住する少数派のイスラム教徒・ロヒンギャ族への対応である。迫害されてきた歴史を背景に組織されたロヒンギャ武装集団と政府治安部隊との戦闘で、無辜の住民27万人が隣国のバングラデシュに避難している。にもかかわらずアウンサンスーチーは、ロヒンギャ武装集団という「テロとの闘い」を理由に、住民を保護せず、融和のための対策を取ろうとしない。

同じノーベル平和賞受賞者でパキスタン出身のマララ・ユスフザイさんは、この3日、アウンサンスーチーの積極的な発言を期待し、「世界とロヒンギャ・ムスリムが待っている」と、暗に今の態度を批判した。ロヒンギャ問題に対して、何も対策を取っていないアウンサンスーチーに対し、賞を取り消すよう求めるインターネットの署名サイトも立ち上がり、すでに署名は38万人分を超す。インドネシアでもイスラム教徒がミャンマーへの抗議行動を強めている。世界の厳しい視線がアウンサンスーチーに向けられている。(2017/9/10)


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2017年09月05日

フォトアングル 8月


5面 靖国キャンドル.jpg
「靖国反対」「戦争反対」「合祀反対」「安倍は辞めろ」のシュプレヒコールを挙げるデモ参加者の手にはキャンドルが掲げられている。
 2005年以来12回目の「平和の灯を!ヤスクニの闇へ キャンドル行動」だ。デモ行進は、周囲に多くの右翼が出没して、マイクでがなりたてるのを、機動隊が制止して、もみあうという緊張の中で進み、目的地まで行き、無事解散した。=8月12日、東京都千代田区で、酒井憲太郎撮影
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2017年09月03日

【今週の風考計】9.3─終わっていない朝鮮戦争とミサイル発射

◆9日、北朝鮮は建国69周年を迎える。その日、グアム周辺に向けミサイルを4発、同時発射する計画が取りざたされている。愚かな選択による戦争の勃発は、絶対に避けなければならない。◆こうまで北朝鮮と米国の軍事緊張が続くのは理由がある。根源は、いまだに朝鮮戦争が1953年の「休戦」という形のまま、国連や関係国の間で「停戦」協定が結ばれていないことにある。

◆北朝鮮は米国に対し再三にわたり、休戦協定を平和条約へと前進させ、朝鮮半島の平和を確立するための提案をしてきた。だが64年が過ぎた今も締結されていない。米国は国連軍として朝鮮戦争に参加し、わずか3年の間に、北朝鮮の2百万人を超す人びとを殺害した。◆だが米国は北朝鮮の提案を無視するだけでなく、北朝鮮を敵国扱いし続け、韓国とともに北朝鮮への軍事圧力を強化してきた。しかも日本は当事者ですらないのに、この米韓軍事同盟に同調してきた。さらに日本は、国連に加盟している北朝鮮を、国として認めず、国交も結んでいない。

◆アジア地域の平和を目指すなら、今こそ日本がイニシアチブをとり、朝鮮戦争の「停戦」と平和協定の締結に向け、率先垂範して国連への働きかけを強めるときである。北朝鮮への石油禁輸など、さらなる経済制裁を呼びかけたり、PAC3の配備やミサイル発射3分後に鳴るJアラートに血道をあげ、国民を困惑させたりする前に、日本政府が果たすべき役割があるだろう。◆それはトランプ大統領に「火炎と憤怒」などの好戦的な言動でなく、米国は朝鮮戦争の「停戦」を宣言し、平和協定を締結すると、国連で表明するよう迫ることだ。(2017/9/3)

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2017年08月31日

権力批判記事を掲載し続ける「通販生活」編集人がインタビューに答えた=橋詰雅博

 通販生活は(カタログハウス発行)ユニークな雑誌だ。販売する商品紹介に加えて読み物記事が約250ページの半分を占める。しかも脱原発や安保法制、集団的自衛権行使容認、米軍基地の沖縄一極集中などに反対した記事が目立つ。今年の春・夏・盛夏号では憲法改正の是非を問う国民投票法の問題点に取り組んだ特集を各号で掲載。読み物編集担当編集人の平野裕二さん(51)に3回連続で掲載した狙いなどを聞いた。
   ☆    ☆
――なぜ国民投票法にテーマを絞ったのですか。
 国民投票の実施が近づいていると考えたからです。安倍晋三内閣は、集団的自衛権行使容認を閣議決定して、安保法制を成立させた。これによって南スーダン国連平和維持活動(PKO)に派遣された陸上自衛隊は戦闘に巻き込まれる可能性がある駆け付け警護の新任務を負わされた。現行9条は実質的に改正されてしまったと考えています。その上に自衛隊を憲法九条に明記する改憲案を安倍首相は提示した。これで改憲されたら自衛隊は海外に出て行き戦争する危険性が高まる。通販生活はこれには断固反対の立場です。にもかかわらず国民投票法の中身や問題点を国民の多くは知りません。改憲は国民の生活スタイルや生き方にまで影響を及ぼす一大事です。このため3回続けて特集を組んだ。

スイス取材夏号で

――2007年の国民投票法成立前から特集を掲載していたそうですが……。
 国民投票が法制化されそうだというので、05年に重要な問題を国民投票で決めるスイスに取材に行き夏号で6ページ特集を組んだ。特に有料テレビCMの実態に力を入れた。メディアでは国民投票での有料テレビCMを一番早く扱ったと思う。その後、07年夏号、11年と14年にそれぞれ秋・冬号で掲載した。

――今年夏号で有料テレビCMは、「全面禁止にすべき」と主張していますが、なぜですか。
 投票日14日前以外は、テレビCMは自由ですからお金を持っている側は影響力の強いテレビCMをバンバン流せるが、お金をあまり持っていない側は限られる。資金が潤沢な改憲側が賛成テレビCMを大量に打てば、国民は洗脳されて改憲側が勝ってしまう可能性が高い。負けた護憲側は「金の力に負けた」と思い結果に納得できない。国民の間に分断が生まれます。だから全面禁止と訴えたが、最低でも賛成側と反対側が公平になるようなルールをつくる必要がある。

民放5社に質問書

――国民投票法の付帯決議では、有料広告のルール作りをメディアに求めているが、業界では何か動きがあるのか。
 国民投票成立後に放送事業者の業界団体の日本民間放送連盟(民放連)は「自主・自律による取り組みに委ねられるべき」と声明を出しました。それから10年が経過。編集部は今年3月16日に民放連に自主ルール作りについて問い合わせたところ、番組部は『ルール作りについては社会の動静を見ながら進めるべきだと考えている』と回答してきた。これは夏号に載せました。また、その後、在京の民放キー局5社に有料テレビCMの公平性の確保について『局内で検討されたことがありますか』と質問書を送付。『個別事案について従来からお答えしておりません』と各局ともほぼ同じ文言での横並び拒否回答でした(盛夏号に掲載)。民放連や民放各社に任せていてもルールづくりはなかなか進みません。

改憲は遠のいたか

――「森友」と「加計」の両疑惑などで安倍内閣の支持率が急落、改憲は遠のいたという見方があるが、どう見ているか。
 改憲勢力が衆参両院で3分の2以上を占めている国会の下では、改憲発議ができます。遠のいたとは言えない。安倍首相が退陣しても、自民党政権が続けば、改憲はついて回る。安倍がいなくなったからもういいやと安心はできません。確かに野党が国政選挙で3分1以上の議席を獲得すれば、発議を阻止できる。そうした運動もあるが、改憲反対側が国民投票で勝てるように戦略を立てることも重要。その一つが国民投票における有料テレビCMの規制です。通販生活は今後もこれを記事で主張し続けていきます。

――ところで通販雑誌が反権力的な記事を載せる理由は。
 買い物は暮らしそのものであり、暮らしは政治に直接影響を受けます。戦争に突入したら、真っ先に制限されるのが買い物です。だから憲法や安全保障などの問題を積極的に取り上げるべきだと考えています。カタログハウス創業者・斉藤駿(現相談役)の理念です。

聞き手 橋詰雅博(JCJ事務局長兼機関紙編集長)

通販生活 創刊は1982年。9割以上が定期購読者(定価180円)。60代以上の主婦が購読者の中心で、発行部数は110万〜120万部。年4回発行。

※JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2017年8月25日号
posted by JCJ at 14:38 | Editorial&Column | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月30日

《ネットメディア最新事情》「ショールーム」の投げ銭方式

 スマホの画面の上半分にはアイドルグループ「AKB48」のメンバーが映し出され、視聴者に向かって熱心に話しかけている。画面の下半分は視聴者たちを表す「アバター」と呼ばれる数十個のキャラクターで埋め尽くされ、彼女を応援している。ここは仮想のライブ会場なのだ。
 これは新しいライブ配信サービスとして注目を集める「ショールーム(SHOWROOM)」の画面。アイドルやミュージシャンとして芸能活動をしていきたいと考えている人たちが自分でライブ配信を行って、スマホの前の観客に直接語りかける身近さが特徴だ。「演者」として登録している配信者は15万人以上、視聴者として利用登録している人は100万人以上にのぼるという。

 ショールームのようなライブ動画の配信サービスは現在、ネットでブームになっている。ほかにもニコニコ生放送、ユーチューブライブ、LINEライブ、AbemaTVなど百花繚乱の状態だ。
そんな中でショールームが独特なのは、視聴者が有料のアイテムを購入し、自分が応援したい配信者に寄付する「投げ銭」システムが導入されていることだ。それほど有名ではないアイドルやミュージシャンたちは、路上でパフォーマンスする大道芸人のように視聴者にアピールして、投げ銭を得ることができるのだ。

 運営会社の社長である前田裕二さんは6月、ショールームの創業ストーリーをまとめた著書「人生の勝算」を出した。本の中で前田さんは「あらゆる人が均等にチャンスを得て、投じた努力量に応じて報われ、夢が叶っていく」社会を作っていきたいと記している。
ショールームの特徴である「投げ銭」システムが、ニュースなど他のメディアにも広がっていくのか、注目したい。亀松太郎(ネットジャーナリスト)
『ジャーナリスト』2017年8月25日号への寄稿
posted by JCJ at 15:24 | Editorial&Column | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

《リアル北朝鮮》米国に「正しい選択」求める―落しとしどころ模索

 一触即発の状態が続いていた米朝関係に緊張緩和の兆しが見えてきた。北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が8月14日、朝鮮人民軍戦略軍司令部を視察し、「愚かな米国の行動をもう少し見守る」と述べたと、「労働新聞」15日付が報じた。

 周知のとおり、同戦略軍ではグアム島の周囲にミサイルを撃ち込む計画を検討している。同戦略軍報道官は8日の声明で「グアム島の主な軍事基地を制圧けん制し、米国に警告のシグナルを送るため、中長距離戦略弾道ロケット(ミサイル)『火星12』型でグアム島周辺への包囲射撃を断行する作戦方案を慎重に検討している」と警告していた。最高指導者の金委員長が様子見を表明したことで、「軍事衝突」の危機はひとまず回避されたといえよう。

 金委員長は、「軍事衝突を避けるためには米国がまず正しい選択をして行動で示すべき」だとも述べたとされる。先の戦略軍報道官声明でも、「米国は正しい選択で、明日になって今日を後悔するべきではない」と主張していた。北朝鮮は緊張を高めつつ、落としどころを模索していたと考えられる。

 実際、北朝鮮では15日を前後して「白頭山偉人称賛国際祝典」なるイベントが開催され、外国から多数の人士を招いている。もし本当に戦争が起きると思うなら、外国人客を招いて呑気に祝典など開くはずもない。

 では、北朝鮮が米国に求める「正しい選択」とは何か。短期的には、軍事演習の中止だろう。中期的には朝鮮戦争停戦協定の平和協定への転換。そのための協議を北朝鮮は繰り返し求めてきた。長期的には、体制を認めさせ、国交を正常化することだ。

 北朝鮮の最終目標は米国による「敵視政策」の転換と核攻撃を含む軍事的脅威の清算だ。それがなくならない限り、「核と弾道ロケットを交渉のテーブルに挙げることはあり得ない」(李容浩・北朝鮮外相)。
文 聖姫(研究者・博士[東京大学])
posted by JCJ at 14:32 | Editorial&Column | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする