2025年11月11日

【JCJオンライン講演】高市政権がめざすニッポンの姿・・・自維連立はどうなる 講師:TBSコメンテーター・星浩氏(ジャーナリスト)11月24日(日・祝)午後2時から4時

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■開催趣旨
日本維新の会を引っ張り込んだ自民党の高石早苗自維連立政権の誕生から約1カ月がたった。案の定安全保障分野に入れ込む。台湾有事は「存立危機事態になり得る」と集団的自衛権の行使を明言。防衛費のGDP比2%(11兆円)水準引き上げを27年度から今年度に前倒し、防衛装備品輸出の全面的解禁、原子力潜水艦の保有など軍拡を強化。安保法制3文書のうち防衛力整備計画の前倒しに着手、さらに憲法9条改正の可能性もある。
政治・経済政策では、維新提案の民意を狭まめ、中小政党を潰す衆議院定数削減に取り組む。貧困と格差の拡大が懸念される新自由主義的な経済の復権も予想される。一方、「政治とカネ」の問題は隅に置かれた。右寄り高市政権が思い描く日本はどんな姿なのか。高支持率の勢いに乗り早期解散を断行するのか。多党化時代、自維連立の組み変えもある。肝心の国民の暮らしはどうなる。TBSコメンテーターのジャーナリスト・星浩氏が解説する。

■講演者プロフィール:星 浩さん
1955年福島県生まれ。79年に朝日新聞入社。85年から政治部。首相官邸、自民党、外務省などを担当。ワシントン特派員、特別編集委員などを歴任。2016年に退社し、TBSへ。キャスター、コメンテーターを務める。著書に『自民党幹事長』『官房長官 側近の政治学』『永田町政治の興亡』など。

■zoomにてオンライン 記録動画の配信有り。

■参加費:500円
参加希望の方はPeatix(https://jcjonline1124.peatix.com)で参加費をお支払いください。
 (JCJ会員は参加費無料。office(アットマーク)jcj.gr.jp に支部・部会名を明記の上お申し込み下さい)

■主催:日本ジャーナリスト会議(JCJ)
    03–6272–9781(月水金の13時から17時まで)
      https://jcj.gr.jp/
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2025年11月10日

【NHK会長選】政権の指名する会長候補者をそのまま追認する人事は許さない 11月11日(火)12時〜13時 NHK放送センター西口で街宣=市民とともに歩み自立したNHK会長を求める会

 経営委員会に対しNHK会長選びで政権の干渉排除を求めて、「市民とともに歩み自立したNHK会長を求める会」が街頭宣伝します。

街宣車を西口につけ、ジャーナリスト・斎藤貴男氏やNHKOB・OGによるリレートークを予定しています。NHKに働く人たちにも添付のようなチラシを配布します(下)。みなさんの参加を呼びかけます。YouTubeによる録画配信も予定しています(URLは後日お知らせします)

                                                         
NHKに働く皆さん、
今日は、月2回、火曜日に定例で開催されている経営委員会の開催日です。視聴者・市民の声が、経営委員に直接届くようこの日を選びました。
稲葉NHK会長の任期満了は来年1月24日です。

7月8日に、次の会長を決めるための指名部会が経営委員会の中に設置されました。しかし半年近い議論は形式的で12月初旬に突然会長候補の名前が出てきて決まるのがこれまでの指名部会でした。前回2022年の会長指名をめぐっては「岸田首相が水面下で稲葉氏を口説き落とした」との新聞報道がありました。
私たちは、7月8日経営委員会に「政権の意向を忖度せず透明性のある選考を行うよう強く求める」公開質問状を提出、以下の回答を得ました。「特定の個人や団体の意見に左右されたりすることなく、経営委員会 として自立的・主体的に判断を行う」

私たちは、経営委員会がこの回答を欺くことなく、放送法の精神に則り、権力の介入を許さずNHKの自主自律を貫ける会長を選ぶよう求めます。安倍政権の総務大臣当時「停波発言」で放送局を脅した高市早苗氏が総理大臣になり、NHK会長人事への干渉が危惧されます。会長指名部会の議論を見守ってくださるようNHKに働く皆さんにも訴えます。
                                                         
2025年11月11日 市民とともに歩み自立したNHK会長を求める会 共同代表 河野慎二、丹原美穂、永田浩三 連絡先 長井 暁 090-4050-5019
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2025年11月09日

【おすすめ本】橋本健二『新しい階級社会 最新データが明かす<格差拡大の果て>』━5つの階級に分かれた格差社会の実態を詳細に暴く=栩木 誠(元日経新聞編集委員)

 いまや日本社会の‟代名詞“ともなったのが、1980年代前後から顕在化してきた「格差拡大」である。格差が固定化され「新しい階級社会」が 創出されたのである。
 前著『新・日本の階級社会』で、その実態を描いた著者が、「2020年三大都市圏調査」など、新たな調査データを駆使し、社会的分断が深刻化する「現実」を提示したのが本書である。

 所得や雇用形態などの分析から、現在日本が資本家、新中産、正規労働者など、5つの階級に分かれていることを示す。特に「労働者階級の一部ではあるが、労働者階級としての基本的要件すら欠いているために、極端に貧困で、多くの困難を抱えている人々」を、著者は、「新しい下層階級=アンダークラス」と位置づけ、焦点を当てる。

 日本は米国とともに、相対的貧困率の高い先進国だが、資本主義社会の最下層階級である、「ア ンダークラス」の人数は約890万人、就業人口の13.9%を占める。
 5つの階級構造が形成された要因、固定化しつつある現実、格差を巡る対立構造。男女間格差。 本書は豊富な調査資料・データの丹念な分析を基に、深刻化する日本の現実に切り込んでいるだけに、説得力がある。

 ただ「最大多数である『リベラル』の人々を支持基盤とする野党と『伝統保守』の人々を支持基盤とする自民党を、二大勢力とする政党システムが実現すれば、日本社会は大きく変わるだろう」という、楽観的な結論付けには、やや疑問符が付く。それまでトレースしてきた、格差社会の実相との論理的な落差が、あまりにも大きいからである。(講談社現代新書1200円)
              
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2025年11月08日

【第68回JCJ賞贈賞式】戦争 虐殺 腐敗に迫る

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 日本ジャーナリスト会議(JCJ)は9月27日、東京の全水道会館で戦後80年、JCJ創設70年の第68回2025年JCJ賞贈賞式を開いた。

 今年の大賞受賞者は、 ノンフィクションライタ ーの安田浩一氏。関東大 震災での自警団や在郷軍 人、警察による朝鮮人、 中国人や誤認された日本 人を含めた「虐殺」がな ぜ起きたをテーマに『地 震と虐殺 1923―2 024』(中央公論新社) を著し、日本社会の底流 にある構造的な「差別と 偏見」に迫り、虐殺を煽 った排外主義に警鐘を鳴 らした。

 式では中村梧郎JC J代表委員がこの一年の メディアと政治の在り様 を振り返り、「安保法制 強行採決から10年目、集 団的自衛権は相手国に日 本攻撃の名分を与える。 敵基地攻撃の反撃対象は 日本全土で逃げ場はない。 米中対立の最前線の日本 で、自民が成立を目指し、 参政、維新、国民民主が 同調する『スパイ防止法』 は100年前の治安維持 法の復活で、40年前は廃 案に」。「真偽の検証も ないフェイク報道が投票 にも影響。戦後80年、メ ディアの危うさが指摘さ れている」と開会あいさ つ。「ジャーナリズムと は何か、時の権力といか なる距離をとっているか、 圧力やしがらみから、い かに自由にものを言うか だ。記者魂に期待したい」 と受賞者に語りかけた。

 続く記念講演では「戦 後80年・映画『黒川の女 たち』から伝えたいこと」 と題し、映画を監督した 松原文枝さん(テレビ朝 日)が、戦後70数年間、 黙殺、封印されてきた戦 時の国策で旧満州に渡っ た満蒙開拓団が敗戦で逃 げ場を失い、「団を守る ため」と、身内の女性た ちをソ連兵に差し出し性 暴力にさらした凄惨な事 実を「埋もれさせてはい けない」と声を上げた女 性たちの世代を越えた連 帯、尊厳回復の道筋を紹 介した。

 藤森研JCJ賞選考 委員の講評のあと、JC J賞贈呈が行われた。

 受賞スピーチは、被爆 80年企画「ヒロシマドキ ュメント」の中国新聞社 は水川恭輔編集委員、沖 縄戦80年企画「新しい戦 前にしない」キャンペー ンの琉球新報社は中村万 里子編集委員、鹿児島県 警情報漏洩事件をめぐる 一連の報道の鹿児島テレ ビ放送は前田慎伍ディレ クター、選挙運動費用・ 政治資金を巡る一連の報 道と「選挙費用データベ ース」構築の調査報道グ ループ・フロントライン プレスとスローニュース 社は、高田昌幸フロント ラインプレス代表、デー タベースを構築した安野 修右・日大准教授、熊田 安伸スローニュース社プ ロデューサーの3氏が登 壇。取材の狙いや、受賞 の思いを語った。

 また、特別賞の萩原健 氏は、本を書いた止むに 止まれぬ思いや、ガザ現 地で実際に起きていたこ とを報告し、イスラエル の非人道的行為を批判。

 最後に登壇した大賞 の安田浩一氏は「虐殺は 人間を、地域を、社会を 壊す。これ以上、社会を 壊されてたまるか。差別、 偏見、排外主義は日本人 の問題だ」と強く訴えた。
*1〜4面に掲載のJC J賞贈賞式写真は武馬怜 子が撮影しました。
         JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2025年10月25日号 
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2025年11月07日

【おすすめ本】早川 タダノリ『「日本スゴイ」の時代 カジュアル化するナショナリズム』―事実や真実おし 潰す 情けない国に成り下がる=鈴木 耕(編集者)

 なにしろスゴイ、誰がなんてったってスゴイ、政府が音頭をとって「クールジャパン」を叫べばテレビや雑誌、書籍、時 には新聞までが呼応する官民挙げての「ニッポン万歳」大合唱。
 かくて日本はスゴイ文化、スゴイ技術、スゴイ 風土、スゴイ国民の一億総スゴイ化に向けて驀進中…と思ったら、もはや化けの皮がバレバレで情けない国に成り下がって…と、本書は「日本スゴ イ」の本質をバッサリ斬り捨てる。

 著者の早川さんは、私なら絶対に手にしないような本や資料を集めまくって、「日本スゴイ」の 実態に迫っていく。いやぁ、その姿勢には感服つかまつった。本気で早川さんスゴイ(これは誉め言葉ですよ)。
 でもこれは昔のことじゃない。かつて大流行したテレビでの「日本スゴイ」が底流となって、今 やSNS上に進出し、政治にまで影響を及ぼすようになったから、見過ごすわけにはいかない。

 そう著者に指摘されれば、まさにその通り。真 偽不明のデマ情報が、次々に伝聞形式で、いつの間にか事実(らしきもの)に成り上がる。最近 の選挙戦の様相などを見ていると、ウソとデマとフェイクが入り混じった言説が、事実や真実を押しつぶし、堂々と情報街道のど真ん中を、そこのけそこのけとばかりに、突っ走っているではないですか。

 粗雑な「日本人論」が 結局戦争への道を開いたことを、本書は丁寧に解説する。その上で「日本 スゴイ」論の危うさを教えてくれるのだ。
 今回の自民党総裁選などは、ウソとフェイクとデマの戦争だった。その結果がアレです。ヤバいよ、ほんとうに。私たち は著者の警告を、心して聞かなければならない。(朝日新書 900円)
          
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2025年11月06日

【映画の鏡】核の脅威を伝え続ける人々『はだしのゲンはまだ怒っている』熱く深く浸みわたるメッセージ=伊東良平

 
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                BS12 トゥエルビ

 近年、テレビで放送された番組を映画化する動きが盛んだ。本作も「『はだしのゲン』の熱伝導〜原爆漫画を伝える人々〜」(24年9月放送、BS12スペシャル)の映画化で、不朽の反戦「漫画」誕生から現在を見つめた。

 「はだしのゲン」は6歳で被爆体験した漫画家・故中沢啓治さんの自伝的な作品で代表作だ。73年の連載開始から半世紀、25カ国で翻訳出版され、米で漫画のアカデミー賞と呼ばれるアイズナー賞にも輝いた。だが、日本ではこのところ「描写が過激」「間違った歴史認識」と閲覧制限を求める動きや、図書館から撤去、広島市の教育教材からの削除も起きた。

 「はだしのゲン」の翻訳版の企画し、2年がかりで完成させた編集者の大嶋賢洋さん。講談で40年近くゲンを伝える講談師の神田香織さん。生前の中沢さんから直接体験を聞いた渡部久仁子さんは、あの8月6日の中沢さんの絵を持って案内するフィールドワークに取り組む。

 被爆体験を腹話術で伝え続ける小谷孝子さんは、中沢さんと同じ6歳で被爆した。相棒の人形は3歳で被爆し、亡くなった弟だ。80代の現在も年間50回を超す活動を続ける小谷さんは「次世代へ伝えつづけていくこと、そこから希望が生まれる」と話す。

 映画は核の脅威を伝え続ける人たちの様々な活動を描き、中沢さんが描いたゲンの原爆への怒り、悲しみ、その熱量が広がり浸透した様子を映し出す。
 11月14日より広島サロンシネマ、11月15日よりポレポレ東中野ほか全国順次公開。
        JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2025年10月25日号  
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2025年11月05日

【出版界の動き】読書の秋━<本との出会い>へ各種イベント始まる=出版部会

◆9月期紙の出版物販売額936億5200万円(前年同月比1.8%減)
 その内訳は、書籍597億3100万円(同1.0%増)、雑誌339億2000万円(同6.5%減)。雑誌では月刊誌が同6.9%減、週刊誌が同4.3%減。返品率は書籍が29.3%(同1.6%減)、雑誌は41.2%(同0.9%減)。
 書店店頭での売れ行きは、書籍2%減で、文芸3%増、文庫本ほぼ前年並み、ビジネス書2%増、学参3%減、児童書3%減、新書本7%増。雑誌は定期誌3%減、雑誌扱いコミックス19%減、ムック2%減。
 なお、出版科学研究所による上記の販売金額は取次ルートのみで、近年増加している出版社と書店の直接取引や出版社による直接販売は含まれていない。電子出版市場は1月と7月の年2回発表される。

◆「日刊ゲンダイ」創刊50年 政権批判を恐れぬタブロイド紙
 1975(昭和50)年10月27日に創刊し、このほど50年を迎えた、永久保存版「創刊50周年特別号」を発売した。
「日刊ゲンダイ」といえば一面の長〜い見出し。最近号でも庶民の声を反映し政権批判の<世にもおぞましい短命連立><高市も玉木もろくでなし まともな首相候補はいないのかと庶民の悲鳴><有権者はこの連立に呆然だ>と一面に踊る。ライバルとみなされる「夕刊フジ」は、56年の歴史に幕を閉じ、今年2月6日に休刊したが、「日刊ゲンダイ」は、なぜイエロージャーナリズムが悪い? と意気軒高だ。
 作家の五木寛之さんは、創刊1号から「流されゆく日々」を執筆、10月27日から51年目に入ったことを記念して、漫画家ちばてつや氏と特別対談を行っている。

◆「小学一年生」創刊100年 世相反映した付録の歴史
 1925年に創刊し、今年100周年を迎えた小学館の学習雑誌「小学一年生」。やさしい文章とわかりやすい図解で、子どもたちの学びと好奇心に応え、ピーク時には発行部数128万部を記録した。小学校に入学するピカピカの1年生が読んで楽しい雑誌。毎号、ワクワクするふろく、人気キャラのまんが・パズル、旬の話題など、さまざまなテーマの記事を収載。11月号には創刊&昭和100年━節目記念の付録<組み立て・くろでんわ>をつけている。

◆「オール読物新人賞」休止、藤沢周平ら人気作家を生む
 文芸春秋は、伝統ある公募文学賞「オール読物新人賞」を今年度の第105回で休止すると発表。同賞は優れた短編小説に贈られる文学賞で、1952年の創設。藤沢周平など多くのエンターテインメント系の人気作家を生んだ。
 1962年からはミステリーを対象とした「オール読物推理小説新人賞」も実施し、赤川次郎さんや宮部みゆきさんらを輩出した。2021年の第101回からは、歴史・時代小説に特化した賞になっていた。

◆政府の書店支援の取り組みに対する「評価」70%、期待が募る
 読売新聞社が「秋の読書推進月間」に合わせて実施した、全国世論調査の結果が出た。政府が書店の経営や新たな出店を支援する取り組みを「評価する」と答えた人は70%、「評価しない」の27%を大きく上回った。
 政府は6月、街の書店を地域の重要な文化拠点と位置づけ、減少に歯止めをかける「書店活性化プラン」を公表した。書店の経営効率化を支援し、自治体や図書館を含めた連携を促す取り組み。
 具体的な支援策に関しても、日本の文学作品がもっと世界で知られるよう、外国語への翻訳や海外発信を支援する政府の方針を「評価する」は86%。絵本の知識や読み聞かせの技術を身につけた「絵本専門士」が、子どもの読書活動を推進するために活躍することに「期待する」は87%に上った。

◆「読書の秋の国内最大級イベント」始まる
 「本との新しい出会い、はじまる」をスローガンに今年も「BOOK MEETS NEXT」が始まった。書店が減少し、読書離れが進む時代の中でも、「本が好きな人」をこれまで以上にワクワクさせ、「本との距離感が遠い人」には魅力的な出会いを届けるため、出版業界が一丸となって実施する。今年で4回目を迎える。
 開催期間:2025年10月25日(土)〜11月23日(日) 主なイベントは以下の通り
 BOOKスタンプラリー:全国3千の書店ポスターに表示のQRコードを読み取り、LINEアカウントを友達追加するとスタンプがもらえる。スタンプを貯めると本にちなんだ商品に応募することができる。
 「最強王図鑑」シリーズ店頭フェア:「最強王図鑑」シリーズ(書籍・雑貨)を1冊買うと1枚もらえる。どのデザインが当たるかは引いてのお楽しみ! コレクションしたくなるキラキラカードくじ(全10種、うちレア2種)。配布期間:2025年11月7日(金)〜なくなり次第終了。

◆電通3期連続の赤字見通し━AIで代理店が不要な時代に
 2025年12月期は193億円の最終利益を予想していたものの、660億円もの損失見込みに一転。2023年も赤字の上に、2024年12月期は1922億円もの損失を出していた。その結果、3期連続の赤字見通しとなった。その苦戦の主要な要因はアメリカ事業で、人員削減などに必要な構造改革費用、さらにのれんの減損損失が甚大な影響を与えている。
 アメリカではデジタル広告を中心に広告代理店を通さないインハウス化が進み、その背景にはAIの浸透によって、自前での製作が容易となり、コスト削減へシフトしている。日本の広告業界の未来も暗示しているようだ。
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2025年11月04日

リレー時評】遺族の怒り 裁判所を動かすか=白垣 詔男

 最高裁が「保釈運用議論」を始める。
 10月初め、マスコミが一斉に報じた。私は、「やっと最高裁が動き出すのか、遅きに失する」と思った。それでも、最高裁にしては「人権重視」の姿勢が少しでも前進したのかとも考えた。

 最高裁が「保釈運用論議」のきっかけとなったのは、「大川原化工機えん罪事件」の一連の経緯を考えてのことだとは容易に推測が付く。
 拘留中だった大川原化工機の元顧問・相嶋静夫さんに、がんが見つかったにもかかわらず保釈が認められず、病院での有効な治療が受けられないままに亡くなった。弁護側は8回も保釈申請をしたが裁判所が認めなかった。検察側が「保釈すると証拠隠滅の恐れがある」と主張したのを裁判所は「是」としたためだろう。相島さんは有効な治療をうけられないままに、がんを悪化させた。人権より捜査を優先させた検察とそれを認めた裁判所の犠牲になったとも言える。多くの国民は「人権を認めないこの国の司法はひどい」と痛感したのではないか。相島さんへの深い同情とともに裁判所への憤りの念を強く抱いただろう。

 結局、この「事件」は、大川原化工機の社長らが逮捕・拘留され、検察官による公訴提起が行われ、約11カ月もの間、身体拘束された後、公訴提起から約1年4カ月後、初公判直前の2021年7月30日に検察側が控訴を取り消した。異例の経過をたどった。完全な「えん罪事件」だった。控訴取り消し時には、相島さんは既に亡くなっていた。遺族は、無念というより、大きな憤りを覚えたことは、その後の民事訴訟時の記者会見で訴え、明らかになった。

 もう1つ、私が「裁判所の不当決定」と感じた事例は、福岡市に本部があるニュースサイト「ハンター」に対する鹿児島県警の家宅捜索だ。昨年4月、鹿児島県警は、「ハンター」(中願寺純則代表)の事務所兼自宅を捜索した。数人の警察官が突然やってきて、捜索令状をひらひらさせ、応対に出た中願寺代表に満足に提示もせず、いきなり上がり込んできて強制捜索した。

 メディアに対する捜索は、「取材源の秘匿を脅かす」として、日本ペンクラブや新聞労連が抗議非難する声明を出している。
 この強制捜索も、鹿児島県警が裁判所に「強制捜索令状」を請求したものを裁判所が何の抵抗もなく認めたために鹿児島県警は、その令状を手に、福岡市にやってきたものだ。鹿児島県警は、大手メディアだったら捜索令状を裁判所に請求しただろうか。ここにも、裁判所が、世間の常識よりも警察の請求を認めたことが、「ハンターへの強制捜索」につながった。

 その後の鹿児島県警の一連の対応は、身内に甘く外部に厳しい経過をたどって、今なお「晴れ間」にはほど遠い状態が続いている。「ハンター」に強制捜索令状を認めた裁判所は、どう考えているのだろうか。
        JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2025年10月25日号 
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2025年11月03日

【フォトアングル】安保法制から10年、国会前で抗議集会=9月19日、東京・永田町、伊東良平撮影

  
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 集団的自衛権の行使に踏み込んだ安倍晋三政権の安保法制の強行採決から10年となる9月19日、国会正門前で、「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」など主催の集会が行われた。登壇した日弁連や市民団体、立憲民主党、共産党、社民党の政党幹部らは「武力で平和はつくれない」「憲法違反の戦争法は廃止」を訴えた。市民連合の中野晃一上智大教授は「10年後にまたこうして集まることがないようにがんばろう」と呼び掛け、全員が「諦めないぞ!」のコールで最後をしめくくった。
      JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2025年10月25日号
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2025年11月02日

【お知らせ】「黒い雨裁判から見えてくる被ばくの『封じ込め』」JCJ会員のジャーナリスト・小山美沙さんがオンライン講演 11月13日(木)午後2時から3時20分 

 原子力資料情報室が、連続ウェビナー「原爆投下80年 改めて核/原子力利用と被ばくについて考える」を行います。第2回はジャーナリストの小山美砂さんを招き、長年取材されてきた黒い雨裁判や内部被ばく軽視の問題点やそれらが福島原発事故被害とどう関連してくるのか解説していただきます。また、「被ばく『封じ込め』の正体」や「気象学者 増田善信」などの最新刊に収められている最新の取材情報についても聞くことができる回になると思います。

■日時:11月13日(木)14:00〜15:20
■会場:オンライン(Zoomウェビナー)
■参加費:無料(ご寄付を歓迎いたします cnic.jp/support/donation)
■申し込み:us02web.zoom.us/webinar/register/WN_Mjbb1RvFRgGZV2jvaugulw
■主催:原子力資料情報室
■詳細:https://cnic.jp/63271
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2025年11月01日

【月刊マスコミ評・出版】矛盾と危機が臨界点を超えた自民党政治=荒屋敷 宏

 「とても首班指名で『高市早苗』と書くことはできない」(公明党の斉藤鉄夫代表)。10月10日、筆者が『高市早苗のぶっとび永田町日記』(サンドケー出版局、1995年)を読んでいる最中に自公連立解消のニュースが飛び込んできた。

 自民党総裁選前から極右雑誌の高市氏応援キャンペーンの過熱ぶりは異常だった。『WiLL』11月号の高市早苗氏「日本を強く豊かに 初の女性総理誕生へ!」では、「特に、自民党の選挙公約に『スパイ防止法』の文言が入った意義は大きい」と、統一教会と同じ政策を掲げたことを自画自賛した。『Hanada』では文芸評論家の小川榮太カ氏が「高市早苗戦闘宣言」で「高市早苗よ、政策暴走族として花と散れ」と時代錯誤の檄を飛ばしている。世論と乖離した議論が痛々しい。同誌の公明党前衆議院議員・伊佐進一氏による「自公連立解消!?公明党は高市さんともやっていけます」との太鼓判は何だったのか?

 『サンデー毎日』10月19・26日合併号で倉重篤郎氏は「高市早苗新総裁に3つの壁」として衆参両院での少数与党という壁、トランプ米国の壁、安倍政治がもたらした政治・経済の歪みという壁を鋭く指摘した。しかし、公明党の連立解消という壁はベテラン政治記者の予想を超えていたようだ。
 同誌の鈴木哲夫氏の「とんだ茶番劇だった自民党総裁選 今から始まる多党化戦国時代」の記事が参考になる。「公明から手厚く選挙協力をしてもらっている自民党議員は、公明の意向に沿って林氏に入れた者もいる」(自民党2回生議員)と、公明党は自民党総裁選で林芳正氏を応援していたとの証言がある。
 選挙では自公政権を批判しても、選挙が終わったら自民と組む政治状況が続いてきた。野党がまとまって政権交代をすべきだという声も多くなっている。

 日本共産党の志位和夫議長が『サンデー毎日』で倉重氏のインタビューに答えている。「『戦争国家』の暴走を許さない」との見出しがついているが、安保法制10年をどう総括するか、参院選結果と政治の排外主義化をどう見るか、マルクスブーム再燃の中で資本論から何を学ぶかの三つの問いかけが面白い。「自民政治には大企業・財界中心と対米従属という二つの歪みがあるが、その矛盾と危機が臨界点を超えた状態だ」との志位氏の話に耳を傾けるべき時代になってきたのかもしれない。 
     JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2025年10月25日号
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2025年10月31日

【好書耕読】与那覇恵子『沖縄を「悲しい宿命の島」にするのは誰か?』━沖縄が告発する日本の危機=谷山博史(沖縄対話プロジェクト発起人)

 本書は、沖縄を「宿命の島」にしようとする者たちへの怒りと抵抗の書であり、怒りと抵抗に実証的な肉付けを与える理論の書である。
 この原稿を書いている時、著者から動画が送られてきた。自衛隊の訓練に抗議していた住民を、宮古島駐屯地のトップが恫喝している場面だ。メ ッセージには「かつての沖縄戦前と同じですね。最初は大人しかった軍人が横柄で乱暴に、そして残酷になっていった」とある。

 本書で描く沖縄の空は、厚く重苦しい天蓋に覆われている。天蓋は沖縄の戦前から戦後、現在に至る抑圧と差別の歴史という縦糸と、最近起きた基地関連の事件・事故や対中国の戦争に向けた日米政府の政策と政治決定の数々を横糸にして編まれている。
 その天蓋に向けて振り上げた拳は、天蓋を垂直に貫くもう一本の糸だ。沖縄は「宿命の島」ではないという著者の意思表示であり、沖縄を再び戦場にさせないための行動提起でもある。「序文に代えて」で掲載された詩「沖縄の怒り」で描かれた沖縄の空に向かって振り上げた拳が、そのことを暗喩している。

 本書を読むと冒頭の駐屯地指令の恫喝さえも歴史的、政治的な帰結としての現象だということが分かる。戦後沖縄の歴史にみる差別の構造、改憲問題の歴史的構造、地位協定と日米合同委員会、安倍政権の検証、「台湾有事」論を巡る認識分析などなど、沖縄の「苦しみ」という「弱者」のプリズムを通してこそ見えてくる戦争に向かう日本の実相を丹念に描き出している。

 沖縄の空に突き上げる拳は、ノーモア沖縄戦の会、沖縄対話プロジェクト、南京・沖縄を結ぶ会、ピースボート世界一周の旅での行動に結実されていく。「弱者」をつなぐ対話の実践が示すのは「弱者」といえども無力ではないということである。(コールサック社1700円)
            
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2025年10月29日

【九条の会事務局声明】高市極右政権成立による憲法9条破壊と戦争国家体制づくりに立ち向かおう

 2025 年10月21 日、自民党と維新の会の連立合意を受けて、高市早苗自民党総裁が首相 に指名され、高市内閣が発足しました。「戦後」を根底から覆す極右政権の登場です。
 高市政権は、昨年衆院選での自民党大敗による改憲勢力の3分の2割れと市民の頑張り で停滞を余儀なくされていた明文改憲を、本命の9条改憲を主軸に据えて強行する方針を 打ち出しました。

 自民党と維新の会の連立政権合意に、「憲法9条改正」と「緊急事態条項」 に関する「両党の条文起草協議会」を設置すること、「 緊急事態条項」については「2026 年度中に条文案の国会提出を目指す」こと、「衆参両院の憲法審査会に条文起草委員会を常設する」ことなどを明記したのです。中国を念頭に置いた戦争体制づくりを一層加速するには9条の明文を改変しなければならないという判断による企てです。

 高市政権は、戦争体制づくりのための9条破壊をさらに加速させようとしています。「安 保3文書の前倒し改定」、「反撃能力(敵基地攻撃能力)をもつ長射程ミサイル」の整備、 陸上展開の着実な進展と、「原子力潜水艦」と見られる「次世代動力を活用した潜水艦の保有を推進」するなどの大軍拡のスピードアップを図り、それを支えるべく防衛費のGDP比 2%への増額を2年前倒しし、補正予算で今年度中に実施する方針を打ち出しました。軍需産業の育成を加速するため、「防衛装備移転3原則の運用指針の緩和」、「武器輸出を認める5類型」の撤廃も狙っています。

 いわゆる「スパイ防止」法に関しては、2027 年度末までに「対外情報庁」(仮称)と情報要員養成機関の創設、「インテリジェンス・スパイ防止関連法制」の年内検討開始と早急な成立、内閣情報調査室の「国家情報局」への格上げによって、「スパイ防止」の名目で市民に対する監視体制を強化して、戦争国家体制をより一層固めようとしています。

 こうした憲法破壊の政治をより「迅速に」強行するため、高市政権が衆議院議員の比例定数削減案を臨時国会に提出し成立させようとしていることも見逃せません。少数意見、 少数政党を排除し、民意の国会への反映を妨げる、議会制民主主義を根本から破壊する暴挙です。さらに、高市政権は、選択的夫婦別姓の否定、排外主義を煽る外国人規制強化など憲法で保障される人権をあからさまに否定する政策をも強行しようとしています。

 高市自維政権の登場で、いま、日本の「戦後」、憲法が岐路に立っています。憲法9条に とどまらず、人権、民主主義が危機に晒されています。高市政権の企てに危惧を持つ全ての市民が声を上げましょう。全国各地の市民が一斉に立ち上がり、これに抗する世論を巻き起こし、高市政権の危険な策動を阻止し、はねのけましょう。九条の会もその先頭に立つことを決意します。
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2025年10月28日

【おすすめ本】安田 菜津紀『遺骨と祈り』―不条理が強いられた場所 「踏みつけられる」人びと=川上泰徳(中東ジャーナリスト)

 フォトジャーナリストである著者が、福島、沖縄、パレスチナの3つの場所を巡る6年間の取材記録である。共通するのは「不条理を押しつけられた場所」。

 福島では遺骨を探す男性。地震と津波で父と妻と次女を失い、原発事故で避難する「一時帰宅」の機会に、次女の遺骨を探す。自宅近くで除染廃棄物を集める「中間処理施設」の計画が進む。
 沖縄では沖縄戦の遺骨を収拾するボランティア男性。遺骨捜索は「行動で示す慰霊」と考える。辺野古の米軍基地建設で、遺骨の混じった土砂が使われる懸念を示す。

 福島の男性は沖縄の男性を訪ねる。その後、沖縄の男性が福島に行き、次女の遺骨探しに協力する。同行する著者は「国が命の尊厳を幾重にも踏みつけながら何かを推し進めていく構造はつながっている」と書く。
 著者はパレスチナの取材中に、ガザで知り合った女性と、2023年10月以降、イスラエルの虐殺下、連絡を取り合う。欧州からユダヤ人問題の「解決」を押しつけられたパレスチナがいま「民族浄化」に直面する。
 著者は沖縄、福島、パレスチナの「踏みつけられた」人々の言葉を綴りながら、「痛み」を感じないですむ自分が、特権的な「踏んでいる側」にいるという自覚を語る。

 読了後、戦時中の水没事故で183人が死亡した海底炭鉱「長生炭鉱」で人骨が見つかり、遺族らが国に調査や遺骨収集を求めても、国は応じようとしないニュースに接した。ここにも「踏みつけられた」人々の物語が続いていると、本書のテーマを反芻した。(産業編集センター1600円)
     
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