2017年06月25日

【今週の風考計】6.25─秋の臨時国会に9条改悪の自民党案提出!

安倍首相は、支持率の急落や国民からの批判を受け、急きょ閉会後の記者会見で「指摘があれば真摯に説明責任を果たしていく」と発言した。その舌の根も乾かぬうちに、「加計学園問問題」の疑惑解明に向け、野党4党が申し入れた臨時国会の開催を拒否するテイタラク。まさに嘘のつき放題。都議選では応援の街頭演説に立てず、沖縄戦から72年を迎える<慰霊の日>では翁長知事と眼も合わせられない。だが翌日、「アベ友」の産経新聞が主催する神戸「正論」懇話会の設立記念講演では、安倍首相は「逆風に神戸の空は五月晴れ」と一句を詠み、満面に笑みを浮かべつつ、70分に及ぶ得手勝手な話を繰り広げる。ここで見逃してならないのは、憲法順守の99条など無視のうえ、恐ろしい9条改悪の日程をぶちあげたことだ。「来るべき臨時国会が終わる前に、衆参の憲法審査会に自民党案を提出したい」と述べ、今秋の臨時国会に憲法9条に自衛隊を明記する自民党案を提出し、議論を進めると大号令を発した。東京五輪が開催される2020年には、改正憲法を施行できるよう全力を挙げるという。党内でも9条2項の削除を求めるなど異論が噴出しているのに、ここまで声高に強く出たのは、保守勢力の奮起を促し反転攻勢を仕掛けたいとの思いからだ。しかし都議選で自民党が敗北すれば、党内外からの批判や反発も増殖し、憲法改悪のスケジュールに狂いが生じる。例の安倍首相の焦りからくる体調不良・自滅も否定できない。あまつさえ「加計学園」疑惑への関与を完全否定する安倍首相、居直ったのか「獣医学部の開設は、速やかに全国展開を目指す」とまで発言するにいたっては、もう終わり。憲法9条つぶしのアベ政権は退陣を!(2017/6/25)
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2017年06月18日

【今週の風考計】6.18─国民の疑問を「げすの勘ぐり」という品性

蕎麦の「もり」や「かけ」は、時間がたてば伸びて、口にするのを諦める。それを期待しているかのように、官邸は「森友」や「加計」両学園疑惑の解明に背を向け、隠蔽とごまかしの説明を繰り返す。あげくに「加計学園」獣医学部新設に関し、萩生田官房副長官が計った有利な条件指示は、なかったことにする。問題の内閣府から文科省に送られたメールは、「陰で隠れて本省の方にご注進したようなメール」と、担当大臣が部下の官僚を非難する発言まで飛び出す。とにかく安倍総理に累が及ばないよう、あの手この手で言い逃れの詭弁を弄し、責任のなすりつけすら厭わない。朝日新聞の特報を「怪文書」呼ばわりし、また文科省前事務次官へ、中傷まじりの個人攻撃を重ねる。野党や国民の追求・疑問まで「げすの勘ぐり」と、卑しい言辞を弄す自民党重鎮が現れる始末だ。政治家の品性は低劣を極め、「安倍一強政治」は堕落の一途を示す。150日に及ぶ通常国会で、一つでもまっとうな答弁と議論がされただろうか。南スーダンPKOに派遣された自衛隊の「日報隠し」問題に始まり、森友学園へ破格な安値での国有地払い下げ疑惑、同学園に首相から100万円の寄付があったとの証言、「東北でよかった」発言の今村復興大臣更迭、極めつけは「共謀罪」の審議と強行可決に至るまでの暴挙だ。どれも資料は出さず、質問には答えず、空疎な強弁でごまかし、行政府・官邸が立法府・国会を差配する。議会制民主主義は見るも無残に破壊された。これに手を貸した公明党と日本維新の会の責任は重大だ。(2017/6/18)
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2017年06月11日

【今週の風考計】6.11─『森の回廊』から「日米合同委員会」追及へ

◆先日、〈「日米合同委員会」の正体を暴く〉と題する吉田敏浩さんの講演を聴いた。詳細なレジメと資料が配布され、秘密に包まれた‟影の政府”の実態を明らかにしてくれた。◆米軍の特権を担保する「日米合同委員会」は、1952年の発足以降、すべて密室で行われ、議事録や合意文書は非公開だ。国内法に違反しても、裏マニュアルで米軍に有利に処理する仕組みすらある。国会で審議もできない。◆戦後70年、今もって日本政府は、在日米軍の基地や活動を規制することができず、事実上の治外法権下に置いたままだ。これで真の独立国といえるのか。◆吉田さんはビルマの辺境民族を取材した『森の回廊』(NHK出版)で、1996年に大宅壮一ノンフィクション賞を受賞されている。なぜ彼が「日米合同委員会」をテーマにするのか、貴重な体験を披露してくださった。◆今から27年前、ビルマ(ミャンマー)北部のカチン族を取材する中で、政府軍とカチン独立軍が内戦を繰り広げ、人びとが死や苦難に追いこまれる現実に遭遇。また今も語り継がれる「ジャパン・マジャン」(日本語に直すと「日本戦争」)による悲惨な体験。フィリピンでは「キャプテン・ヨシダ」の部隊が村人を殺した話を聞かされ、「その親戚か?」と詰問された苦い思いがある。◆旧日本軍によるアジア侵略の爪痕を見聞するにつけ、再び日本が他国の人びとを殺傷し、苦しめる事態にしてはいけないと痛感した。「海外派兵して戦争のできる国」にさせないためにも、「日米合同委員会」の追及は欠かせない、という。(2017/6/11)
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2017年06月05日

■06・09 講演&クロストーク《日本の憲法より上にある「日米合同委員会」の正体を暴く》=出版部会6月例会

日本のエリート官僚と在日米軍の幹部が集まり、「日米合同委員会」という名の会議が、毎月2回、開かれている。 その協議は、厚い秘密のベールに包まれたまま。決まった内容は、国会も関与できず、憲法よりも優先される。 1952年の発足以来、日本の主権を侵害し続ける、“影の政府”の実像と権力構造の正体に迫る。

日時:6月9日 (金) 18時15分〜20時50分
会場:YMCAアジア青少年センター3階会議室(東京都千代田区猿楽町 2-5-5 ☎03−3233−0611 JR水道橋駅・東口改札出る)
講演:吉田敏浩(立教大学特任教授)
クロストーク:末浪靖司(ジャーナリスト)&吉田敏浩
資料代:500円(会員・学生300円)

<主催>日本ジャーナリスト会議(JCJ)出版部会
連絡先:電話03-3291-6475 メールアドレス:office@jcj.gr.jp

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2017年06月04日

【今週の風考計】6.4─地球の未来をつぶすトランプの短視眼

オバマ前大統領時の米国を含む世界146カ国の反対を押し切って、トランプ大統領は「ピッツバーグの市民を代表するため」と叫び、「パリ協定」からの離脱を表明した。愚の骨頂としか言いようがない。米国内でも、市長・州知事33人、大学学長80人、企業100社が「パリ協定」実施を目指すグループを結成した。地球温暖化が今のまま進めば、33年後の2050年には海水面が20cmも上昇する。南太平洋に浮かぶキリバス、バヌアツ、ツバルなどの島は国土の大部分が水没し、国が消滅してしまう危機に陥る。さらにエルニーニョによる海水温の上昇は、サンゴの白化を招き、サンゴ礁がはぐくむ海洋生物の連鎖にも甚大な影響が出てくる。海岸へ砂礫を供給する能力も急激に劣化する。ガラパゴス諸島ではゾウガメの雌雄分布・生息にも赤信号がともる。北極や南極でも海氷の減少が深刻だ。氷は太陽の光を跳ね返すが、海水は太陽の熱を吸収してしまう。地球全体の温暖化と比べ、2倍のスピードで温暖化が進む。ホッキョクグマの生息数は、33年後には8千頭、3分の1に減ってしまう。日本でもアサリの採集量(全国)が、この5年間で3万トンから9千トンに激減。浜名湖の潮干狩りは2年続けて中止。これも海水温の上昇でアオサが急繁殖したためといわれる。今週、トランプ大統領のおひざ元・ニューヨークで、国連海洋会議が開催される。5日の世界環境デーと8日の世界海の日に合わせ、地球温暖化を防ぎ、海洋の持続可能性を促進する重要な会議だ。成果を期待したい。(2017/6/4)
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2017年06月03日

暗黙の了解も「共謀」、冤罪増える=守屋龍一

 安倍政権・自公両党と別働隊日本維新の会は、「共謀罪」法案を強行可決。この暴挙を許すな!
 あらためて確認しよう。「共謀罪」法は、犯罪行為の「予備」や「未遂」よりも前の行為を処罰する法律だ。その法でいう「準備行為」とは何か。「組織の変質」は誰が判断するのか。「一般人」に及ばないという規定は、どこにあるのか。
 それらの認定や判断は、全て捜査機関や裁判所に委ねられている。「内心」や「準備行為」を探るには、日常的な監視、メール・LINE の盗み読みが不可欠。さらには逮捕、自白の強要、証拠の捏造すらありうる。「共謀罪」は死刑から懲役4年以上。誰でも「犯罪者」や「死刑囚」になりうる。
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重要さ増す平穏生活権 ネット上の嫌がらせ防ぐ=渡邉知行

 メールなどでの脅迫は「平穏生活権」を侵す。元朝日新聞記者・植村隆さんの名誉棄損訴訟で注目されるこの権利はどのようなものか。成蹊大学法科大学院教授の渡邉知行さんに解説しても らった。

 朝日新聞記者だった植村さんは1991年に従軍慰安婦に関する記事を署名入りで書いた。2013年末には、新聞社を早期退職して大学教授に就任することが内定していた。
 これに対し週刊文春は2014年2月と8月、2回にわたって、植村さんが書いた新聞記事を捏造などと誹謗中傷する記事を掲載した。2月の文春の記事に誘発され、記事を引用し、採用を 取り消すように要求する抗議や脅迫のメールなどが大学に送られた。その結果、採用の契約が解除され、嫌がらせの被害は家族にまで及んだ。
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ナチスを想起、改憲へ東京オリ・パラ利用=大野 晃

 安倍首相が「日本で五輪が開催される2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」と改憲五輪を明言した。東京五輪開催を道具とする改憲は明確な五輪の政治利用宣言である。政治利 用を厳しく糾弾する五輪憲章違反であり、バッハ国際オリンピック委員会(IOC)会長ら幹部が容認しても、結集する世界スポーツ界に不信と非難が広がり、国内向け宣言とはいえ、海外派 兵の改憲だけに国際的影響も大きく、東京五輪ボイコットを生みかねない。
 安倍首相は、「そもそも」(閣議決定によれば「基本的に」の意)大都市再開発五輪を狙い、東日本大震災と福島原発事故の混乱で政権を奪うと五輪招致で福島第1原発の「汚染水はコント ロールされている」と原発事故隠し五輪を意図し、国内向けには復興五輪を表明。原発事故の深刻さと遅々として進まぬ復興の現実が表面化して批判されると、「共謀罪法がなければ五輪を開 催できない」と共謀罪五輪を持ち出し、ついに改憲五輪に及んだ。安倍首相の一貫した五輪の政治利用は明白である。
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2017年05月28日

【今週の風考計】5.28─「豊洲移転の破綻」と都議選の選挙公約

1カ月後となった都議選がヒートアップ、いまや本番さながらの状況だ。自民党の古屋圭司・選挙対策委員長は「東京が混乱すれば国政も混乱に陥る。国政レベルの戦い」と位置づけ総力を挙げる。選挙公約も出そろい、重要な「豊洲市場の移転問題」に関する、各党・会派のスタンスがはっきりした。整理しよう。築地再生・豊洲移転反対─共産党、生活者クラブ。豊洲移転推進・是認─自民党、公明党、日本維新の会、民進党。どちらでもない─都民ファーストの会となる。先日だされた「豊洲市場の無害化はできない」という専門家会議の結論は、いよいよ豊洲移転の破綻が明白となった証拠。基準値の100倍という桁違いの汚染土壌の上に、生鮮食料品を扱う市場を造るなど、常識からして無茶な発想が間違っているのだ。この明白な結論にもかかわらず、奇妙なのは「都民ファーストの会」の態度。築地とも豊洲ともいわず、ダンマリを決めこむ。それでいて豊洲移転推進の公明党とは選挙協力を進める。選挙後の様子見のうえ、どちらに転ぶか決めるというのは、無責任のそしりは免れない。豊洲移転計画を見直し、築地市場を現在地で再整備し、豊洲の建物は市場以外の用途に転用すべきだとの考えを、築地の地元の中央区から無所属で出馬して訴える、気概のある男にエールを送りたい。6月1日から都議会が開かれる。共産党、生活者クラブを先頭に「豊洲市場の移転問題」を、果敢に追及してもらいたい。(2017/5/28)
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2017年05月27日

「中立」を隠れ蓑にするな 世界報道自由デー・フォーラム=鈴木賀津彦

 「ヘイトスピーチとメディアの責任―メディアリテラシーの可能性」をテーマに「世界報道自由デー」フォーラムが5月6日、教育関係者や高校生・大学生、研究者やジャーナリストらが参 加して都内の法政大学市ケ谷キャンパスで開かれた。
 国連が定めた3日の「世界報道自由デー」(World Press Freedom Day)に合わせ、アジア太平洋メディア情報リテラシー教育センター(AMILEC、理事長・坂 本旬法政大教授)が主催して企画。JCJも今回初めて共催に加わって協力した。
 川崎市の在日朝鮮人へのヘイトスピーチ問題の取材を続けている神奈川新聞デジタル編集部編集委員の石橋学さんと、生活保護者に対するヘイトを追っている毎日新聞新潟支局の東海林智さ んがメディア側からの問題点と課題を報告。参加者からの質問を受ける形で議論を深めた。
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阪神支局襲撃事件から30年 樋田毅さん講演 朝日記者ゆえに殺された=廣瀬 功

 87年5月3日、朝日新聞阪神支局が襲撃され、記者2人が散弾銃で殺傷された事件は、発生から今年で30年を迎えた。
 事件と時代状況を改めて問い直し、引き継いで行こうとする集いが4月27日、アジア記者クラブ主催で開かれた。
 会場には、朝日新聞で同事件の取材班キャップとして赤報隊を追い、現在も独自に事件を取材する樋田毅さん(朝日新聞大阪秘書役)が招かれ、事件について語った。
 樋田さんは、襲撃の状況から言えるのは「犯人の明確な殺意だけ。朝日の言論・報道」が標的で、「小尻記者が殺されたのは朝日の記者という以外考えられない」と述べた。
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2017年05月21日

【今週の風考計】5.21─いまや世界が危惧する「共謀罪」を廃案に!

◆「共謀罪」が強行採決された。人の「内心」を探るには、日常的に市民や団体を監視し、メールやSNS・ LINEの盗み読みは不可欠。捜査機関は盗撮、密告奨励、スパイ潜入など、あらゆる手法を使うにきまっている。◆さらには別件で逮捕し、留置場という「代用監獄」で長期勾留、執拗な自白の強要、証拠のねつ造へとエスカレートするだろう。◆ここに一冊の本がある。藤原聡・宮野健男『死刑捏造─松山事件・尊厳をかけた戦いの末に』(筑摩書房)だ。24歳の若者が別件逮捕され、自分の留置場に送りこまれた前科5犯の警察スパイから「自白」をそそのかされ、殺人犯にデッチあげられた。死刑が確定。だが獄中29年の闘いで、証拠とされた血痕が、警察の捏造であるとされ、無罪を勝ちとる軌跡を追うドキュメント。◆共著者の一人・藤原聡さんは「足利事件の無罪といい、袴田事件の冤罪も含め、死刑まで捏造して、無実の人間がズタズタにされる悲劇を繰り返してはならない。今も代用監獄での取り調べ・自白の強要が続き、捜査や刑事司法の在り方が問われている」と言う。さらに無実なのに虚偽自白した事例の研究では「取り調べが6時間を超えると虚偽自白が増える」という報告もある。◆昨年10月に逮捕され、5カ月も長期勾留された沖縄平和運動センターの山城博治議長は、6月中旬にスイスのジュネーブで開かれる国連の人権理事会で、「表現・内心の自由」が侵害されている実態などについて発言する。◆また国連特別報告者ケナタッチ氏は、「共謀罪」がプライバシーや表現の自由を侵す危険を指摘する書簡を、安倍晋三首相宛てに送り、回答を求めている。いまや世界が危惧する「共謀罪」を廃案に追いこもう。(2017/5/21)
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2017年05月19日

【声明】衆議院法務委員会における共謀罪法案の採決強行に抗議する声明=共謀罪法案に反対する法律家団体連絡会(5・19)

 本日,衆院法務委員会において、共謀罪(「テロ等準備罪」)法案を含む組織犯罪処罰法改正案の採決が強行された。来週にも本会議への上程を計画していると伝えられる。私たちは,この 暴挙に対し,満腔の怒りをもって強く抗議する。

 そもそも、刑法は、どの行為が犯罪とされるかを定めているが、裏返せば、犯罪とされずに自由に行動できる範囲を定めているといえる。犯罪とは人の生命や身体自由名誉財産に被害を及ぼ す行為と説明され、法益の侵害又はその現実の危険性が生じて初めて事後的に国家権力が発動されるというシステムは,我々の社会の自由を守るための制度の根幹である。

 約300もの多くの犯罪について共謀の段階から処罰できることとする共謀罪法案は、既遂処罰を基本としてきた我が国の刑法体系を覆し、人々の自由な行動を制限し、国家が市民社会に介 入する際の境界線を、大きく引き下げるものである。

 私たちは沖縄ですでに弾圧の道具に使われている威力業務妨害罪の共謀罪が法案化されていることに警鐘を鳴らしたい。1999年に制定された組織犯罪処罰法によって、組織的威力業務妨 害罪、組織的強要罪、組織的信用毀損罪が作られ、法定刑が長期3年から5年に引き上げられ、廃案となった2003年法案で共謀罪の対象犯罪とされた。

これらの犯罪は、もともと構成要件 があいまいで、労働運動などの弾圧法規として使われてきた問題のある犯罪である。この共謀罪はひとつだけでも治安維持法に匹敵する著しい危険性を持っている。自民党の2007年小委員会案では、これらの犯罪は共謀罪の対象から外されていたのに、これを何が何でも共謀罪の対象としようとしている安倍政権には、市民の異議申し立て活動に対する一網打尽的弾圧の意図を疑わざるを得ない。

(全文を読む)
*日本労働弁護団のHPが開きます。

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2017年05月14日

【今週の風考計】5.14─限りなく不透明な「共謀罪」法案の罪と罰

「共謀罪」法案の強行採決を許すな! 疑問は解明されず、ごまかし答弁の30時間で採決する暴挙に怒りが湧く。「共謀罪」にいう「団体の性格」「準備行為」とは何か。判断するのは誰か。「一般人」に及ばないという根拠は? 疑問は限りない。「共謀罪」で処罰するには準備行為が必要となるが、どんな行為が該当するのか。実は捜査当局の判断・解釈に委ねられる。まず逮捕し、代用監獄で長期拘留のうえ自白の強要、証拠のねつ造など、恣意的な捜査・検挙による事件は、これまでに数多くの事例がある。最近でも、風力発電所の建設に反対する一般市民を警察が監視する大垣事件が起きている。現職の刑事が情報収集を目的に忍びこみ、内容を電力会社に提供していた。このように市民運動がターゲットになりうる。またメールやLINE の盗み読みも進むだろう。いったん「共謀罪」の仕組みを作ると、捜査機関は結果を出そうと、任意捜査から盗聴・密告奨励、挑発など、成績主義に走るのは目に見えている。その結果、さらに冤罪事件が発生しかねない。いまの日本の刑法では、犯罪が成り立つのは「着手したが完遂できなかった」事実が必要となる。「計画」だけでは犯罪にはならない。だが「共謀罪」が成立したら、「未必の故意」の黙示的「共謀」まで含まれてしまう。<森友疑惑>が象徴するように、「空気」「忖度」が行われる日本の社会では、「共謀」の適用範囲が極めて大きくなる危険性をはらんでいる。ところが日本の政治家が関係する犯罪は、なんと「共謀罪」の適用対象から、ちゃんと外されているのだ。(2017/5/14)
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2017年05月07日

【今週の風考計】5.7─「メガソーラー発電」の思わぬ落とし穴

この連休の一日、伊豆高原を旅した際、立ち寄った蕎麦屋の主人から、反対署名への協力を依頼された。伊豆高原・大室山の下にある八幡野地区で、民間企業による大規模なソーラーパネル発電が計画されているのだ。事業面積 100 万m2以上(東京ドーム 20 個分以上)の広大な敷地を所有し、そこに植生する森林の半分を伐採し、ソーラーパネル12 万枚を設置し、最大出力43メガワットを発電するという。とうぜん山肌は露出し、工事中であれ建設後であれ、雨水・土砂などは側を流れる八幡野川に入り、そしてダイビングポイントである八幡野の海に流れこむ。ただでさえ台風や大雨の際には、大量の泥水が流れこむ八幡野川に、このソーラー開発によって、さらなる土砂が流れこめば、高い透明度を誇る城ヶ崎海岸エリアの海は、長期にわたって茶色く濁り、沈んだ泥が、海の生態系に大きな影響を及ぼすのは明らかだ。反対する地元の漁師や住民、ダイバー・環境保護団体などが反対署名や抗議の行動に起ちあがっている。いま自然エネルギーの利用を謳い、大規模なソーラーパネル発電施設が建設・計画されている。だが、この施設は建築物に該当しない。許可なしで建設できる。そのため地域住民には知らされないまま、工事が始められ、「ある日突然ソーラーパネルが並んでいた」という深刻なトラブルが、日本各地で多発している。メガソーラーは20年も経てば機能しなくなり、そのまま設備が放置され廃棄物となる。どう処理するのか。建設・廃棄も含め法規制が必要になっている。(2017/5/7)
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2017年05月02日

戦後は「忘却の平和主義」/憲法9条の講座で朝日・上丸記者=須貝道雄

 戦後日本の平和主義は、戦争を忘れる「忘却の平和主義」だったのではないか――3月26日、東京で開いたJCJジャーナリスト講座「憲法9条を取材する」。朝日新聞で「新聞と9条」 の連載を担当し、『新聞と憲法9条―「自衛」という難題』を著した講師の上丸洋一記者は、戦争責任があいまいにされた戦後を語った。  アジア侵略の実態をジャーナリズムは十分に検証せず、無関心だった。元兵士も元従軍記者も沈黙した。その結果「旧日本軍のイデオロギーが社会の底で連綿として生き残り続けてきた」と 見る。
衆院が排除決議
 旧軍イデオロギーを代表する組織が右派団体の日本会議だ。冒頭で上丸記者はホットな憲法問題として森友学園を取り上げた。
 幼稚園児に戦前の教育勅語を「朕おもうに……」と唱和させ、「安倍首相、がんばれ」と叫ばせる映像がテレビで繰り返し流れた。学園理事長(後に辞任)は日本会議の関係者。この映像の 衝撃は大きく、「日本会議は何を考え、あの人たちはどんな思想なのか。視覚化されて、人々の目に触れた事件」と指摘した。
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文春記事、報道への圧力顕著/報告集会で英誌記者が批判

 元朝日新聞記者の植村隆さん(現・韓国カトリック大学客員教授)が起こした名誉棄損訴訟の第8回口頭弁論が4月12日、東京地裁で開かれた。原告側弁護団は、週刊文春の記事などで植 村さんの「平穏な生活を営む権利」が侵害されたと主張し、名誉棄損に加えて、新たな不法行為として法廷に示した。
脅迫を誘発する
 口頭弁論後の報告集会では、成蹊大学法科大学院の渡邉知行教授が平穏生活権について説明した。具体的には原発事故による放射能汚染で避難した人、米軍横田基地の騒音被害を受けた人な どが、平穏生活権の侵害を訴えてきた。
 今回の植村さんのケースは、西岡力氏が元従軍慰安婦に関する植村さんの記事を「捏造」と中傷し、週刊文春が西岡氏のコメントと、植村さんの就職先大学名などを報じた。その結果、この 記事をもとにした植村さん攻撃がネット上で誘発され、大学へ脅迫状が続き、家族にも死を求める脅迫が届くなど、植村さんを「恐怖のどん底に陥れた」(弁護団)。これらが平穏生活権の侵 害にあたると渡邉教授は話す。
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共謀罪、「横浜事件」をまたも起こすのか=中村梧郎

 東京都中央区銀座一丁目一番地。
 その一画にあるオフィスに細川嘉六夫妻の肖像画が掛かっていた。私にはそんな記憶が鮮明にある。戦後のレッドパージで新聞・通信社から追われたジャーナリストたちが作った組織「国際 事情研究会」。共同通信外信部長でパージされ、後にJCJ副議長となった本田良介氏もそこにいた。細川嘉六氏は研究会の創建を支援していた。
 国際政治学者であった細川氏の論文が戦前の「改造」誌に掲載されると特高は彼を逮捕する。治安維持法第2条「…其ノ目的タル事項ノ実行ニ関シ協議ヲ為シタル者ハ七年以下ノ懲役又ハ禁 錮ニ処ス」で引っ掛けたのだ。協議したわけではない、「民族自決権こそが大事だ」との見解を著しただけであった。逮捕前、編集者らをねぎらおうと細川氏は富山・泊の宿に皆を招き、一献 かたむける。何かの相談などはない。しかしその後「改造」の小野康人氏、「中公」の木村亨氏ら62名が、神奈川県警の特高に逮捕される。これが4人を獄死させた「横浜事件」の発端であ る。政党再建を「共謀」したとされたのだ。
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2017年04月30日

【今週の風考計】4.30─問われる「報道の自由・メディアの責任」

◆70年を迎える憲法記念日の5月3日は、「世界報道自由デー」でもある。「国境なき記者団」が、2017年<報道の自由度ランキング>を発表した。日本は180カ国・地域中で72位。52位のイタリアに抜かれ、主要先進7カ国(G7)では最下位だ。日本は7年前の11位から低下が続く。◆とりわけ安倍政権になってから、メディアへの介入が強まり、かつメディア側での自己規制が進んでいる。さらに安倍政権は「共謀罪」の導入に躍起となっている。内心の自由を侵し、メール・SNSなどが盗み見され、報道や表現の自由が脅かされる。まさに戦前の「治安維持法」の復活だ。許してはならない。◆あらためて「世界報道自由デー」の意義をかみしめたい。この日は、世界中の報道の自由を評価し、メディアの独立を脅かす事態に対抗し、職務中に命を落としたジャーナリストの業績を称える日となっている。◆1987年の朝日新聞阪神支局襲撃事件で記者2人が殺傷されて、ちょうど30年がたつ。一連の事件は2003年に完全時効となったが、いまも真相は闇のままだ。私たちもメディアやジャーナリストへの脅迫・暴力に屈することなく、報道の自由を守るために奮闘したい。◆その一環として、JCJも共催の「ヘイトスペーチとメディアの責任─メディアリテラシーの可能性」をテーマに、シンポジウムが開かれる。6日(土)14:00〜 法政大学市ヶ谷キャンパス・ボアソナードタワー3F マルチメディアスタジオ。ぜひ参加を。(2017/4/30)
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2017年04月26日

イタリア「ジャーナリズム祭」 偽ニュース対処法模索/検証ツール、世界中で開発中=小林恭子

 昨年11月の米大統領選挙をきっかけに、「フェイクニュース」という言葉を頻繁に目にするようになった。
 4月5日から5日間、イタリアのペルージャで開催された「ジャーナリズム祭」では、フェイクニュースの定義や対処法についての議論とともに、中央アジア、トルコ、ロシアなど国家権力 による情報統制の実態を報告するセッションも多く見られた。
「みんなの問題」
 6日午前のセッションで、ソーシャルメディア上のコンテンツの使い方を考える組織「ファースト・ドラフト・ニューズ」のディレクター、クレア・ウオーディー氏は、米大統領選中に金儲 けが目的で嘘のニュースを流したマケドニアの青年たちに限った問題ではない、と述べる。「釣目的の見出しを付けてニュースを発信するメディア、自分が気に入らないニュースを発信するメ ディアを『フェイクニュース』と呼ぶ政治家たち」、情報を共有する人など全員が偽ニュースの生成・拡散に手を貸している、と。「世界的な情報生態圏の危機」に対し、一人一人が行動を起 こすべき、と主張した。

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警察が市民監視 共謀罪先取り大垣事件=加藤 剛

 「警察の市民監視は憲法違反」と主張して岐阜県大垣市の市民4人が大垣警察を管轄する岐阜県に損害賠償を求めた裁判の第1回口頭弁論が3月8日岐阜地方裁判所で開かれた。  事件が共謀罪の先取りとして注目されたこともあって、裁判所前には140人が集まった。
勉強会など監視
 原告は大垣市の養鶏業三輪唯夫さん、寺院住職の松島勢至さん、法律事務所職員船田伸子さん、市民活動家近藤ゆり子さん。事件は7月、朝日新聞の記事で明るみに出た。
 中部電力の子会社シーテックKKが岐阜県大垣市の伊吹山麓に風力発電所の建設を計画、それを知った三輪さん、松島さんら周辺の住民が生活への影響を心配して勉強会や相談会を開いたと ころ大垣警察署が参加者の動向を監視した。
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迷走が目立つトランプ米大統領=伊藤力司

 大統領就任から3カ月、トランプ米大統領の迷走が目立っている。昨年の大統領選挙戦の間にぶちまくっていた重要公約、オバマケア(オバマ前大統領が法制化した医療保険制度)を廃止し て、新しい保険制度を導入するとの方針が米下院で断念された。
 鳴り物入りで発表されたイスラム圏7カ国からの移民の入国禁止の大統領令が、いくつかの州の裁判所で憲法違反と裁定された。この結果、トランプ政権のいわばテロ対策の柱が折れてしま った。アメリカの司法は日本と違って、行政からしっかり独立している。
 内政・外交の重要公約が二つとも瓦解したトランプ政権は4月6日、突如としてシリア北部のアサド政権空軍基地に、地中海の米軍艦船から巡航ミサイル59発の攻撃を加えた。アサド政権 が化学兵器を使って反政府地域住民を殺傷したことに対する懲罰だという。
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2017年04月23日

【今週の風考計】4.23─NPO「げんきな図書館」が撤退した理由

4月、新入生には図書館が身近になる。学校であれ地域であれ、図書館は知的好奇心や情報サービスを充足させてくれる重要な文化施設。その図書館が危機に見舞われている。とりわけ公立図書館が深刻な事態だという。行政が責任を持つのでなく、運営すべてを民間業者に、安い金額で丸投げする指定管理者制度の導入による弊害が生じている。事業者の利益優先・経費削減が進み、低賃金雇用、知識・経験を備えたスタッフの不足、利用者へのサービス欠如、図書選定の偏りなどなど、本来、図書館が果たすべき役割まで放棄する始末。業務委託の場合でも同じ危機が生まれている。「出版ニュース」4月下旬号に、<NPO 法人げんきな図書館が図書館業務からの撤退を決めたわけ>と題する一文が寄せられている。都内の2つの自治体から5つの図書館業務を委託され、13年も続けてきたが撤退やむなしとなった。理由は、ある自治体が図書館10館の一括業務委託を、プロポーザル方式(提案評価方式)で選考し、委託参考価格は約3億円の内容で公募した。しっかり運営するには、まずスタッフ120人(うち責任者45人)が必要となる。最低賃金の保障・社会保険の支払いなどを計算すると、あまりにも参考価格が安すぎる。しかも今後3年間、初年度の額で据え置き、さらに減額もあるとなれば、人材の確保や育成は無理で、負のスパイラルに陥るだけ。「真面目に、やってられない!」のが正直なところだろう。やるとすれば「安かろう悪かろう」のタテマエで、図書館の果たす尊い使命など、そっちのけ。現に委託を勝ち取った民間会社は、驚くほどの低賃金で働かせている。ああ、図書館が泣いている。(2017/4/23)
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2017年04月22日

天皇「退位」問題の本質は何か=梅田正己

 天皇「退位」の問題が、与野党間で政治問題化している。
 昨年8月のテレビ放送による「天皇メッセージ」は国民の多くの共感を呼んだ。翌9月の朝日新聞の世論調査では、退位の「恒久制度化」を求める声が76%に上り、「今の天皇に限り」というのは17%しかなかった。
 この国民世論に従えば、皇室典範の一部を改正するだけでさしたる問題もなかったはずである。
 しかし政府はそうしなかった。有識者会議なるものを設け、専門家からのヒアリングを重ね、なんとか理屈をつけて退位の「恒久制度化」を阻止しようとしてきた。なんで、だろうか。
 根底にあるのは「一世一元」制の問題である。一人の天皇には一つの元号、譲位は死去によってしか行われず、したがって元号もその際にしか改元しないという、この「一世一元」制が、生前譲位を認めれば崩れてしまうということから、政府は手段を尽くしてその実現を阻もうとしているのである。
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2017年04月16日

【今週の風考計】4.16─<武田氏滅亡>の背後に「あの男」がいた

やっと平山雄『武田氏滅亡』(角川選書)を読み終えた。長篠の戦いから滅亡までの7年間を検証した750ページの大作である。圧巻は九章、木曽義昌の離反から1カ月足らずのうちに一気に崩壊していく過程の、そのスリリングな記述に圧倒された。それにしても武田勝頼は、こうも家臣に裏切られていくのか。穴山梅雪といい、小山田信茂といい、彼らの散々な内通や謀反に翻弄され、滝川一益にまで、勝頼は天正10年3月11日の最期を、献上してしまう始末だ。その背後には、ほぼ80日後、明智光秀の謀反による<本能寺の変>で横死する「あの男」がいた。いまに戻ろう。民進党が離党者の続出・離反に、戦々恐々だ。誰が離党するか疑心暗鬼の状態が続く。都議選では、民進党の公認候補36人のうち10人が離党届を提出している。長島昭久衆院議員まで離党届を出す事態では、さらに都議の離党は加速する。「公認候補はゼロになる。お尻に火がついた」と危機感は募り、「もう都議選は崩壊だ」とまで言われる。民進党の応援部隊「連合東京」まで、小池百合子都知事の率いる地域政党「都民ファーストの会」と政策合意し、支援する方針を決めた。公明党に遅れじと、<小池ヒーバー>に便乗しようというのか。民進党は、離反や野合に翻弄されず、本丸に向かって市民との共闘を進めるべきだ。いま国会では「共謀罪」の導入に向け、安倍政権は強行マル出しの審議を仕掛けてきている。桜の下で呵々大笑している「あの男」を、これ以上、喜ばせてはならない。(2017/4/16)
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2017年04月09日

【今週の風考計】4.9─出版界と愛書家を襲う6つの激動の波

★先日、「出版界の動向を予測する」と題した、星野渉(「文化通信」編集長)氏の講演を拝聴した。とりわけ深刻な問題として6つのポイントを挙げ、詳述された内容に衝撃を受けた。★1つは、出版物流の危機である。運転手不足やマージンの低さがネックとなり、書店やコンビニに本を配送できない事態が生まれている。運賃を2倍の要求に、どう取次や出版社が応えるのか、激しい攻防が予測される。★2つはアマゾンが出版社との直接取引で仕入れた書籍をネット販売し、かつ重版未定の本でもプリント・オンデマンドで、1冊から注文に応ずるなど、書籍流通の見直しが起きている。3つは雑誌の電子化・デジタル化が加速し、コンテンツもネットやイベント、通販などと連携したサービス提供にシフトするという。4つは紙媒体のコミックが激減し、電子版コミックが1460億円(前年比+27%)の売り上げ、急速に伸びている。★5つは書店の統廃合が進行する。トーハン・日販の2大取次による書店系列化のあおりを受け、1万4千軒の本屋さんが半減の7千軒になるといわれる。いま日本全国で2割の自治体が、新刊を扱う書店ゼロだ。町の本屋さんは消えるのみ。★6つは出版社のコングロマリット化・再編に向けた動きが顕在化する。KADOKAWAは、所沢市に図書館・美術館・博物館を融合させた文化コンプレックスを建設する。また蔦屋書店などを経営するCCCグループが、徳間書店を子会社化して、CCCの映像・音楽事業と連携した出版物の刊行を手がける。この激動に愛書家の不安は尽きない。(2017/4/9)
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2017年04月07日

正念場迎える日本の報道機関=吉原 功

 「憲法70年の年明けに、『立憲』の理念をより深く」(朝日)、「歴史の転換、日本の針路は、世界とつながってこそ」(毎日)、「反グローバリズムの拡大防げ、トランプ外交への対応が必要だ」(読売)、「揺れる世界と日本、自由主義の旗守り、活力取り戻せ」(日経)「年のはじめに考える、不戦を誇る国であれ」(東京)、「年のはじめに 自ら日本の活路を開こう」(産経)。東京発行5紙の2017年元旦社説タイトルである。
 米国におけるトランプ政権誕生への戸惑い、危機意識という点で共通している。欧州で表面化してきたポピュリズム・大衆迎合主義が更に加速し、世界経済や自由・民主主義という「普遍的」価値が「排外的ナショナリズム」によって崩壊するかもしれないという危機感だ。

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安倍政権「情報隠し」一段と強化 経産省施錠、メディアの抗議を一蹴 国民の「知る権利」損なう=橋詰雅博

 2月末から「情報管理を徹底する」という名目ですべての執務室の扉を日中でも施錠した経済産業省の異様な措置に、取材が規制されると経済産業記者会は撤回を申し入れた。だが世耕弘成大臣は拒否。メディアの要求を一蹴する安倍政権の情報隠し≠ヘひどくなる一方だ。

◇疑問抱く閣僚も

 執務室を施錠したのは経産省が入る本館と、資源エネルギー庁などが入る別館も含まれる。東京・霞が関の中央省庁の中で、全執務室を施錠したのは経産省だけ。前身の通産省時代を含め経産省は民間人も自由に出入りができるオープンな役所だった。それがガラリと変わったのだ。経産省のやり方を疑問視する閣僚もいる。
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底知れぬ「森友」疑惑 幕引き許さない/問われる首相夫妻の責任

 大阪市の学校法人「森友学園」をめぐる疑惑が国政をゆるがす大問題になっている。>
 「森友学園」は、大阪府豊中市の国有地を2016年6月に購入した。目的は、安倍首相夫人の昭恵氏が名誉校長を務めていた私立小学校「瑞穂の國記念小学院」を設立するためだった。

◇気前よく値引き

 驚くべきは、その購入価格だ。売買契約を担当する財務省近畿財務局と土地を保有する国土交通省大阪航空局は、土地の価格を9億5600万円と鑑定していた。ところが土地に埋設された「ゴミの撤去費用」などとして8億1900万円を気前よく値引きし、1億3400万円という破格の安値となったのだ。

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2017年04月06日

激動の朝鮮半島情勢=伊藤力司

 朝鮮半島情勢が激動している。
 2月13日にマレーシアの首都クアラルンプール空港で、金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄金正男氏が毒殺された。3月6日北朝鮮は弾道ミサイル4発を日本海に向け 発射、3発が日本の排他的経済水域(EEZ)に落下した。3月10日韓国の憲法裁判所は、国会で弾劾され職務停止中の朴槿恵大統領を罷免した。
 金正男毒殺事件は化学兵器禁止条約で禁止されているVXガスが使われたこと、マレーシア警察が容疑者と断定した北朝鮮国籍の4人の男が事件後に帰国したことなど から、北朝鮮の独裁者金正恩委員長の命令を受けた国家テロであることは自明の理だ。
 北朝鮮は昨年10月、中距離弾道ミサイルを発射したのを最後に2月中旬まで挑発行為を控え、1月に発足した米トランプ政権との対話を模索していた。3月初めニュ ーヨークで予定されていた米朝非公式協議は、金正男暗殺事件の余波で流れた。毎年行われる米韓合同軍事演習が3月1日に始まったことに対抗して、3月6日のミサイ ル4発発射となった。

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