2017年11月23日

≪おすすめ本≫木下ちがや『ポピュリズムと民意の政治学 3・11以後の民主主義』公共空間で実現してきた民主主義の危険性と可能性を省察する=吉原功(明治学院大学名誉教授)

 タイトルから感じられる予測に反し、本書は重厚な政治学・社会学書であり、腰をすえて読まないと理解に苦しむ。
 しかし社会運動の視点から現代日本の実像に鋭く迫り、私達の社会が抱える危険性と可能性を深く理解するための格好の書となっている。

 著者によれば「ポピュリズム」という言葉には民主主義の「危機」と「機会」の両義が含意される。それは「同じ社会的・経済的・文化的条件から生ずる」からである。
 より具体的には「第二次世界大戦後に作り上げられた社会経済的秩序の収縮、労働のフレキシブル化、生産のアウトソーシングを基軸とした、新たな階級分化とアンダークラスの形成」や「市場原理の席巻による個人主義の台頭」「安定的雇用・家族・コミュニティの崩壞」など、新自由主義が生み出した諸状況が、一方でトランプ米大統領やフランスのマリー・ルペンのような民主主義を危機に陥れるポピュリズムを生みだした。

 その他方で民主主義の「機会」を生むポピュリズムを育み、「抵抗の年」といわれる2011年以降の世界各地で展開された「大規模かつ民衆的な民主主義的政治運動」―エジプト・ムバラク打倒運動、米国のオキュパイ運動やサンダース支持運動などである。

 日本では3・11後の反原発運動、反秘密保護法運動、反安保法制運動など、従来とは異なった運動である。
「これらの運動がみな公共空間における大規模集会を志向し、実現してきたのは、多種多様な人々を『人民の集合体』に結実させ、かつて左翼・リベラル勢力が領有していた公共空間における陣地を奪還するため」と指摘されている。
(大月書店2400円)
「ポピュリズムと…」.png
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2017年11月19日

【今週の風考計】11.19─世界から日本へ、218もの人権改善勧告

国連の人権理事会が、日本の人権状況に関して、約5年ぶり3回目の定期審査を行った。このほど世界106カ国から出された218の勧告が報告書にまとめられた。多かったのが人種や男女差別、性や地域少数者への差別をなくす取り組みへの勧告だった。

特筆すべきは、沖縄の人々の人権や社会権の保障を促す勧告が、初めて盛り込まれたことである。翁長・沖縄県知事が国連で訴えた「基地押し付けの構造的差別や人権侵害」、また山城博治議長の長期拘束への異常さなど、世界が認識したからである。
慰安婦問題では中国や韓国などから「深く謝罪し、被害者に補償せよ」との勧告が出されている。福島第一原発事故に関連して、被災者の命を守る措置を拡大し、子どもが放射線被ばくによって受ける被害の大きさについて、正確な情報を学校教材に記載するよう求めている。

メディアに関連するテーマでは、「報道の自由」が萎縮しないよう、特定秘密保護法の法改正などを求める勧告、また政府によるメディア規制が、放送法4条を恣意的に使って、進められていることが批判され、この放送法第4条の「廃止」とともに、独立した第三者による監督機関の設立を求める提起が米国から出された。
いまやテレビでは安倍政権を代弁するかのようなコメンテーターばかりが重宝され、放送メディアは完全に腰砕け。政権が何も言わなくとも勝手に忖度し、自主規制に走るという体制が完成してしまっている。公権力のウォッチ・ドッグ=監視役としての「報道の自由」が阻害されている。

これらの勧告に、どう日本政府は対応するのか。受け入れるのか否か、来年3月までに態度表明しなければならない。またも木で鼻をくくったような弁明を繰り返せば、物笑いの種になるだけ。(2017/11/19)
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2017年11月18日

《支部リポート》5月末記念総会の記念講演 九州民放OB会と共催=白垣詔男

5面 吉野嘉高さん.jpg
 この数年、福岡支部最大の企画は5月末の定期総会で行う記念講演だ。2011年からは九州民放OB会と共催になった。九州民放OB会は毎月「勉強会」を開いており、それならと5月の勉強会を共催にしてほしいとJCJ側が申し入れて実現させていただいた。民放OBにはJCJ福岡支部会員が多数いるのも交流促進に弾みをつけている。
 2015年、「IS(イスラム国)問題」が世界を揺るがし始め、後藤健二さんら2人が殺された後には、長崎県出身の元長崎放送記者でジャーナリスト常岡浩介さんを、同僚だった民放OBが紹介してくれた。一般公開した結果、百人近くが詰めかけ大盛況だった。
 今年は、九州民放OB会が紹介してくれた筑紫女学園大学教授の吉野嘉高さん。筑紫女学園大学は昨年、日本会議会員が理事長に選ばれたものの選考過程で瑕疵があったとして、教職員から「就任無効」の訴えが起こされ、福岡地裁でそれが認められた。その理事長は就任できず1年間、理事長不在だった。一時は「大阪の森友学園、福岡の筑紫女学園」とも言われたほどだった。
 講師の吉野さんは、1986年にフジテレビ入社、ディレクター、プロデューサー、社会部記者などを務めた後、2009年に退社して筑紫女学園大学で教えるようになった。昨年3月には「フジテレビはなぜ凋落したか」(新潮新書)を出版している。
 吉野さんの演題は「右傾化する教育現場」で、徐々に右傾化する大学の実情などについて話してもらった。吉野さんは、自らに直接圧力がかかるようなことはないが文科省の動きから教育現場が右傾化している危機感を訴えた。また、最大の問題は学生の意識で、スマホなどネットに支配されている学生の日常行動を観察すると、ネット情報を鵜呑みにして自ら考えようとしないことも若者の右傾化につながっていると指摘された。現在、筑紫女学園大学に対する日本会議の影響は感じられないという。
posted by JCJ at 18:44 | Editorial&Column | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月15日

《沖縄リポート》米軍ヘリ墜落抗議集会に200人参加 飛行再開に県民さらなる怒り=浦島悦子

 突然の衆議院選が公示されて2日目の10月11日夕刻、私たちは、沖縄3区の玉城デニー・「オール沖縄」候補の女性集会に参加すべく、名護から沖縄市へとマイクロバスを走らせていた。高速道路が金武町(米軍中部訓練場)に差し掛かると、山肌から黒煙が上がり、米軍ヘリが消火バケツをぶら下げて飛んでいるのが見えた。実弾演習による山火事だ。ほぼ同時に、同乗者のスマホに「米軍ヘリ墜落」の緊急着信が入る。この時点で場所は不明だったが、同時進行の事態にバス内は騒然となった。
 集会で挨拶した玉城氏は、事故が北部訓練場近くの東村高江で発生したことを報告。挨拶後、すぐに高江へ急行した。「米軍ヘリが住宅から200メートルの民間の牧草地で炎上・大破」のニュースと生々しい映像は瞬く間に全島を駆け巡り、昨年12月の名護市安部海岸へのオスプレイ墜落・大破の恐怖もさめやらない県民を震撼させた。
 翌12日朝には衆議院選沖縄1〜4区の「オール沖縄」候補全員が沖縄防衛局に抗議に出向いた。選挙中の事故に安倍晋三首相は異例の迅速な対応を行い、防衛省と外務省が米当局に「原因究明と再発防止の強い申し入れ」を行ったというが、現場では、民間地にもかかわらず米軍が事故後直ちに規制線を敷き、かけつけた翁長知事も東村長も近づくことさえできない。事故を起こしたCH53E大型輸送ヘリは、04年に沖縄国際大学に墜落したCH53Dヘリの後継機で、回転翼にストロンチウム90が使用されており、炎上してベータ線が飛散した可能性があるが、沖縄県は立ち入り調査を拒否された。
 事故を最初に目撃した牧草地の地主・西銘晃さんは内部被爆の懸念に加え、刈り入れ寸前の牧草、近くで飼っている豚の出荷もできなくなるなど生活手段を奪われ、怒り心頭だ。事故現場は県民の飲料水の水がめである福地ダムに近接しており、一歩間違えば給水停止になる可能性もあった。
 15日に北部訓練場メインゲート前で開催された緊急抗議集会には、地元・高江や東村をはじめ全県から200人が参加。口々に「北部訓練場の全面返還」「全基地撤去」を訴えた。しかし米軍は、原因究明もしないまま、18日から同型ヘリの飛行を強行再開。県民のさらなる怒りを買っている。
 
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2017年11月12日

【今週の風考計】11.12─国民の血税を勝手にプレゼントするな!

「税を考える週間」があるとは知らなかった。国税庁は11日から17日までキャンペーンを張る。アクセスしてみると<租税の意義、役割や税務行政の現状について、より深く理解し…、自発的かつ適正に納税義務を履行していただく…>とある。

ちょっと待てよ。確か国税庁トップは、あの佐川宣寿さんではなかったか。国会で「森友問題」をめぐり厳しく追及された財務省理財局長、ご当人である。「森友」への国有地払い下げに関し、「書類や記録は廃棄済み、電子データも復元できない」と公言し続けてきた。
その御仁が栄転し、国税庁長官に就いている。記者会見も開かず、国民に謝罪するどころか、自分は書類を廃棄しておいて、納税者には書類は隠すな!では、誰がまじめに「納税義務を履行して」いけるか。

このほど会計検査院は「森友」への国有地払い下げ6億円の値引きは、過大であったと指摘した。値引きした6億円の損失を血税で穴埋め!冗談じゃない。
安倍首相も同じ穴のムジナだといいたい。トランプ大統領の娘イバンカさんが来日するやいなや、「イバンカ基金に約57億円拠出する」とブチあげた。自分の財布でもないのに、「国民の血税」を使って、勝手にプレゼントする。「いい加減にしてくれ」との声が広がる。

さらに「米国から導入するF35Aや新型迎撃ミサイルに加え、イージス艦の量・質も拡充したいので、さらに武器購入を増やしていく」と、シンゾーはドナルドに尻尾を振る。霞が関も永田町も国民の血税を、なんと心得る!(2017/11/12)
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2017年11月09日

≪おすすめ本≫阿部 岳『ルポ 沖縄 国家の暴力 現場記者が見た「高江165日」の真実』 米軍ヘリパッド建設─反対する住民を暴力で排除する現場で闘う記者魂=鈴木耕(編集者)

 10月11日、沖縄県東村高江区の人家から、わずか300メートル離れた私有地に米軍の大型ヘリが墜落した。この事故を沖縄の記者たちは、どんな思いで受け止めたか? 本書の著者である「沖縄タイムス」の阿部岳記者の心の中は、あの高江だからこそ、煮えくり返らんばかりだったろう。

 那覇からは車で高速道路を使っても、2時間以上かかる沖縄本島北部の静かな村。その中心部から、さらに離れた高江という、わずか150人ほどが住む集落を取り囲むように、6カ所の米軍ヘリパッドが造られた。
 静かな住民の暮らしを根底から破壊するもの以外の何物でもない。しかも、あの危険な欠陥機オスプレイの訓練に使用されることすら、住民には事前に説明されなかった。当然、長い反対運動が始まる。

 沖縄県民でさえ聞いたこともないような僻地での孤独な闘いに、沖縄の記者たちは通いつめる。そしてそこで見たもの、体験したことこそ、初めて目にするほどの異様な「国家の暴力」だった。
 日本全国から投入された機動隊の荒々しさ。記者を拘束し、住民に「土人!」と罵声を浴びせ、抵抗者は逮捕。微罪で5カ月も長期勾留された山城博治さんの事例など、本書は「国家の暴力」そのものを抉りだす。

 私は阿部記者とは少し面識がある。冷静沈着で温和なジャーナリストだ。その著者がこれほど檄した文章を紙面に叩きつけざるを得なかったところに、沖縄の怒りと悲しみが見える。圧政とデマと偏見に抗して闘う記者魂に胸が熱くなる。
(朝日新聞出版1400円)
「沖縄  国家の暴力」.jpg
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2017年11月07日

《ワールドウォッチ》TSの“首都”は陥落したが、テロの脅威は続く=伊藤力司

 2014年6月にイスラム過激派のTS(カリフ制イスラム国)が、シリアとイラクの広範な地域を版図として成立したことが宣言されてから3年4カ月。今年7月にTSが占拠していたイラク第2の都市モスルの解放に次いでこの10月中旬、“首都”ラッカも陥落した。
 これでTSの拠点はほぼ消滅したが「カリフ制国家」のイデオロギーは消滅したわけではなく、これからも世界各地でテロ事件を引き起こす怖れが充分あると専門家は指摘している。カリフとはイスラム教の開祖ムハンマドの「後継者」、かつてイベリア半島から中東、中央アジア、東アジアにまで広がったイスラム大帝国の支配者を意味するアラビア語だ。
 シリア北部に位置するラッカはTSの“首都”とされ、モスルの陥落後もTSのエリート部隊に守られていた。米軍の支援を受けたクルド人とアラブ人の合同部隊「シリア民主軍(SDF)」は、4か月以上に及んだ奪還作戦の末、10月17日にラッカ解放を宣言した。
最盛期の2014年にはシリア北西部のアレッポからイラク国境までの全域を支配する勢いだったTSは、東部デリゾール県の小さな領域だけに追い込まれた。TSは根拠地を失ったわけだが、自爆攻撃やヨーロッパなどでのテロ活動を続ける可能性を失ったわけではない。
 イスラム過激派の政治暴力に詳しい英国の専門家C・ウィンター氏は「TSのイデオロギーはカリフ制国家が消滅した後も長く存続する」と指摘、現代のイスラム過激派は「カリフ制国家」の樹立宣言で、世界中のイスラム教徒に9世紀から16世紀まで中東を支配した「イスラム帝国」へのノスタルジーを掻き立てたと指摘した。
 西欧キリスト教社会で2級市民扱いを受けているイスラム教徒の2世、3世たちが、あちこちで起こすあれこれのテロ事件の遠因は、数世紀に及ぶこうしたイスラム教徒対キリスト教徒の対立関係にある。TSが事実上消滅したからと言って、イスラム教過激派のテロを根絶やしにすることはできない。


posted by JCJ at 17:24 | 政治・国際情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月05日

【今週の風考計】11.5─読書しない高校生へ、この漫画は逃すな!

▼「読書週間」が始まっている。70回目を迎える。だが電車の中はスマホばかり。全員が指操作に夢中の車両もマレではない。▼高校生が本を読まない割合は57.1%、5人中3人が本をまったく読まない事態だ。読書時間が世界1位のインドでは週10.7時間、日本はその半分以下の週4.1時間である。もはや読書習慣すらない。

▼出版界の現状にも反映する。今年の出版物の販売金額は1兆4千億円前後と予測される。 1996年のピーク時の2兆6563億円に比べれば、この20年間で販売額は半減してしまった。加えて雑誌の売り上げは前年比マイナス14.1%に加え、返品率は最悪の40%を続けている。深刻な事態となっている。
▼書店数も半減し1万店を割るのも近い。書店がゼロの自治体・行政区は420にものぼる。全体の2割に及ぶ。町の本屋さんがつぶれているからだ。嘆くだけでは能がない。じゃあ、どうするか。

▼80年前の1937年に刊行された吉野源三郎『君たちはどう生きるか』を、マガジンハウスが漫画化して刊行した。発売して2カ月で33万部の売り上げを示すヒット作になった。いまなお売れ続けている。先月25日に「異例の10万部重版」(8刷)を決めた。8刷分は11月6日から市場に投入される。
▼読み継がれてきた名著を、新しい感覚で一工夫しての刊行が、若い世代にアピールした好例である。はじめから読書が嫌いなのではない。58回を迎える神田古本まつりも、東京・神保町で開かれている。この宝の山から、名著を新たに掘り起こし復活させるのもいい。(2017/11/5)
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2017年11月02日

≪リレー時評≫ ヒトへの汚染放置で再稼働が進む=中村梧郎

 大病院でX線撮影をした。右肺に小さな影があった。医師は「要注意、CTで変化を見る」と言う。肺癌の疑いである。
 私には思い当たるフシがあった。6年前の福島原発爆発のすぐ後に浪江町に入った。道路には地震による地割れが幾筋もあった。それを腹ばいになって撮った。筋目に入っている黄色い綿が呼吸で舞い上がる。後の報道で判ったのだが、その場所は原発から噴出した放射性粒子のプルーム(集合雲)が地表を通過した地点であった。黄色い物体は原発を覆っていた断熱材の粉塵。粒子はそれにも付いている。
 球状粒子はセシウムやウラン、プルトニウムやストロンチウムの混合物である。だが煙のひと粒よりも小さい球体だから目には見えない。吸い込んでも気づかない。
 数ヶ月後に喘息の症状が出た。初めてである。近所の医者は「老人性喘息、お大事に」と薬をくれた。しかし治らない。昼夜を問わぬ咳込みは、あるときピタリと止まった。なぜかは判らない。

 この一件を、X線写真を見た大病院の医師に伝え「内部被曝ではないか」と聞いてみた。しかし答えは「もしも肺の内部にまで影響する被曝があったのなら全身がやられてひどい状態のはず、そうなっていない」だった。
「それは外部被曝の概念ですね、でも、粒子が肺に入れば数ミクロンしか飛ばないアルファ線であっても周辺の何十万個もの細胞が破壊されて発がん要因になりますね」と重ねて尋ねたが回答は無かった。こんな言い合いで治療を拒まれても困るのでそれ以上はやめた。放射線医学で重視されてきたのは外部被曝、という噂は本当だったのかもしれない。
(→続きを読む)
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2017年10月31日

《月間マスコミ評・テレビ》東京MXが“まともな”沖縄報道=隅井孝雄

 東京MXテレビの「ニュース女子」(1月2日放送)が、沖縄の高江ヘリポート建設反対運動を誹謗した“偽ニュース”を流し、問題となって10カ月たった。訂正し謝罪を求める視聴者、市民の抗議行動は今でも続いている。10月12日の「沖縄への偏見放送をゆるさない会」によるMX本社前での抗議行動は24回を数える。テレビや新聞が一切伝えないことは問題だ。おりしも10月11日、高江の集落近くに米軍ヘリが墜落、炎上した。沖縄の人々のへリポート建設反対運動で懸念された危険が現実になったのだ。今回もメディアは「不時着、炎上」と報じた。米軍や政府が「不時着」としたからだ。政府自身が「偽ニュース」の発信源となっている。
 「ニュース女子」は右翼論客を登場させるネット番組で知られる制作会社DHCシアターが作った。親会社のDHCは化粧品、健康食品会社であり、番組スポンサーでもある。DHCは抗議を受けても「反対派の言い分を聞く必要はない」など開き直った。しかし、BPO(放送倫理・番組向上機構)で番組内容の適否や倫理違反の有無について審議が行われている。
 そのMXテレビが沖縄についての報道特別番組を放送した。「沖縄からのメッセージ〜基地・ウチナンチュウの想い」(9月30日放送)は「非武の邦」といわれた琉球王国にさかのぼり、廃藩置県の名のもとの本土併合、第二次大戦の沖縄地上戦、戦後の米軍統治、日本復帰と、歴史をたどりながら、米軍基地の下での沖縄県民の苦悩が描かれた。
 同局の番組審議会が「多角的視点から再取材を求める」としたことから、沖縄の取材経験が豊富なジャーナリスト吉岡攻氏に依頼され、まともな報道番組になった。一部基地容認派のインタビューもあるが、沖縄の現状が浮き彫りにされた。
 しかし沖縄での反基地運動に対する中傷攻撃は続いている。「琉球新報」(10月8日)によればオキラジ(沖縄市)、FM21(浦添市)など5局で放送されている「沖縄防衛情報局」という地域FMの1時間番組が「基地反対闘争の連中が人を襲い、リンチもやる」「中国人や韓国人はうそつきだ」などと放送を続けている。スポンサーは「琉球新報、沖縄タイムスを正す県民・国民の会」、司会はその代表の我那覇真子さんらだ。
 アメリカだけではなく、日本でも横行し始めたフェイク(偽)ニュースに対抗する、真実の報道が求められている。
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2017年10月30日

《編集長EYE》 「防刃チョッキを着て会見に臨んだ」=橋詰雅博

 9月号のこのコラムで前川喜平氏のインタビュー番外編を紹介した。10月号は「番外編2」をお届けする。

 前川氏は5月25日、東京・霞ヶ関の弁護士会館で記者会見を開いた際、代理人の三竿径彦弁護士を同席させた。当初は違う場所で、一人で会見に臨むつもりだったが、その気持ちが変わったのは、22日に読売新聞が報じた「出会い系バー」の記事が原因。これは自分の身を守るために弁護士が必要と思ったそうだ。相談した友人から三竿弁護士を紹介された。

 「電話で代理人になってほしいとお願いしたとき、三竿さんは『相手(安倍晋三首相)が大きすぎる、大きな法律事務所の方がいいのではないか』と躊躇されました。これに対して私は『正義感のあるうってつけの弁護士と友人がほめていましたよ』と答えた。結局、引き受けてくださいました」

 会見当日、三竿弁護士は、自ら購入してきた刃物を通さない防刃チョッキを前川さんに渡し、ワイシャツの下に着るようにと指示した。

 「(暴漢に襲われるなど)万が一のことを考えて用意したのだと思います。会見場はエアコンのスイッチが入っていなかった。防刃チョッキを着たせいもあり顔から汗が噴き出た。記者から質問された出会い系バーについて答える自分の映像をテレビで見たが、汗が流れるシーンを捉えていた。視聴者は『焦っている』という印象を持ったでしょうね。あの会見以降、防刃チョッキは着てきません」

 家族もバックアップした。

 「女房は録画した民放各局のワイドショーを見て、出演していた田崎史郎さん(時事通信社特別解説委員)や山口敬之さん(元TBS記者)はこんなコメントしていたと私に教えてくれました。30代で社会人の2人の息子も協力。特に次男からは私がプレスリリースなどを書いていると、『オヤジ、遺憾を言語道断に直した方がいい』などとアドバイを受けた。息子が文章を直すと全体的に語調が強くなった」

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2017年10月25日号
posted by JCJ at 12:44 | Editorial&Column | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月29日

都有地を五輪選手村用に投げ売り 「都政版森友疑惑」裁判11月17日第1回口頭弁論=橋詰雅博

 東京五輪・パラリンピック選手村建設用地を巡り注目すべき訴訟の第1回口頭弁論が11月17日、東京地裁で開かれる。この裁判は、中央区晴海5丁目の都有地(13・4f)を市場価格の10分の1で、選手村を建てるデベロッパー11社に不当に安く売却したとして、都を相手取り、都民33人が小池百合子知事や舛添要一前都知事、建設業者らに差額分約1209億円を請求するように求めたものだ。国が国有地を約8億円値引きして森友学園に売却した森友疑惑の「都政版」とも言える。都が棄却した住民監査請求に続き裁判でも原告側代理人を務める淵脇みどり弁護士(59)に聞いた。

都が「一人3役」

――監査請求の結論で監視委員の「意見」が付けられていたが、異例ではないか。
 住民監査請求の結論は、行政担当者の反論を追認するケースがほとんどだが、今回、意見が付されたのは異例だと思う。その意見は〈再開発法に基づき、都が地権者、施行者、認可権者の3つの役割を併せ持つことにより土地処分を巡る手続きが,中立的かつ公正な監視や牽制の下で行われないとの懸念を生む状況が生じた〉と指摘。さらに〈今後、重要な決定に当たり、専門家の意見を十分に聞くなどの内部牽制体制を強化し、細やかな対外説明を行うなどにより、これまで以上の透明性の確保に努められたい〉と強調している。
 これは請求棄却と明らかに矛盾しているが、この問題の核心を衝いている。裏を返せば、ひどい形で本件が進んでいるのです。

 ――都のような「1人3役」による市街地再開発事業はほかの自治体であるのか。
 監査委員が聞いた都都市整備局担当者の説明が監査結果に述べられている。自治体が個人の地権者として個人施行の再開発事業を行った事例は5件あるが、都のような「1人3役」の事例はなく、極めて異常であることが鮮明になった。本来の市街地再開発事業の目的や仕組みなどから大きく逸脱している。実態は都による更地の直接売買であり、しかも適正価格の10分の1という廉価でデベロッパー11社に売却した。

背景に官民癒着

――都が東京ドーム3個分にあたる土地を投げ売りした理由は。
 再開発事業の手法を悪用したこんな頭のいいやり方を都だけで考えたわけではないと思う。デベロッパー11社のうち7社に都幹部12人が天下りしている。今回の事業だけでなく、都と民間業者の癒着が恒常的にあるのではないか。デベロッパーにとって再開発事業は建築物の容積率アップの実現や公に地上げができて、自治体から補助金も受け取れ、建てたマンションなどを売却(東京五輪の場合、終了後に選手村にマンションなどが建てられ、デベロッパーが販売)できる。おいしい話です。再開発事業では行政と民間業者は密接な関係になっている。

――そもそも都民が被るデメリットは何か。
 仮に1209億円を回収できれば、都の予算に組み入れられ、福祉や教育などの分野にお金が回され充実する可能性がある。しかし、本来、回収できるお金を回収しないので、財政面で損害が発生し、結局、納税者への公共サービスなどの低下につながる。本件は、国有地を8億円値引きして売った「森友疑惑」と同じ構図です。

聞き手 橋詰雅博
    ☆        ☆
 「都政版森友疑惑」裁判の第1回口頭弁論は11月17日(金)、13時30分から東京地裁419号法廷で開かれる。傍聴に参集を。

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2017年10月25日号
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【今週の風考計】10.29─ジャーナリスト殺害事件と「産経抄」

去る16日、マルタ島の女性記者ダフネ・カルアナガリチアさんが、移動中の車ごと爆殺された。彼女はタックスヘイブンに関わる「パナマ文書」の調査報道に参加していた。また同国ムスカット首相の妻が、パナマに会社を設け資産を隠していた経緯も追求していた。

この事件を、なんと19日の産経新聞1面コラム「産経抄」が、「日本の新聞記者でよかった、と思わずにはいられない」と書いた。江川紹子さんは、ツイッターで「人でなし、とはこんなものを書く人のことを言うのだろう。人の無残な死を、同業の者として、まずは悼むということが、せめてできないのだろうか」と。同感。

24日、ジャーナリストの伊藤詩織さんが会見し、同業ジャーナリストが自分に加えた性暴力被害の実態を明かし、日本の司法・社会システムのありかたについて課題を提起した。

ジャーナリストへの脅しや殺害の脅迫、そして暴力は世界中に広がっている。この10年だけでも800人近くが死亡している。7割近くは「銃撃戦や危険な取材活動によって命を落としたのではなく、むしろ政府の腐敗、犯罪、麻薬取引、反体制派の活動を取材した報道内容に対する<報復>として殺害されている」という。かつ犯人は見つからず、見つかっても処罰されず、放置されている。
こうした事態を解決するため、国連は11月2日を「ジャーナリストへの犯罪に対し、不処罰をなくす国際デー」と宣言。今年は4年目となる。世界各地のジャーナリストに安全な環境を整備し、表現の自由を守り人権を前進させ、民主主義を強めるアクションプランを展開している。「産経抄」の筆者も煎じて飲むとよい。(2017/10/29)
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2017年10月28日

文科省前事務次官・前川喜平氏インタビュー続報 公僕は「官邸権力」の下僕にあらず=橋詰雅博

 前文部科学省事務次官の前川喜平氏(62)は9月初旬、本紙インタビューに答えた。安倍晋三首相を告発した彼の動機とメディア分析を9月号に掲載。以下は前川氏インタビューの続報だ。


――権力にベッタリの読売新聞と産経新聞、忖度が目立つNHKは変われるか。
読売にも心ある記者はいるはずだし、産経だってこのままでいいのかと思う記者はいるだろう。ただ、産経までいくと、内部からひっくり返すのはムリで、外部から包囲して影響力を弱めるしかない。読売はまだ内部から改革できる可能性が残っている。(読売新聞グループ本社会長・主筆の)渡邉恒雄氏の生物学的な生命はそろそろ終わり。重しがなくなれば変わるのではないか。

現役職員、苦しい思い
NHKは上田良一氏が、会長に就任してから変わった。少し風通しがよくなった。『クローズアップ現代+』は独占入手の加計学園新文書(〈官邸は絶対やると言っている〉などと記された文書で、萩生田光一官房副長官が文科省担当者に指示したとされる)を6月19日に放送した。その際、出演した社会部記者と政治部記者が全く違うコメントをしていて、かなり面白い状況だった。それ自体がNHK内部の葛藤をあらわしている。前は独自に報じることすら出来なかったわけですから。「政治部記者も出て、官邸寄りのコメントをするなら放送していい」と上層部がOKしたのだと思う。社会部がそこまで押し返している。

各メディアの中で良心のある記者が権力監視というジャーナリズムの使命感を持ち、それぞれの組織で改革を求める動きに期待したい。

――前川氏の告発によって官界の空気は変わったか。
文科省は大変な混乱状況に陥ったと思う。「あいつが漏らした」とか「あの人がチクッた」など職員は疑心暗鬼に。私は国民に対して正しいことをしたが、文科省の現役職員に苦しい思いをさせて、申し訳ないと思っている。ただし、苦しみもせず、唯々諾々とゆがんだ行政をそのままにしていたら、それこそ大問題です。将来的にそのことで悩む人も出てくる。

息苦しさから解放
霞ヶ関の国家公務員の間に息苦しさから少し解放されたという空気が出てきた。政治家にひどいことを言われたら、国民にお知らせすればいいんだという感じです。古い役人道≠ゥらいえば、ご主人さまを裏切ることになる。バカ殿でも命をかけて守るという儒教的倫理が今でも官界に少し残っている。だけどそうじゃない。本当の殿は国民ですから。
 
公務員であっても、その前に一人の個人。個人として思想や信条、良心がなければおかしい。自分自身の考えがあるはず。だが、その考え通りに仕事ができる保障は全くない。私も意に反する仕事をずいぶんさせられた。第一次安倍政権下での2006年、(愛国心を打ち出した)教育基本法の改正なんかしたくなかった。しかし、自分の意思や良心を捨ててはダメ。個人の尊厳を忘れてはならない。
 
公僕は国民に仕える身だが、自分自身も国民の一人であり、主権者であることを認識すべきです。そうでないと国民の立場で仕事ができない。公僕は一部の奉仕者つまり官邸権力≠フ下僕ではありません。一国民としてどうかという視点を失わないこと。「個人の尊厳」と「国民主権」の自覚を持つことは、公務員全体に必要です。

そうなれば、公務員が政界を監視でき、権力を握る政治家も勝手な振る舞いができにくくなる。もしもやりたい放題やったら官僚の反乱が起ることが(私の告発で)分かったと思う。

国民を欺いてきた

――国会で「記録は破棄」と答弁し、安倍首相夫妻をかばい理財局長から出世した佐川宣寿国税庁長官をどう思うか。
役人は国会での答弁を多かれ少なかれ訓練する。私も心にもない答弁を行ってきている。国民を欺いてきた。それはともかくとして、彼はやはり知っていることをしゃべった方がいい。彼にとって国税庁長官は上がりのポスト=B辞めた後「実は8億円の値引きはさるところから言われ、地下に埋もれたゴミがあることにして、予定通り1億3000万円で国有地を売った」と話したらどうですか。気持ちがラクになる。現在、本人は相当に苦しんでいるのではないか。

――加計学園の獣医学部設置は認められるのか。
文科省の方針はこうです。獣医学部新設を審査する文科省の大学設置・学校法人審議会は、学校教育体系に基づく既存の設置基準に照らして認可するかどうか決める。国家戦略特区諮問会議(議長・安倍晋三首相)で決定した戦略特区での加計学園の獣医学部新設については既存の設置基準から外れているので審査事項ではない。私は国民が注視している間に、諮問会議による再検証を行う必要があると思うが、認可されるでしょう。来年4月に開学する可能性は高い。

「柳に雪折れ無し」

――なぜ「面従腹背」を座右の銘にしたのですか。
権力者に意見を言って、受け入れてくれなければ仕方がないというのが役人の宿命です。そういう経験を積んで、だんだんと面従腹背になり、生き方としてしなやかさが備わった。「柳に雪折れ無し」ということわざがある。雪が積もっても柳はポキンと折れずに曲がり、やがて元に戻る。そんなやり方をして組織の中で生きのびてきた。確かに一般的に言葉のイメージは悪いが、面従腹背のおかげで、とくに役人の最後の頃は、教育機会確保法(不登校の子どもたちを対象としたフリースクールへの支援や自治体による夜間中学の設置など)の成立など国民のためになる仕事に多く巡り合えた。

学習ボランティア

――今、どんな活動をしていますか。
退職後の2月から福島市の「自主夜間中学」(義務教育未修学者や外国人などに教える学習支援組織で、市民団体などが運営)と厚木市の自主夜間中学で勉強を教えるボランティアをしています。厚木では学校に行けず読み書きがほとんどできない80歳近い男性に小学校低学年レベルの国語を教えている。この人、よく生きてこられたなと思います。また、高校中退者の学習支援を行うことも考えている。
 
文科省はこうした人たちがいることを分かっていながら全体から見れば、はしっこの問題だと、見て見ぬふりしてきた。私自身、罪の意識を感じている。置き去りになった人に対して基本的人権の基盤とも言える「学習権」があることを伝えていきたい。

聞き手 橋詰雅博 (JCJ事務局長兼機関紙編集長)

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2017年10月25日号
posted by JCJ at 15:53 | Editorial&Column | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月26日

【映画の鏡】ホロコーストを家族の目から「ブルーム・オブ・イエスタディ」親衛隊と被害者、男女の孫の邂逅 = 今井 潤

 7面 main.png  ホロコースト研究所に勤めるトトはナチスの親衛隊だった祖父を告発した著書が世間から評価された。そして2年かかって企画している「アウシュヴィッツ会議」の開催準備に取りくんでいるが、すぐに感情的になる性格から、新たに責任者になったバルタザールに殴りかかり、問題を起こした。
 そこへ、フランスからインターンのザジを迎える。彼女は迎えの車がベンツと知ると怒り、ユダヤ人の祖母がベンツのガストラックでナチスに殺されたとトトに食ってかかる。
 「アウシュヴィッツ会議」のスポンサー探しのためにトトとザジはホロコーストの生還者である女優のルビンシュタインに会うことを命じられるが、ここでもトトが女優を怒らせてしまう。彼女は会議のスポンサーを降りてスピーチもやめると言いだし「被害者の苦しみより人生の成功話をしたいわ」というのに腹をたてて、「あの悲劇がわかっていない」と暴言を吐いてしまったのだ。
 思わぬ展開から、二人はかつてナチスに支配されたラトビアのリガへ向かう。このリガのギムナジウム(学校)でトトとナジの祖父母は同級生だったことがわかったのだ。映画は殺された者と殺した者との和解が成り立つのかを問う。
 監督のクリス・クラウスはホロコーストについて沢山語られてきたが、誰もそれを自分の家族のこととして考えていない。戦争における犯罪の再検証はもういい。それよりも今を生きる我々がどう前向きに生きるか、それが映画の果たすべき社会的役割でもあるのだと語っている。(9月30日より渋谷ル・シネマで公開) 
posted by JCJ at 14:31 | 映画の鏡 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月24日

≪お知らせ≫ 10月27日 JCJ出版部会・講演会のご案内

日本はどこまで右傾化するのか
「安倍政権と9条つぶし」─その源流を追う


戦後72年、ついに安倍政権は、憲法9条をつぶし、
日本を「戦争する国」へと駆り立てる道に踏みこんだ!
どうして、こんな事態になってしまったのか!?
戦前回帰というウルトラ右翼の母胎である
「日本ナショナリズム」の源流に分け入り、
右傾化へ拍車をかけてきた影のプロセスを明かす。


講師: 梅田正己
日時: 10月27日 (金)18時30分開会(18時15分開場)
場所: YMCAアジア青少年センター 3階会議室
東京都千代田区猿楽町 2-5-5 Tel03-3233-0611
JR水道橋駅・東口改札を出て白山通りを右へ進む。「居酒屋和民」前の交差点を左に渡る。その道を真っ直ぐに入る。神田女学園に突き当たり横の路地を右へ。
地図
参加費:800円(会員・学生500円)

梅田正己 (うめだ・まさき):1936年生まれ。書籍編集者を経て、高文研前代表。歴史学者、ジャーナリスト。著書に『これだけは知っておきたい・近代日本の戦争』『「非戦の国」が崩れゆく』『「市民の時代」の教育を求めて』『日本ナショナリズムの歴史・全4巻』(以上、高文研)、『この国のゆくえ』(岩波ジュニア新書)など著書多数。

《主催》 日本ジャーナリスト会議(JCJ)出版部会
〒101-0051千代田区神田神保町1-18-1 千国屋ビル402号
03-3291-6475 fax03-3291-6478 メールアドレス:office@jcj.gr.jp

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2017年10月22日

【今週の風考計】10.22─没後80年の中原中也と<私はもう、嘘をつく心には倦き果てた!>

22日は、詩人・中原中也が没して80年。そして今年、生誕110年になる。青春の切なさや人生の悲しみを詠む詩が多い。<思へば遠く来たもんだ 十二の冬のあの夕べ…>を始め、<汚れつちまつた悲しみに…>など、今でも口ずさむ。自分の悲しみと響き合い、ひたひたと心に染みてくる。

だが忘れてならないのは、死の前年に起きた2・26事件や戦争へと傾斜するキナ臭い世相に、オノマトペや擬態語を混ぜ込みながら、「時代に抗する道化の精神」を、詩に結晶させてきた中也の感性である。佐々木幹郎『中原中也』(岩波新書)を読んで教えられた。

「嘘つきに」と題された詩がある。<私はもう、嘘をつく心には倦きはてた。/なんにも慈むことがなく、うすっぺらな心をもち、/そのくせビクビクしながら、面白半分ばかりして、/それにまことしやかな理窟をつける。…私はもう、嘘をつく心には倦き果てた!>─オッと待って、これは中也の自戒じゃない。当時の軍と議会の馴れ合いがはびこる世相に向けた痛烈なプロテストだ。そう捉えたい。

さて今の日本、何が起きているか。神戸製鋼では自社製品の品質保証データを改ざんし、日産自動車では安全点検の不正、116万台のリコールという前代未聞の事件が起きている。東芝の粉飾会計から商工中金の不正融資まで、まさに嘘のカタマリじゃないか。いやいや永田町・安倍政権が進める国会運営も、嘘と詭弁とごまかしのオンパレード。PKO日報隠し、「森友・加計」疑惑、出した資料はすべてスミヌリ、一つも明らかになっていない。まさに政官財の嘘つきトライアングル。本当に<嘘をつく心には倦き果てた!> (2017/10/22)
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2017年10月19日

10月21日ジャーナリスト講座開催=テレビの仕事とは何か・須貝

JCJジャーナリスト講座のご案内
新聞やテレビの 第一線の記者らからリアルな「現場」の話を聞き、取材の方法などを学びます。メディアの世界を目指す人たちの参加をお待ちしています。
★10月21 午後1 時半から5 時まで★
「テレビの仕事とは何か」
講師:NHK編成局チーフプロデューサー・日置一太さん

会場:日比谷図書文化館4階小ホール =参加費1000円
テレビ局ではどのような仕事をするのか。活字とは異なる映像メディアの面白さと難しさ、その特徴を語っていただきます。
◇要予約:受講ご希望の方はメールで、氏名、連絡先の電話番号、メールアドレス、受講希望日を明記し、電話またはファクスでお申し込みください。
電話03・3291・6475=月水金の午後
ファクス:03・3291・6478
主催:日本ジャーナリスト会議

【講師のご紹介】日置一太さん
NHK編成局チーフプロデューサー。1987年早稲田大学法学部卒、NHK入局、報道番組部、スペシャル番組センターを経て、編成局コンテンツ開発センタ-
チーフプロデューサー。おもにNHKスペシャルなどの特集番組を担当し、中東、アフリカ、南米などの第三世界を舞台にした紛争や平和構築をテーマとしたドキュメンタリーを制作。福島第一原発事故以降は、放射能汚染の調査報道も手がけてきた。2009
年から、明治学院大学国際平和研究所研究員。
会場の案内◆日比谷図書文化館所在地:東京都千代田区日比谷公園1−4
最寄りは地下鉄内幸町駅か霞ヶ関駅
このジャーナリスト講座は12月以降も順次開催していきます。
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2017年10月17日

 ≪沖縄リポート≫米元軍人会の平和活動に注目

稲嶺市長、新基地問題に終止符を打つ
 8月21日(現地時間)、米国から朗報がもたらされた。辺野古新基地建設が日本の天然記念物であるジュゴンに悪影響を与え、米国の国家歴史保存法(NHPA)に違反するとして、地元住民や日米の自然保護団体が米国防総省を訴えた「ジュゴン訴訟」(2003年提訴)で、サンフランシスコ連邦高裁が、原告の訴えを棄却した一審判決を破棄し、同連邦地裁に差し戻す判決を下したのだ。

 NHPAは、自国のみならず他国の天然記念物も適用の対象としているが、一審判決は「裁判所は工事中止を命じる権限がない」としていた。連邦地裁が「工事は政治問題ではない」という原告の主張を認めたことで、今後、連邦地裁での実質審理に入る。23日付『琉球新報』は「国防と環境保護を比べた場合でも、司法は環境保護に積極的な姿勢を見せる米国においては、差し戻し審で工事差し止めの可能性は十分残る」と報じた。

 米国に本部を持つ「平和を求める元軍人の会(VFP)」の活動も注目される。8月9〜13日までシカゴで開催された第32回VFP全国大会に参加したVFP‐ROCK(琉球沖縄国際支部)は9月9日、沖縄国際大学でその報告集会を行い、同全国大会で、VFP‐ROCKが提案した「沖縄を平和の要石に(普天間基地の閉鎖、辺野古新基地建設の中止、高江の森の原状回復、オスプレイの沖縄からの撤去を米国政府に求める)」議案、およびVFP‐Japanと共同提案した「朝鮮民主主義人民共和国と友好条約を結ぶよう米国政府に求める」議案が圧倒的賛成で採択されたと報告した。VFPメンバーはこれまでも辺野古や高江の座り込みなど沖縄の平和運動に参加し、県民に勇気を与えているが、今年12月にも訪沖を予定している。

 一方、辺野古新基地建設計画の地元・名護では8月23日、稲嶺進名護市長が来年2月4日の投開票の名護市長選挙への三選出馬表明記者会見を行った。会場からあふれるほど集まった市民にかこまれながら、稲嶺氏は「あらゆる権限と手段を行使し、翁長県政と力を合わせて辺野古新基地建設問題に終止符を打つ覚悟」と、「50年後の名護市を見据えた市政運営」を強調した。

 来年11月は沖縄県知事選、沖縄(ひいては日本)の未来を左右する選挙戦がいよいよ始まる
浦島悦子
posted by JCJ at 17:54 | 政治・国際情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月15日

【今週の風考計】10.15─炎上CH53Eヘリとストロンチウム90

◆沖縄県東村の私有牧草地に墜落し、大破・炎上した米軍ヘリコプターは、6月に久米島空港へ緊急着陸したヘリと同一機。◆このCH53E大型ヘリには、放射性物質が収納されている。7枚の回転翼ブレードを持ち、それぞれの根元付近に、放射性物質ストロンチウム90が入った計器を備える。空洞になっている回転翼ブレード内の圧力変化を、飛行中でも常に検知し、劣化や氷結による亀裂などの異常が発生していないか確認している。

◆13年前、沖縄国際大に墜落したヘリも、今度の事故と同系のCH53Dだ。回転翼などからストロンチウム90が検出されている。

◆いま事故機体のストロンチウム90が飛散した現場周辺では、不安が広がる。事故後、現場で消火作業にあたった国頭消防隊員も「被曝したのでは?」と、精神的な不安や緊張にさらされている。
◆現場の西約300メートルの地点3カ所で、放射線調査を実施した矢ヶ崎克馬琉球大名誉教授は、「1u当たり81ベクレルのベータ線が検出された」という。人体にはほとんど影響がないレベルというが、牧草地の所有者は、これから刈り入れする牧草や飼育している豚50頭の出荷に影響が出ると心配する。

◆沖縄防衛局と県は、現場への立ち入りを申請している。だが<日米地位協定>に阻まれ、日本政府や沖縄県の調査は拒否され、またも泣き寝入りが強いられるのは必定だ。沖縄から基地をなくせ! まさに総選挙の争点、やまとんちゅうの一票が問われている。(2017/10/15)
posted by JCJ at 11:00 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月14日

≪月間マスコミ評・新聞≫日本がどう動いたのか見えない

 核開発やミサイル発射を続ける北朝鮮に対して国連安保理は日本時間9月12日夕、新たな制裁決議を全会一致で採択した。米国は当初の「石油の全面禁輸」から譲歩して中国、ロシアが賛成できる提案になったと報じられた。
 13日朝刊各紙は、このニュースを1面トップで報じ社説でも展開した。この制裁決議について社説では、「決議後の行動が重要だ」(朝日)、「挑発阻止へ結束の維持を」(毎日)、「結束の力を『次の一手』に」(西日本)と確実な実行を促した。読売は「スピード採択で包囲網狭めた」の見出しだが「新たな制裁を徹底して実行せねばならない」と最も強い主張だった。ただ、制裁効果は推測の域を出ていない。

 もう一つ、この間、日本がどう動いたのかが各紙の記事を読んでも見えてこない。北朝鮮のミサイル発射後、核実験後に安倍晋三首相がトランプ米大統領と電話会談した報道があった。また、日韓首脳会談で「北朝鮮問題」を話し合ったニュースも流れた。
 しかし、電話会談や直接会談で「北朝鮮に一段と強い制裁を」という結論だけは明らかにされたが、そこで安倍首相がトランプ大統領や文在寅大統領に何を語ったのか、相手の話に相づちを打っただけなのかは分からない。

 13日の社説では「日米が主張した原油の全面禁輸は入らなかったが」(毎日)、「日米両国が目指した石油の全面禁輸は…現状維持で決着した」(西日本)と、日本が「全面禁輸」を積極的に主張したかのような一節が見受けられた。しかし、「全面禁輸」は、電話会談でトランプ大統領から提案され、安倍首相が賛成しただけなのではないか。今の日米関係を考えると、トランプ大統領が提案して安倍首相がそれに追随したと考えるのが自然だ。この件に関して日本の各紙とも触れていない。
 米国が譲歩したのは、トランプ大統領の強硬な考えを国務長官、国防長官が諫めて譲歩提案をまとめたと考えるほうが理にかなっている。その大統領に安倍首相は、電話会談後いつも、「完全に一致した」と述べていたのだから、日本独自の制裁案を持っていたと考えるのは無理がある。
 そうした日米関係を踏まえても今回、日本がどう動いたのか見えてこない。 白垣詔男
posted by JCJ at 18:07 | メディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月12日

≪おすすめ本≫平 和博『信じてはいけない 民主主義を壊すフェイクニュースの正体』既存メディアへの不信が嘘ニュースや情報をはびこらせる=河野慎二

 虚実をないまぜにしたフェイク(嘘)ニュースが世界を席巻している。昨年の米大統領選では「ローマ法王がトランプ支持」などのフェイクニュースが、ニューヨークタイムズやCNNなど、既存メディアと同程度の拡散規模となり、トランプ氏を大統領に押し上げた。
 フェイクニュースの影響力は深刻だ。「児童性愛にヒラリー・クリントン氏が関与している」という嘘ニュースを信じた男による発砲事件(「ピザゲート事件」)が、ホワイトハウスに近いレストランで発生した。
 トランプ支持のフェイクニュースについては、ロシアからの発信疑惑が米FBIの捜査対象になり、トランプがFBI長官を解任するなど、国際謀略戦の渦中にある。

 今年春のフランス大統領選でも、フェイクニュースがマクロン候補を攻撃した。攻撃を仕掛けた一人は「ピザゲート事件」を引き起こすフェイクニュースを拡散したトランプ支持の人物だ。
 だが、右派勢力の野望は、フランスメディアの連携した報道によって打ち砕かれた。ルモンドやリベラシオンなど、34の組織が作ったファクトチェック機関の「クロスチェック」が、フェイクニュースがマクロン追い落としの決め手とした文書が偽造であることを突き止め、ネットで速報。極右のルペン候補当選を阻止した。

 日本でも今後、フェイクニュースの跋扈が懸念される。著者はフェイクニュースが氾濫する背景に既存メディアへの不信があると指摘する。
 ジャーナリストはその指摘を真摯に受け止め、チェック体制を整える必要がある。
(朝日新書760円)
posted by JCJ at 10:24 | おすすめ本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月09日

≪月間マスコミ評・出版≫33歳の男と亡霊に振り回される

 33歳の金正恩朝鮮労働党委員長に振り回されている。北朝鮮に詳しい井上智太郎氏は「世界」10月号で、「北朝鮮の核開発は金体制維持のための『抑止力、国際的威信、強制外交を意図したもの』…とみられているが、最近のレトリックからは日米韓三カ国の『デカップリング』(切り離し)を狙う戦略が鮮明だ」という。
 さらに、「北朝鮮が米国との間で互いに核保有国として衝突を回避しようとする核抑止関係が成立したと判断すれば、むしろ周辺国へのふるまいはより攻撃的で大胆になる恐れもある」そうだ。

 「週刊ポスト」9月22日号の「信頼できるのは『Jアラート』よりAアラート=H なぜ安倍首相は『ミサイル発射前日に限って』総理公邸に泊まっていたのか」が面白い。8月29日に北朝鮮のミサイルが通告なしの発射だったのに、安倍首相が「ミサイルの動きを完全に把握していた」と胸を張った一件を取り上げている。
 「安倍首相が8月に公邸に泊まったのは25日と28日の2日のみで、いずれも翌朝に北朝鮮がミサイルを発射していた」。安倍首相は8月25日午後3時ごろから谷内正太郎国家安全保障局長や防衛省の前田哲防衛政策局長、河野克俊統合幕僚長らと面談していた。結局、「国民ができ得る現実的な対策は、通信社や新聞社がインターネットで速報する『首相動静』を見ることかもしれない」とは皮肉だ。その河野統合幕僚長が右翼雑誌の「正論」10月号に登場し、日米で北朝鮮の潜水艦を監視していると語っている。

 「ニューズウィーク日本版」9月19日号によると、「グアム島のアンダーセン米空軍基地に配備されているB1Bランサー爆撃機はこの数カ月、朝鮮半島上空へ飛行する訓練を繰り返しており、急襲に向けた演習ではないかと北朝鮮は神経をとがらせている」という。トランプ外交は稚拙だ。同誌は「冷戦の『抑止の歴史』に学べ」という記事も掲載している。
 「冷戦」とは何だったのか。その点で、渡辺治氏と不破哲三氏の対談「現代史とスターリン」(新日本出版社)が一読に値する。スターリンにとってアメリカの軍事力をヨーロッパからアジアに引っ張りこむことが、朝鮮戦争を起こした主要な目的だ、そのためには、朝鮮戦争にアメリカの軍隊を出させることが必要だった=i同書282ページ)という秘史が紹介されている。スターリンの亡霊が今も日本を振り回しているということなのかもしれない。 
荒屋敷 宏
posted by JCJ at 16:21 | メディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月08日

【今週の風考計】10.8─核廃絶に背を向ける被爆国・日本の悲劇

ICAN、YOUCAN、All Together CAN!─と叫びたくなるほど、反核団体「ICAN=核兵器廃絶国際キャンペーン」の10年に及ぶ活動に、ノーベル平和賞が授与され、うれしくて嬉しくてたまらない。北朝鮮やイランの核開発が深刻化する今、「核兵器が使われれば人類は破滅的な結末を迎えると注意を喚起し、核兵器禁止条約の実現にむけて、果たしてきた画期的な努力」が高い評価を受けた。広島と長崎への原爆投下から70年以上、いまだに1万5千発の核兵器が世界に存在し、核保有9カ国は廃棄への願いを踏みにじり続けてきた。

今年7月の国連では、加盟193カ国のうち122の国と地域が賛成し、核兵器禁止条約が採択された。その中心的な役割を担ったのがICANだ。唯一の戦争による被爆国日本との関係も深い。日本の被爆者団体と連携しながら、核兵器禁止条約制定に向けたキャンペーンを展開してきた。まさに被爆者とICANの共同受賞といってよい。

だが日本政府はコメントすら出さない。被爆国の政府が、米国の「核の傘」の下にあるという理由で、条約制定の会議や交渉にも参加しない。いまや核廃絶に向けた議論をリードするどころか、被爆者からも各国のNGOからも信用されなくなっている悲劇、それこそ深刻な問題だ。あまつさえ安倍首相は、北朝鮮の脅威を「国難」といいつのり、核ミサイルの廃棄に向けて対話を促すどころか、圧力と制裁ばかりを口にして、自分の政権延命をもくろむ総選挙に血道をあげる。掲げる公約には、「核廃絶」の文字はどこにもない。(2017/10/8)

posted by JCJ at 10:00 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月07日

≪お知らせ≫ JCJ12月集会「フェイクニュースvs調査報道――日米メディアの役割」

JCJ12月集会「フェイクニュースvs調査報道――日米メディアの役割」
 根拠なきフェイクニュースが政治の行方を左右する危うい社会が目の前にある。新聞やテレビさらにはネットの世界で、ジャーナリストは何をすべきか。徹底した取材で事実を掘り起こし、「根拠なき煙幕」を晴らすことが求められる。
 NHK時代に「パナマ文書」の取材に中心的にかかわり、トランプ政権下の米国を半年間にわたり見てきたジャーナリスト、立岩陽一郎さんに事実確認の重要性と日米メディアの役割について語ってもらう。
講師:ジャーナリスト・立岩陽一郎さん(元NHK記者)
日時:12月9日(土)午後2時から5時まで
会場:法政大学(市ヶ谷キャンパス)の外濠校舎5階・S505教室
東京都千代田区富士見2−17−1
JR・地下鉄の市ヶ谷駅または飯田橋駅から徒歩10分
参加費:1000円(学生無料)
主催:日本ジャーナリスト会議(JCJ)
(東京都千代田区神田神保町1−18−1千石屋ビル402号)
(電話03・3291・6475)
共催:法政大学・図書館司書課程
アジア太平洋メディア情報リテラシー教育センター(AMILEC)
【講師紹介】立岩陽一郎さん
調査報道を専門とする認定NPO運営「ニュースのタネ」編集長。アメリカン大学(米ワシントンDC)フェロー。1991年一橋大学卒業。放送大学大学院修士課程修了。NHKでテヘラン特派員、社会部記者、国際放送局デスクとして主に調査報道に従事。政府が随意契約を恣意的に使っている実態を暴き随意契約原則禁止のきっかけを作ったほか、大阪の印刷会社で化学物質を原因とした胆管癌被害が発生していることをスクープ。以後、化学物質規制が強化される。「パナマ文書」取材に中心的に関わった後にNHKを退職。公益法人「政治資金センター」理事として政治の透明化に取り組む。毎日放送「ちちんぷいぷい」のレギュラー・コメンテータ。

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2017年10月04日

≪フォトアングル≫ 9・8キックオフ集会

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「安倍の進める改憲にノンといい、それをストップさせましょう」で始まった「安倍9条改憲NO!全国市民アクション98キックオフ集会」。
3千万全国統一署名の取り組みを訴える発起人と呼びかけ人(左から、浜矩子、鎌田慧、暉峻淑子、佐高信、高野孟、落合恵子、香山リカ。)
8月31日で呼びかけ人約二百十人、賛同人約百四十人。事務局の実行委員会には総がかり行動実行委員会の他、九条の会など6団体が新規加盟した。
=9月8日、東京都中野区の中野ゼロホール 酒井憲太郎撮影
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≪おすすめ本≫「負けるな北星!の会」記録編集委員会『北星学園大学バッシング 市民は かく闘った 』マスコミと大学人というリベラル派の限界を突破した闘う市民の記録=徃住嘉文(JCJ北海道支部)

 2014年、日本軍「慰安婦」を歴史から削除したい勢力が、三つの大学に、気にくわない教員をクビにするよう要求した。爆破、殺人予告もあった。神戸松蔭女子学院大と帝塚山学院大は、結果として要求を呑んだ。最後に残った札幌の北星学園大も陥落寸前だった。本書は、これを覆した市民運動の記録だ。
 教員は、元朝日新聞記者植村隆氏。1991年、元慰安婦・金学順さんの存在を報じた。これを「捏造」とする勢力の攻撃で、北星大の非常勤講師職を奪われそうになる。阻止のため市民が急遽作ったのが「負けるな北星!の会」だ。

 本書の第一の特徴は、運動の成果を誇るというより、頼りにしたマスコミと大学人というリベラル派が、いかに「弱虫」だったかを突いた点にある。原正衛北星大経済学部長は、学内リベラル派の実態を率直に報告している。@植村氏を守るため警察が学内に入るAすると自分の研究が国家権力の監視下に入るBだから植村氏に辞めてもらうしかない、といった論法がまかり通っていた。
 取材に当たった現場の記者たちも「あの手この手で書き直しても原稿はボツだった」と、自らの恥と罪を語っている。

 第二の特徴は、「本当の敵を見失うな」とするノーマ・フィールド米シカゴ大名誉教授ら60人を超す執筆陣。「札幌だから闘えた」(中野晃一上智大教授)などシンポジウムの記録もある。
(A4判247頁・頒価500円。注文はFAX011−351−5310かメール:makerunakai@gmail.comで。送料は着払い。本代はゆうちょ銀行振替口座02720−4 番号70218 マケルナ会に振り込む )
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2017年10月01日

【今週の風考計】10.1─世界が注目! 三都市が呼び起こす波紋

アルビル、バルセロナ、ストックホルム─いま世界が注目する三都市である。「希望の党」小池代表の<三都物語>より、ずっとずっと重要だ。

イラク北部にあるアルビルは、クルド自治政府の中心都市。住民投票を行いイラクからの独立を鮮明にした。だがイラクと周辺国は、クルド自治区を孤立させようと空路封鎖など対抗措置をエスカレートさせている。

バルセロナはスペイン・カタルーニャ州の州都。過重な税負担や独裁的な中央政府の介入に抗うため、独立を目指す住民投票が始まった。政府は他州の警察官数千人を動員して阻止する構え。双方の争いは激しくなる一方だ。ストックホルムは、ノーベル賞受賞者が発表されるスウェーデンの首都。ノーベル賞ウイークが、2日の医学生理学賞から始まる。3日に物理学賞、4日は化学賞の受賞者が決まる。この自然科学3賞は、4年連続で日本の科学者が受賞するか、大きな注目を集めている。さらに6日には平和賞、9日に経済学賞と続く。

特に日本からノーベル賞受賞者が出れば、その研究分野に関連した「ノーベル賞関連銘柄」が高騰し、思わぬ経済効果につながる。文学賞は発表の日程が、いつもの通り決まっていない。毎年、注目される村上春樹、予想では現在2位、トップは現代アフリカ文学を代表するケニア出身の男性作家で、「アフリカのトルストイ」と評価されるグギ・ワ・ジオンゴ。日本人3人目のノーベル文学賞受賞者が出るのか。これまで発表前に文教堂や丸善の株価が急騰し、受賞を逃した途端に急落する事態も。(2017/10/1)
posted by JCJ at 11:44 | Editorial&Column | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月26日

≪リレー時評≫核への「知性」と「狂気」 どちらを取るかは明らか=吉原 功(JCJ代表委員)

 8月末から9月にかけて、長崎の反核平和運動の巨星お二人が相次いで亡くなられた。谷口稜曄さんと土山秀夫さんである。もう一人の巨星山口仙二さんはつとに2013年7月に他界されている。
 山口さんは、14歳のとき、学徒動員で防空壕を掘る作業中に被爆、全身に大やけどを負い、顔から胸にかけて残ったケロイドに苦しんだ。1982年の国連での「ノーモア ウォー、ノーモア ヒバクシャ」演説は多くの人びとの心を揺さぶった。

 谷口さんは、16歳で自転車にのり郵便配達中に被爆、背中と左腕に原爆の熱戦を浴びながら生き延びる。山口さんとともに重い原爆症に苦しみながら、被爆者運動の中心として活躍した。海外にも出かけ核廃絶を訴えたが、背中を椅子にもたれさせることは出来ないので飛行機での移動は難行のようだったと多くの人が証言している。
 土山さんは、20歳の医学生として原爆投下の翌日から救護活動に参加。「あの日の町に漂っていた死臭を伝えることは出来ない」と何度も語っていた。80年代のなかごろお話を伺ったが核問題についての造詣の深さにくわえて国際的な知見が非常に深く豊だったことに驚いた。山口さん、谷口さんが実践的運動を主導し、土山さんは理論的支柱として活躍したといえよう。長崎大学医学部長、学長を歴任したほか、20年にわたり長崎平和宣言文起草委員を務め、「北東アジア非核地帯構想」や「核兵器禁止条約締結」などを盛り込むことに貢献した。

 この三人の努力をはじめとする反核平和の粘り強い運動は、世界に広がり、今夏ついに核兵器を違法とする核兵器禁止条約を国連で採択させた。田上長崎市長は平和宣言でこの条約を「ヒロシマ・ナガサキ条約」と呼びたいと大歓迎、推進した国々、国連、NGOなどの「強い意思と勇気ある行動」に感謝を述べる一方、「条約の交渉会議にさえ参加しない」日本政府に対し「被爆地は到底理解できない」と批判した。
 広島・長崎への原爆投下は間違いなく人類史の一画期である。知性ある人ならば核開発は人類滅亡への道ということを理解したはずだ。だが核兵器は拡大し続け、「平和利用」でもチェルノブイリ・福島を経験してしまった。核のボタンを押しかねない人物が政治指導者になっているのが現代世界だ。知性と狂気、どちらを取るべきか明らかであろう。
JCJ機関紙「ジャーナリスト」9月25日号より


posted by JCJ at 10:32 | Editorial&Column | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月25日

前川喜平インタビュー3 《編集長EYE》 「政治家と付き合うのは嫌で嫌で」番外編 =橋詰雅博

 なぜJCJ機関紙のインタビューに応じたのかについて、前川喜平氏は「コマーシャリズムに流されていない。相談した代理人の弁護士も止めなかった」と答えた。

 インタビューのテーマは多岐にわたった。そ の「番外編」をお届ける。

◆収入 定期的なものはない。最近は講演料、多くて3万円、メディアへのコメント料やラジオの出演料が増えてきた。顔を忘れてほしいのでテレビには出演しない。

◆教えたい 若いころ、上智大の非常勤講師を務め、教育行政学を教えた。文科省の仕事を違った視点で見ることができて幸せだった。学校法人などから手伝ってほしいと求められたら有償で教えます。きっと楽しいだろう。

◆仏教 仏教を通じて人間が形成されると考えていた祖父と父親が残した仏教の本を中学、高校のころ読んでいた。東大在学中はサークル「仏教青年会」に入っていた。京都や奈良、鎌倉などで仏像を見るのが好き。文化財部長をやりたかったが、チャンスがなかった。

◆性格 楽天的で、大概の事はどうにかなる。ただ、子どものころは、神経質で引っ込み思案だった。楽天的な性格をつくることができたのは仏教の勉強のおかげ。仏教の核心を簡単に言えば、気にするな、です。

◆好きな俳優 女優は大原麗子。ウイスキーのテレビCM「少し愛して、なが〜く愛して」、あのセリフにゾクゾク。高倉健と共演した映画「居酒屋兆治」のヒロイン役もよかった。男優は渡瀬恒彦。テレビドラマ「十津川警部シリーズ」では、TBSは渡瀬、テレビ朝日は高橋英樹が警部役に扮したが、渡瀬の方に人間的な味わいがあった。

◆酒 たくさん飲めない。今夜はゆっくりしたいなと思ったとき、チョコレートをつまみながら女房とブランデーを飲む。

◆選挙への出馬 国政も首長も関心ない。現役時代、政治家と付き合うのは嫌で嫌で仕方なかった。

橋詰雅博
posted by JCJ at 16:03 | Editorial&Column | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする