2017年04月02日

【今週の風考計】4.2─「労基法」を骨抜きにする「働き方改革」

1947年4月7日、労働基準法が公布された。今年は70年を迎える。この記念すべき日の10日前、政府の「働き方改革実現会議」が、「労働法制史上の大改革」と謳う11項目にわたる実行計画を決定した。時間外労働では「月平均80時間以内」、繁忙期は「月100時間未満」、「年720時間」としている。だが休日の労働は除外してしまったため、毎月80時間・年間960時間まで、残業させることができる内容だ。もっとも危惧していた<過労死ライン>を超える残業時間を認めてしまったのだ。しかも自動車運転業務、建設業、医師の3業種は、施行後5年間は残業の上限規制が適用されない。とりわけ過労死の多い運転業務こそ、速やかに厳しい規制をかけるべきだ。長時間残業で注意力・判断力の鈍った運転手の操縦するトラックが、街中を走る危険性を想像してほしい。EUでは、次の始業までの休息時間を連続11時間とする「勤務間インターバル」も、日本では企業の恣意的裁量に委ねるだけ。その一方、「残業代ゼロ」法案については、早期成立を明記する厚かましさだ。肝心の「同一労働同一賃金」は、企業が判断する能力や貢献度に照らし「違いに応じた支給」を是認し、真っ向から退ける。最低賃金は1000円を目指すものの、「年3%程度」アップに傾注し、数年後までにと先送りする。地域格差の是正など視野にない。個人で請け負った仕事を自宅でこなす「非雇用型テレワーク」は、労働法の適用から外れた低賃金就労を加速させると反対の声が大きい。だが政府は促進の旗を振る。ことほどさように全て、改革どころか「労基法」の改悪を狙うものだ。(2017/4/2)
posted by JCJ at 08:58 | TrackBack(0) | Editorial&Column | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする