2017年05月21日

【今週の風考計】5.21─いまや世界が危惧する「共謀罪」を廃案に!

◆「共謀罪」が強行採決された。人の「内心」を探るには、日常的に市民や団体を監視し、メールやSNS・ LINEの盗み読みは不可欠。捜査機関は盗撮、密告奨励、スパイ潜入など、あらゆる手法を使うにきまっている。◆さらには別件で逮捕し、留置場という「代用監獄」で長期勾留、執拗な自白の強要、証拠のねつ造へとエスカレートするだろう。◆ここに一冊の本がある。藤原聡・宮野健男『死刑捏造─松山事件・尊厳をかけた戦いの末に』(筑摩書房)だ。24歳の若者が別件逮捕され、自分の留置場に送りこまれた前科5犯の警察スパイから「自白」をそそのかされ、殺人犯にデッチあげられた。死刑が確定。だが獄中29年の闘いで、証拠とされた血痕が、警察の捏造であるとされ、無罪を勝ちとる軌跡を追うドキュメント。◆共著者の一人・藤原聡さんは「足利事件の無罪といい、袴田事件の冤罪も含め、死刑まで捏造して、無実の人間がズタズタにされる悲劇を繰り返してはならない。今も代用監獄での取り調べ・自白の強要が続き、捜査や刑事司法の在り方が問われている」と言う。さらに無実なのに虚偽自白した事例の研究では「取り調べが6時間を超えると虚偽自白が増える」という報告もある。◆昨年10月に逮捕され、5カ月も長期勾留された沖縄平和運動センターの山城博治議長は、6月中旬にスイスのジュネーブで開かれる国連の人権理事会で、「表現・内心の自由」が侵害されている実態などについて発言する。◆また国連特別報告者ケナタッチ氏は、「共謀罪」がプライバシーや表現の自由を侵す危険を指摘する書簡を、安倍晋三首相宛てに送り、回答を求めている。いまや世界が危惧する「共謀罪」を廃案に追いこもう。(2017/5/21)
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2017年05月19日

【声明】衆議院法務委員会における共謀罪法案の採決強行に抗議する声明=共謀罪法案に反対する法律家団体連絡会(5・19)

 本日,衆院法務委員会において、共謀罪(「テロ等準備罪」)法案を含む組織犯罪処罰法改正案の採決が強行された。来週にも本会議への上程を計画していると伝えられる。私たちは,この 暴挙に対し,満腔の怒りをもって強く抗議する。

 そもそも、刑法は、どの行為が犯罪とされるかを定めているが、裏返せば、犯罪とされずに自由に行動できる範囲を定めているといえる。犯罪とは人の生命や身体自由名誉財産に被害を及ぼ す行為と説明され、法益の侵害又はその現実の危険性が生じて初めて事後的に国家権力が発動されるというシステムは,我々の社会の自由を守るための制度の根幹である。

 約300もの多くの犯罪について共謀の段階から処罰できることとする共謀罪法案は、既遂処罰を基本としてきた我が国の刑法体系を覆し、人々の自由な行動を制限し、国家が市民社会に介 入する際の境界線を、大きく引き下げるものである。

 私たちは沖縄ですでに弾圧の道具に使われている威力業務妨害罪の共謀罪が法案化されていることに警鐘を鳴らしたい。1999年に制定された組織犯罪処罰法によって、組織的威力業務妨 害罪、組織的強要罪、組織的信用毀損罪が作られ、法定刑が長期3年から5年に引き上げられ、廃案となった2003年法案で共謀罪の対象犯罪とされた。

これらの犯罪は、もともと構成要件 があいまいで、労働運動などの弾圧法規として使われてきた問題のある犯罪である。この共謀罪はひとつだけでも治安維持法に匹敵する著しい危険性を持っている。自民党の2007年小委員会案では、これらの犯罪は共謀罪の対象から外されていたのに、これを何が何でも共謀罪の対象としようとしている安倍政権には、市民の異議申し立て活動に対する一網打尽的弾圧の意図を疑わざるを得ない。

(全文を読む)
*日本労働弁護団のHPが開きます。

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2017年05月14日

【今週の風考計】5.14─限りなく不透明な「共謀罪」法案の罪と罰

「共謀罪」法案の強行採決を許すな! 疑問は解明されず、ごまかし答弁の30時間で採決する暴挙に怒りが湧く。「共謀罪」にいう「団体の性格」「準備行為」とは何か。判断するのは誰か。「一般人」に及ばないという根拠は? 疑問は限りない。「共謀罪」で処罰するには準備行為が必要となるが、どんな行為が該当するのか。実は捜査当局の判断・解釈に委ねられる。まず逮捕し、代用監獄で長期拘留のうえ自白の強要、証拠のねつ造など、恣意的な捜査・検挙による事件は、これまでに数多くの事例がある。最近でも、風力発電所の建設に反対する一般市民を警察が監視する大垣事件が起きている。現職の刑事が情報収集を目的に忍びこみ、内容を電力会社に提供していた。このように市民運動がターゲットになりうる。またメールやLINE の盗み読みも進むだろう。いったん「共謀罪」の仕組みを作ると、捜査機関は結果を出そうと、任意捜査から盗聴・密告奨励、挑発など、成績主義に走るのは目に見えている。その結果、さらに冤罪事件が発生しかねない。いまの日本の刑法では、犯罪が成り立つのは「着手したが完遂できなかった」事実が必要となる。「計画」だけでは犯罪にはならない。だが「共謀罪」が成立したら、「未必の故意」の黙示的「共謀」まで含まれてしまう。<森友疑惑>が象徴するように、「空気」「忖度」が行われる日本の社会では、「共謀」の適用範囲が極めて大きくなる危険性をはらんでいる。ところが日本の政治家が関係する犯罪は、なんと「共謀罪」の適用対象から、ちゃんと外されているのだ。(2017/5/14)
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2017年05月07日

【今週の風考計】5.7─「メガソーラー発電」の思わぬ落とし穴

この連休の一日、伊豆高原を旅した際、立ち寄った蕎麦屋の主人から、反対署名への協力を依頼された。伊豆高原・大室山の下にある八幡野地区で、民間企業による大規模なソーラーパネル発電が計画されているのだ。事業面積 100 万m2以上(東京ドーム 20 個分以上)の広大な敷地を所有し、そこに植生する森林の半分を伐採し、ソーラーパネル12 万枚を設置し、最大出力43メガワットを発電するという。とうぜん山肌は露出し、工事中であれ建設後であれ、雨水・土砂などは側を流れる八幡野川に入り、そしてダイビングポイントである八幡野の海に流れこむ。ただでさえ台風や大雨の際には、大量の泥水が流れこむ八幡野川に、このソーラー開発によって、さらなる土砂が流れこめば、高い透明度を誇る城ヶ崎海岸エリアの海は、長期にわたって茶色く濁り、沈んだ泥が、海の生態系に大きな影響を及ぼすのは明らかだ。反対する地元の漁師や住民、ダイバー・環境保護団体などが反対署名や抗議の行動に起ちあがっている。いま自然エネルギーの利用を謳い、大規模なソーラーパネル発電施設が建設・計画されている。だが、この施設は建築物に該当しない。許可なしで建設できる。そのため地域住民には知らされないまま、工事が始められ、「ある日突然ソーラーパネルが並んでいた」という深刻なトラブルが、日本各地で多発している。メガソーラーは20年も経てば機能しなくなり、そのまま設備が放置され廃棄物となる。どう処理するのか。建設・廃棄も含め法規制が必要になっている。(2017/5/7)
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2017年05月02日

戦後は「忘却の平和主義」/憲法9条の講座で朝日・上丸記者=須貝道雄

 戦後日本の平和主義は、戦争を忘れる「忘却の平和主義」だったのではないか――3月26日、東京で開いたJCJジャーナリスト講座「憲法9条を取材する」。朝日新聞で「新聞と9条」 の連載を担当し、『新聞と憲法9条―「自衛」という難題』を著した講師の上丸洋一記者は、戦争責任があいまいにされた戦後を語った。  アジア侵略の実態をジャーナリズムは十分に検証せず、無関心だった。元兵士も元従軍記者も沈黙した。その結果「旧日本軍のイデオロギーが社会の底で連綿として生き残り続けてきた」と 見る。
衆院が排除決議
 旧軍イデオロギーを代表する組織が右派団体の日本会議だ。冒頭で上丸記者はホットな憲法問題として森友学園を取り上げた。
 幼稚園児に戦前の教育勅語を「朕おもうに……」と唱和させ、「安倍首相、がんばれ」と叫ばせる映像がテレビで繰り返し流れた。学園理事長(後に辞任)は日本会議の関係者。この映像の 衝撃は大きく、「日本会議は何を考え、あの人たちはどんな思想なのか。視覚化されて、人々の目に触れた事件」と指摘した。
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文春記事、報道への圧力顕著/報告集会で英誌記者が批判

 元朝日新聞記者の植村隆さん(現・韓国カトリック大学客員教授)が起こした名誉棄損訴訟の第8回口頭弁論が4月12日、東京地裁で開かれた。原告側弁護団は、週刊文春の記事などで植 村さんの「平穏な生活を営む権利」が侵害されたと主張し、名誉棄損に加えて、新たな不法行為として法廷に示した。
脅迫を誘発する
 口頭弁論後の報告集会では、成蹊大学法科大学院の渡邉知行教授が平穏生活権について説明した。具体的には原発事故による放射能汚染で避難した人、米軍横田基地の騒音被害を受けた人な どが、平穏生活権の侵害を訴えてきた。
 今回の植村さんのケースは、西岡力氏が元従軍慰安婦に関する植村さんの記事を「捏造」と中傷し、週刊文春が西岡氏のコメントと、植村さんの就職先大学名などを報じた。その結果、この 記事をもとにした植村さん攻撃がネット上で誘発され、大学へ脅迫状が続き、家族にも死を求める脅迫が届くなど、植村さんを「恐怖のどん底に陥れた」(弁護団)。これらが平穏生活権の侵 害にあたると渡邉教授は話す。
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共謀罪、「横浜事件」をまたも起こすのか=中村梧郎

 東京都中央区銀座一丁目一番地。
 その一画にあるオフィスに細川嘉六夫妻の肖像画が掛かっていた。私にはそんな記憶が鮮明にある。戦後のレッドパージで新聞・通信社から追われたジャーナリストたちが作った組織「国際 事情研究会」。共同通信外信部長でパージされ、後にJCJ副議長となった本田良介氏もそこにいた。細川嘉六氏は研究会の創建を支援していた。
 国際政治学者であった細川氏の論文が戦前の「改造」誌に掲載されると特高は彼を逮捕する。治安維持法第2条「…其ノ目的タル事項ノ実行ニ関シ協議ヲ為シタル者ハ七年以下ノ懲役又ハ禁 錮ニ処ス」で引っ掛けたのだ。協議したわけではない、「民族自決権こそが大事だ」との見解を著しただけであった。逮捕前、編集者らをねぎらおうと細川氏は富山・泊の宿に皆を招き、一献 かたむける。何かの相談などはない。しかしその後「改造」の小野康人氏、「中公」の木村亨氏ら62名が、神奈川県警の特高に逮捕される。これが4人を獄死させた「横浜事件」の発端であ る。政党再建を「共謀」したとされたのだ。
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