2018年08月19日

【今週の風考計】8.19─「トルコ危機」を通して日銀政策を問う!

23 日にトランプ政権は中国への制裁関税(160 億ドル・1兆7600億円規模)を発動する。第2弾である。中国も対抗して報復関税措置に踏み切る。米中貿易戦争は激化する一方だ。
1週間ほど前に、トランプ政権はトルコに経済制裁を加えた。トルコは米国製品に関税をかける報復措置を取り、泥沼化し始めている。

いま米国の労働市況は好調を続け、インフレ率は上昇、7回実施したドル金利引き上げも、さらに年末に向けて順調なテンポですすめる方針だという。
その余波が新興国を襲い、トルコを始めアルゼンチンや南アランドでのドル売り・資本流出が止まず、自国通貨の急激な値下がりを招いている。原因は新興国に流れ込んだ大量のドルが引き揚げられ、今度は投資マネーとなって米国へ還流しているところにある。
とりわけ「トルコ通貨危機」は深刻である。トルコリラは年初から40%の下落、物価は4カ月足らずで5・6%も上昇した。世界経済への悪い連鎖波及が懸念されている。

その激動のさなか、23日から米国ワイオミング州で「ジャクソンホール会議」が開催される。主要国の中央銀行総裁らが、世界の金融政策について討議する。米国のパウエルFRB議長や日銀の黒田東彦総裁も参加する。はたして黒田総裁は、日本の金融政策について、どのような発言をするのか。
日銀が保有する国債残高は420兆円、全体に占める割合は44%でトップ。さらに市場から上場投資信託(ETF)を年間6兆円の枠で買い入れている。まさに株価を下支えしているのだ。日銀管理そのものだ。これが進めば進むほど、市場経済の健全な発展は見通せなくなり、疲弊していく。

異次元の金融緩和政策の破たんは、もう明白だ。しかし金利引き上げを図れば、保有国債の利息受け取り分が減り、当座預金の利息支払費いが増える “逆ざや”になりかねない。仮に1%の利上げをすれば、数年で日銀の自己資本8兆円を食い潰してしまう。このジレンマ、いかに「出口」を見つけるか、世界が注目している。(2018/8/19)

posted by JCJ at 12:40 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする