2018年11月30日

JCJ12月集会・講演「調査報道でえぐる社会の実相」=須貝

JCJ12月集会
「調査報道でえぐる社会の実相」――桶川ストーカー殺人事件から冤罪、歴史検証まで――
12月9日(日)午後1時半から5時
会場:専修大学(神田キャンパス)5号館551教室
東京都千代田区神田神保町3―8JR水道橋駅から徒歩7分、地下鉄九段下駅・神保町駅から同3分
講師:日本テレビ報道局特別解説委員・清水潔さん
資料代:500円(学生・専大教職員は無料)

▼講師の清水潔さんは、女子学生が殺されたスートーカー事件の真相を週刊誌の記者として追及、犯人を捜しあてた。同時に捜査の手抜き・隠ぺいをした埼玉県警の腐敗を暴く。2001年に『桶川ストーカー殺人事件―遺言』で
JCJ大賞を受賞。
日本テレビに移った後、足利事件の冤罪を明らかにし、さらには旧日本軍が起こした南京事件を検証し、NNNドキュメント'
15「南京事件〜兵士達の遺言」でギャラクシー賞優秀賞、同'
18「南京事件U〜歴史修正を検証せよ」でJCJ賞を受けた。調査報道の意味と方法、その成果を語っていただく。

主催:日本ジャーナリスト会議(JCJ)
電話03・3291・6475(月水金の午後)
東京都千代田区神田神保町1−18−1千石屋ビル402号


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【メディア気象台】 10月から11月=編集部

◇月間視聴率3冠、日テレ途切れる
在京キー局の視聴率で、日本テレビが全日帯の他、夜間のプライム、ゴールデンの三つの主要時間帯区分でトップとなる、「月間3冠王」が9月までの58か月連続で途切れたことが29日、分かった。視聴率はビデオリサーチ(関東地区)の調査。29日にまとまった10月期の視聴率で、プライムとゴールデンでは59か月連続トップだったが、全日帯(午前6時〜翌日午前零時)でテレビ朝日(7.7%)にトップを奪われた。(「東京」10月30日付ほか)

◇海賊版サイト対策「議論集約できず」〜有識者会議上部会合
内閣府は30日、漫画などを無料で読ませる海賊版サイト対策を検討した有識者会議の上部会合を開き、強制的に閲覧を止める「接続遮断(ブロッキング)」の法制化で意見の対立が解消せず「議論をまとめることができなかった」と報告した。正規版の普及促進や海賊版サイトへの広告抑制といった対策をまず実施し、効果を検証する方針を確認した。(「東京」10月31日付ほか)

◇政党CM禁止柱に国民投票法改正案〜国民民主、憲法調査会
国民民主党は30日午前、憲法調査会総会を国会内で開き、憲法改正の是非を問う国民投票を巡り、スポットCMなど政党による広告放送の禁止を柱とする独自の国民投票法改正案を了承した。改正案は企業や団体が国民投票運動に支出する上限を5億円とする規制も盛り込んだ。資金力の差が投票結果を左右するのが狙い。(「東京」10月31日付ほか)

◇KDDIも値下げ検討〜ドコモに続き
KDDIは1日、都内で高橋誠社長が記者会見し、携帯電話料金の「低価格化、シンプル化に向けて積極的に対応する」と値下げ検討を表明した。NTTドコモが通信料金の値下げを発表したのに続いた。KDDIのプランの内容次第では競争が激しくなりそうだ。(「神奈川」11月2日付ほか)

◇記者殺害、「独立した調査」必要〜国連弁務官
国連のバチェレ人権高等弁務官はこのほど、サウジアラビアの記者ジャマル・カショギ氏がトルコ・イスタンブールのサウジ総領事館で殺害された事件について、「独立した、偏りのない調査」が必要だと指摘した。バチェレ氏は10月30日に発表した声明で、カショギ氏の殺害は「記者と政府の批判者に対する図々しい犯罪だ」と批判。「いかなる政治的な配慮も抜きに調査を行うには、国際的な専門家が関与し、証拠と目撃者へ全面的にアクセスできることが求められる」と指摘した。(「しんぶん赤旗」11月2日付ほか)

◇規制しない方針を民放連改めて示す
民放連は2日、憲法改正の国民投票のCM自主規制に関する考え方を発表し、CM量の規制は行わない方針を改めて示した。野党などから出ている「かつて国会で自主規制を約束していた」との指摘に、「自主的、自律的に取り組む旨を強調したもの」と反論した。(「東京」11月3日付ほか)

◇政府最高レベル、記者殺害を指令」トルコ大統領寄稿
トルコのエルドアン大統領は2日、米紙ワシントン・ポスト電子版への寄稿で、サウジアラビア人記者ジャマル・カショギ氏の殺害は「サウジ政府最高レベルからの指令」だったと指摘した。「サルマン国王が命令したとは全く思っていない」とし、言及はないが、ムハンマド皇太子が関与したとの考えを示唆したとみられる。(「毎日」11月4日付ほか)

◇グーグルマップにヘイト表現
インターネット検索大手グーグルの地図サービス「グーグルマップ」で、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の東京都本部(墨田区)や社民党の旧本部所在地(千代田区)が「犯罪者」などと表記されていたことが4日、分かった。何者かが書き込んだとみられるが、専門家は人種差別などをあおるヘイトスピーチ(憎悪表現)の防止に向け、「グーグル側にも社会的責任がある」と指摘している。(「東京」11月5日付ほか)

◇トランプ米大統領、記者出入り禁止、拡大も
トランプ米大統領は9日、CNNテレビ記者のホワイトハウスへの入庁許可証を停止したのに続き、他の記者にも出入り禁止措置を広げる可能性があると述べた。記者団に「あなたたちはホワイトハウスや大統領に敬意を払わなければならない」と警告した。パリ訪問前にホワイトハウスで語った。トランプ氏は、CNNを筆頭に自身に批判的なメディアを「フェイク(偽)ニュース」「国民の敵」と攻撃を続けている。出入り禁止措置は「報道の自由」の妨害とも受け取られかねず、批判が高まるのは必至だ。(「神奈川」11月11日付ほか)

(編集部)

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2018年11月25日号
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2018年11月28日

【メディアウォッチ】 地方創生モデル「東峰テレビ」訪ねる 自ら番組つくる住民ディレクター活躍=橋詰雅博

 JCJ全国交流集会の参加者は2日目の 10月20日午後に、福岡県東峰村(村民約2000人)の村営ケーブルテレビ「東峰(とうほう)テレビ」を訪ねた。 

 昨年7月に襲った九州北部豪雨の際、同テレビプロデュサーの岸本晃さん(65)は、被災直後の村や村民をビデオカメラなどで撮影し、ケーブルの断線によりテレビに被災情報を流せなかった代わりにフェイスブックなどで動画や写真を発信した。これがマスコミの目にとまり、取材陣が押し掛け岸本さんが受け入れ窓口となり東峰テレビの岸本≠フ名が県内外に広まった。

 岸本さんはこう振り返る。
「豪雨が村を襲ったのは7月5日。土砂崩れで3人が亡くなった。私が出張先の東京から戻り村に入ったのは6日の夕方。それから15集落をくまなく回り、損壊した家屋や道路の爪痕、避難所にいる村民らを取材した。出向くと『東峰テレビさんがんばっているね』と村民から声をかけられた。また、村民が私の顔を見ると、安心した表情を浮かべるので、励みになった。ケーブルが復旧したのは被災から3週間後でした」

 岸本さんは、熊本県民テレビ出身で、14年間、情報番組のプロデュサーなどを務めた。在職中に地域を盛り上げるため住民にビデオカメラを渡し、その住民が身の回りの暮らしぶりを撮影して番組をつくる「住民ディレクター」方式を提案。
 それを実践するため1996年に独立し、約20年間で全国50以上の地域を回り、住民ディレクター養成講座を開いた。「ボタンを押せば映る」「身体がカメラ」「番組はオマケ」の3原則を掲げた講座は、実践主義に徹した。

 岸本さんの音頭取りで10年11月に開局した東峰テレビにも約100人の住民ディレクターがいる。会見に同席した農家の女性住民ディレクターはこう言った。
「農作業の合間、月に1、2回番組づくりを手伝います。被災当初は、憔悴した村の皆さんの姿をビデオカラで映すのは気が引けましたが、家に住めるようになってから笑顔が戻り、それを撮影できたのはよかったです」

 村民の7割が見ているという東峰テレビは地方創生のモデルケースとして注目されている。

橋詰雅博

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2018年11月25日号
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2018年11月27日

【お知らせ】講演会:軍事列島・日本の全容─おそるべき自衛隊と米軍の一体化─

3選後の安倍政権は、ますます「改憲」策動に拍車をかけ、
日本を「戦争する国」へと駆り立てる。
軍事費の拡大は天井知らず、今や5兆円と突出し、
イージスアショアの導入、オスプレイ配備は横田・佐賀にも及ぶ。
自衛隊と米軍が一体化する軍事戦略の実態を暴く。


講演:半田 滋氏(東京新聞論説兼編集委員)
日時:11月30日 (金)18時30分開会(18時15分開場)
場所:YMCAアジア青少年センター 3階会議室
〒101-0064 東京都千代田区猿楽町2-5-5 ☎ 03-3233-0611
JR「水道橋」駅東口下車、白山通りを神保町方面へ徒歩5分
アクセス地図 http://www.ayc0208.org/hotel/jp/access-access.html
参加費:800円(JCJ会員・学生500円)

《主催》 日本ジャーナリスト会議(JCJ)出版部会

JCJ出版部会11・30講演会チラシ.pdf
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【編集長EYE】 疑惑の土地に誕生「ハルミフラッグ」=橋詰雅博

 11月1日付日本経済新聞の見開き全面広告(22と23両ページ、全国紙では日経だけに掲載)には目を奪われた。<HARUMI FLAG>(街の名称)がデカデカと書かれていた。その中身は2020年東京オリ・パラ選手村として活用後に建てる大規模マンションを販売という広告だった。前日に売り主の三井不動産レジデンスなど11社が発売すると発表しており、同日付日経の東京面で来年5月発売などと報じている。

 目を奪われた理由はこの都有地(約13・4f)を巡り都民33人が

11社に超格安で売却したのは違法であり、小池百合子知事らに損賠賠償1200億円を請求すべきだと都に求めた訴訟を東京地裁に提起しているからだ(本紙17年10月25号で既報)。銀座から約2・5`の超一等地の売却額は129億6000万円だった。日本不動産研究所の調査報告書に基づき選手村という要因を考慮に入れて弾き出した金額と、都は言い張る。周辺地価は1平方b当たり約100万円と算出されていて、問題の土地は総額1300億円というのが一般的な相場だ。だから「投げ売り」と原告側は被告の都を追及する。

 肝心の日本不動産研究所の調査報告書の多くの部分は黒塗りで開示されており、一体、適正な価格はどのくらいなのかが裁判の大きな争点になっている。

 10月26日の第4回口頭弁論では、原告代理人の大住広太弁護士は原告の一人である不動産鑑定士が行った評価額を陳述した。土地は5つの街区に分かれていて、街区によって1平方b当たり100万から134万円で、その総額は1611億1800万円と述べた。大住弁護士は「92%も減額し、都民の財産が1470億円失う」と指摘し、都は大幅減額の根拠を示すべきだと迫った。

 被告代理人は、原告でもある不動産鑑定士の評価額は中立性を欠き、身勝手な主張と反論した。都側は形勢不利だ。次回弁論は来年2月19日。

橋詰雅博

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2018年11月25日号
posted by JCJ at 14:36 | Editorial&Column | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月25日

【今週の風考計】11.25─ゴーン容疑者の私腹と官民「不正の構図」

◆日産ゴーン会長と懸けて、<除夜の鐘>と解く、その心はゴーンと鳴って、go went gone ─100億持ち逃げ、コンチクショウ! 今はない東京・武蔵村山・日産工場の近くで部品修理をしていた老人のつぶやきだ。

◆1999年、「コストカッター」と呼ばれたカルロス・ゴーンは、全従業員の14%・2万1千人の首切りと5つの工場閉鎖を強行。各地の企業城下町では、多くの人が転居や転職を余儀なくされ、商店街の衰退も進んだ。40年にわたって約968万台を生産してきた武藏村山工場も例外ではない。いまだに跡地の利用も思うように進まず、かつての面影はない。
◆さらに2008年のリーマン・ショックの際にも、派遣社員など2万人の人員削減・下請け企業の半減・発注コスト切り下げを行った。だが「V字回復の立役者」と絶賛され、20年に及んだワンマン支配の結果は、どうだったか。

◆「日産は自分たちの運命を自分たちで決められない会社にしてしまった。責任は私たち歴代経営陣にある」と釈明するが、ものづくりの現場を荒廃させた罪は極めて重い。ゴーンの会長職と代表権の解任を決めた臨時取締会の翌日の11月23日を、<いい日産の日>としゃれている場合ではない。
◆日産は、つい2カ月半前、イグニッションキーの不具合によるエンジン停止のおそれを理由に、16車種3万8千台のリコールを、国交省に届け出たばかりだ。この一年、検査不正や品質データの改ざんが続出した。三菱マテリアル、神戸製鋼所、日立化成、免振装置の油圧機器KYB、宇部興産などなど、「法律に違反しても品質には問題がない」と開き直るモラルの退廃は、とどまるところを知らない。

◆極めつけは会計検査院が「森友学園」への国有地売却を巡る問題で下した結論だ。なんと約8億円の売却価格値引きの根拠をめぐって、財務省が行った決裁文書改ざんについては、処分を行わないというのだから始末に負えない。安倍政権ぐるみで免罪する「不正の構図」は、一掃しなければならない。(2018/11/25)

posted by JCJ at 13:54 | 政治・国際情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月18日

【今週の風考計】11.18─労働法制と「ひんここまつり」の温もり

これほどまでに働く人びとを粗略に扱う政権があっただろうか。国内の労働者であれ、外国人労働者であれ、安い賃金で使いまわし、人権や生存権を踏みにじって恥じない。

裁量労働制や高プロ制の導入など、「働き方改革」と宣うが、サービス残業は野放し、過労死・過労自殺はあとを絶たず、誰のための労働法制なのか。常に経営サイドに有利になるよう、雇用契約の打ち切りなど、自由に調整できるようにするのが狙いだ。
加えて労働力人口の減少を理由に、いま働く外国人労働者128万人に加えて、さらに5年後までに最大34万人を受け入れるという。彼らの社会保障や永住権への対策は、どうなっているのか。無策も極まる。<わが亡き後に洪水は来たれ!〉の安倍政権だ。

23日は勤労感謝の日。制定されて、ちょうど70年になる。「勤労をたっとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」ことを趣旨としている。安倍さんは、どの顔して23日を迎えるのか。
瑞穂の国、たわわに実る稲穂の収穫を祝い感謝する祭りが、伊勢神宮での新嘗祭をはじめ、各地で行われる。お百姓さんと共に、地域の人々が土俗ゆたかに継承してきた祭りには、働くものたちが共有する温もりがある。

岐阜県美濃市の<大矢田神社ひんここまつり>も、その一つだ。500年前から続く五穀豊穣を祈る素朴な人形劇。舞台に登場するのは、籠に紙を貼って顔を書き、着物を着せた案山子のような人形の中に入って、棒を操り演技をする。
ストーリーは、麦まきをしている農民に襲い掛かった大蛇を、スサノオノミコトが退治するという内容。脇で奏でる、お囃子が「ヒンココ、チャイココ、チャイチャイホーイ」と響く。紅葉に色づく山の中腹に設けられた舞台を、見あげる首が痛かったのを思い出す。(2018/11/18)

posted by JCJ at 10:00 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月16日

【リレー時評】福岡市が市民団体の贈呈本を拒む=白垣詔男(JCJ代表委員)

 福岡市の市民団体「引揚げ港・博多を考える集い」が出版した体験記を、福岡市教育委員会を通じて市内の全中学校に寄贈しようと申し入れたところ拒否された。理由は「旧ソ連兵や中国人の蔑称が使われているから」。
 同団体は今年6月に「あれから七十三年 十五人の戦後引揚体験記」を出版、若い人にも読んでほしいと福岡県内のすべての高校や大学、福岡市立図書館など約400カ所に寄贈したが同市内の全中学校69校への配布は拒否された。

 同団体の事務局長は「現在は使ってはいけない蔑称だが、時代背景を伝えるため引揚者が書いた体験記を原文のまま使用。注釈と解説などを付けている」としたうえで「当時、なぜこのような差別用語が使われていたのかを教えるのも教育ではないか」と主張したが、市教委は「生徒に用語などを説明しながら読む必要があり、そのまま(中学校の)図書室に置くのは好ましくないと判断した」と同団体の主張には耳を貸さなかった。

 博多港には敗戦後、中国大陸や朝鮮半島から約139万人が引き揚げてきた。長崎県の佐世保港に次ぐ日本最大級の引き揚げ港で、1991年、市民が「引揚げ港・博多を考える集い」をつくり、その歴史を語り継ぎ、引き揚げを通して悲惨な戦争を二度としないよう訴えてきた。同団体は記念碑を建てるよう福岡市に働き掛け、同市は96年、彫刻家、豊福知徳さんに依頼して博多港を望む場所に「那の津往還」と名の付く引き揚げ記 念碑を完成させた。
同団体はその後、同市に「引き揚げ記念館」を建設するよう申し入れてきたが市は難色を示し、ようやく2011年、市民福祉プラザの1階に「引き揚げ関連常設展示場」をつくり、市民が寄贈した約2600点のうち引き揚げの際使われた腕章やリュックサックなどを展示するようになったが周知が不十分で、展示場を知る人は少ない。

 また、別の市民団体が主催して毎年開いている「平和のための戦争展」についても市は「戦争法廃止、原発反対など戦争展の趣旨にそぐわない内容の主張が政治的だ」との理由で後援を拒否している。同市は「戦争と平和の問題」には後ろ向きと言わざるを得ない。
 「中国人への蔑称」は、九州大学生体解剖事件を題材に取った遠藤周作の名作「海と毒薬」には、何の注釈もないまま使われているが、中学校の図書室で読むことができるようだ。
 そうしたことから、市民団体が発行した引き揚げ体験記を同市が贈呈受け取りを拒否した根底には「平和と民主主義」の実現に消極的で日本の近現代史を大事にしない安倍政権に通底するものを感じてならない。
 なお、福岡市の現市長は自民党福岡県連の重鎮、麻生太郎副首相・財務相の大きな支援を受けているというか、麻生さんの言いなりの市政運営をしているという指摘が多い。
posted by JCJ at 10:09 | 政治・国際情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月13日

《月間マスコミ評・新聞》沖縄の問いに社説はどう答えるか=六光路 弦

 沖縄県知事選は9月30日の投開票の結果、急逝した翁長雄志前知事の後を継いで、名護市辺野古への新基地建設阻止を掲げた玉城デニー氏が、安倍晋三政権が支援した佐喜真淳氏に8万票余の差をつけ圧勝した。
 
 仮に日米同盟を是とするなら、米軍基地の恩恵を受けるのは日本全体なのに、なぜ沖縄に過剰な基地負担を押し付けるのか―。沖縄の民意が突き付けた問いを、本土に住む日本人が正面から受け止める番だろう。
 
 沖縄の基地集中を巡っては、従来から地方紙の多くは安倍政権の強圧的な姿勢に批判的だった。知事選後は、さらに踏み込んで、日本本土に住む自分たちの問題として受け止めようとする地方紙の社説がいくつも目に止まった。
 
 一例を挙げれば西日本新聞は「『沖縄が反対している』と遠くから眺めるのではなく『じゃあ私たちはどうする』と踏み込み考えることが、沖縄と本土の溝を埋め、基地問題解決を促す力となるはずだ」と強調。中国新聞は「本土の私たちが傍観者にならず、沖縄とともに声を上げる姿勢が、政府のかたくなな態度を変える潮流になるはずだ」と訴えた。
 
 一方、読売新聞、産経新聞、北國新聞は、辺野古新基地建設は進めるべきだと主張した。驚いたのは産経だ。玉城氏に対し「移設を妨げる県の従来方針を改め、国との関係を正常化し、基地負担の軽減を進めていく現実的な立場をとってもらいたい」と、直截的な表現で事実上の公約撤回を要求した。読売も表現は遠まわしながら同様のトーン。それぞれ選挙翌日の社説だ。
選挙を通じて示された民意を尊重し、その代表として選ばれた首長に敬意を払うのは当然のことだ。産経や読売の主張は民主主義の否定にも等しい。このような主張を続けるのなら「新聞」を名乗ってはいけない。
 
 意外なのは、東日本大震災の被災地の地元紙、河北新報だ。翁長前知事の国との法廷闘争を時間の浪費と結論づけ「辺野古移設に反対なら反対として、実現可能な具体的な対案をある程度は提示するのは知事に求められた責任ではなかったか」と書いた。沖縄の基地問題も被災地の復興も、地域の自己決定権が問われているはず。被災地の読者の支持を得られただろうか。 

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2018年10月25日号   
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2018年11月11日

【今週の風考計】11.11─51年目を迎えるASEAN への期待

シンガボールに熱い視線が注がれている。11日からASEAN(東南アジア諸国連合)首脳会議が開催されているからだ。発足してちょうど51年目、加盟10カ国の人口を合わせると6億人を超え、EU(28カ国)の5億人を上回る。
「アジアのバルカン」とも言われた東南アジアが、平和を守り人々の生活向上を成し遂げてきた、その成果は大きい。しかし中国が南シナ海に人工島を造成している問題で、隣接諸国は緊張の度合いが増している。とりわけ米中間での争いが激しくなれば、その余波はASEANにも及ぶ。

南シナ海の領有権争いに無関係なカンボジアやラオスは親中国の立場をとるが、ベトナムは中国に対して強硬だ。全会一致を原則とする以上、議長国シンガポールの意向を反映して、中国に一定の配慮をして紛争への懸念と国際法を重視する姿勢を打ち出す。
さらに厄介なのは、中国の経済圏構想「一帯一路」がもたらしている悪影響だ。中国からの巨額の借金で苦しむ国が続出している。今年の総選挙でマハティールが首相に復帰したマレーシアは、ついに兆円単位の債務を抱える鉄道建設の中止を決めた。あまりにも中国本位の借款事業への批判は強い。

15日からは東アジアサミットが、同地で開催される。ASEAN10カ国に加えて、日本、韓国、中国、インド、ロシア、豪州、米国などが参加する。その前日14日には安倍首相とプーチン大統領の首脳会談も組まれ、北方四島の帰属と平和条約締結に関する話し合いが行われる。だが、もっと大事なのは、米ロ中の顔色を伺う対応ではなく、東南アジアで果たすべき日本の主体的な役割の発揮である。

18日からは、ASEANに加盟申請しているパプアニューギニアのポートモレスビーで、APEC(アジア太平洋経済協力会議)が始まる。そこにも安倍首相は出席する。外国人労働者の導入・移民政策などに絡む重要法案はどうするの? 盟友・プーチン大統領は、自国の「移民問題」への対応で欠席だ。(2018/11/11)
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2018年11月08日

【メディア気象台】 9月から10月=編集部

◇改憲問う国民投票CM量、民放連は自主規制せず

民放連は20日、憲法改正の是非を問う国民投票に関するテレビやラジオのCMについて、量を自主規制する統一的な基準は設けず、各放送局の判断に委ねる方針を決定した。民放連は理由として、国民投票法が投票日の14日前からCMの禁止期間を設定している点を挙げ「原則自由である国民投票運動において広告放送にのみ厳しい法規制が課されており、既に量的な配慮が行われていると言える」とした。(「東京」9月21日付ほか)

◇被告手記本「知事推奨と誤解招く」と教授ら抗議文

相模原市緑区の県立障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者ら45人が殺害された事件で、黒岩祐治知事が植松聖被告(28)=殺人罪などで起訴=の手記などをまとめた本を推奨していると受け止められかねない発言をしたとして、静岡県立大短期大学部の佐々木隆志教授(61)らが21日、県庁を訪れ、発言の撤回と謝罪を求める抗議文を提出した。(「神奈川」9月22日付)

◇「常識を逸脱、偏見の表現」、LGBT巡り新潮社

新潮社は21日、性的少数者(LGBT)を巡る表現で批判を受けている月刊誌「新潮45」10月号の特集について「あまりに常識を逸脱した偏見と認識不足に満ちた表現が見受けられた」と、内容に問題があったことを認める佐藤隆信社長名の談話を発表した。謝罪の文言はなかった。(「神奈川」9月22日付ほか)

◇子ども向け「六法」出版へ

「いじめは犯罪だと知ってほしい」…。刑法の暴行罪や侮辱罪などを易しい条文で紹介する「子ども六法」の出版に向け、一橋大大学院社会学研究科修士課程の山粼聡一郎さん(24)=川崎市=が、インターネット上で出版費用を募っている。山崎さん自身、小学生時代にいじめられた経験があり、「問題解決の一助になれば」と願っている。(「毎日」9月22日付夕刊ほか)

◇国連、SDGsメディア協定〜創設メンバーに朝日新聞ら

すべての国連加盟国が2030年までの実現を目指す「持続可能な開発目標」(SDGs)について、取り組みを強化しようと国連の呼びかけに応じた世界のメディアによる協力推進の枠組み「SDGメディア・コンパクト(協定)」が23日、発足した。創設メンバーとして、朝日新聞を含む、日米中など10か国以上のメディア企業や国際的な連合組織など、計31社・団体が加わった。参加メディアは、国連とSDGs関連コンテンツに協力したり、実現に向け各国が直面する課題の詳報を進めたりする。(「朝日」9月25日付)

◇是枝監督に生涯功労賞

スペインで開かれた第66回サンセバスチャン国際映画祭で23日、映画監督是枝裕和さん(56)が生涯功労賞に当たる「ドノスティア賞」を受賞した。スペイン語圏で最も注目され、欧州でも有数のこの映画祭でアジア人の同賞受賞は初めて。ドノスティア賞は、同映画祭で最も名誉ある賞で、名監督や名優に授与される。(「神奈川」9月25日付ほか)



◇「新潮45」休刊発表

月刊誌「新潮45」が性的少数者(LGBTなど)を「生産性がない」などと否定する自民党・杉田水脈衆院議員の寄稿を掲載し、最新10月号で擁護する特集も組んで批判が集まっていた問題で、発行元の新潮社は25日、同誌を休刊にすると発表した。「部数低迷に直面し、試行錯誤の過程で編集上の無理が生じた」「このような事態を招いたことについてお詫びいたします」と謝罪。老舗出版社が「顔」ともいえる月刊誌の休刊を決めたことは、言論・出版界に大きな波紋を広げそうだ。「(「毎日」9月26日付ほか)

◇英記者ビザ更新、香港政府が拒否

英紙フィナンシャル・タイムズは5日、香港政府が同紙アジア版編集担当のビクター・マーレット記者のビザ更新を拒否したと明らかにした。同記者は香港外国特派員協会の副会長で、同会が8月に香港独立を主張する政治団体・香港民族党の陳浩天代表を招いた講演会で司会を務めており、民族党はこの後、香港政府により活動禁止を命じられた、このためビザの更新拒否は講演と関連があるとみられる。香港特派員協会は声明を発表し、「言論の自由は法律の保障するところで合理的説明を欠くのであれば当局は関連の決定を取り消すべきだ」と求めている。(「しんぶん赤旗」10月7日付)

◇FB、私的通信流出か〜世界25万人分

米交流サイト大手フェイスブック(FB)の利用者のものとみられる携帯電話番号や、メッセージのやりとりといった個人情報がインターネット上に大量に流出していたことが6日、新たに分かった。情報セキュリティー専門家らの解析によると、世界各国の利用者の個人情報で25万人以上に上るとみられる。(「毎日」10月7日付ほか)

(編集部)

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2018年10月25日号
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2018年11月07日

【沖縄リポート】 ウチナーの未来はウチナーンチュが決める

 まさに「痛快!」だった。翁長雄志前知事の急逝に伴う沖縄県知事選(9月30日)は、内外の大方の識者の予想を覆し、安倍政権(自公・維新)の全面的支援を受けた佐喜眞淳候補を、翁長知事の遺志を継ぐ玉城デニー候補が8万票以上の大差で破り、当選した。

 徹底した争点隠しと、カネと権力を総動員した物量作戦が功を奏した2月の名護市長選に味を占めた政権側は、その「名護方式」(彼らは「勝利の方程式」と呼んだ)を今回知事選にも適用。前回知事選では自主投票だった公明党、前回は下地幹郎氏が立候補して3万票を獲得した維新の票を合わせれば佐喜眞候補が勝てると踏んでいた。

彼らのやり方は名護市長選にも増してすさまじかった。菅官房長官、小泉進次郎氏を筆頭に自公の大物政治家が次々と沖縄入り。公明党は全国から7千とも8千とも言われる運動員を送り込んだ。期日前投票は日を追うごとにうなぎ上り。企業動員の際、自分の書いた投票用紙を写メで報告させているという話に耳を疑った。ネット上ではデニー候補に対する誹謗中傷・デマが90%以上を占めていた。加えて、投票日前日には超大型台風24号が沖縄を直撃するというオマケまで付いた。正直怖かった。

これらのすべてを見事に打ち破ったウチナーンチュを私は心の底から誇りに思う。動員されても心を売らなかった人々、創価学会の三色旗を掲げて公然とデニーさんを応援した学会員、「デニってる」などの造語や斬新なアイデアで選挙を盛り上げた若者たち、ネットのデマを「ファクトチェック」で精力的に検証した地元紙…。「ウチナーの未来はウチナーンチュが決める!」と立ち上がった県民一人ひとりの総合力がこの勝利を導いたのだ。

翁長前知事がしっかりと築いた礎の上に県民はいま、デニー新知事とともに、自立・共生・多様性の「新時代沖縄」へ向けて出発した。

と、ここまで書いたとき、政府が埋め立て承認撤回の効力停止を求めて国交省に審査請求を行ったというニュースが飛び込んできた。14日の豊見城市長選で、デニー知事が支援した山川仁氏が当選し、この追い風を21日投開票の那覇市長選へ、と意気込んでいた矢先だ。国の言うことを聞かない沖縄への報復としか思えない。民意はまたも踏みにじられた!

浦島悦子

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2018年10月25日号
posted by JCJ at 13:39 | Editorial&Column | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月06日

【神奈川支部例会】 本土との認識の差を実感 東海大生 沖縄取材体験を報告=保坂義久

神奈川支部では10月6日、神奈川県民センターで例会「若者は沖縄の今をどう見たか」を開いた。

2017年9月、沖縄戦跡のチビチリガマが沖縄在住の少年たちに損壊された事件は、沖縄でさえ戦争体験が若い世代に伝えられていないとして大きな衝撃を与えた。

東海大学文化社会学部広報メディア学科の羽生浩一教授のゼミでは、同年12月に沖縄を訪れ、映像を「歴史記憶を継承する難しさ」というDVDにまとめた。

今回の例会ではこのDVDを視聴し、沖縄取材に行ったゼミのOBと現役学生の話を聞いた。

DVDでは、地元の平和ガイドが、チビチリガマの集団自決と、昨年の損壊事件について解説。平和学習の見学から帰ってきた地元中学生にもインタビューし、沖縄国際大学と琉球大学の学生にも話を聞いた。最近の沖縄ヘイトといえる言説について琉球新報の島洋子経済部長にも取材している。

現場の空気感じる

DVD視聴後、ゼミOBと学生が報告した。今年3月に卒業し、テレビ番組制作の現場で働く阿子島徹さんは、仕事で行う街頭インタビューと沖縄取材体験を比較し、こちらでは10人に質問して1人か2人が答えてくれればいい方だが、沖縄では誰でも答えてくれると本土との違いを語った。

DVDではナレーションを担当し、現在は新聞社系の広告代理店で仕事をしている杉田颯さんは、空襲の被害の大きかった八王子出身、祖母が身内の犠牲に触れたがらないと自分の体験と重ね合わせた。

現在大学4年の寺牛恒輝さんは「友人が左派ヘイトの根も葉もない発言をリツイートしているのを見るとうんざりするが、自分も学ばない前は同じようだった。異なる立場でも互いに耳を傾けるのが大事だと思う」という。

3年生の高橋夏帆さんは、子どもの貧困をテーマにし、子ども食堂を取材した。食堂に入りづらい状況があると報告した。

澤村成美さんは、性的マイノリティーをテーマに決め、パートナーシップ制度について行政などに取材した。実際に辺野古のゲート前では、座り込む人が運び出される状況に驚いたが、作業終了時には互いに「お疲れ様」と声を掛け合うなど、現場でなければわからない雰囲気も感じたという。

中島こなつさんはガマを個人テーマにして調べていた。損壊事件について周囲のほとんどの学生は知らないという。

各自の報告の後、司会の野呂法夫支部運営委員から「様々な集会が開かれるが若者の参加は少ない。どうしたらいいか」と問いかけられた。

若者たちからは、直接話せるよう大学に出向いてほしいとかSNSの活用などの意見が出た。

記者の仕事を語る

後半は沖縄の新聞社でインターンシップ参加した体験を、沖縄タイムスで働いた高橋夏帆さんと、琉球新報で体験した専修大学3年の天野公太さんが報告した。

高橋さんのインターンシップは8月6日から12日間。3日目に翁長知事が亡くなり、あわただしい新聞社内を体験した。

通夜の取材にも同行させてもらったという。どんな緊急事態にも事実確認を疎かにしない新聞の制作現場を体験できてよかったと、高橋さんは語る。

天野さんが身近な人に沖縄に行くと話すと、「プロ市民とかいるんでしょ」という反応が返ってきたという。天野さんはSNSが出現する前の沖縄のイメージはもっと違っていたと指摘した。

天野さんは本土と沖縄との認識の乖離に気づかされたという。東京では米軍は決められたルールを守って訓練していると思われているが、現地へ行って、米軍がルールをも持っていないことを知った。

最後に藤森研支部代表が、JCJ賞資金のカンパを呼びかけた。集会の参加者は51人。

保坂義久

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2018年10月25日号
posted by JCJ at 10:29 | Editorial&Column | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月05日

【メディアウォッチ】 ネット動画「安倍政権の末路」大反響 FmA配信 アクセス数7万回超=河野慎二

 JCJとマスコミ9条の会共催の集会「安倍政権の末路」のネット配信動画が、過去に例を見ないアクセスを記録、10月についに7万回を超えた。 

この集会はジャーナリストの青木理氏と杉尾秀哉参院議員(元TBSニュースキャスター)、砂川浩慶立教大教授を招き7月に開いたもので、「自由メディア(FmA)」が8月中旬、ユーチューブで全国に発信した。

プロバイダー仰天

集会などの動画は、通常アクセス数はそれほど伸びないが、今回はケタが違った。配信直後に3万件を超えるアクセスが殺到した。瞬時ではあったが、ネット画面に「データに間違いがある恐れがあります」という赤文字の表示が流れた。プロバイダーにもサプライズのアクセス急伸だった。

動画を見た人たちが友人や知人に拡散し、視聴者が増えた。アクセスは10月も衰えることなく続伸、23日には7万703回に達した。

 配信への反応は、ほぼ2対1の比率で「いいね」が大きく上回った。ネトウヨからの罵詈や雑言も飛び交ったが、安倍退陣を求めるアクセスの底堅い伸びは雑音を圧倒した。

決め手はテーマだ

なぜ爆発的にアクセスが増えたのか。

まず、「安倍政権の末路」というテーマ設定が、タイムリーだった。

森友・加計疑惑では首相の信頼は失墜した。

 外交でもトランプ米大統領に従属するばかりで、報道と国会などの現場で安倍政治をウオッチしている青木、杉尾、砂川3氏からは「怒りのマグマが一気に噴き出す可能性がある」(青木氏)、「安倍氏が自民党総裁に3選でもレームダック化は必至」(杉尾氏)などと、核心に迫る発言が相次いだ。

 3氏は、新聞、テレビなどメディアの問題にも言及した。日本ではメディアが分断され、安倍政権に好都合な状況となっている。

 モヤモヤ感を打破

それでも、森友学園を巡る朝日のスクープを例示し「ジャーナリズムはそんなに弱くはなっていない」(青木氏)との指摘があった。

改ざん、隠蔽、虚偽答弁の安倍政治に対する怒りは爆発寸前なのに、退陣に追い込めない、そうしたモヤモヤ感を打ち払うような3氏の分かりやすい議論に動画の再生回数がはね上がった。

 とりわけ女性のアクセスが通常の12%から21%に倍近く増えた。

「この番組を見ることが出来てラッキーです。うんざりする日が続いたので」という声が寄せられている。

 市民は、権力に「忖度」しない報道を切実に求めているのだ。7万回を超えるアクセスは、そのことを強く示している

河野慎二

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2018年10月25日号
posted by JCJ at 14:04 | メディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月04日

【今週の風考計】11.4─「外国人受け入れ」に対する右派の困惑

★30年後には、日本の人口が15%減少する。安倍政権は、それに伴う国内の労働力不足を解消するため、外国人労働者の受け入れ拡大に舵を切った。
★そのため新たな在留資格を創設する出入国管理法改正案を2日に閣議決定、今国会での成立を目指す。新たに「特定技能1号」は一定の日本語力と技能があれば5年間の在留を認める。さらに熟練した技能がある労働者は「特定技能2号」とし、家族の帯同と長期の在留を認める。定期的な審査を受ければ事実上の永住も可能になる。

★来年4月からの実施を目指す。まずは深刻な人手不足に悩む介護や農業、建設など14業種で受け入れる。「移民ではない」と強調するが、受け入れ人数に上限はない。2025年までに50万人の外国人労働者を受け入れる方針だ。
★とにかく安い賃金で働かせるのが本音なのだから、「外国人就労者の雇用が切れたり、違法残業が続いたりした時、抗議や暴動など治安が悪化しないか」、さらには「日本人労働者の給与が下げられ、待遇悪化につながりかねない」など、深刻な声が広がる。あまりにも“ご都合主義的な政策”ではないか。

★自民党内や安倍政権を支援する右派組織からも「中国やベトナムなど外国人が日本国内の労働力のカギを握り、日本侵略が進む」と、反対の論調に拍車がかかっている。現に極右団体は10・10「反移民デー」を設け、過激なデモ行動を展開している。

★肝心なのは、外国人労働者といえども、国籍などで差別されるのでなく、労働者としての権利、生活者としての人権が守られなければならない、それが保障されるか、この一点にかかっている。(2018/11/4)
posted by JCJ at 12:13 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月03日

【お知らせ】11月11日にテレビ記者講座を開きます。参加学生を募集中

JCJ秋のジャーナリスト講座(学生向け)

*テレビ記者疑似体験! その厳しさ、面白さ11*月12日夜=*テレビ局エントリー動画で学ぶ、映像リポート実習*
―――この職業は、本当に厳しくて、本当に面白い。志すなら、思いきりワクワクして、しっかり覚悟して、臨もう。それにはまず、現場を知ろう。「筑紫哲也NEWS23」「みのもんたのサタデーずばッと」などで、自ら取材・リポートしてきた元TBSの下村健一さんが「テレビ記者」を目指す若い世代と熱く語り、何を準備すべきか、どう向き合うべきか指導します。

〇11月11日 午後1時半〜5時
会場:日比谷図書文化館4階セミナールームA
東京都千代田区日比谷公園1−4
最寄りは地下鉄内幸町駅か霞ヶ関駅
〇11月12日 午後6時半〜9時半
会場:日比谷図書文化館4階セミナールームA
講師:ジャーナリスト・下村健一さん=白鴎大学客員教授・元TBSキャスター
参加費:各回1300円=予約が必要です
予約:参加希望日と氏名、大学名、連絡先電話番号、メールアドレスを明記して、下記にメールでお申し込みください。
メール sukabura7@gmail.com

★11月12日に受講される方々へ:自由提出課題のお知らせ=11月9日までに、30〜90秒の自己紹介映像をつくり、無料の大容量データ転送サービス(ギガファイル便など)で上記アドレスまで提出してください。(義務ではありません。希望者のみです)映像は、スマホの横撮りで結構です。講師が批評・助言します。*主催:日本ジャーナリスト会議(JCJ)

電話03・3291・6475(月水金の午後1時から6時)
posted by JCJ at 15:45 | お知らせ&行動要請 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【メディアウォッチ】 非民主的で無責任なITメディアの改革急げ=鈴木賀津彦

 メディア・リテラシー教育の実践的な研究者として世界的に著名な英国のデイビット・バッキンガム氏が来日し、法政大学市ケ谷キャンパスで10月6日、「『デジタル資本主義』時代のメディア・リテラシー教育」をテーマに講演した。同大学図書館司書課程が主催、JCJなどが共催した。教員や図書館司書、研究者やジャーナリスト、学生ら約100人が参加した。

 バッキンガム氏は講演で、フェイスブックやグーグルなどの巨大IT企業の商業主義的な独占支配のもとにあるインターネットの現状から、デジタルの夢は悪夢に変わりつつあると強調。「サイバーユートピア主義は終焉した」と説明した。
 そこで起きているフェイクニュースやネットいじめや「中毒」、そしてクリックベイドなどが横行する現状を、単なる症状ではなく根源にある問題を見る必要があると解説。規制に抵抗する巨大IT企業が代替えとして示す「メディア・リテラシー」やファクトチェッカーなどの技術的解決策など、断片化された「手っ取り早い」解決ではうまくいかないと批判した。
 「私たちが必要としているのは、フェイクニュースか否かをはっきりさせるための単純なチェックリストなどではなく、それらのメッセージを載せるメディアがいかに機能しているのか、経済的な次元だけではないその仕組みを、より深く批判的に理解することなのだ」と述べる。
 では、どうすればいいのか。まず「インターネットを、水や空気のように私たちにとって欠くことのできない公共事業と認めること。それが民間企業によって運営される場合に、厳正な規制と説明責任が求められ、商業的独占が生じないよう防止策や独占企業の解体がなされるべきだ」とバッキンガム氏は主張する。

 次に「グーグルやフェイスブックのような企業は、そのインフラに載るコンテンツを誰が作っていても、メディア企業とみなされるべきだ」とする。現在、インフラを提供するだけの技術的企業であり、中立的な媒介事業者だと振る舞い、流通するコンテンツに対してはいかなる編集責任も持たないと主張しているが、編集責任を持たせ、ヘイトスピーチやハラスメント発言など、既存のメディア規制の対象にしようと訴える。
 第三は個人情報の利用の問題だ。多くの人は利用規約に同意のチェックをすることが何を意味するのか、ほとんど分かっていない。「自らの個人情報がどのように集められ、いかに活用されているかについて、知る権利と管理する権利を持つべきである」とし、「メディア・リテラシーは人々に対して、変革を求めることこそを教えなければならない」と訴えた。
 バッキンガム氏は広島市などでも講演、福島の原発被災地などを視察した。

鈴木賀津彦

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2018年10月25日号
posted by JCJ at 14:44 | メディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月02日

【JCJ賞資金800万めざす運動】 個人で10万も 9月末で100万超えた=大場幸夫

 8月集会でスタートしたJCJ賞資金強化運動では、まず会員・機関紙読者、JCJ賞への作品応募を要請している出版社・新聞社・放送局とJCJ賞受賞団体にカンパ依頼文及び要請リーフレットを発送しました。さまざまな反応がありました。  

 ある新聞社には発送後電話。社長室長対応。依頼封筒着確認。寄付をするかどうかは別ですとのこと。また、ある出版社と面談し懇談しました。先方は社として協賛、後援は遠慮すると決めているので取り組めないが、個人的カンパならと言っていただきました。
 さらに別の新聞社の窓口担当者からはメールの返事が早々に届き、JCJから3名で訪問しました。JCJ賞の社会的役割について強く訴えました。非常に好意的で、返事が近いうちに来ることになっています。
 別の新聞社にも、普段懇意にしている人を通じて、窓口を紹介していただきました。「新聞社は寄付するのは経験がない。広告を出すというのはどうか」と提案されました。
 いくつかの支部からは、相談してカンパ額を決めると連絡があります。ある新聞支部からは「組織としては難しいが、支部員に呼び掛けて年内にまとめる。支部総会も開く」との情報がありました。総会には事務局長が出向きカンパを訴えます。

 始まって1か月が過ぎました、もっと活動を広げなければなりません。どれだけ多くの人が動くかが成功のカギです。会員の皆さんが自分の目標を持ってください。また、要請する対象者を受け持ってください。読者の方、JCJ賞を受けた団体・個人の方、OB会の方、一緒にいろいろな活動をされている方など対象者は多いのではないでしょうか。
 各支部は具体的運動計画を立てるようにしてください。強化委員会では労組へのカンパ依頼も進めます。リーフレットや振込用紙は事務所にあります。お知らせください。 

 カンパの額は、9月末時点100万円を超えました。支部では5万円が4件ありました。個人で10万円が1件ありました。目標に向かって頑張りましょう。
 目標は800万円、個人1口2000円、団体10000円、複数口のご協力を!

大場幸夫(JCJ賞資金強化委員会事務長)

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2018年10月25日号
posted by JCJ at 14:15 | JCJ賞情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月01日

【リアル北朝鮮】 朝中露が接近 制裁緩和へ 非核化の速度と幅に応じて=文聖姫

 北朝鮮と中国、ロシアの接近が注目を浴びている。

 11日、北朝鮮の朝鮮中央通信はモスクワで9日に開かれた朝中露外務次官級協議について伝え、おおむね次のように指摘した。

・3者(朝中露)協議では、朝鮮半島の平和と安定のために傾けている北朝鮮の努力を評価。

・朝鮮半島情勢の肯定的な流れが持続するよう、相応の措置を取ることが重要だという点で見解が一致。

・朝鮮半島に恒久的で強固な平和体制を構築し、相互の関心事となるすべての問題を合理的に解決するための意思疎通と協力を引き続き強化することで合意。

 そして、3者協議では共同報道文が発表されたと報じた。

 朝鮮中央通信では、共同報道文の詳細な内容は伝えられていないが、ロシア外務省によれば、北朝鮮が実施した核実験の廃棄などの動きを踏まえ、「北朝鮮への国連制裁は適時、見直す必要がある」と指摘。「一方的な制裁に反対する共通の立場を確認した」とされる(朝日新聞2018年10月11日付)。

 6月12日に史上初の米朝首脳会談がシンガポールで開かれた後も、国連の対北朝鮮制裁措置は解除されていない。アメリカは、北朝鮮の非核化が実現しない限り、制裁を解除させない方針だ。しかし、中露は北朝鮮の対話路線を支持し制裁の緩和を求めてきた。

 今回の共同報道文でも、「3者は朝鮮民主主義人民共和国が意義ある実践的な非核化措置を取ったことに注目し、適期に対朝鮮制裁措置の調節過程を稼働させるべき必要性があるという見解で一致した」(聯合ニュース18年10月11日)との文言がある。10月11日発の聯合ニュースは「調節過程」という言葉に注目。専門家の言葉を借りて、北朝鮮の非核化の速度と幅に応じて制裁緩和の速度と幅も調節すべきだという3カ国の協力的立場を反映させたものだと分析した。

文聖姫(ジャーナリスト、博士)
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2018年10月25日号
posted by JCJ at 14:40 | 政治・国際情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする