2018年12月02日

【今週の風考計】12.2─「Forest Light 01」中の<12・8>

年内最後の「Forest Light 01」が7日から始まる。日本の陸上自衛隊と米軍海兵隊との共同演習である。大分県・日出生台演習場を舞台に、米軍輸送機オスプレイとの連携を組み込んだ実働訓練には、陸上自衛隊750人・米海兵隊250人が参加する。
大分県は、沖縄の基地負担軽減のため、すでに13回も米海兵隊の実弾射撃訓練を受け入れている。さらに危険性の高いオスプレイの訓練を追加する事態に、住民の怒りや反対の行動が盛り上がっている。

何あろうこの日、77年目の「リメンバー・パールハーバー」。ハワイ・オアフ島・真珠湾のアリゾナ記念館では、犠牲者追悼式が行われている。ところが日出生台演習場では、日米両国が協働して戦争遂行の訓練をしている。真珠湾を襲った日本軍の空母6隻・艦載機399機への怨念はどうなったのか。

あろうことかトランプ大統領は「F35の大量購入」に感謝の言葉まで述べる事態だ。それもそのはず安倍政権は、すでに最新鋭ステルス戦闘機F35・42機の購入(6千億円)に加え、さらに100機も追加導入(総額1兆円)する。トランプ大統領は真珠湾の怨念どころか、「ディール」の成果に笑みがこぼれるのだろう。
また日本の護衛艦「いずも」(2.6万トン)を、艦載機が発着艦できるようにする空母への改造計画も進む。あの購入すると決めた最新鋭ステルス戦闘機F-35Bが、空母「いずも」に垂直離発着できる。攻撃能力を備えた戦闘機の離発着は、「自衛のための必要最小限度を超える」どころか、「専守防衛」から大きく逸脱する。

米国と日本が主導して、中国を包囲する「インド太平洋戦略」に向けた戦力増強に他ならない。アジア太平洋戦争の口火を切ることになった、<12・8>への痛恨の思いは、日米の為政者にはひとかけらもない。(2018/12/2)


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【リアル北朝鮮】 元徴用工裁判に踏み込む 南と共に日本の過去を清算=文聖姫

 10月30日、韓国大法院(最高裁)は元徴用工への賠償を新日鉄住金に命じる判決を下した。同様の訴訟は、約80社を相手に14件が係争中で、賠償命令はさらに続くものと思われる。

 この問題に関して、北朝鮮でも最近、立て続けに論評を出している。例えば、朝鮮労働党機関紙・労働新聞11日付は、「歴史に刻まれた特大型の過去の罪は決して覆い隠すことはできず、消し去ることもできない」として、「日本帝国主義への恨みと憤りを抱えているわが民族は、日本の過去の罪に対する謝罪と補償を千百倍にして受け取るだろう」と指摘した。

 国営・朝鮮中央通信は13日の論評で、「日本は当然、朝鮮人民に与えた人的、精神的、物質的被害に対して徹底的に謝罪し、国家的賠償をしなければならない」「日本にとって過去の清算は、絶対に避けられないし、避けてもならない問題」「代を継いで罪の償いを必ずさせるのが朝鮮民族の意志だ」などと主張している。

 目を引くのは、「わが民族」「朝鮮民族」という言葉だ。南北が力を合わせて日本の過去の清算に取り組もうと呼びかけているようにも見える。

 今年、南北関係は劇的に改善した。北朝鮮は、金正恩朝鮮労働党委員長が元旦の新年の辞で示唆したとおり、平昌冬季オリンピック・パラリンピックに参加した。それが皮切りとなって南北首脳会談が実現し、4月、5月、9月とすでに3回開催されている。もはや定例化したと言ってもよい。首脳会談は年内にもう一度、それもソウルで開催される予定だ。北朝鮮の最高指導者がソウルを訪れるとすれば、歴史的なことだ。

 日本は北朝鮮と過去の清算を果たしていない。今年、南北、中朝、米朝関係は進展があったが、日朝だけは進展の動きがみられない。北朝鮮メディアや関係団体は、過去の清算の重要性を強調し続ける。南北が共闘して、日本から謝罪と補償を勝ち取るべきだと呼びかけている。

文聖姫(ジャーナリスト、博士)

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2018年11月25日号

 
posted by JCJ at 11:02 | Editorial&Column | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする