2019年04月10日

【メディアウォッチ】 記者たちついに立ち上がる 「知る権利守る」と猛アピール 報道各社は一丸となって闘え=編集部

記者たちが怒りの声を挙げ、立ち上がった。菅儀偉官房長官会見での「特定記者」への質問の制限や妨害など、国民の「知る権利」を奪おうとする政府に抗議する集会「FIGHT FOR TRUTH」が3月14日、首相官邸前で開かれた。新聞、民放、出版の各労連などでつくる日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)が呼び掛けた。

国際的にも広がる

5日の会見で菅官房長官に「あなたの質問に答える必要はありません」とあらわに回答拒否≠ウれた東京新聞の望月衣塑子記者は集会で、「メディアが権力に厳しい質問ができなくなった時、民主主義は衰退します」と壇上で訴えた。

問題が顕在化したのは昨年12月末、首相官邸報道室長名で内閣記者会に、特定記者の質問を「事実誤認」「度重なる問題行為」と断定ことから。

3月に入って、国境なき記者団が「政府は記者会見の質問が適切か不適切かを判断してはならない」との声明を発表するなど、安倍政権への批判が国際的にも広がっているとは言え、政府の対応は一向に変わらない。加えて取材報道の自由の制限をより強めており、メディアは深刻に受け止める必要がある。

東京新聞が2月20日に1ページ全部を使った特集「官房長官会見問題 本紙の検証と見解」を載せている。望月記者の質問に対し、内閣広報官らから9回もの不当な内容の申し入れが東京新聞にあったと伝えている。そんなに頻繁にあったのかと驚かされるが、その内容を読んで、政府がこんなおかしな主張をしていのかと驚き、あきれ、怒った人が大勢いたのではないだろうか。

昨年6月の申し入れは「国民の代表とは選挙で選ばれた国会議員。貴社は民間企業であり、会見に出る記者は貴社内の人事で定められている」というのだ。民間企業の新聞社の記者が国民を代表するわけはないとの認識で、記者会見は行政サービスとしかみていないのだろう。ジャーナリズムを単に企業活動としか受け止めていない政権だから、記者の質問を封じる発言が平気でまかり通ることも理解できる。

問題は、こんな政権の考えを世の中が「容認」してしまっている現状を招いてしまっていることだ。なぜこうなってしまったのかと問えば、申し入れのたびにきちんと批判をしてこなかったことが一因ではないのか。

個別に対峙はダメ

東京新聞の検証記事には、不当な申し入れがあったことをその時点で報じなかった理由は特に書いていないが、「政府が、こんなバカな常識はずれの主張を言ってきた」ので反論するのもバカバカしいと考えたのかもしれない。しかし今、そんな対応が甘かったと反省する必要があるだろう。

国民の「知る権利」のため、国民を代表して取材する記者が、国民に知らせずに、各社が個別に対峙するだけでは、かえって政権に好都合となりかねない。報道各社の枠を超え、さらに検証することが求められる。

(編集部)

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2019年3月25日号
posted by JCJ at 11:13 | メディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする