2019年06月06日

【沖縄リポート】 「軍事植民地」現実かわらず=浦島悦子

 一人の人間が年老いて息子に仕事を譲っただけで、なぜ「時代が変わる」のか…? 強烈な違和感の中で、「改元フィーバー」の10連休が過ぎた。「天皇制」によってさんざん痛めつけられてきたはずの沖縄のメディアでさえ「平成天皇賛美」の片棒を担ぎ、わずかに「沖縄タイムス」が文化欄で目取真俊氏らの批判的な論稿を載せたくらいだった。

 もちろん、沖縄の現実は何一つ変わってもいない(日本だって同じだろうけれど)。「令和」とは「ヤマト(大和)の命令に従え、ってことだろ?」という声が聞こえるように、沖縄に対する安倍晋三政権(日本政府)の圧政はますます強まる予感さえする。それをうまく慰撫するのが天皇(制)なのだろう。

10連休2日目の4月28日は、米軍属に惨殺された当時20歳の女性の3周忌であり、67年前に沖縄が米国に売り渡された「屈辱の日」でもあった。私は友人とともに恩納村に向かい、女性の遺体遺棄現場に地域住民が設けた献花台に手を合わせた。「二度と娘のような被害を生まないで」という両親の悲願とは裏腹に、つい2週間前(4月13日)またしても、在沖米海兵隊所属の海軍兵に北谷町の女性が殺害される事件が起こったばかりだ。米兵の勤務時間外行動を制限するリバティー制度を、米軍は「兵隊に快適な時間を過ごしてほしい」という理由で大幅緩和した直後だった。軍事植民地♂ォ縄の現実を変えられないことを、霊前に詫びるしかなかった。

4月21日に行われた(玉城デニー氏の知事選出馬に伴う)衆議院沖縄3区補欠選挙で、安倍政権の全面的バックアップを受けた辺野古新基地容認の元沖縄北方担当大臣・島尻安伊子氏を、デニー知事の後継で新基地反対の新人・屋良朝博氏が見事破って当選。沖縄の民意はさらに明白になったにもかかわらず、翌日から変わらず、海と陸での新基地建設埋め立て工事が、何事もなかったかのように続けられている。

5月15日、沖縄は47年目の「日本復帰」の日を迎えた。「アメリカ世」から「ヤマト世」への「世変わり」は、植民地の宗主国を替えたにすぎなかった。今日も辺野古ゲート前に「沖縄を(沖縄に)返せ!」の歌が響く。

浦島悦子

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2019年5月25日号
posted by JCJ at 17:21 | Editorial&Column | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする