2019年10月30日

「反ヘイト」対「ヘイト」裁判 差別報じた記事を名誉棄損で 神奈川新聞・石橋記者 報道委縮が狙い

 ヘイトスピーチを批判する記事を書いてきた神奈川新聞の石橋学記者(48)が差別主義者に訴えられた民事訴訟が9月24日、横浜地裁川崎支部で始まった。虚偽の発言を「デマ」と断じ、差別的言動を「ヘイトスピーチ」と非難した記事によって名誉を傷つけられたとして損害賠償を求めるもので、石橋記者と弁護団は「差別を自由に続けたい『ヘイト』対『反ヘイト』の主戦場」と位置づける。石橋記者は「裁判が報道を萎縮させる目的であるのは明らか。メディアこそが先頭に立って反差別の記事を書くべきで、彼らの言動がヘイトスピーチであると判決の中で認定させたい」と話している。

正当な論評だ

裁判を起こしたのは今年4月の川崎市議選に立候補した佐久間吾一氏(53)。自身が主催した講演会を「差別言動繰り返し」との見出しを掲げて批判した2月15日付けの神奈川新聞の記事を問題にした。

 署名入りの記事で石橋記者は、講演会のあいさつに立った佐久間氏が川崎市川崎区池上町の在日コリアン集住地区について「いわゆるコリア系の方が日本鋼管の土地を占領している」「共産革命の拠点が築かれ、いまも闘いが続いている」などと発言したことを取り上げ、在日コリアンに対する「悪意に満ちたデマによる敵視と誹謗中傷」と断じた。

 佐久間氏は「在特会」から生まれた極右政治団体「日本第一党」の瀬戸弘幸最高顧問と行動を共にし、選挙でも瀬戸氏をはじめとするレイシストの応援を受けた人物。記事は、佐久間氏や日本第一党が川崎市内で続けるヘイト活動の実態を踏まえたものだが、佐久間氏は「根拠なくかき立て統一地方選候補予定者である原告の名誉を著しく傷つけた」と主張する。対する石橋記者側は第1回口頭弁論で、佐久間氏の発言は差別をあおるためのデマで「記事には公益目的があり、新聞記者として正当な論評をした」と述べ、名誉毀損には当たらないと反論した。

 弁護団は石橋記者の無罪を証明するだけでなく、佐久間氏や瀬戸氏ら日本第一党の活動がヘイトスピーチであり、人権侵害であることを判決の中で認定させることを目指す。裁判には約50席の傍聴席からあふれる市民が詰めかけ、メディアを支える市民運動の姿勢を示した。

沖タイ1面で

取材には朝日、毎日、共同通信社、沖縄タイムス、琉球新報、RKB毎日放送などが駆け付けた。特筆すべきは沖縄タイムスで、本記を1面に掲載し、解説記事と池上町のルポを社会面で展開。筆者の阿部岳編集委員は石橋記者の「メディアこそが差別をなくす闘いの先頭に立つべきだと考えて書いてきた」との発言を引用。「だからこそ石橋記者個人も狙われた。もし石橋記者が敗訴すれば、差別的言動は差別というレッテルから逃れ、自由になり、再び爆発的に拡大するだろう」と警鐘を鳴らした。基地反対運動を標的にした沖縄ヘイトに対する問題意識に基づく報道で、裁判の行方の重要性を浮き彫りにした。

 次回の口頭弁論は12月10日。石橋記者は「ヘイトが横行する現状はメディアが役割を果たしてこなかった結果だという思いがある。無罪判決を勝ち取り、差別を批判する報道の正しさを証明したい」と話している。

編集部

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2019年10月25日号
posted by JCJ at 12:52 | 政治・国際情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年10月29日

【映画の鏡】『ゆうやけ子どもクラブ!』 =今井潤

障害ある子の放課後支援     
『ゆうやけ子どもクラブ!』    
長回しカメラで成長を活写  

 ゆうやけフォークダンス.jpeg

この作品は2011年冤罪として無罪になった布川事件を扱った「ショージとタカオ」の井手洋子監督の最新作だ。
 40年前の1978年、東京小平市にできた「ゆうやけ子どもクラブ」は障害のある子どもの放課後を支援する施設で、全国でも草分け的な存在である。
 知的障害、発達障害、自閉症など小学生から高校生までの子どもたちが遊びや生活を通して成長していく姿をカメ?は丁寧にとらえていく。
 積み木に夢中になって子どもたちの輪に入ることができないヒカリくん。音に敏感すぎるカンちゃんはずっと給湯室にこもっている。
 小学5年のガクくんは散歩の途中指導員におんぶを要求した。ガクくんの年齢の子どもなら、普通はおんぶはしないだろうが、指導員は彼の要求を受け入れていた。夏の暑いさかりで、カメラはついていくのが精一杯。おんぶされたガクくんは単に甘えているのでなく、セミの声を聞き、風を感じていたのだ。長時間のおんぶを厭わない指導員、どれだけエネルギーがあるのか。
 今全国に障害のある子どもの放課後活動の場は1・3千カ所、利用者は20万人にのぼる。2012年に「放課後デイサービス」という事業所が爆発的に増え、活動の質が問題になっている。
 井手監督は「最初は子どもが自由すぎて困った。しかし子どもと一緒に飛んでいくんだといわれ、カメラマンに長回しを頼んだ。ドキュメンタリーを編集するときは発見があるんだが、今回は子どもの成長を感じた」と述べている。
上映は 東京:ポレポレ東中野 11月16日土〜3週間 毎日12時〜上映 横浜:ジャック&ベティ 11月30日土〜2週間  名古屋:シネマスコーレ 11月30日土〜2週間 毎日10時半〜上映  他全国順次上映
 
posted by JCJ at 14:58 | 映画の鏡 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年10月28日

【植村東京控訴審】決定的「新証拠」提出 音声テープが「捏造」はウソ裏付け=神原元

経緯
 91年に最初に名乗り出た従軍慰安婦・金学順さんの記事を書いたのは当時の朝日新聞・大阪社会部の植村隆記者であった。とりわけ97年頃から「慰安婦否定」歴史修正主義者の暗躍が強くなり当該記事を「捏造だ」とする攻撃が始まり、2014年1月「捏造」攻撃の先頭に立っていた西岡力氏のコメントが週刊文春の嫌韓特集に掲載されたことから「植村バッシング」が激しくなり、当時非常勤講師を務めていた大学には誹謗中傷のメールやファックスが殺到し、学生や植村氏の家族への危害を宣言する脅迫状も届いた。植村氏が自己の名誉を回復し家族の命を守るため、西岡力と文藝春秋社を相手取って東京地裁に訴訟を提起したのは2015年1月9日であった。

 2019年6月26日、東京地裁(原克也裁判長)は、植村氏の請求を棄却する判決を下した。判決は植村氏が「金学順のキーセンに身売りされたとの経歴を認識しながらあえて記事に記載しなかったという意味において、意図的に事実と異なる記事を書いたとの事実」、「義母の裁判を有利にするために意図的に事実と異なる記事を書いたとの事実」については真実相当性(そのように信じるにつき正当な理由があったこと)を認め、植村氏が「意図的に、金学順が女子挺身隊として日本軍によって戦場に強制連行されたとの、事実と異なる記事を書いたとの事実」については真実であると認める、極めて不当な判決であった。弁護団は直ちにこれに控訴した。

発見
 ところで、控訴審段階にはいって、記事が捏造ではない、新たな、そして決定的な証拠が発見された。金学順氏の「証言テープ」である。
 この証言テープは、1991年11月25日、植村氏が金学順氏に対する弁護団の聞き取りに立ち会った際、金学順氏の証言を録音したテープである。植村氏が執筆した同年12月25日付け記事の冒頭には「その証言テープを再現する」とあるが、そこにいう「証言テープ」が今回発見されたテープである。
 「証言テープ」には「妓生に身売りされた」という証言がない。すなわち、記事に「金学順氏は妓生に身売りされた」との記載がないのは、金学順氏がそのように証言しなかったためなのである。一般社会通念から考えて、取材相手が話さなかった事実を記事に記載しなかったからといって、「捏造」(ないことをあるかのように偽って作ること)といえるはずがない。今回発見された新証拠が明らかにしたとおり、植村氏は事実を「捏造」して記事を書いた事実はなく、植村氏が「金学順のキーセンに身売りされたとの経歴を認識しながらあえて記事に記載しなかった」とか、「義母の裁判を有利にするために意図的に事実と異なる記事を書いたとの事実」とかいうのは、いかなる意味においても事実に反している。

立証
 弁護団は、上記「証言テープ」とともに、そもそも「妓生=売春婦」「売春婦=従軍慰安婦」等ということは歴史的事実に反し、したがって、仮に植村氏が妓生について記事に書かなかったとしても全く問題がないこと等を詳細に立証する予定である。
 控訴審の裁判官が、これらの新証拠と主張に真摯に受け止め、事実と誠実に向き合うことが求められている。

神原元(かんばらはじめ)弁護士

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2019年10月25日号
posted by JCJ at 18:05 | 政治・国際情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年10月27日

氾濫する嫌韓情報 不健全のバロメーター メディア間で批判起こらず 画一の内容 危険な道=李 洪千

2万165分。7月から9月10日まで、韓国を扱った放送時間の合計である。そのうち文在寅大統領に関しては1万399分放送された。徴用工は2669分、GSOMIA(軍事情報包括保護協定)は、3614分放送された。韓国の者国法相任命を巡る国会の聴聞会報道は1649分だった。

 韓国関連については6324件が放送された。文大統領に関するニュースは1955件であり、徴用工は659件、GSOMIAは739件、聴聞会は280件となる

偏った過剰報道

 テレビで放送された時間だけを見ても韓国については、情報過剰の状態である。問題は放送時間の長さだけではなく、内容における偏りにある。ある民放の情報番組は、韓国で政治的スキャンダルとして政治的対立の原因になっている者法相関連のテーマに30分以上の時間を割り当てている。その内容を紹介すると、法相の親族を巡り法曹界が大混乱。親族の捜査状況、司法の分断が国民の分断へ飛び火、法相をめぐり国民が二分、文大統領の支持率は、対日姿勢の変化は?など細かく事件に関する情報を提供している。

 これらの放送内容の大部分は韓国の保守的立場をそのまま引用しているおり、イデオロギー的バランスが取れていない。30分も放送するなら反対の立場も紹介できる時間はあったはずなのに、放送内容やコメンテーターの発言から反対の言い分が紹介されることはなかった。

 また、引用されている韓国のメディアは朝鮮日報や中央日報のような保守紙一色である。これらの新聞は文政権に批判的な立場を取っている。特に者法相の任命を巡る一連の流れを紹介する情報はありすぎている。

 クリッピングサービスELNETで検索してみると7月1日から10月17日までに「者国」では1257件が検索された。「文在寅」で検索すると4802件が検出される。

他に類例がない

隣国について関心が多いのは当然のことであろう。関心の過剰はメディアの信頼を損なうことになる。例えば8月27日に行われたTBSのゴゴスマでの武田邦彦中部大教授の発言は、メディアの社会的責任が問われることとなった。彼は生放送で日本人女性が韓国人の男性に暴行を受けた事件に関し「これは日本男子も韓国女性が入って来たら暴行せにゃいかんやかどね」と発言した。

「韓国なんでいらない」という特集を組んだ週刊ポスト(9月13日号)はメディアの役割を自ら否定するに等しい内容だ。

 特定の国を軽蔑し、嫌悪感を煽る情報が容認されることは、世界で類を見ることはない。嫌韓情報が容認されることは、日本のメディアと社会が健全ではないことを示すバロメーターである。

もっと危険なのは増悪を煽る報道・放送に対するメディア間の相互牽制・批判が働かないことだ。相互批判がないのは、メディア内容の画一性を助長し、社会を危険な道に導かせる。

今の状況はまさに危険を知らせるシグナルであることに早く気付くべきだ。

 李 洪千(東京都市大学准教授)

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2019年10月25日号
posted by JCJ at 11:12 | メディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【今週の風考計】10.27─<ビブリオバトル>で読みたくなった本

■秋の読書週間が始まった。「本の街」東京・神保町では、ブックフェスティバルや古本祭りなど、数多くのイベントが展開されている。その一つ<大学生によるビブリオバトル>の会場を訪問し、その様子を見学した。
■いま大学生の半分は、1日の読書時間ゼロ、読書習慣がないという。そうした中で大学生バトラー5人が、みんなに読んでほしい本を1冊取りあげ、いかに魅力的で読み甲斐があるかを、持ち時間5分でアピールする。会場からの質問タイムもあり、最後に40人ほどの観戦者が挙手をして「チャンプ本」を決める。

■それぞれ工夫しての説明を聞きながら、惹きつけられたのは、千葉大学4年生が推す坂口恭平『ゼロから始める都市型狩猟採集生活』(太田出版)だった。路上生活者の姿を克明に追ってきた著者が、衣食住もタダで手に入れ、生活する方法を克明に描いていることを、大学生の若い視点からとらえて、とつとつと述べる。その語り口がまたいい。
■多くの支持を得て優勝した。読みたくなって、後で調べたら、刊行されたのは9年前の本。彼はどこでこの本に出会ったのか。芦田愛菜『まなの本棚』(小学館)にある、「気づいたら出会ってしまう」本だったのだろう。ちなみに単行本は入手しがたいが、幸い角川文庫に収められている。

■もう一つのイベント<青空古本市>、秋晴れにも恵まれ、靖国通りに面して500メートルに及ぶ「本の回廊」は、歩くのが困難なほど大賑わい。すずらん通りでは本のワゴンセールのかたわら、焼き鳥・ビールなどの出店コーナーまである。
■さすがこの賑わいの中を、時間をかけて稀覯本や掘り出し本を探しまわる気力はなかったが、とにかく古本屋の意気込みや熱気が、ひしひしと伝わってくる。内田洋子『モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語』(方丈社)を、思い浮かべた。イタリア・トスカーナ州のモンテレッジォという山村では、毎夏、本祭りが開かれている。そこからカゴいっぱいの本をかついで、イタリアじゅうを旅して本を商う人たちの足跡をたどる物語。
 帰りに新刊だが、門井慶喜『定価のない本』(東京創元社)を買い、まずは神保町の古書業界の歩みなどをつかむことにした。(2019/10/27)
posted by JCJ at 10:27 | 政治・国際情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年10月26日

【かんぽ不正報道】 郵政圧力に屈したNHK経営委 続編制作の現場無視の罪は深く思い 石原経営委委員長は辞任を=戸崎賢二 

 NHK経営委員会が会長に「厳重注意」したことが報じられて以来、驚くべき事実が次々に明らかになっている。
 18年4月24日の「クローズアップ現代+」「郵便局が保険の押し売り!?」に対して郵政グループから執拗な抗議があり、NHKは8月10日に予定していた「続編」の放送を「延期」した。その間、NHK幹部が「会長は番組制作に関与しない」と説明したのに対し、郵政側はNHKのガバナンス(統治)の検証を求める文書を経営委員会に送り、経営委員会はこれを受け入れて会長に厳重注意処分を行った。

放送中止事件だ
 われわれはいったい何を目撃しているのだろうか。
 NHKの自律を揺るがす経営委の対応は重大だったが、その一方、筆者の直感は、放送史上数多い「放送中止・打ち切り事件」に新しいケースが一つ加わった、というものだった。再びかんぽ不正問題を「クロ現」が取り上げたのは1年3カ月後の今年7月である。これを「延期」の末の「続編」とは言えない。昨年8月の「延期」は事実上「中止」というべきではないか。
 「続編」放送予定直前、郵政側が取材拒否を通告した。これが「取材が尽せたかどうか判断する要素になった」と理事の一人が説明したとされる(毎日新聞10月4日付)。企業犯罪を追及する報道で、その企業が取材拒否をしたからといって放送を断念するのか、という話である。現場は続編中止に納得していなかったはずだ。

 日放労放送系列(放送現場の組合員で構成される支部)は、今年9月末の交渉で「昨年秋、現場が納得していない点を問い質した」とし、「制作現場を無視した動きが番組に影響を与えていたとすれば憤りを感じる」と述べたと聞く。
 社会で起こっている事実を取材し、現場が番組やニュースに結実させていくことは、報道機関を成立させる基本の営みである。NHKが郵政グループの圧力に屈してこれを毀損した罪は深く重い。

見識欠く経営委
 NHKが郵政に「番組制作に会長は関与しない」と説明したのは、むしろ実態を正確に反映していた。誤りとまでは言えない。補足説明すれば済むようなことだった。
 これをとらえて郵政側が経営委に要求した「ガバナンスの検証」は、番組に対する会長以下の「統治」を強めるよう事実上要求したものと言ってよい。
 これが番組への別の手段による抗議だったことは明白で、かんぽ不正を告発するような「困った番組が出ないように監督せよ」というのが真意だろう。

 しかし、経営委はこれを受け入れ、郵政側への説明が不十分だとして会長に注意し、郵政側に謝罪させた。番組制作の自主自律というNHKの最高の倫理にたいして大きく見識を欠く行為というべきである。あきれるほかない。「厳重注意」の時期は最初の放送から半年経っている。それまで取材を継続してきたなら、その頃でも「続編」は簡単に放送できたはずである。被害の拡大も防げたかもしれない。しかし、会長が経営委から注意されたような状況では「かんぽ不正」の放送などできなかったと思われる。

署名運動始まる
 放送法は第3条で、「番組は何人からも干渉、規律されることがない」と定め、経営委員会に3条に抵触する行為を禁じている(第32条)、事実の流れからみて、経営委員会の行為は番組制作過程への実質的干渉というべきで、法に違反する疑いがきわめて強い。
 われわれは安倍総理が任命した経営委員会がいかなるものか、改めて認識することになった。この経営委が間もなく次期会長を選ぼうとしている。いま関西の視聴者団体の呼びかけで、石原進経営委員長の辞任を求める署名運動が始まっている。何としてもこの運動を成功させなければならない。

戸崎賢二(元NHKディレクター)

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2019年10月25日号
posted by JCJ at 14:03 | メディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年10月25日

不自由展「検閲」の爪痕 なお残る歴史認識、女性蔑視、民族差別… 公権力介入で芸術の力失う=古川美佳

 国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の一つ「表現の不自由展・その後」(以下、「不自由展」)が、脅迫やテロ予告を含む抗議(電凸)によって開催3日目で中止となるも、66日ぶりに全面再開、そして10月14日会期を終えた。入場者数は過去最高の65万人を記録したが、それは皮肉にもこの国の「表現の不自由さ」があらわになって、人びとの関心を呼んだからであろう。
 ふりかえれば、「不自由展」中止後直ちに識者やジャーナリスト、市民らから抗議の声明や署名がわき起こり、参加アーティストたちのステートメントやボイコットも生まれた。さらに、再開を求める連日の市民運動、アーティストたちによる対話の試み「Re Freedom」、そして何より「不自由展」実行委員会による「仮処分」申し立てが、「検証委員会」まで立ち上げた大村秀章知事と津田大介芸術監督が主張する「リスク管理」とまがりなりにもかみ合って、一時中止を復活させたといえよう。
 とはいえ、抽選による観客制限や荷物検査、撮影禁止等条件付き再開、文化庁によるトリエンナーレへの補助金不交付や河村たかし名古屋市長による不自由展再開抗議の座り込み等、公権力と文化行政の関係は疑問視されたままだ。

表現のタブー暗示
 「不自由展」を中止に追い込んだ批判や脅迫の標的となったのが日本軍「慰安婦」問題を表した〈平和の少女像〉(以下、〈少女像〉)と大浦信行の映像作品〈遠近を抱えて PartU〉だ。この事件がメディアで報じられるたびに〈少女像〉はたびたびTV画面に登場した。しかし大浦の作品は、「昭和天皇の肖像を燃やした」としてSNS上で作者の意図とはかけ離れた言説となって独り歩きし、作品そのものの画像や図版が取り上げられることはなかった。これまでも「反日」の象徴とばかり喧伝されてきた〈少女像〉の露出と、隠ぺいされる天皇の肖像という二つのアンビバレントは、令和の時代の「表現のタブー」を暗示している。
 ところで、〈少女像〉の制作者キム・ソギョン、キム・ウンソン夫妻は、1970~80年代韓国の民主化運動と呼応して生まれた民衆美術の作家だ。植民地、南北分断、独裁政権と続く歴史の激動にあって、民衆美術家たちは表現することで社会変革を試み、弾圧された。

 今回の「不自由展」をめぐっては、「芸術かプロパガンダか?」などの議論が上がった。
 だが、逼迫した政治状況を強いられてきた韓国では、「政治と美術はともにある」。〈少女像〉もこうした文脈で生まれ、若い世代にとっては今やMeToo運動の先駆けとして女性の人権を象徴するアイコンとなっている。「反日」のプロパガンダだと見なしたいのは、見る側の欲望ではないか。

核心問題はここだ
 現代社会を反映する優れた作品が数多く散見された今回のトリエンナーレの中でも、少女像と天皇の肖像から問題の核心が透かし見えてくる。すなわち、表現の自由を脅かした「検閲」の背後にあるのは、天皇や日本軍「慰安婦」、徴用工や沖縄米軍基地等をめぐる歴史認識、女性蔑視、民族差別問題なのである。
 8月2日の菅義偉官房長官の補助金交付に関わる発言、その後の文化庁の補助金不交付こそ、これらの問題に対する政府公権力の政治的イデオロギーのあらわれである。近隣アジア諸国との記憶闘争、そしていまなお日本人を巣食う「天皇タブー」に自覚的にならない限り、私たちは権力の奴隷と化し、国家を内破する芸術の力を失うことになるだろう。トリエンナーレは終わってなどいないのだ。

古川美佳(朝鮮美術文化研究者)

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2019年9月25日号
posted by JCJ at 13:01 | Editorial&Column | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年10月24日

【おすすめ本】田島泰彦『表現の自由とメディアの現代史 統制される言論とジャーナリズムから遠ざかるメディア』─浮かび上がるメディアの劣化と民主主義の衰退=丸山重威(ジャーナリズム研究者)

 「この国の表現の自由はどこまで来ていて、これから先どこに向かうか。メディアはその任務と役割どう果たし、どこに進もうとするのか」―。
 冒頭にある通り、研究者の立場で、常にメディアの実態に関わりながら発言を続けてきた著者の2007年以来の論考である。その時々、法律雑誌や「週刊金曜日」「世界」などの寄稿原稿を元に、編年的にたどり、問題点を指摘している。

 時代をともにし、メディアのあるべき姿とジャーナリズムを考えてきた立場から言えば、まさに「継続は力」で、新しい状況が展開しているだけに、その都度、問題を落とさず記録することの意味は非常に大きい。
 例えば、私たちも著者も一緒に取り組んだ個人情報保護法の問題は、その後マイナンバー制度が生まれ、最近では企業が就活生の個人情報を材料に、リクナビの閲覧履歴などで人工知能による辞退率が取得される仕組みが生まれ、厚労省が「指導」した。
表題の「表現の自由」は、「表現の不自由展」の中止が大問題になっている。こうした「現在史」は過去の問題ではなく、「今の問題」そのものだ。

 この間、露骨に進んだのが、メディアの「劣化」であり、民主主義の「衰退」。本当に日本は大丈夫なのだろうか。
昔、メディアへの圧力や干渉について取り上げると、「知りたいのは、メディアへの『被害届』ではなく、どうしたら問題が起きないようにするかだ」と、よく言われた。
 しかし、昔も今も、「特効薬」はないだろう。大事なのは、一つ一つの問題をごまかさないで、忘れないで、問題提起していくこと。それが、民主主義社会のジャーナリズムの基礎だろうと思う。
(日本評論社2200円)
「表現の自由とメディアの現在史」.jpg
posted by JCJ at 10:47 | おすすめ本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年10月20日

【今週の風考計】10.20─即位パレードの延期と日本各地の秋祭り

22日の天皇陛下即位に伴う「祝賀御列の儀」、いわゆる祝賀パレードを、11月10日午後3時からに延期した。台風19号の被害を踏まえ、国民感情に配慮したためだという。だが「即位礼正殿の儀」や「饗宴の儀」、さらに安倍首相夫妻が主催する晩餐会は、予定通り22日に行う。当日は今年限りの祝日とすることにも変更なし。はてさて、これで被災者の気持ちを汲んだことになるのだろうか。
IOCは「東京五輪」のマラソンや競歩種目を、札幌に変更して開催すると、びっくり仰天の宣告。戸惑いが広がる。同じように突然の「即位パレード」の変更にも、何かモヤモヤ感が残る。

政府は26年ぶりに政令恩赦を22日に実施する。罪種は絞らず、対象者は約55万人。被害に遭った人々の感情を配慮すれば、犯罪者を審査せずに一律に政令恩赦を実施する閣議決定に、批判の声が挙がる。
 海外では恩赦は限りなく縮小され、かつ対象人物の名前や罪状、量刑などが公開されている。日本の恩赦の基準や運用のいい加減さは、いたずらに社会不安をもたらすだけだ。
さらに天皇「即位の礼」と結びつけて恩赦を行うことになれば、天皇は<国政に関する権能を有しない>という憲法第4条とのかかわりで、天皇の政治利用につながる大きな問題が出てくる。

毎年10月22日に開催される京都の「時代祭」が延期された。約2千人が各時代の衣装を着て京都市街を行列して歩く。京都に都が移されて1100年を記念し、1895(明治28)年から始まった。今年で124回を迎える。みな楽しみにしている平安神宮の例大祭である。
ところが今年は、天皇陛下即位に伴う儀式や即位パレードがあるため、異例だが「時代祭」の開催を26日に延期した。その配慮も実らず、即位パレードそのものが延期されてしまった。「覆水盆に返らず」。来年は元に戻そう。

京都三大奇祭の一つ「鞍馬の火祭」も、22日に開催。だがこれは変更なしのようだ。家の前に積まれた松明にかがり火が灯され、火のついた松明を掲げ「サイレイ、サイリョウ」の掛け声とともに町内を練り歩く。
こうして20日以降は日本列島各地が、お祭りでにぎわう。とりわけ京都では市街いたるところで祭りのオンパレード。20日だけでも恵比須神社の「ゑびす講」をはじめ斎宮行列、繁昌大国秋祭、笠懸神事、天門祭、餅祭りと軒並み。

神無月には日本中の神様が出雲大社に行ってしまう。その間、留守番をする「ゑびす様」に感謝し、五穀豊穣、商売繁盛などを祈願する。右手で釣竿を持ち、左手には大きな鯛を持つ「えべっさん」は、日本各地で人々から敬われ、親しまれる日本の土着の神様だ。(2019/10/20)

posted by JCJ at 10:00 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年10月13日

【JCJ賞講評】 受賞逸した9作品を紹介 重大問題に切り込む=伊藤洋子選考委員

本欄では最終選考に残った14件中受賞した5作品を除く9作品を紹介する。

「奴隷労働―ベトナム人技能実習生の実態」花伝社 巣内尚子

 ベトナム政府の労働力輸出政策と日本政府の労働力輸入政策が生じた「技能実習制度」により、多額の借金と長時間・低賃金に縛られる奴隷労働を生みだした。その実態を140人余りの人々の声からあぶり出した労作である。

「未和 NHK記者はなぜ過労死したのか」岩波書店 尾崎孝史

 31歳で急死したNHK報道記者の事件は過労死認定されるが、NHKは死後4年間隠蔽する。取材から浮かび上がるのは巨大組織の理不尽さであり、安倍晋三政権による働き方改革の空しい実態である。

「紛争地の看護師」小学館 白川優子

「国境なき医師団」の一員として紛争地へ派遣され、被害者たちが抱える怒りを「私がそれを伝えなければ」と、自らの経験を記録。一時はジャーナリストを志した筆者は、見事なルポでその役割を果たした。

「安保法制下で進む! 先制攻撃できる自衛隊」あけび書房 半田滋

 戦争ができる国固めを推し進めてきた安倍政権の狙いが活写される。中核となる18大綱が導く日本とは「政治主導による軍事国家という未体験ゾーンに突入しつつある」ものと鋭く分かりやすい。

「捜査当局の顧客情報取得」を巡る一連の報道 共同通信社社会部取材班 共同通信社

 個人情報を網羅するポイントカードやクレジットカード情報が警察や検察の「捜査関係事項照会」なる内部手続きで日常的に取得され、捜査にフル活用されているという一連の報道は「監視社会化」への恐るべき警鐘である。

「公文書クライス〜ずさんな公文書管理の追求キャンペーン」毎日新聞社

 公用メールが官僚の恣意的判断で破棄され、メモをとるな、議事録を残すな、首相の面談記録は「不存在」とするなど公文書の扱いに独自の取材を重ねる中で、秘密国家への横行が明らかになっていく。

「行ってみれば戦場〜葬られたミサイル攻撃」名古屋テレビ放送

 湾岸戦争直前、米政権から自衛隊派遣要請を受けた日本政府は、民間貨物船を中東派遣船に。現地は戦場そのもの、実情を綴った船長報告書は無期限極秘文書とされた。この文書の発見をきっかけとして取り組んだ本作は当面する課題を突き付ける。

「法と恨(はん) 朝鮮女子挺身隊の戦後」北日本放送

 戦時中軍需工場だった富山市の不二越は朝鮮からの少女たちが働いていた。過酷な労働を経て、帰国しても誤解と偏見に悩まされ苦しみ続けてきた訴えに“もう一つの徴用工問題”が浮かび上がる。

首相官邸の情報隠しと取材拒否、記者攻撃に対する毅然としたジャーナリズム活動と、それを支えた新聞社 受賞対象:望月衣塑子記者と東京新聞編集局 

 東京新聞の望月記者の取材活動はいまや誰もが認めるところだが、ご本人が取材班の一員である「税を追う」キャンペーンを大賞として顕彰することにより、記者活動の成果を讃えることとした。

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2019年9月25日号
posted by JCJ at 11:12 | JCJ賞情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【今週の風考計】10.13─台風19号から気候レジリエンスへ!

太平洋を北上した台風19号は、第2の「狩野川台風」を思わせるほど、強い勢力を保ったまま上陸した。伊豆半島・天城山から関東山地を経て越後山脈へと、24時間で800ミリという観測史上初の大雨を長時間降らせ、河川の氾濫や土砂崩れなど、広範囲にわたる大災害をもたらした。

河川の氾濫は、東京の多摩川から長野の千曲川、栃木の秋山川、新潟の阿賀野川、福島・宮城の阿武隈川など、東日本全体に及ぶ。テレビから流れる映像を見るにつけ、被災に遭遇した住民の皆さんの苦しさは、いかばかりかと心が痛む。
1都6県に大雨特別警報、11都県460万人以上に避難指示・勧告が出された。停電は関東-東北で約42万軒。台風が過ぎ去っても、災害からの復旧には、膨大な労力と時間が必要になる。国からのバックアップは不可欠だ。早急に対策を講じてほしい。

台風一過の今日13日は、国際防災の日でもある。1989年より毎年10月の第2水曜日に定められていたが、2009年の国連総会で10月13日に変更された。自然災害の軽減に向け世界の国々が防災行動を強める国際デーである。国連事務総長のアントニオ・グテーレスさんが、11日にメッセージを寄せた。
<私は気候緊急事態が脆弱なコミュニティーに及ぼす壊滅的で人生を一変させるような影響を目の当たりにしてきました。災害は恐ろしい苦痛を与え、何十年もかけて積み上げられてきた開発の成果を一瞬にして無にする恐れがあります。(中略) 今こそ気候レジリエンス(気候変動への対応能力)への投資が、雇用を創出し、人間の苦難を緩和・予防できると確信します。私は世界に対し、2020年までに投資を増大させるとともに、防災を「行動の10年」の中心に据えるよう呼びかけます>

日本でも、来月9日から12日まで、「世界防災フォーラム/防災ダボス会議@仙台2019」が開催される。(2019/10/13)
posted by JCJ at 10:52 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年10月12日

【JCJ賞受賞者挨拶】 福島原発事故直後の医師らの奔走と苦悩 NHK 鍋島塑峰ディレクター 教訓を生かせるか見たい

受賞にあたり、取材に応じて下さった医療関係者、諸先輩の顔が浮かび、番組作りに一緒に携わってくださった方々に感謝します。

私はディレクターとして2015年から3年間、福島局に勤務しました。福島で自分は何をテーマにし、取材するのか。その時、原発事故で避難する際、入院していた方々のうち亡くなった方が多くいることを知りました。事故直後に住民がどのように避難し、どうして命を救えなかったのか、国の被爆医療態勢はどうだったのか。それを最前線に飛び込んでいった医療者の目線で描こうと思いました。そして企画から放送まで3年がかかりました。

 現場に入った医師たちは鮮明に記憶していて、そこに体温を感じました。医師たちは学会でその体験を発表し、その中で泣かれる人もいたし、もっとできたのではないかと後悔の念を持つ人もいました。原子力安全神話の中で十分な準備はなく、そして自分のことではなく他人事だと思っていたのです。医師たちは、過去ではなく、今にも通じる問題としての認識を深め、国の医療態勢の充実を訴えています。

 番組の伝え方としては、医師たちが現場でスマホなどで撮影した3000枚の映像を元に時系列で伝える方法を取りました。事故直後には大手メディアは避難し、現地の記録はあまり残っていません。これに対し医療者は直後の映像を残していて、それは、歴史的にも価値があります。3000枚の一枚一枚に、そこから匂いが立ち上るような・・・それぞれの医師たちの記憶がこめられている写真をもとに、同じ時間、どこで何が起きていたのか、いわば横串にすることで、立体的に番組化していきました。

 国策としての原子力政策、国の責任は一体どこにあるのか。事故の教訓をどういかしていくのかを見続け、問い続けていきます。

10年、20年、50年後にも、原発事故の直後に医療の最前線で何が起きていたのか、教訓としてくみ取れるような記録を残していきたいという思いで番組を作りましたJCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2019年9月25日号
posted by JCJ at 11:21 | JCJ賞情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年10月11日

【JCJ賞受賞者挨拶】 「想画」と治安維持法にスポット 山形放送・伊藤清隆報道制作局長 児童文学者の教育を活写

 2017年、「共謀罪法」が成立しました。戦前の治安維持法に似ていると言われます。

山形県の小学校で昭和初期、後の児童文学者国分一太郎が青年教師として想画と綴り方教育を実践しました。子供たちは貧困の中で生きる自分たちの暮らしを、豊かな表現力で描きました。

 ところが、この教育が治安維持法に違反するとして、国分は逮捕、投獄され、有罪判決を受けました。私たちはこの事実に光を当てれば、治安維持法と共謀罪法の関係を伝えることが出来ると考え、番組作りを始めました。国分の教育実践をどう映像化するかが課題でした。「民放なのに、良くこんなテーマを選んだね」と言われましたが、何とか骨太の番組にしようと取り組みました。

 私たちは、国分の教え子を訪ねて、取材しました。皆さんは90歳を超えていましたが、「素晴らしい先生に巡り合えた」と、国分の教育を昨日のことのように克明に記憶し、嬉しそうに語ってくれました。国分先生が突然教壇を追われことへの疑問を、今も胸に刻んでいます。

 共謀罪成立をきっかけに始めた番組制作は、今思えばギリギリのタイミングだったと考えます。この番組を放送したからと言ってテーマが終わった訳ではありません。共謀罪がどう運用されるかを、見落としてはなりません。

 ここプレスセンターは、ジャーナリズムの殿堂です。企画書では、忖度とか息苦しい時代の中で、伸び伸びと明るい表現の未来に向けて、ある歌を思いながら「釘を一本打ち込みたい」と書きました。その歌は、与謝野晶子の和歌です。「劫初(ごうしょ)より 造り営む 殿堂に 我も黄金の 釘ひとつ打つ」。

 「劫初」とは、「人間の営みの初め」という意味です。これからも、2本、3本と、釘を打ち続けたいと考えています。

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2019年9月25日号
posted by JCJ at 17:11 | JCJ賞情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年10月10日

【JCJ賞挨拶】 みんなのデータサイト・小山貴弓事務局長 暮らす地域の汚染に注目 国がやらないのは問題だ

原発事故で気になったのは、自分の地域がどの程度汚染されているか、だった。それを調べようと自分たちで測定器を調達し測定活動を始めた。2013年9月、それぞれ独自に測定した全国の「食品の放射能測定データ」を簡単に見られるように、WEBに「みんなのオープンサイト」をオープンさせた。現在北海道から九州まで31の測定室が参加、メンバーは約150人になる。

 土壌の一斉測定をやるべきだ、との議論が起きた。国は放射能測定地域を17都県と決めながら調べない。このままだと例えば放射性セシウムは半減期が来る。何とか自分たちでやろう、と2014年10月、プロジェクトをスタートさせた。

 マニュアルを作って、ウェブサイトで公開すると、協力者も増えた。全域の測定データは何より貴重だ、という激励の声も多くスタッフも感激。公開の方法を考え、結局、「みんなのデータサイト出版」が誕生した。

 問題なのは、多くの声もあるように、この調査を国がなぜしないのか、ということだ。

 チェルノブイリ事故では、土壌汚染マップは、「チェルノブイリ原発事故が招いた現在および将来の放射能汚染予測」という副題で2056年までの地図を見ることができる。いま、土壌測定をしないまま、原発は全国で再稼働に動いている。この本を広めて、この問題を知っていただきたいと思う。国が言ったから、有名な学者が言ったから、と鵜呑みにするのでなく、何が科学的な事実かを自分たちの手で調べ「市民力の発揮」と「市民科学の実践」に力を尽くしていきたい。

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2019年9月25日号

      
posted by JCJ at 10:51 | JCJ賞情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年10月09日

【2019年度JCJ賞大賞挨拶】 「税を追う」キャンペーン東京新聞・鷲野史彦記者 米兵器購入で歪む防衛費 ローン苦と部品不足進む 

「税を追う」キャンペーンは2018年10月から始めた。初めにテーマを防衛費に絞ったのは、安倍政権のもとで防衛費が伸び、トランプ大統領からも米製兵器を買えという働きかけがあったからだ。

 最初に原稿にしたのは防衛費の「後年度負担」だ。兵器購入が増え、19年度の防衛予算は5兆円を超えている。実はそれに加え、後で払う5兆円の借金(後年度負担)があった。合わせて10兆円の出費だ。

それをどうわかりやすく伝えるか、家計に置き換えて考えた。年収に見合わない高級車を自動車ローンで買うようなものではないかと。そこから「兵器ローン」という言葉を私たちはつくり、後年度負担を説明した。ネットで反応がよく、国会でも取り上げられた。

米国が納入する武器部品に間違いが千とか2千とか、たくさんある。だが防衛省は文句を言ったことがない。これでいいのか、と怒った報告書を会計検査院が出していた。

なぜなのか、防衛省の当事者に記者が取材した。すると「昔、米国の国防総省に行ったところ、みな偉そうにしていて、電話にも全然出てくれないことがあった。米国にものを言っても仕方がないと、放っておいた」ということだった。こうしたエピソードを重視した。

自衛隊OBから実名で話を聞くことにもこだわった。そこで知ったのは飛行機の「共食い」だ。F15はスクランブル発進をする大事な戦闘機だが、1機のエンジンが故障すると、部品が足りなくなる。どう直すかというと、別のF15のエンジンを外して、付け替える。米製兵器をたくさん購入する中で、自衛隊にお金が不足していた。稼働率に関わる機密情報ながら、関係者が言わざるを得ないほど、予算の使い方に問題があることがわかった。

19年度防衛予算に絡み、国内企業に払う部品代が1兆円から2兆円不足するという情報も取材班に寄せられた。米国からFMS(対外有償軍事援助)での兵器調達が急増したためだ。国内企業への部品代金支払いは待ってもらうという話が進んでいた。スクープで報じ、この試みはつぶれた。年内をめどにキャンペーンを本にする。受賞を励みに取材を続けていきたい。

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2019年9月25日号
posted by JCJ at 13:50 | JCJ賞情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年10月08日

【マスコミ評・出版】「断韓」編集に生活者の視点なし=荒屋敷 宏 

 「嫌韓」問題である。「週刊ポスト」9月13日号(小学館)の特集「韓国なんて要らない!」は、「嫌韓」どころか「断韓」を主張した。これは、排外主義をあおった同社の雑誌「サピオ」の路線を地で行くものだ。小学館が「サピオ」誌の低迷に懲りずに、「ポスト」誌で同様な特集を組んだことが今回の事態を招いたのではないか。

 青木理氏は、「サンデー毎日」9月22日号のコラムで「なぜこのような記事が『ポスト』誌に掲載されるようになったかと言えば、好転する兆しのない雑誌の低迷が背後に横たわっている」と書いている。だが、低迷雑誌があふれる中で、時の政権に迎合し、「嫌韓」を強調する世論調査をもとにして売ることだけを目的にした編集者の貧困なる精神も問題ではなかろうか。
 内田樹氏が「サンデー毎日」9月29日号で「出版人としての覚悟を問う」を発表し、「ポスト」誌を批判している。「あなたがたには出版人としての矜持(きょうじ)はないのか?」と問い、「それなりに現場の経験を積んできたはずの編集者たちが示したこのモラルハザードに私は今の日本のメディアの著しい劣化の兆候を見る」という。

 「書くなら覚悟をもって書け」というのが内田氏の主張だが、覚悟もなく雑誌を売ることだけを考えている編集者の姿に怒りを募らせてきたという。そのうえで、「私たちにできるのは『それはいくらなんでも非常識ではないか』とか『それではことの筋目が通るまい』というような生活者の常識によって空論や妄想の暴走を抑止することだけである」と結んでいる。

 「嫌韓」の発信源は、安倍政権であり、それに多くのメディアが同調するかたちをとっている。日本が1910年〜45年まで朝鮮半島を支配した事実が学校教育できちんと教えられていない。
 「週刊文春」9月19日号は、「嫌いだけど好きな韓国」との記事で内閣府による「外交に関する世論調査」(2018年度)を紹介している。それによると、60歳以上の67%の人が韓国に「親しみを感じない」と回答。一方で、18歳から29歳の若者世代の57%が韓国に「親しみを感じる」と回答している。最近の「嫌韓」の中でも、韓国で結成された多国籍のアイドルグループ「TWICE(トゥワイス)」の日本での人気は揺るぎなく、今年8月の幕張メッセでのハイタッチ会には数万を超える若者が集まった。編集者よ、ウソだと思うなら、生活者の目で確かめてほしい。 

荒屋敷 宏

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2019年9月25日号
posted by JCJ at 15:30 | メディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年10月06日

【今週の風考計】10.6─ノーベル賞週間とチコちゃんの関係

●きっと永遠の5歳<`コちゃんに「ボーっと生きてんじゃねーよ!」と叱られるのは間違いない。今年、ノーベル平和賞が、ちょうど100回になるとは知らなかった。
 第1回ノーベル平和賞は、1901年に赤十字社を起こしたアンリ・デュナンらに授けられた。それ以来、2つの世界大戦などで19回が該当者なしだったが、この11日、第100回ノーベル平和賞がノルウェー・オスロで発表される。

●今年のノーベル平和賞候補者の推薦は2月末に締め切られ、78の団体と223名の個人が推薦されている。ノーベル財団は候補者名を伏せているが、最有力候補は、スウェーデンの16歳になる高校生グレタ・トゥンベリさんと見られている。
 さもありなん。世界に向けて気候変動の実態を告発、いまの大人世代の怠慢を痛烈に糾弾し、地球温暖化を防ぐ具体的な取り組みを訴える。その行動力と発信力は、世界中の若者たちの心をつかんでいる。史上最年少受賞の期待が集まる。
●すでに彼女は先月末、「ライト・ライブリフッド賞」を受賞。環境や人権問題などに尽くした人にスウェーデンの財団から毎年贈られ、もう1つのノーベル平和賞とも言われている。
 何でも賭けの対象にするロンドンのブックメーカーは、今年の平和賞受賞予想の掛け率を公表している。それを見ると、彼女が2倍から2.25倍でトップだ。

●さて、昨年のノーベル平和賞受賞者デニ・ムクウェゲ医師が来日し、性暴力の撲滅や女性の権利保護を訴えている。紛争が続くコンゴ(旧ザイール)で性暴力被害者の治療に多大な貢献をしている彼は、4日に安倍首相と夕方、わずか20分足らずの面会。5日には広島市の平和記念公園を訪れ、原爆慰霊碑に献花し被爆者とも面談している。被爆から復興した広島の姿に「悪を過去のものにし、未来に向かう力を見た」と語っている。

●今週は、ノーベル賞ウイーク。さらに日本3連勝のラグビーW杯。テレビ観戦に夢中になっている間、国会論戦が見逃されてはならない。関西電力・原発マネーの還流、煽る改憲論議、愛知トリエンナーレ展への補助金不交付問題などなど、大事なテーマがうやむやにされたら、カラスのキョエちゃんにも「バカー」と、言われてしまいそうだ。(2019/10/6)
posted by JCJ at 12:00 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年10月05日

【内政】 地上イージスの配備 揺れる山口県阿武町 移住促進策と相容れず 標的になりたくない 花田町長に聞く=嶋沢裕志

 迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」(地上イージス)の配備計画が見直しを強いられている。防衛省のずさんな適地調査、住民説明会での職員の居眠りなどが批判を浴びた結果だ。とはいえ安倍一強下、当初の秋田市、山口県萩市・阿武町の2候補地で決まるとの観測も多いが…。候補地の中で真っ先に反対表明したのが、萩市に接する人口3300の小さな自治体、阿武町の花田憲彦町長(64)だ。生粋の自民党員。現在の胸中を聞いた。

――陸自むつみ演習場が候補地と知った時期は。
 昨年11月の全国紙の報道です。5月に町長に就任して半年後。「まさか?」と思いました。演習場は戦車が走るわけでもない約2平方㌖の原野で時々、野戦訓練がある程度。萩市むつみ地区の住民が牧草を採ったりしている。しかし、防衛省から何も連絡がない。

――正式な告知は。
 昨年の6月1日。大野敬太郎防衛大臣政務官(当時)と、山口県庁で村岡嗣政知事、藤道健二萩市長、両自治体議長らが会い、候補地になっていると説明を受けました。
 それまでの半年間、これは大変なことになったぞ、と情報収集の日々です。イージス・アショアが一体どんなものか。インターネットや雑誌、本で相当、勉強しました。

――昨年9月議会で配備反対を決議しました。
 私は自民党員ですし、ミサイル防衛のあり方に反対するわけではない。ただ、地上イージスをここに配備することは、町が進めてきた移住施策、「選ばれる町づくり」という地方創生の方向と相容れない。配備反対という町民の声を受け、議会で「配備撤回を求める請願書」を全員起立で採択し、防衛省へ意思を伝えに行きました。

――阿武町は過疎化も全国のトップ級でした。
 だからこそ阿武町は美しい自然、環境、食の安心・安全などの魅力を発信し、子育て世代のIターン、Uターン促進に注力してきました。現在の人口は、町が合併で誕生した1955年の3分の1以下。ただ、自然減は仕方ないが、社会増減は1998年から10年間で333人減だったのが、昨年までの10年間は4人減でとどまっている。「空き家バンク」などを早くからスタートさせ、私も町職員としてずっと移住促進のために頑張ってきた自負はあります。

――地上イージス配備が阻害要因になる、と。
 今年3月末時点で町には190人の小中学生がいますが、Iターン組の子どもが50人、Uターンの子はその倍で、全体の75%以上が移住組。演習場に隣接する福賀地区は小学生12人のうち8人がIターンの子ですよ。計画が浮上した頃、Iターンの方から自宅に電話がありました。「ミサイル攻撃の標的になるようなことだけは止めてほしい」と。その後、Iターンの方に会うと必ずその話になる。
 そこでUターンの20、30、40代の人に話を聞くと、彼等は郷土愛に燃えて帰ってきたのでなく、豊かな自然環境で子育てしようとUターンした。「そんな計画があると分かっていたら戻らなかった」と言います。それを聞いて、これは完全にアウトやなと思いました。地上イージスが配備されれば阿武町の将来はない。

――演習場の99%超は萩市。阿武町は道路を提供している形ですね。
 北朝鮮のミサイルに向け迎撃ミサイルを発射すれば、阿武町の生活圏が針路の真下になります。候補地の話も、秋田での適地調査のずさんさ、居眠りを見れば、防衛省に真摯さ、緊張感が欠ける。初めから「むつみありき」で来た印象が拭えません。イージス艦に搭載しているシステムを陸上に移すなら、面積は0・3fもあれば済む。人家に近い場所でなく、無人島や人のいない土地など、選択肢はあるはずです。

――この2月、演習場近くの福賀地区の住民を中心に「イージス・アショア配備に反対する阿武町民の会」(吉岡勝会長)が結成されましたね。
 6月3日時点で、町内の全有権者2898人の55・7%、1614人が会員です。残りは賛成というわけでなく、分からないとか、国に楯突くと道路整備が遅れるといった人たちが多い。住民は電磁波の影響やブースター(第1弾ロケット)落下の恐れ、地下水問題等を懸念していますが、住民説明会でも話がかみ合っていない感じがある。

――防衛省は別の場所を含む最適地調査をやると説明しましたが、萩市、山口県が同調しないとむつみに戻るのでは?
 この9月議会の冒頭挨拶でも触れましたが、参院選山口選挙区のNHKの出口調査では、イージス・アショア配備の賛否も聞いていて、賛成が49%、反対が51%。特に女性の66%が反対という報道があった。これは大きな味方だと僕は感じました。12月には再調査結果が示されるでしょうが、地域・住民の負託を首長も議会も背負って行動しなくてはいけないと思います。

嶋沢裕志(ジャーナリスト)

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2019年9月25日号
posted by JCJ at 16:15 | 政治・国際情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年10月04日

【編集長EYE】 「不自由展」いきなり中止は勇み足

3日で中止になった「表現の不自由展・その後」。表現・言論の自由を侵害、直ちに企画再開をという市民の抗議活動が止まない。「表現の自由を市民の手に全国ネットワーク」も6日東京都内で集会を開いた。

 同ネット世話人で武蔵野美術大学教授・志田陽子さんは、憲法学者の立場からこの問題を報告した。

 大会実行委員会がいきなり中止を決めたのは疑問だという。

 「会場は公共の施設です。従って行政当局や芸術監督などが、会場にふさわしい作品かどうかなどを協議し、オープンしたはずです。文化芸術基本法の前文では『表現の自由の重要性を深く認識し、文化芸術を行う者の自主性を尊重する』と書かれており、これに則り運営します。中止の理由は安全性が担保できないということですが、基本法の精神にそって、まず一時停止にする。そして安全性の問題が排除されれば、再開する。すぐに中止は文化芸術基本法に反します」

 問題は安全性の担保だ。ガソリンをばら撒くと県にファックスした脅迫者は警察に逮捕され、「9月5日に放送されたクローズアップ現代+から推測すると、嫌がらせ電話やメールはからかいが相当数と思いました」(志田さん)。実態が分かれば、再開を考えてもいいわけで、だから一時停止という措置にしておくべきだったというのだ。

 また河村たかし名古屋市長が中止を申し入れたことについて志田さんは「会場は表現の自由の空間が出来上がっています。公人がふさわしくない言ったときに、実行委員会は『受けつけません』と言うのが仕事です。発言は政治的な中立性から外れている」と批判した。

 河村発言や菅義偉官房長官が言及した補助金交付の検討は検閲≠ノ当たるのか。志田さんは「愛知県が設置した検証委員会が、中止は表現の内容が政治的にまずいからと結論を下したら検閲に当たります」と指摘した。

 会期は10月14日までだ。

橋詰雅博

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2019年9月25日号
posted by JCJ at 13:52 | Editorial&Column | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年10月03日

【リレー時評】消えゆくAMラジオ、見過ごしていいのか=隅井孝雄(JCJ代表委員)

 総務省有識者会議は8月30日、民放ラジオ局がAM放送を打ち切ってFM放送へと転換する新たな制度改正を承認した。これにより多くの民放ラジオ局が早いところで2023年以降AM放送を打ち切り、FM放送に転換すると思われる。(NHKはAMラジオを継続する)。
 東日本大震災の際、ラジオ電波がテレビより、ネットより災害に強いことが実証された。そのため難聴地域対策、災害の補完対策として、2014年からAMラジオが同じ番組をFMで同時放送する「ワイドFM」(FM補完放送)が始まった。今年中には民放ラジオ全局がワイドFMを実施する。

 民放ラジオ局の多くはアンテナの更新時期が来ている。AMアンテナには広い敷地、50m~150mの高層アンテナなど多額の設備費が必要だ。それに比べFMアンテナは4〜5メートルの簡便な設備で足りるが山間部、遠隔地に届きにくい。しかしリスナーのラジオ離れや広告収入減から、経営悪化が進んで民放各局にはアンテナ更新や、AM,FM2波を送り出す2重の負担は難しい。簡便アンテナで、番組送出にも費用が少なくて済むFMに一本化することを望む局が多いのだという。
 北海道は例外としてAMが残るといわれている。広大な地域をカバーしているため、到達エリアの狭いFMでカバーするのは逆に困難だからだ。(AM波の到達範囲は7〜800km、夜間は海外にも届く。FM波は数10kmから最大100km)

 問題はラジオ文化にもある。AM局の主力は「ニュースとトークラジオ」だ。そもそも民放AMラジオは1951年、戦時中のNHK大本営発表の反省から、生まれ、民放第一号は新日本放送(現毎日放送)と名乗った。初期にはニュース報道で他のメディアを圧倒、トランジスタラジオという技術革新の助けもあり、テレビとも互角に勝負した。「子供電話相談室」、「オールナイトニッポン」、「パックインミュージック」で子供や若者に支持され、また45年の長期にわたった「秋山ちえ子の談話室」、「誰かとどこかで」(永六輔)などが中高年齢層とのつながりを広げた。
 ワイドFM受像機が普及していないという問題もある。アナログ放送が終了した後の一部の周波数(90.1MHz~94.9MHz)を転用している。そのためAM/FM兼用の古いラジオ(76MHz~90MHz)ではワイドFMの周波数が入らない。買い替えが必要だ。

 70年に近い歴史を持つAMラジオ文化を消してしまっていいのか、私は疑問を持つ。
年配層では枕元にラジオをおいている人が多い。AMラジオというコミュニケーション手段、文化の伝達手段を奪いさっていいのか。防災情報から断ち切られてよいのか。強い疑問を持つ。民放連と政府の再考を促したい。
posted by JCJ at 09:01 | <リレー時評> | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする