2019年11月30日

【沖縄リポート】 首里城焼失 琉球の歴史を見直すとき

 この間の沖縄での最大の事件といえば、やはり首里城の焼失だろう。10月31日の朝、テレビ画面に映った、燃え盛り崩れていく首里城の姿は私自身大きな衝撃だった。

 しかしその後の「首里城再建フィーバー」とも言えるような現象には、いささか違和感を覚えている。首里城は「沖縄の象徴・誇り」「県民の心のよりどころ」と誰もが口を揃え、燃えたその日から「再建」に向けた動きが始まり、日毎に勢いを増した。玉城デニー知事は翌11月1日、早速上京して政府に再建への協力を要請。菅義偉官房長官は「全力で取り組む」と応じた。
 地元紙は連日、紙面の多くを割いて若者たちや県内各界の募金活動、県外からの支援など「再建美談」を報道し、NHKは「再建に向けて官民がどれだけ協力できるかが課題だ」と繰り返した。自民党県連は「国営公園である首里城を、管理者である県が焼失させたことをまず(国に)謝罪すべきだ」と主張した。

 31日、辺野古の座り込み現場でも首里城焼失が話題になったが、「首里城が燃えるのを見たとき、あ、これは(政府に)利用される!と真っ先に思った」「首里城は大切だが、辺野古の海はもっと大切だ。自然がなければ文化も生まれない」などの意見が拍手を浴びた。
 集客力のあった首里城の焼失は沖縄観光にとって大きな痛手であり、一日も早い再建を願うのはわかる。沖縄戦で焼失した首里城を並々ならぬ努力でようやく復元(1992年)した研究者・技術者・関係者の悔しさも当然だ。しかし、今必要なことは、やみくもに再建を急ぐのではなく、これを機に、琉球・沖縄の歴史を日本・中国との関係も含めて県民自らがあらためて検証し、問い直す作業と並行しながら、時間をかけて行うことではないか。

 11月2日の『琉球新報』論壇で、沖縄出身の若き大学院生・町田星羅さん(宇都宮大学で琉球諸語復興の研究をしている)は、首里城焼失を琉球諸語の未来と重ねながら次のように述べている。
 「もう一つの琉球文化を支える私たちの言葉は、……最後の灯を燃やしている。この火が消えてしまう前にできることがある。歴史をひもとき、次世代に何を残すのか。私たちは今、自分を見つめ直す時期にある」

浦島悦子

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2019年11月25日号
 
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2019年11月29日

【お知らせ】 12月集会、「日韓問題とメディア」8日に開催 岡本厚・金平茂紀氏が講演

韓国での徴用工判決をきっかけに日本政府は輸出規制に踏み切り韓国を追い詰め、日韓が最悪の関係に陥っている。この問題の背後に何があるのか、また日本のメディアは的確に報じているのか。
 元「世界」編集長で岩波書店社長・岡本厚さんとTBS「報道特集」キャスター・金平茂紀さんがじっくりと解説します。
会場は専修大神田キャンパス5号館561号、資料代は500円(学生と専大教職員は無料)
お問い合わせ=電話1(プッシュホン)03・3291・6475(月水金の午後に対応)
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2019年11月28日

【リレー時評】「カジノ阻止、真っ当な大坂を」高まる反対運動=清水正文(JCJ代表委員)

 いま、全国でカジノを核とした統合型リゾート(IR)を誘致する動きがおこっている。政府は9月にIRの立地区域選定に向けた基本方針を公表、国内では最大3カ所で認めるとしているが、今まで「白紙」としてきた横浜市でも市長がカジノ誘致を表明。
 先行する大阪維新の会の府・市政が万博とセットで、大阪湾の埋め立て地・夢(ゆめ)洲(しま)にIRをもってくることにやっきになっている。観光庁の調査では、ほかにも北海道、千葉市、東京都、名古屋市、和歌山県、長崎県が誘致を「予定・検討している」と回答している。
 10月に行われた時事通信の世論調査では、国内誘致について「反対」が57.9%で、「賛成」の26.6%を大きく上回った。IRをめぐっては周辺の治安悪化などを懸念する声があり、慎重な意見が根強いことが浮き彫りになった。

 大阪ではこの万博を隠れ蓑にしたIRの誘致に反対する運動が、さまざまな形で取り組まれてきたが、10月22日には大阪市中央区で、「カジノあかん!夢洲危ない!ここで万博大丈夫?」と銘打った集会が開かれ、会場は800人を超える参加者で超満員となった。
 カジノ問題を考える大阪ネットワーク代表の桜田照雄・阪南大教授がビデオメッセージで、大阪府市は、近く実施方針を策定して事業者の公募を開始することを狙っているとし、「カジノ推進派の最大の弱点は、問題だらけの夢洲でつくろうとしていること。危険性を府民・市民に広げ、夢洲にも日本のどこにもカジノはいらないと訴えよう」と呼びかけた。
 夢洲の危険性については、田結庄良昭・神戸大名誉教授が、南海トラフ地震で想定される被害について講演、「津波は自動車並みの高速で押し寄せ、地震動の液状化で沈下した護岸を越えて、大きな浸水被害が出る」と警告。液状化によるインフラの破壊、コンビナートタンクの損傷・火災などを挙げて、「こんな危険なところで、解決方法もないのにカジノや万博をやるのはいかがなものか」と訴えた。

 各分野からのリレートークも行われ、石田法子・元大阪弁護士会会長は、「カジノは賭博場であり、暴力団も関与。ギャンブル依存症や多重債務者も増える。そういう環境が子どもの成育に悪影響を与える」と強調した。
 小川陽太・前大阪市議は、夢洲で想定されるカジノ客1500万人のうち、外国人は2割だけで、「標的は日本人、大阪周辺の一般市民だ」と指摘、誘致のためのインフラ整備は、地下鉄中央線延伸だけで540億円に上り、「復調の兆しが見える大阪市財政を、暮らしや防災、地域経済に充てるべき。カジノを阻止してまっとうな大阪を」と発言した。
 全国カジノ賭博場設置反対連絡協議会の新里宏二弁護士が連帯あいさつ。和歌山市・長崎市・横浜市・苫小牧市や台湾で反対運動に取り組む市民団体からもメッセージが寄せられ、大阪でのカジノ反対の大きな契機となった。
posted by JCJ at 10:24 | <リレー時評> | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月27日

講座:東京新聞「税を追う」キャンペーン――いかに取材したか

《19年秋のJCJジャーナリスト講座》
「JCJ大賞・東京新聞税を追う<Lャンペーン――いかに取材したか」
★11月29日(金)午後6時半から9時★
 講師;東京新聞社会部・鷲野史彦記者

「税を追う」取材班キャップ
東京新聞社会部は2018年10月末から「税を追う」キャンペーンを始めた。米国からの兵器大量買いが日本の防衛予算をいかに歪めているか、危うい実情を明らかにした。沖縄・辺野古の新基地建設、五輪事業費問題にも取材は広がっていった。19年度のJCJ大賞を受賞。鷲野記者は取材班キャップを務めている。
【鷲野史彦記者の略歴】
1971年生まれ。93年に中日新聞に入社。中日スポーツに4年(Jリーグ名古屋グランパス、プロ野球中日ドラゴンズなど取材)、松任支局(石川県・現白山支局)、北陸報道部、東京社会部、さいたま支局を経て、2011年から社会部で警視庁キャップ、原発班、遊軍で東日本大震災の被災地取材などを担当。16年に浜支局デスク、17年8月から東京社会部、18年8月から調査報道班(税を追う取材班)のキャップ。

会場:日比谷図書文化館4階小ホール
 (東京・日比谷公園内、最寄りは地下鉄内幸町駅か霞ヶ関駅)
参加費:1000円(定員40人)
□受講ご希望の方へ□
要予約:参加ご希望の方は氏名、受講希望日、大学名(または職業など)、電話番号、メールアドレスを明記して、sukabura7@gmail.com にメールで申し込んでください。
お問い合わせ 日本ジャーナリスト会議・事務所 電話03・3291・6475=月水金の午後対応
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【内政】 表現の自由侵害の恐怖 安倍政権に同調 自治体へ広がる 民主主義守るため抗う行動を=橋詰雅博

 安倍晋三政権がこのところ文化・芸術分野に手を突っ込み民主主義の根幹である表現の自由を脅かしている。加えて自治体も同調圧力を強める。

 国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」への補助金中止はその典型だ。慰安婦を題材にした平和の少女像などを展示した企画展「表現の不自由展・その後」の騒動を口実にした。萩生田光一文部科学省大臣は「県が、抗議が殺到して展示継続が難しくなる可能性を把握していながら文化庁(文科省の外局)に報告しなかった」と中止の理由を述べた。

後出し処分

 しかし、文化庁に提出する補助金申請書類には安全性の心配や展示内容を具体的に書く欄はない。気にくわない企画展(一時中止となったが、再開)を開いたので、トリエンナーレそのものに対して補助金を後出し処分≠ナ中止したのが真相だ。

 映画「宮本から君へ」は7月に助成金内定を取り消された。取り消した文化庁所管の独立行政法人「日本芸術文化振興会」は、出演者が不祥事を起こし(麻薬取締法違反で有罪のピエール瀧さんが出演)、公益性の観点から助成金交付は適当ではないとした。だが、要綱には公益性の観点から助成金交付を取り消すという文言はなかった。その後、要綱に公益性を入れ変更した。制作会社の河村光庸社長は「映画の内容は薬物とは全く関係なく、公益性という言葉も拡大解釈が可能。表現の自由を侵す行為で、絶対に認められない」と反論した。また、11月8日に文科省前で行われた表現の自由を取り戻す集会に河村社長はこうメッセージを寄せている。

 「公益性の概念で助成金を取り消せば、萎縮につながる。日本社会に同調圧力と忖度が広がっている」

 表現の自由侵害は自治体でも起きている。川崎市が共催した「しんゆり映画祭」で慰安婦の問題をテーマにしたドキュメンタリー「主戦場」の上映が中止になった。川崎市から登場者が提訴している映画を上映するのはどうなのかと言われた映画祭代表が上映を止めてしまったのだ。幸い、是枝裕和監督や市民らの強い抗議の結果、映画祭最終日に「主戦場」は上映された。ミキ・デザキ監督は「表現の自由の大勝利だ。圧力に負けずにこの映画を守ろうとサポートしてくれた人に感謝します」と語った。

展示を不可

 三重県伊勢崎市は、慰安婦を象徴する少女像の写真を片隅にコラージュした作品を市美術展覧会での展示不可にした。市は市民の安全性が担保できないと説明したが、制作者・花井利彦さんは「検閲は憲法違反。訴訟も視野に入れる」と闘う姿勢を見せている。

 オーストリアのウィーンにも飛び火≠オた。芸術展「ジャパン・アンリミテッド」で展示されていた安倍政権や福島原発事故を批判的に扱った作品などが問題視されたとして外務省は、日本との国交150年記念事業にふさわしくないと公認を撤回した。自民党国会議員が口出しする動きもあり、外務省が忖度した。芸術展の学芸員は「欧州では問題にならない作品。日本で検閲≠ェ強まっていると感じた」という。

 さいたま市の公民館だよりへの「九条俳句」不掲載訴訟の支援者で、「表現の自由を市民の手に全国ネットワーク」世話人代表の武内暁さんはこう言う。

 「こうした一連の出来事は市民感覚では検閲です。『9条俳句』裁判で勝訴(2018年12月)した後、安保法制反対など安倍政権を批判するチラシを検閲なし≠ナ公民館や図書館に置けるようになった。表現の自由が侵害されるようなことが起きたら、抗議の声を上げる。そうしないと萎縮や忖度が広がり、民主主義の基盤は揺らぎます」

 あきらめて黙っていてはダメだ。

橋詰雅博

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2019年11月25日号
posted by JCJ at 10:41 | 政治・国際情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月26日

【編集長EYE】 フリー置き去り ハラスメント指針案=橋詰雅博

 厚生労働省によると、2018年度に寄せられた個別労働相談のうちパワーハラスメントなどの「いじめ・嫌がらせ」は8万件超に上り過去最多。相談内容別でも25・6%を占めて7年連続トップだ。

 増え続けるハラスメントに関し、正社員より立場が弱いフリーランスの実態を日本俳優連合とMIC(日本マスコミ文化情報労組会議)フリーランス連絡会、フリーランス協会の3団体が調査し、9月末に公表している。1218人がアンケートに答えた中で具体的なケースはこんな内容だ。

・打ち合わせと称して、ホテルに呼び出されレイプされた(女性40代、映像制作者)

・元大学教授の財団理事長からヒヤリングの場所を日帰りが難しい距離にある別荘を指定された。双方の仕事場が都内にあるのに、毎回、別荘以外では会わないと電話で言われる(女性40代、研究職)

・社長から打ち合わせの後にホテルのバーに連れていかれました。早めに帰ろうとしたら、手を握られました。拒否して帰りましたが、以来、それまでべた褒めだった私の原稿をことごとくけなすようになりました(女性20代、脚本家)

・ファックスで送れば自宅でできる仕事なのに、夜中にわざわざ自宅から2時間もかかるオフィスに来るように強要された(女性50代、編集者)

・主催者の自宅で稽古をすると言われて行ったら、お酒を飲まされて性的な行為をさせられた(女性20代、女優)

 問題はこのようなフリーランスが5月に成立したハラスメント規制法の対象外になっていることだ。厚労省が10月末に労働政策審議会に提示した同法指針素案では、企業は注意を払って欲しいにとどまっている。これでは横行するフリーランスを取り巻くハラスメント状況は、一向に改善されないだろう。

 6月に採択されたハラスメント禁止を求める国際労働機関(ILO)条約の基準より緩い指針案は、フリーランスを置き去りにしようとしている。

橋詰雅博

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2019年11月25日号
posted by JCJ at 11:31 | Editorial&Column | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月25日

【月刊マスコミ評・新聞】 安倍一強ぐらつく 私物化へ批判=山田明

この秋も列島各地が相次ぐ災害に見舞われた。災害多発時代にどう備えるか。政治の最重要課題であり、「国土強靭化」政策と予算の検証が求められる。

 政治が大きく揺れ動いている。「1強」とも言われた安倍政権の求心力が急激に低下してきた。1週間で重要閣僚が2人も辞める異常事態。日経11月1日社説も「相次ぐ閣僚辞任が映す長期政権の緩み」と批判する。安倍首相は任命責任を繰り返すが、国会審議の場で自席から低劣なヤジを飛ばすなど、反省が全く見られない。

 問題は閣僚辞任にとどまらない。萩生田文科相が英語民間試験について「身の丈に合わせて」と発言。この問題発言に高校生をはじめ抗議の声が広がり、試験見送りとなった。民間試験導入は安倍首相主導の教育再生会議提言にさかのぼる。

今回の入試騒動は、発端も見送りも政治判断であった。東京2日「こちら特報部」は、背景に競争促す「新自由主義」があると。大学入試、教育が安倍政権により振り回されている。受験生を悩ます共通テスト問題は、国語や数学の記述式問題に広がる。採点はベネッセの子会社。入試の肝である採点をめぐり、大学関係者などから懸念の声が続出。毎日13日社説も記述式試験「延期するしかないのでは」と指摘する。

 さらに安倍政権を直撃したのが、首相主催の桜を見る会である。8日の参院予算委員会で、共産党の田村智子議員の鋭い追及により、「公的行事の私物化」疑惑が明らかにされた。野党が結束して追及チームを発足させると、マスコミも大きく報道するようになり、事態は急展開する。

 毎日13日社説は公金私物化の疑問が募ると批判。朝日も首相の私物化許されぬと問題を投げかける。「首相に近しい者が特別な便宜を受けたのではないか。森友・加計問題でも指摘された、政治の公平・公正に関わる問題であると、首相は深刻に受け止めるべきだ。」

 安倍首相への批判が高まる中で、政府は14日、桜を見る会を来年は中止と即断した。概算要求後の異例の見直しだ。政権を揺るがす事態に、これで幕引きを図るつもりのようだが、問題は来年の花見ではない。ことは安倍首相周辺の公職選挙法にも関わる疑惑である。国会での徹底した追及と、安倍首相の説明責任を求めたい。

山田明

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2019年11月25日号
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2019年11月24日

【今週の風考計】11.24─またも沖縄に配備の米軍弾道ミサイル!

先週、沖縄県宮古島市の海岸で、「ウランペレット(核燃料棒)」と記されたプラスチック製の筒状容器が発見された。すぐ自衛隊が出動し放射線量を測定したが検知されなかった。ホッと一安心。
 その後、メルカリに「教育用燃料見本キット」が出品されていて、それと類似しているのが分かった。イタズラでやったとしたらトンデモナイことだ。
ただでさえ沖縄には、返還時の「核抜き」合意が反故にされ、米軍の「核弾頭」貯蔵への疑念も、いまだに払拭されていない。
 あまつさえ米国と中国との緊張は続き、この2、3年のうちに日本が実効支配している尖閣諸島付近で、米中間での艦船攻撃など、紛争が起きると想定されている。そのため米国は沖縄の米軍基地を強化する対策を急いでいると、琉球新報(10/3付)が報じている。その概要について補足を加え紹介しよう。

この8月、中距離核戦力(INF)廃棄条約が失効した。その結果、中距離弾道ミサイルの開発・製造禁止のタガがなくなり、米中ロによる開発競争が始まった。いま新たな緊張状態が生まれている。とくに米国は2020年末から21年にかけて、新鋭ミサイルを沖縄や北海道など日本本土に大量配備する計画を立てている。
米国が開発中の弾道および巡航ミサイルには、車載移動式ミサイルと潜水艦搭載用新型トマホークがある。いずれも「核弾頭」装備が可能だ。威力は10〜50キロトン、最低でも広島に投下された原爆12キロトン級の威力がある。発射すれば数分で目標に到達し、迎撃は困難を極める。純然たる先制攻撃用の兵器だ。
こうした能力がある地上発射型の中距離弾道ミサイルを日本に配備するとなったら、すでにPAC3が配備されている嘉手納基地はうってつけ、すぐにも配備したいのが本音だ。さらには新型トマホーク搭載の原子力潜水艦も、沖縄うるま市・ホワイトビーチに寄港させたいのは明らかだ。

先月18日、玉城デニー沖縄県知事は、米軍高官に対して、沖縄への新型ミサイル配備について問い質したところ、「開発にまだ時間がかかり、どこに配備するか発表できる段階ではない」と、述べたという。
 だが、沖縄へのオスプレイ配備の際には、日米両政府は直前まで秘匿していた経緯があり、どこまで信用できるか油断はできない。
すでに日本の陸上自衛隊は、奄美大島に地対艦ミサイルを配備し、さらに宮古島や石垣島でも導入を進め、米軍の作戦に主体的に関与している。ますます米国の核弾頭搭載ミサイルによって引き起こされる「核戦争」に巻き込まれる危険が増す。

沖縄だけではない。近いうちにイージス・アショアの配備が予定される秋田市・新屋演習場、山口県・むつみ演習場にも中距離弾道ミサイルが追加配備されるだろう。新型トマホーク搭載の原潜も神奈川県・横須賀、長崎県・佐世保などへ、頻繁に寄港するだろう。
 まさに「日米安保条約」が文字通り「核戦争同盟」へと全面的に転換しかねない事態だ。(2019/11/24)
posted by JCJ at 11:00 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月23日

【メディア気象台】 11月中旬=編集部

信頼度、新聞が初のトップ
公益財団法人「新聞通信調査会」は1日、メディアに関する全国世論調査の結果を発表した。2008年度の調査開始から、初めて信頼度で新聞が1位になった。昨年まで11年連続NHKがトップだったが、新聞が逆転。調査会は「NHKを批判する『NHKから国民を守る党』の影響もあるのかもしれない」としている。信頼度を100点満点で尋ねたところ、新聞は68.9点で前年よりも0.7点低下したが、メディアの中で最も高かった。
次いで前年から2.3点低下したNHK(68.5点)、順に民放テレビ(62.9点)、ラジオ(56.2点)、インターネット(48.6点)だった。この1年で新聞への信頼感が高くなった人に理由を尋ねると、「情報が正確だから」(37%)、「公正・中立な立場で報道しているから」(24%)が多かった。一方で信頼感が低くなった人の理由は「特定の勢力に偏った報道をしているから」が54%で最多だった。(「朝日」11月2日付)

朝ドラ脚本家、異例の交代
NHKは5日、来春放送開始の連続テレビ小説「エール」について、脚本家を告知予定していた林宏司さんから、清水友佳子さん、島田うれ葉さんと、演出の番組スタッフに交代すると発表した。脚本家の交代は異例。NHK広報局は「制作上の都合」としており、具体的な理由については「制作過程の詳細については答えを控える」としている。(「朝日」11月6日付ほか)

経営委員長辞任求める署名提出
かんぽ生命保険の不正販売を報じたNHK番組を巡り、日本郵政グループの抗議に同調したNHK経営委員会が上田良一会長を厳重注意した問題で、各地の市民団体が5日、石原進経営委員長の辞任を求める約5500人分の署名簿をNHKに共同提出した。署名は「NHKとメディアを考える会(兵庫)」などが呼び掛け、計18団体が参加した。昨年10月の経営委の厳重注意は「放送法が禁じる個別の番組への干渉であり、報道の自由を侵すことで国民の知る権利を侵害する」として、委員長の辞任を求めた。(「毎日」11月6日付ほか)

総務相、NHK同時配信を留保
高市早苗総務相は8日の閣議後の記者会見で、NHKから認可申請があったテレビ番組のインターネット同時配信に関連して、NHKに受信料の在り方や業務の縮小、効率化を検討するよう要請したと明らかにした。NHKは認可を経て2019年度中の同時配信を予定していたが、総務省は業務拡大が事業支出の増加につながるとして、現状では認可の適否を示さなかった。NHKは計画の修正が不可避となりそうだ。(「東京」11月9日付ほか)

「動画見放題」混雑時制限
スマートフォンで特定の動画サイトなどを無制限で視聴できる「ゼロレーティングサービス」について、総務省は通信制限も含めたルールを作る。大勢がスマホでネットに接続して回線が混雑する際に通信量の多い利用者から順に制限する。このサービスには携帯電話各社が相次ぎ参入しているが、アプリやコンテンツを提供する中小事業者の排除につながったり、回線が混雑したりする懸念も出ている。近く指針案を公表し、年内にも実施に移す。(「毎日」11月10日付)

編集部
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2019年11月17日

【今週の風考計】11.17─160年前の「日米通商条約」の轍を踏む!

◆低山ハイクを楽しむ仲間と、伊豆半島・下田にある寝姿山を歩いた。黒船見張所跡や復元された大砲を確かめ、ついた山頂から大島や利島を望む。眼下の下田港に黒船サスケハナ号が入ってくる。
◆165年前の光景が立ちのぼる。米国のペリー提督が7隻からなる艦隊を率い、煙突から煙を吐き、礼砲を響かせ、海岸へと迫ってくる。人々が恐れ慄いたのも無理はない。ついに幕府は鎖国をやめ、「日米和親条約」を結び、この下田港への出入りを認めた。
◆4年後には、ハリスが米国総領事として下田に赴任。「日米通商条約」が結ばれた。とりわけ関税自主権を放棄したため、低い関税率に固定され、かつ米国には特権的優遇措置を約束、安い外国商品が日本に流入し、貿易不均衡が生じる事態となった。

◆はからずも、読み終えたばかりの木内昇『万波を翔る』(日本経済新聞出版社)には、黒船来航から明治維新へのドラマが生き生きと描かれている。外からは老獪な欧米列強の貿易交渉に攻められ、内からは尊王攘夷に煽られ、業を煮やした幕府は、関税や取引通貨の交換レートの折衝などにあたる外国局を新設した。
 この仕事に就いたのが田辺太一という男、今でいう外務省ノンキャリア官僚、彼の奮闘が目覚ましい。オビに「この国の岐路を、異国にゆだねてはならぬ」とある。改めて今だからこそ、同感!

◆帰りの伊豆急線が伊豆高原駅を通過した際、これまた不意に、佐藤雅美『大君の通貨』を思い出した。本書は作家としてのデビュー作で、かつ新田次郎賞を受賞した。その後は『恵比寿屋喜兵衛手控え』で直木賞受賞。江戸時代の町奉行や公事宿を描き、物書同心居眠り紋蔵シリーズが評判だった。
◆佐藤さんは伊豆高原に住んでいた。そして今年の7月末に78歳で亡くなられた。打ち合わせなどで会った佐藤さんの話ぶりや表情などが思い出される。

◆さて『大君の通貨』には、ペリーの来航以来、欧米との貨幣交換レートを巡る交渉に明け暮れた水野筑後守忠徳たちの姿が描かれている。
 幕末の日本では金よりも銀の値打ちが5倍も高い。しかし海外では逆で、金が高く銀の16倍も高い。そこに目をつけた米国のハリス総領事は、銀貨で日本の小判(金)を買いつけ、上海に持っていっては小判(金)を売り、儲けを増やす。また日本に来ては小判(金)を買う。こうした繰り返しにより莫大な利益を貪ったのだ。
◆その結果、日本から大量の小判(金)が流出し、物価の高騰・インフレにつながり、武士階級が困窮、幕府崩壊へと行きついた。まさに自滅である。

◆今の日本はどうか。日米貿易交渉ひとつとっても、安倍首相は「ウィンウィンの関係」だと自画自賛した。だが米国から輸入する牛肉・豚肉・農産物などの関税は引き下げ、かつ余剰トウモロコシまで買う約束をしたのに、米国へ輸出する自動車への関税については、「撤廃に向け、さらなる交渉を続ける」との口約束だけ。
 まさにトランプひとり「ウィン」じゃなかったのか。この「日米貿易協定」を、19日にも衆院で強行採決するに至っては、160年前の「日米通商条約」と同じ轍を踏んでいるのではないか。(2019/11/17)
posted by JCJ at 10:00 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月15日

【おすすめ本】斎藤貴男『驕る権力、煽るメディア』─市民の主権者意識がジャーナリズムを育てる基盤=河野慎二

 著者は、2015年4月から4年間のメディアと安倍政権の動きを、報道内容を中心に辿って見すえ、どうすればよいのかを、読者と共に考えようと本書をまとめた。
 この時期、驕り高ぶった安倍政権は安全保障関連法(戦争法)の成立をはじめ、森友・加計問題での文書改ざんや隠蔽など、悪政を恣(ほしいまま)にした。

 著者の疑問は、09年に自民党を下野させた有権者が、なぜ「呆れるほど従順」になったのかという点だ。疑問を解くカギはメディアの劣化にある。新聞に対する消費税軽減税率適用がメディア劣化の一因と指摘。新聞協会は政権への陳情(オネダリ)を重ね、軽減税率の適用を手に入れた。
「借りを返せ」と恫喝された新聞界の対応が無残。「消費税の報道は絶望の極み。オネダリの見返りとしてのプロパガンダを報道とは呼ばない」と、大手紙の報道を痛烈に批判する。
 劣化は新聞だけではない。雑誌ジャーナリズムも、反権力・反拝金の姿勢が攻撃される中で劣化し、このままでは「確実に滅びる。新聞も、単行本も」と警鐘を鳴らす。
 その上で「知性の灯を絶やすな」として「オール出版界による『ノンフィクション再生プロジェクト』の立ち上げ」を提唱する。

 著者は、ジャーナリズムは滅んではならないと強調する。ジャーナリズムが機能しなければ、民主主義は成立しないからだ。「ペンは剣よりも強し」は市民の主権者意識があってこそ成り立つ。
 最終ページに森友文書改ざんをスクープした朝日の写真を掲載している。ジャーナリズムを滅ぼしてはならないという著者の信念と気概が伝わってくる。(新日本出版社1900円)
『驕る権力、煽るメディア」.jpg
posted by JCJ at 09:28 | おすすめ本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月10日

【今週の風考計】11.10─ますます深まる「桜を見る会」への疑惑

大臣の連続辞任に続いて、河井案里・参議院議員が広島県議へ配った現金疑惑など、政治スキャンダルが相次ぐなか、安倍首相が主催する「桜を見る会」への疑惑が浮上した。安倍首相自らが先頭にたち、公的行事・税金を私物化している疑惑である。8日の参院予算委員会で、共産党の田村智子議員が追究して明らかとなった。
「桜を見る会」の参加者数・支出額は、安倍首相になってから年々増え続け、主催して8回目となる今年4月13日の参加者数は18,200人、支出額は5,518万円、予算額の3倍。参加者一人当たり、飲食・お土産・警備などの費用を含む3,000円の税金が使われている。

参加資格は「功労・功績のある方を各府省が推薦する」とある。議員の後援会員や支持者は、招待範囲に含まれていない。税金が使われる公的行事である以上、当然だ。だが、自民党は党内で役職ごとに後援会や支援者の招待枠を割り振り、各議員は名簿を提出し、内閣府から各人へ招待状が届いている。
稲田朋美、世耕弘成、松本純、萩生田光一議員らの後援会ニュースや議会報告には、<地元後援会や女性支援グループの皆さん、選挙のうぐいす嬢の皆様、後援会の中の常任幹事などと、思いで深い「桜を見る会」となった>の記載があるという。
とりわけ安倍首相の地元・山口県の友田有県議のブログでは、<“後援会女性部の7人と同行”“ホテルから貸し切りバスで会場に移動”>と記され、安倍事務所が取りまとめ役になって前日「下関からは毎年数百人が上京する」との証言まである。こうした事実から、「桜を見る会が『安倍首相後援会・桜を見る会前夜祭』とセットになっている」と、田村議員は追及した。

さらに重大なのは、「新宿御苑で一般招待客は並んで手荷物検査がある。しかし“下関組”はバスの駐車場がある“裏口”から入るのが恒例だ」「(新宿御苑に)到着すると、安倍事務所の秘書らがバスの座席をまわって、入場のための受付票を回収する。その秘書が受け付けを済ませ、参加者用のリボンを配る。まとめてのチェックインで手荷物検査はなかった」という。安倍後援会の約850人がスルーで入園していたことになる。
当日の「首相動静」欄には<午前7時48分、東京・内藤町の新宿御苑着。午前7時49分から同8時31分まで、昭恵夫人とともに前田晋太郎山口県下関市長、地元の後援会関係者らと写真撮影>─まぎれもない証拠がある。
 「桜を見る会」の開門・受付開始は午前8時30分なのに、30分も前に安倍首相が地元後援会の人と、新宿御苑内で記念撮影をしている。田村議員の追究に「セキュリティー」を持ち出して、答弁を拒否し続けてきた安倍首相、自らが「セキュリティー」を犯している事態に、噴飯ものだとの声が挙がる。

ちなみに850人が、<バスの駐車場がある新宿御苑の“裏口”から入る>としたら、大型観光バスで17台にもなる。新宿御苑の“裏口”にあたる大木戸駐車場には、大型車は全長5m、重量2.5トンなどの駐車条件があり、かつ予約はできない。これらの条件を、どうやってクリアーしたのだろうか。(2019/11/10)
posted by JCJ at 11:29 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月08日

吉田博二さんを悼む 音響技術の名手 元民法労連役員=茂木章子

 吉田博二さん死亡の一報を受け、私は驚愕と疑問そして失望に打ちのめされた。一年ほど前から病気の症状に適合する薬を探す治験のため突き一回近所の大病院に通院していると聞いていた。JCJに来るのは以前より減少していたが、いつも変わらず寡黙な笑顔で作業に集中、時にはきつい冗談を発しみんなの笑いを誘っていた。現役時代は会社も異なり職場も違うので彼との付き合いはなかった。少し伝わっていたのは組合の委員長時代の労務要件獲得と賃金アップの華々しい成果と武勇伝は喧伝されていた。

 博二さんが年々ごろJCJの会員になったか私の記憶は不確かだ。彼によるとJCJか民放組合の主催による沖縄支援に旅行会で私に拉致され有無を言わせず入会させられたと、あの笑顔で放言していたようだ。

 几帳面で正確性高くきれい好きの彼は、常に手を動かし機材の手入れもよく行い、零細運営社員の見本のようであった。JCJ本部の何個もある白いテーブルも、汚れはもちろんのことボールペンの傷も消しゴムや消毒液で黙々と吹いていた。この性格は飲み会でも発揮され、一定量のむとどんなに座がにぎわっていても、お先にと多めの支払いをして帰宅する。メディアの人達は良く飲み議論をし座を沸かせる種族といわれるが、彼はどんな席でも笑顔でうるさい連中の話を聞いていた。

 これからも集会・講演・小森チャンネル等の取材は絶えないが、吉田さんの音響の仕事は外部に依頼し、その都度出費となり頭の痛いことである。

 とにかく安心して一つの物事を任せ続けてきた吉田さんの存在感の大きさにあらためて感謝したい。   

 茂木章子

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2019年10月25日号
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2019年11月07日

【国際情勢】 中南米報道これでいいのか 革命40周年のニカラグアで考えた 人権弾圧無縁の国=吉原功 

日本の報道ではベネズエラやニカラグアなど中南米は、独裁政権下で大混乱しているように伝えられている。しかし本当にそうか。 JCJ代表委員の吉原功・明治学院大学名誉教授は、7月中旬、革命40周年の式展に招待され、ニカラグアを訪問した。以下は、吉原代表委員のリポート。(写真も)

【詩の工房】

十五歳のマリアは /銃でこづかれ犯された /

ロセンドのおばあさんは / ガーゼで首をしめられた /

ファンは殺菌剤を飲まされ / 呪いながら死んでいった /

国家警備兵に何度もレイプされマリ―ナは流産した

           ☆

1979年7月19日、中米ニカラグアでサンディニスタ民族解放戦線(FSLN)を中心とする長く苦しい民族自決運動が勝利し、米国の傀儡ソモサ独裁体制が崩壊した。革命政府は複数政党制、混合経済、非同盟の国家再建を目指す。国外逃亡した旧軍残党を中心とし米国の支援を受けた反革命コントラの攻撃にも対処しつつ、民衆の文化運動にも力をいれる。 各地に作られた「詩の工房」はその一つだ。農民、労働者、老若男女を対象に識字運動の一環として作詩をうながし生徒同士に意見交換させて最後に詩人が形を整えタイプし作品を残すというものだ。冒頭の詩はその運動から生まれた作品で『ニカラグアの詩の工房のアンソロジー』に収められている。ソモサ体制下で民衆がいかに悲惨な目にあわされていたかを端的に表現している。

街は平穏、報道ウソ

本年は、サンディニスタ革命の40周年にあたり7月19日に記念式典が挙行され、筆者は偶然にもその記念式典に参加する機会をえた。メキシコ経由でニカラグアの首都マナグアに入ると猛暑の日本より過ごしやすい気候だった。街々は近代的な豊かさにはほど遠いが、静かで平穏だった。昨年春、サンディニスタ政権打倒を叫ぶ大暴動事件が全国に吹き荒れ、欧米と日本のメディアが「政府に抗議する市民運動を徹底的に弾圧する独裁国家」と書き立てたのとは全く異なる風情だった。式典当日を含め警備の警官や軍隊はほとんど目に入ってこなかった。

式典の2日前、ニカラグア国民自律大学を訪れ、学長の話をきいた。経済学、医学、教育学、人類学、工学などの学部を要するニカラグア有数の大学だ。昨年の大暴動では学内が破壊され1500万ドルの物的損害に加え精神的被害も受け苦悩しているが、学問研究の向上に努めると同時に、社会事業、ボランティア、地方の青年向けの農業講座などにも力を入れ市民に受け入れられるような大学に発展するよう努力していると話してくれた。

その日の夜、FSLN本部で中心的に活動しているフォンセカとの会食が準備されていた。彼はサンディニスタ創設者の一人で革命運動中斃れたカルロス・アマドール・フォンセカの子息で、式典でのオルテガ大統領のスピーチと重なる貴重な話を聞くことができた。

 翌日、大暴動の動画映像を見たが解説してくれたのはかれだった。冒頭の詩を映像化したような凄惨場面がこれでもかこれでもかと続いた。

革命式典に20万人 

19日、式典会場は人々で溢れていた。会衆は20万人を超えていたと思われる。私たち外国からの参加者約500人は観覧席のような席に案内されたが人垣に遮られて全体は見えない。スピーチの最後にオルテガ大統領が立った。革命を勝利に導いたリーダーの一人だ。静かにはじまり次第に情熱をこめて概要つぎのようなことを会衆に呼び掛けた。「貧困と失業を根絶しよう。憎しみは混乱や戦争を生む。貧困を解消するには平和が絶対条件、愛こそは平和な社会の確立につながる。寛容が必要」。式典のテーマ「愛と平和」にピッタリの内容だ。

 愛と平和、それに寛容はサンディニスタの哲学だという。拷問、放火、火炙りをほしいままにした前年の大暴動参加者たちも恩赦によって解放されたという。

勝利の暁には寛容を

 フォンセカとともにサンディニスタを設立し、初期革命政府の内務大臣を務めたトマス・ボルヘは1980年、「われわれは彼らの生命を尊重しよう。復讐とは、彼らにいささかの憤りも抱かず、彼らがわれわれを処したより、比較できぬほどずっとよく彼らを処することだ。戦闘にあたっては妥協せず勝利のあかつきには寛容たれというわれわれの銘を実行することである」と述べた。40年後もそれが実行されているようだ。

 こうした国を米合衆国は、キューバ、ベネズエラとともに「人権弾圧の独裁国家」として制裁を加えている。メディアは米政府の言うことをそのまま事実と報道する。ニューヨーク・タイムスやワシントン・ポストなども例外ではない。日本メディアはそれを横流ししている。



JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2019年10月25日号
posted by JCJ at 13:58 | 政治・国際情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月06日

【月刊マスコミ評・新聞】 芸術祭、政治関与の有無検証を=徳山喜雄

国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」が紆余曲折の末、終わった。開幕からわずか3日で中止となっていた企画展「表現の不自由展・その後」が閉幕直前に再開されるなど、「表現の自由」をめぐってさまざまな議論がなされた。

 不自由展は慰安婦をテーマにした少女像や昭和天皇の肖像をバーナーで燃やす映像作品などが展示され、「反日的だ」などとして匿名の抗議が相次いだ。萩生田光一・文部科学相は9月、採択を決めていた補助金全額を交付しないと発表。不交付の理由について「展示内容」ではなく、「手続きの不備」をあげた。

 不交付の発表を受け、在京紙では朝日、毎日、産経の3紙が9月27日朝刊に社説を掲載。朝日は「表現行為や芸術活動への理解を欠く誤った決定である。社会全体に萎縮効果を及ぼし、国際的にも日本の文化行政に対する不信と軽蔑を招きかねない。ただちに撤回すべきだ」と強いトーンで批判し、毎日は「結果的に今回の措置は、自分たちと意見を異にする言論や表現を暴力的な脅しで排除しようとする行為を、後押しすることにつながる。/さらに、そういった風潮が社会に広がっていくことにも強い危機感を覚える」と疑問を呈した。

 一方、産経は「日本国の象徴である天皇や日本人へのヘイト(憎悪)を表したとしかいえない展示だ。それへの反省を伴う全面的な見直しなくして企画展の再開などとんでもない」「そもそも、左右どちらの陣営であれ、ヘイト行為は『表現の自由』に含まれず、許されない。当然の常識を弁えるべきである」と、朝日や毎日とは正反対の見方を示した。

 不自由展の再開合意を報じる10月1日朝刊の在京紙をみる。朝日と毎日が1面を含む複数面で、東京も2社面で大きく報じ、読売と産経は2社面に事実関係を伝える小振りの記事を入れた。不自由展をめぐっての報道各社の立ち位置がよく分かる紙面扱いだ。

 10月14日に芸術祭は閉幕。朝日や東京は16日朝刊で文化庁の宮田亮平長官の「不交付決定を見直す必要はない」とする参院予算委員会での答弁を取り上げた。宮田氏は決済に関わっていなかったともいうが、政治の関与はなかったのか。ここは閉幕で終わるのではなく、突っ込んだ取材を続けてほしい。

徳山喜雄

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2019年10月25日号
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2019年11月05日

【リアル北朝鮮】 白頭山登頂で決断? 金委員長自立繁栄を強調=文 聖姫

 「敵がいくら執拗にあがいても、我々は我々の力でいくらでも良い暮らしができ、我々式で発展と繁栄の道を切り開いていけるというのが、試練と困難を踏みしめ奇跡と遺勲でより飛躍した2019年の総括」

 金正恩・朝鮮労働党委員長は中朝国境の三池淵郡を訪れた際、意味深な発言を行った。冒頭はそのひとつだ。16日発の朝鮮中央通信が伝えたが、訪問の日時は明らかにしていない。

 この視察で金委員長はこうも述べた。「米国を首位とする反共和国敵対勢力が朝鮮人民に強要してきた苦痛は、もはや苦痛ではなく、それがそのまま憤怒に変わった」。

 6月の金委員長とトランプ米大統領による電撃的板門店対面では米朝の実務者協議を開催することで合意、10月5日にストックホルムで実現したが、不発に終わった。協議には北朝鮮の金明吉首席代表と米国のスティーヴン・ビーガン北朝鮮担当特別代表が参加した。金首席代表は、「アメリカは、我々を大いに失望させた。アメリカは自分たちの古い立場や姿勢を手放さないようだ」と述べ(BBCニュース電子版2019年10月7日)、米国側は「アメリカは、創造的なアイデアを提示し、北朝鮮側と良い話し合いを行った」(モーガン・オーテイガス国務省報道官声明、前述のBBCニュース)と表明。双方食い違いを見せている。

 金委員長の三池淵での発言は、この米朝協議後になされたものとして注目される。もはや米国との対話には期待しないとも受け取れるからだ。

 金委員長は、自力更生、自力富強、自力繁栄などの言葉を連発し、(制裁という)圧力に屈せず、自力で道を開いていかねばならないと強調した。

 同じ16日発の朝鮮中央通信は、金委員長が白頭山頂に登ったことを、白馬にまたがった金委員長の写真とともに報じた。金委員長が白頭山に登るときは何かを決断する時であることが多い。金委員長の意味深な発言とともに注目される動きだ。

文聖姫(ジャーナリスト・博士)

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2019年10月25日号
posted by JCJ at 14:10 | Editorial&Column | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月04日

【メディア気象台】 10月初旬から中旬=編集部

メディア過労自殺、20代集中

厚生労働省は1日、2019年度の「過労死等防止対策白書」を公表した。過労防止大綱で重点業種・職種と位置付けられた建設、メディアの両業種を分析し、建設は現場監督、メディアは若い世代に過労自殺が集中していると指摘した。10年1月〜15年3月に労災認定された脳・心臓疾患と精神障害の事例から、建設の311件とメディアの52件を分析した。メディアの52件を細かく見ると、業種別では広告が26件と最多で、放送17件、出版6件、新聞3件と続いた。職種別では営業が10件、メディア制作とディレクターが7件だった。精神障害が認められた30件のうち、19件が20〜30代の若い世代で、過労自殺した4人は全員が20代だった。背景にあるストレスは、長時間労働や仕事量・質の変化、上司とのトラブルが多かったという。過労死弁護士連絡会議幹事長の川人博弁護士は「東京五輪に向け、報道が過熱し、過重な労働が広がる恐れがあると認識すべきだ」と話している。(「朝日」10月2日付ほか)

「共謀罪 言論を萎縮」市民団体が廃止署名提出

犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ改正組織犯罪処罰法の廃止を求める市民団体が7日、衆院第二議員会館前の路上で「言論を萎縮させ、自由が脅かされている」などと訴え、衆参両院議長あての署名約1万6800人分を野党議員に手渡した。既に提出した分と合わせると約27万4500人分に上るという。(「東京」10月8日付)

韓国法相、容疑者集団取材の場廃止案

韓国のチョグク法相は8日、検察がメディアに対し、出頭した捜査中の容疑者らに集団取材できる場を設けてきた慣行の廃止などを含む検察改革案を発表した。「誤った捜査慣行」として、今後は規則で禁じるという。チョグク法相の妻らが絡む不正疑惑の捜査中でもあり、野党からは批判の声が上がっている。韓国では、検察がメディアに対し、事情聴取で出頭を求めた国会議員や官僚、大企業幹部らに集団取材の便宜を図ってきた。庁舎前に取材エリアを設定し、議員らを立ち止まらせる方式だった。ただ、社会の注目が集まる事件では対象が一般人にも広がり、法曹界からは「推定無罪の原則に反する」「先進国では異例の人格殺人だ」などの反発が起きていた。(「朝日」10月9日付ほか)

マイナンバー原告180人控訴

マイナンバー制度は憲法が保障するプライバシー権を侵害し違憲だとして、神奈川県内の住民ら230人が個人番号の収集・利用の差し止めを国に求めた訴訟で、原告のうち180人が9日、請求を棄却した横浜地裁判決を不服として控訴した。原告側弁護団は「横浜地裁判決は憲法13条で保障されているプライバシー権を極めて狭くとらえており、現代社会におけるプライバシーの重要性に背を向けたものだ」とのコメントを発表した。9月26日の判決では、憲法13条は「個人情報をみだりに第三者に開示、公表されない自由」と指摘した上で、「制度やシステム技術の不備から個人情報が公表される具体的な危険が生じているとは言えない」として、違法性を認めなかった。(「毎日」10月11日付ほか)

東宝「天気の子」で最高益

東宝は11日、2020年2月期の連結純利益が前期に比べて14%増の345億円になる見通しと発表した。従来予想から30億円引き上げ、2期ぶりに最高益を更新する。同社が出資して自社配信するアニメ映画「天気の子」をはじめヒット作が収益を押し上げる。(「日経」10月12日付)

シンガポール、甘い飲み物の広告ダメ

シンガポール政府は、砂糖の含有量が一定量を超える飲料水の広告を全面的に禁じる方針を発表した。同国が「健康危機」と位置付ける糖尿病対策の一環。具体的な実施方針は来年に打ち出すといい、実現すれば世界初の取り組みになる。(「朝日」10月12日付ほか)

編集部

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2019年10月25日号
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2019年11月03日

【今週の風考計】11.3─W杯ラグビーの後味と東京五輪の酷暑

先月末の秋晴れの日、東京・調布にある神代植物園のバラを見たあと、深大寺へと散策した。境内に入り「達磨まつり」で有名な元三大師堂や国宝の本堂を拝観し、山門へと辿る途中で、ラグビーのユニホームが飾られた堂宇に目がいった。
にわかラグビー・フアンとなっていた筆者には、興味津々、なんとオーストラリア代表チーム「ワラビーズ」の全員がサインしたユニホームだ。達磨の<七転び八起き>がラグビー精神につながるとの縁で、祈願した際に贈呈されたという。

くしくも翌日、調布にある東京スタジアムで、ニュージーランド対ウェールズの3位決定戦、もうテレビにかじりついた。そして昨日2日、イングランド対南アフリカの決勝戦、テレビの前で「行けー、押せ…」と声が出てしまう。結果はご承知の通り、南アフリカが32−12で下し、3大会ぶり3度目の優勝を果たした。
44日間・170万人の観客を動員し、テレビ視聴率は最高53.7%を記録したW杯ラグビー。秋篠宮さまや安倍首相、日本ラグビー協会の名誉会長でもある森喜朗元首相も出席し、大会を締めくくる閉会・表彰式で、後味の悪いシーンが演じられた。
イングランドの選手が2位の銀メダルを首にかけられることを嫌がり、さらには授与された直後に銀メダルを首から外す選手まで続出。<ラグビー発祥の地>の選手たちが、ノーサイド精神を踏みにじる行為に走るとは、内外からブーイングが起きている。

さて東京五輪。組織委員会会長である森喜朗さん、前日の1日、マラソン・競歩の札幌への変更を決定した。絶大なる権限を持つIOCには逆らえず、東京も「合意なき決定」に従った。しかし、森喜朗さん、「日本が世界にウソをつき続けた結果、今回の事態を招いた」という責任は免れない。
JOCがオリンピック招致の際に作った「立候補ファイル」の、「2020年東京大会の理想的な日程」という項目に、こう書かれている。
〈この時期の天候は晴れる日が多く、且つ温暖であるため、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候である〉

なんとなんと、日本みずからが蒔いた種なのだ。2013年IOC総会の最終プレゼンでも、福島原発事故問題に触れて、安倍首相は「アンダー・コントロール」との恐るべき言葉を発したが、天気までウソをついていたとは呆れかえる。もう「任命責任」なんて言葉も、取りもしないのに軽々しく言うな。(2019/11/3)
posted by JCJ at 11:57 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【沖縄リポート】 軟弱地盤改良で米国が危惧=浦島悦子

沖縄島北部・本部半島の採石場から連日、運搬船16隻体制(1日当たり4〜5隻)で大浦湾に運ばれ、投入される埋め立て土砂。毎日朝・昼・午後の3回、基地ゲートから資機材を搬入するダンプやコンクリートミキサー車―。辺野古新基地建設工事は「順調に」進んでいるように見える。そして政府は、国民・県民、そして何よりも米国にそれをアピールしたがっている。

 しかし実際はそうでないことが、現場にいるとよくわかる。運搬船に土砂を運ぶダンプの1台当たりの積載量を荷台の底板が見えるほど減らしたり、埋め立て用護岸の前面に、必要性に疑問符のつく巨大なテトラポットを多数設置したり、時間稼ぎとしか思われない現状がある。昨年12月14日から始まった埋め立て土砂投入は、10カ月経った現時点で達成率は約1%にすぎない。

 事業者である沖縄防衛局が一番頭を悩ませているのが、大浦湾の埋め立て区域の広大な「マヨネーズ状」と言われる超軟弱地盤だ。防衛局はあくまで改良工事は可能とし、9月6日に「有識者」による「技術検討委員会(委員8人)」を発足させた。運輸省港湾技術研究所出身で辺野古工事の関連会社取締役でもある清宮理・早稲田大学名誉教授を委員長とし、「国の立場」の委員が大半を占める「御用機関」。それでも初会合では、大浦湾の軟弱地盤は羽田空港や関西国際空港とは異なる特有のものであり、完成後の沈下を懸念する声が出たという。

 10月5日、辺野古ゲート前で開催された県民集会で発言した土木技師の北上田毅さんは、防衛局が地盤改良工事の設計のために発注した委託業務を情報公開請求で入手し、「これまでにない内容に驚いた」と話した。業務の実施に当たって当初から完成まで4回にわたる米軍との協議を義務付けているという。「これは、地盤改良工事を日本政府に任せておくことはできず、米軍が直接指揮監督するということだ。軟弱地盤に対する米軍の危惧がいかに大きいかがわかる」「来年初めに防衛局は沖縄県に対し(地盤改良工事を含む)設計概要変更申請を出すと報道されている。県が不承認すれば工事は止まる。展望に確信を持って現場に結集しよう」と呼びかけた。

浦島悦子

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2019年10月25日号
posted by JCJ at 11:16 | Editorial&Column | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月01日

【リレー時評】ネット情報への対応と新聞報道の危機=黒島美奈子(JCJ沖縄世話人)

 新聞はインターネットの情報とどう向き合うべきか。既存メディアにとって現代の命題とも言えるテーマに取り組んだ本が9月、沖縄県内2紙から相次いで出版された。
 沖縄タイムス社編集局著『幻想のメディア〜SNSから見える沖縄』と琉球新報社編集局著『琉球新報が挑んだファクトチェック』(ともに高文研)。どちらも2018年9月の県知事選を巡る「フェイクニュース」の背景を取材し、その軌跡をまとめたものだ。

 取材を担当した両紙記者によるトークショーが10月、那覇市内であった。そこで司会者にフェイクニュース問題を取材した理由を聞かれた両紙の記者が口にしたのが、県内の選挙報道で感じた危機感だった。
 県内では県知事選の7カ月前、同年2月の名護市長選からネット上にフェイクニュースがあふれ、あきらかにこれまでの選挙と違った様相を呈していた。「名護市が長年誘致してきたプロ野球キャンプを、市長選候補者の1人である現職が止めようとしている」。そんな情報がSNSを中心に広がりはじめたのは名護市長選の告示からまもなくのことだ。
 2月の選挙の争点は名護市辺野古への新基地建設の是非。20年前と変わらないが、大きな変化もあった。県内の首長選挙として初めて「18歳選挙権」が行使され注目を浴びていたのだ。

 その選挙で「若者の間でデマが拡散されている」とのうわさが市長選取材班の耳に届くようになったのは、選挙戦も中盤にさしかかったころだった。告示直後の有権者調査で大幅なリードが報じられた現職だが、このころになると劣勢がささやかれるようになった。そして迎えた投開票日。報道各社の当初予想を上回る票差で新人が勝利。
 この選挙を通して県内2紙をかつてない危機感が襲った。「有権者に正しい情報を届ける責任を、新聞は果たせていないのでは」。選挙後に沖縄タイムスの市長選取材班が寄せた検証記事にはいくつも「新聞の敗北」を語る言葉が並ぶ。名護市長選は、県内の多くの記者が選挙報道を見直すきっかけとなった。

 とはいえ長年培ってきた報道の在り方を変えるのは難しい。迎えた県知事選で沖縄タイムス編集局は部をまたいだ「SNSチェック班」を結成し、毎日決まった時間、デマやうその情報発信を監視した。
 ただ、その後の県民投票(2019年2月)や参院選(同年7月)では班を立ちあげず、ネット情報の監視は記者個人の「やる気」に頼っているのが現状だ。参院選では初めてネット上の情報の分析図を作成したが、従来的な選挙報道が解消されたとは言い難い。
 情報発信の在り方やツールは加速度的に変化している。本気で「正しい情報」を届けたいなら、新聞はもっと焦らなければならない。
posted by JCJ at 09:29 | <リレー時評> | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする