2019年11月05日

【リアル北朝鮮】 白頭山登頂で決断? 金委員長自立繁栄を強調=文 聖姫

 「敵がいくら執拗にあがいても、我々は我々の力でいくらでも良い暮らしができ、我々式で発展と繁栄の道を切り開いていけるというのが、試練と困難を踏みしめ奇跡と遺勲でより飛躍した2019年の総括」

 金正恩・朝鮮労働党委員長は中朝国境の三池淵郡を訪れた際、意味深な発言を行った。冒頭はそのひとつだ。16日発の朝鮮中央通信が伝えたが、訪問の日時は明らかにしていない。

 この視察で金委員長はこうも述べた。「米国を首位とする反共和国敵対勢力が朝鮮人民に強要してきた苦痛は、もはや苦痛ではなく、それがそのまま憤怒に変わった」。

 6月の金委員長とトランプ米大統領による電撃的板門店対面では米朝の実務者協議を開催することで合意、10月5日にストックホルムで実現したが、不発に終わった。協議には北朝鮮の金明吉首席代表と米国のスティーヴン・ビーガン北朝鮮担当特別代表が参加した。金首席代表は、「アメリカは、我々を大いに失望させた。アメリカは自分たちの古い立場や姿勢を手放さないようだ」と述べ(BBCニュース電子版2019年10月7日)、米国側は「アメリカは、創造的なアイデアを提示し、北朝鮮側と良い話し合いを行った」(モーガン・オーテイガス国務省報道官声明、前述のBBCニュース)と表明。双方食い違いを見せている。

 金委員長の三池淵での発言は、この米朝協議後になされたものとして注目される。もはや米国との対話には期待しないとも受け取れるからだ。

 金委員長は、自力更生、自力富強、自力繁栄などの言葉を連発し、(制裁という)圧力に屈せず、自力で道を開いていかねばならないと強調した。

 同じ16日発の朝鮮中央通信は、金委員長が白頭山頂に登ったことを、白馬にまたがった金委員長の写真とともに報じた。金委員長が白頭山に登るときは何かを決断する時であることが多い。金委員長の意味深な発言とともに注目される動きだ。

文聖姫(ジャーナリスト・博士)

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2019年10月25日号
posted by JCJ at 14:10 | Editorial&Column | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする