2020年01月31日

【イベント案内】日本初!川崎市ヘイト禁止条例の意味=神奈川支部

JCJ神奈川支部2月例会
日本初!川崎市ヘイト禁止条例の意味
 〜神奈川新聞石橋学記者に聞く〜

 昨年12月、川崎市議会は「差別のない人権尊重のまちづくり条例」を全会一致で成立させた。今年7月には全面施行される。日本で初の、ヘイトに対して罰則を科す条例の制定である。朝鮮半島出身の人々が集住する川崎市では近年、「朝鮮人は日本から出ていけ」などのヘイトスピーチをまき散らすデモが行われ、市民の人権を脅かしてきた。条例制定の意義は大きい。講師は、神奈川新聞でヘイトスピーチを鋭く批判してきた石橋学記者。条例制定の意味を聞く。
 
 また石橋氏は、昨年2月にヘイト団体が川崎市の会館で開いた集会での、「実は旧日本鋼管でいわゆるコリア系の方が日本鋼管の土地を占領しているんですけれども」などのヘイトスピーチを、「悪意に満ちたデマによる敵視と誹謗中傷」と厳しく批判し報じたところ、ヘイト発言者は石橋氏を名誉棄損で訴えてきた。裁判は現在、横浜地裁川崎支部で審理が進められている。その裁判についても話をうかがう。

日 時  2020年2月1日(土)午後2時〜午後4時
会 場  横浜市開港記念会館6号室
     横浜市中区本町1−6 TEL045−201−0708
講 師  石橋 学(神奈川新聞記者)
参加費  500円 
主 催  JCJ神奈川支部
問合せ 保坂 080−8024−2417
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2020年01月30日

ズサン調査スクープから半年 陸上イージス配備計画見直しなるか 秋田魁記者・最新リポート

新屋演習場と住宅街.jpg
 地上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」を秋田市に配備する計画は、昨年6月に秋田魁新報が防衛省調査のずさんさをスクープして以降、大きく揺れ動き続けている。防衛省は配備候補地を「ゼロベース」で見直すとして再調査を実施中。住宅地に隣接した陸上自衛隊新屋演習場への配備計画が見直されるかどうかが今後の焦点だ。
官邸サイドが動く
 「『住宅地との距離も考慮して評価するよう防衛省に指示した』と、官房長官からそういう話を伺った」。昨年11月20日、首相官邸で菅義偉官房長官と面会した佐竹敬久秋田県知事は、直前のやりとりを報道陣にこう明かした。
 防衛省は、新屋演習場が配備に適しているかに関する調査のずさんさが秋田魁新報のスクープで明らかになって以降、「ゼロベースでの再調査」を掲げ、新屋演習場を含む青森、秋田、山形3県の国有地20カ所を対象に配備の適否を再検討する作業を進めている。そうした中で、省庁に大きな影響力を持つ菅氏が「住宅地との距離」を考慮要素に挙げた発言は大きな意味を持つ。住宅地に近い新屋演習場が大きなマイナスポイントを抱えることになるのは明らかであり、佐竹知事は5日後の会見で「初めてそういう具体的な発言が官房長官からあったということは、当然官邸サイドでも動いているということだと思う」と述べ、配備候補地見直しへの期待感をにじませた。
17議会が「反対」
 防衛省調査のずさんさが明らかになって以降、秋田では「反新屋」のムードが高まる一方だ。
 7月の参院選では、配備反対を訴えた野党統一候補の新人が、自民現職に勝利。8月には、秋田市を地盤とする冨樫博之衆院議員(秋田1区)が「新屋への配備はもう無理」という考えを防衛省に伝えたことを明らかにした。
 配備反対の請願や陳情を市町村議会が採択する動きも広がり、12月議会までに県内25市町村のうち17市町村の議会が採択した。
 昨年12月10日には、共同通信が「政府が新屋演習場への配備計画を見直す方向で検討に入った」とする記事を配信し、翌日付の秋田魁新報など全国の地方紙・ブロック紙が掲載。他の通信社や全国紙も同趣旨の報道で続いた。
「新屋」拒否は不変
自民、公明の県組織は新屋配備反対を公式には唱えていないが、12月20日には、自民党県連青年局が「人口密集地にあまりに近く、県民の不安が大きすぎる。適地であるとはとても言えない」とする意見をフェイスブックで公表するという動きもあった。
 こうした中、配備計画が浮上した当初は配備の是非についてあいまいな発言を繰り返していた佐竹知事や穂積志秋田市長の発言も様変わりした。「住宅地との近さが一番重要な視点。後戻りするかもしれないけれども、賢明な判断を求めたい」(10月21日の会見で佐竹知事)、「(新屋配備について)市民の理解を得るのは難しいと、河野太郎防衛相にはっきり伝える」(1月9日、秋田市新屋地区の新年会で穂積市長)。こうした発言は、住民の間でおおむね好感を持って受けいれられている。
 防衛省が行っている再調査の期限は3月20日。得られたデータを基に、3県20カ所の国有地を「ゼロベース」で見比べて配備候補地を決めるというのが、防衛省の示しているシナリオだ。
 再調査の結果、防衛省が再び新屋演習場への配備方針を打ち出したとしても、地元の理解を得られる可能性は限りなく低いのが、秋田県内の現状といえる。
松川敦志(秋田魁新報社編集委員)
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年1月25日号

posted by JCJ at 14:30 | 政治・国際情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月29日

判決「うれしい誤算」 責任とらせるまで追及続ける 森友疑惑情報開示 木村真市議寄稿

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 昨年12月17日、私が原告となって国を相手に争っていた森友裁判で、大阪高裁が原告側請求を全面的に認める判決を下した(国は上告せず、判決確定)。
2017年2月8日。私は、前年9月に豊中市内の国有地を森友学園に払い下げた売買契約書を公開請求したところ、売買金額や一部条文などが黒塗り・非公開とされたことは不当だとして、国を相手に裁判を起こした。この提訴をきっかけに売買金額が1億3千万円余という極端な低額であったことが分かった。安倍首相が「私や妻が関与していたなら、総理大臣も国会議員も辞める」と述べたことで、政局を揺るがす一大疑惑に発展した。その森友問題の発火点となった裁判で、国が全面敗訴したのである。
 昨年5月の大阪地裁判決では、金額を隠したことは違法とする一方、地下埋設物があることが記載された条文を非公開としたことについては適法とする、原告一部勝訴だった。こちらが控訴した高裁では弁論1回で結審した。間違いなく控訴棄却・原審維持だろうと思った。「忖度判決 恥を知れ!」というプラカードを20枚作成して傍聴者が手分けして法廷内に持ち込み、裁判長が「控訴を棄却する」という主文を読み上げた瞬間、私の「お前なんか裁判官辞めてまえ!」というヤジを合図に一斉に掲げるという段取りをしていた。
国は早期終結狙う
 ところが裁判長は「原審を変更する」。えっ?!「被控訴人(国)は控訴人(木村)に対し、(請求そのままの)11万円を支払え」。思わず隣の当方代理人弁護士さんに「勝ったってことですか」と尋ねると「全面勝訴や!」。傍聴席へ向かって「勝ったみたい」と声をかけると歓声が上がった。用意した抗議のプラカードは出番なし、「勝訴」の垂れ幕も用意しておらず(「不当判決」だけ持ち込んだ)、大阪弁護士会がノベルティ用につくった「勝訴」と書かれたタオルを持っている傍聴者がいたのでこれを拝借し、裁判所前で記念撮影した。
「嬉しい誤算」判決となったわけだが、喜んでばかりはいられない。情報公開訴訟として始めた裁判だが、その後すでに非公開部分の黒塗りは外れており、この勝訴で初めて明らかになることなど何もない。敗訴しても国は痛くもかゆくもないわけで、むしろ裁判を早期に終結させ、森友問題を「過去の問題」として片づけてしまおうということではないか。だから上告しなかったのだろうし、そもそも地裁判決後も、国は控訴しなかった。となると意外な判決ではないのかもしれない。
 しかし、この勝訴を弾みとして、森友問題の追及を続けていく。「お友だち優遇」「ウソと隠ぺい」「ごまかしと開き直り」は、森友問題だけに限ったことではなく、安倍政権の「体質」であることは、「桜を見る会」の一件からも明らか。森友問題をこのまま幕引きさせてしまえば、「桜」も「カケ」も、全てうやむやにされてしまうだろう。それはつまり、「権力さえ握っていれば、何をやっても構わない」ことを許してしまうことに他ならない。
流れ変わってきた
 翌日の18日には、東京地裁が、伊藤詩織さん準強姦事件で山口敬之氏に対して損害賠償を命じる判決を下した。民事とはいえ、「アベ友記者」をいわば「断罪」したわけだ。東西で2日続けての「嬉しい誤算」判決は、いよいよ流れが変わりつつあるのでは、とも思える。特別な力などない私たちができることは、しぶとく、しつこく、粘り強く食らいつくことだけ。しかるべき人物に、しかるべき形で責任を取らせるまで森友問題は終わらせない。つかんだ尻尾は放さない!
(大阪府豊中市議)
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年1月25日号


posted by JCJ at 09:27 | 政治・国際情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月28日

性犯罪に甘い日本社会に一撃 同意ないと認定 伊藤詩織さん 他の被害者勇気づける判決

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 海外からの注目も集めた判決が昨年12月、東京地裁で言い渡された。ジャーナリストの伊藤詩織さんが元TBS記者の山口敬之氏から受けた性暴力被害を訴えた民事訴訟で、伊藤さんに「全面勝訴」の軍配が上がったのだ。裁判では伊藤さんが性行為に同意していたかどうかが争点となり、判決は「被告が酩酊状態にあり、意識のない原告に対して同意がないまま本件行為に及んだ」「(同意があったとする山口氏の主張には)不合理な変遷があり、信用性に疑念がある」などとして、同意はなかったと認定。山口氏に330万円の賠償を命じ、同時に山口氏が名誉毀損などを理由に巨額賠償と謝罪広告を求めた反訴を棄却した。
「公表内容は真実」
 伊藤さんが負った心身の傷を思えば十分な賠償とは呼べない。だが、この判決が画期的だったのは、伊藤さんが記者会見や自著で被害を訴えたことを「公表内容は真実」「性犯罪を取り巻く法的、社会的状況を改善しようとした。公共性および公的目的がある」と評価したことだ。
 日本社会には性被害を甘く見る土壌がある。加害者は責任が問われず、被害者の方が落ち度を責められる二次被害も起きる。伊藤さんも2017年に被害を公表して以降、ネットで根拠のない「ハニートラップ説」が流されるなどした。だから、被害の訴えを正面から受け止めた判決は、他の性被害者をも勇気づけたと思う。一人の女性は「被害者にとって、社会に居場所があることを意味する」と話してくれた。
こうなると、この事件はやっぱりおかしい。伊藤さんが酩酊状態で意に反する性行為を強要されたのが明らかなら、なぜ準強姦の刑事事件として起訴されなかったのか。
 性被害を巡る日本の刑事司法は冷たい。理由は刑法の規定にある。17年の改正で罪名を変えた強制性交罪(旧強姦罪)、準強制性交罪は「同意なし」だけでは成立しない。被害者が抵抗できなくなるほどの暴行・脅迫があったか、抵抗できない状態にあったかなどの要件が必要になる。
 伊藤さんは15年春、就職先を紹介してもらおうと山口氏と懇談の後、ホテルで「性暴力を受けた」と訴えた。伊藤さんは刑事処分を求めたが、検察は起訴せず、その判断の妥当性を審査する検察審査会も「起訴しないことが相当」と伊藤さんの申し立てを退けた。
国策の匂い拭えず
 刑事事件にならず、真相に近づきたいと民事訴訟に訴えた結果が今回の判決だ。確かに民事は、被告が無罪推定を受ける刑事裁判とは異なり、当事者同士が争い、相手よりも主張が勝ればいい。しかし、だからと言って真実性が低いわけではない。また伊藤さんの事件には、こんな一般論では解けない「国策」のにおいもぬぐえないのだ。
 山口氏は政権に近い人物とされ、捜査に圧力がかかったのではとの見方もある。「捜査関係者から、上層部の判断で逮捕を止められたと聞いたことがある」。伊藤さんは勝訴後の会見でこう語り、自著でもそう記した。その真偽はひとまずおいても、性犯罪に甘い日本では刑事司法当局も例外ではないのだ。米ワシントンポスト紙が「時代後れの保守派に運営されている国」「日本人女性の権利の勝利」と判決を報じたように、事件は徹頭徹尾、日本社会の後進性を表していた。判決を不服とした山口氏は控訴を宣言した記者会見で「性被害者は会見の場で笑ったりしない」と言った。伊藤さんの人格を貶め、被害者を「型」にはめた、まさに後進的な考え方が示されたのだ。
 日本社会が性犯罪に対する認識を変えていけるのか。控訴審の行方もまた、世界から注目されることになる。
佐藤直子
(東京新聞記者、メディアで働く女性ネットワーク会員)
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年1月25日号

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2020年01月27日

韓国メディアに広がるファクトチェック 17年大統領選がきっかけ ソウル大研究者と労組幹部が報告=橋詰雅博

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 日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)と韓国の全国言論労働組合(言論労組)が14年ぶりに交流を復活させて、共同でファクトチェックができないかの検討を始めると本紙12月号で報じた。その言論労組首席副委員長のソン・ヒョンジュンさんと、国立ソウル大(SNU)ファクトチェックセンター所長のチョン・ウンリョンさんが日本のファクト・イニシアティブの招きで来日し、1月11日に早稲田大学で講演した。
ソンさんは公共放送のKBS、チョンさんは東亜日報、どちらも記者出身だ。日本の先を行く韓国メディアの活発なファクトチェックを二人が語った。
27メディアが加盟
 SNUファクトチェックセンターの概要をチョンさんは、こう説明した。現在、新聞やテレビ、ネットの27メディアが加盟する同センターの設立のきっかけは、現大統領の文在寅らが出馬した2017年の大統領選だった。国内世論の後押しもあって各候補者の発言や主張が正しいかそうでないかのチェックが必要ということで、政治的中立性を保てる大学内に発足した。この17年が韓国ファクトチェックの元年と位置づけられている。3月下旬から5月初旬にかけて各メディアが検証を行った約180件のうち、半数が誤りと判定された。同センターは各社から提供される検証記事を集約するプラットフォームの役割を果たしている。運営費は韓国を代表するポータルサイト「ネイバー(NAVER)」が提供。ネイバー上で流されたニュースの広告収入の30%をセンターが受け取っている。今年が3年契約の最終年で、契約更新の有無はまだ決まっていない。
JTBCが先駆け
ソンさんは韓国放送界を中心にファクトチェックの現状を報告した。
 放送や新聞などでファクトチェックが広がった大きな理由は、2つある。14年のセウォル号事件で事実と異なる報道により主要メディアの信頼が地に落ちたためメディア間で挽回の機運が高まったのが一つの理由。もう一つは中央日報系の新興テレビ局JTBCが14年から設けたファクトチェックコーナーが人気を呼んだことだ。こうしたことで、KBSやMBC、SBSなどの各局がファクトチェックコーナーを次々に設けた。朝鮮日報、韓国日報、中央日報、韓国経済といった新聞や連合ニュースなどの通信社、ノーカットニュースなどのネットメディアもファクトチェックに乗り出した。
 ソンさんの出身メディアKBSは、放送で流したニュース記事、ホームページに掲載した記事、ユーチューブに上げた動画をそれぞれファクトチェックしている。
 にもかかわらず国民のメディアへの信頼はまだ回復していない。デジタルニュースレポートによれば、国別ランキングでは17年は36カ国中36位、18年が37国中37位、19年は38国中38位と3年連続で最下位だ。ファクトチェックは政治的に利用されるリスクを伴うが、国民の信頼を得るには「ファクトチェックジャーナリズムは韓国メディアにとって最低限の仕事」と認識されている。
 メディアに対する評価のレベルが高くなっている国民と共にファクトチェックを軸とした「メディア改革」の世論形成とその拡大がこれからの課題だと指摘した。
 日韓による共同ファクトチェック作業については「議論がまだ深まっていない」そうだ。
橋詰雅博
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年1月25日号
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posted by JCJ at 11:11 | メディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月26日

【今週の風考計】1.26─‶新型肺炎"阻止にWHOと日本は全力を

猛威を振るっている「新型コロナウイルス」による肺炎は、昨年12月8日、中国の湖北省・武漢で最初の感染者が出て以降、いまや中国全土に広がり、感染者は1300人、死者は50人を超える。日本国内でも3人目の患者が確認されている。さらに東南アジアや米仏諸国へ14カ国・地域に広がる。

肺炎を起こす「新型コロナウイルス」は、タケネズミやヘビなどの動物に寄宿している。中国での発生源は武漢の海鮮市場だが、この海鮮市場では他にもアナグマ、ハクビシン、キツネ、野ウサギ、クジャク、サソリ、ワニなど100種以上の動物が「食品」として日常的に売られている。
 しかも目の前で殺して、調理もしない生肉を売っている。ここの価格表には生きたタケネズミ1匹85元(約1400円)、クジャク1羽500元(約8000円)、シカ1頭6千元(約9万6千円)などと記されている。
野生動物の捕獲や売買、摂取を取り締る法律はあるが、その法をかいくぐってでも、「机と飛行機以外は、なんでも食べる」中国人の食生活に加え、あえて野生動物を食べる「野味」という習慣も関係している。
 タケネズミやヘビを食べて感染したのは間違いない。しかも武漢市当局は、感染の事実を中央政府に報告せず隠ぺいしたため、ますます感染者は広がり、さらに23日の武漢「封鎖令」が出る直前には、いち早く武漢を脱出した者が数千人とも数万人とも言われる。

今回の「新型コロナウイルス」は、2002年に中国南部の広東省から広がった重症急性呼吸器症候群(SARS)のコロナウイルスに近い。世界30カ国8,422人が感染、916人が死亡した。また2012年の中東呼吸器症候群(MERS)も、このコロナウイルスが関係し、中東諸国や韓国など2,070人が感染し712人が死亡した。
 この二例とも感染源はコウモリ、かつコウモリを捕食した野生のヘビが第2次感染源となっている。武漢市の海鮮市場ではヘビも売られていたから、コウモリからヘビに感染した「新型コロナウイルス」が人へとうつり、今回の流行を引き起こした可能性が高い。

恐ろしいのは「新型コロナウイルス」には効く薬がないことだ。感染を防ぐワクチンもない。感染した場合は、安静にして熱・せきを和らげる「対症療法」しかない。
 しかも「新型コロナウイルス」には、すでに「スーパー・スプレッダー」が存在しているといわれる。すなわち多くの人への感染拡大の源となった患者からの「アウトブレイク」(集団感染)が起きている危険である。
1月25日の「春節」を挟むおよそ40日間、中国では延べ約30億人が国内のみならず世界中を大移動する。「新型コロナウイルス」による“大規模肺炎”の拡大は、SARSの再来を招きかねない。
 今のところ死亡率がSARSより低いことが救いだが、感染拡大を封じ込めないと、「新型コロナウイルス」に変異が生じて、さらに毒性が強くなるかもしれない。
 日本とWHO は検疫体制を強化し、各国共同の水際作戦で感染拡大を阻止しなければならない。(2020/1/26)
posted by JCJ at 10:00 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月25日

【編集長EYE】安全性に疑義のゲノム編集食品うられる=橋詰雅博

 ゲノム編集した受精卵を用い双子を含む赤ちゃん3人を誕生させたことを公表した中国の研究者に対し、昨年暮れ広東省深圳市の裁判所は医学倫理の最低ラインを超えたと厳しく批判し、懲役3年と罰金3百万元(約4800万円)を言い渡した。ゲノム編集は、狙った遺伝子を自在に改変できる遺伝子操作の技術だ。発展途上国の爆発的な人口増による食糧難の解決策として期待がもてるとされる。農水畜産物の品種改良で利用が広がる。
 筑波大は、血圧上昇を抑えストレスを緩和する成分GABA(ギャバ)を数倍増やしたトマト、産業技術総合研究所は、生んだ卵にアレルギー物質が少ないニワトリ、大阪大や理化学研究所は、芽に含まれる天然毒素が極めて少ないジャガイモを開発した。京大は、肉の量が多いマッチョマダイ≠誕生させた。夢のバイオテクノロジーと評されるゆえんだ。
 とはいえ、ゲノム編集食品につきまとうのは安全性の問題。
昨年11月に都内で講演した 「食べものが劣化する日本」(食べもの通信社)の著者・安田節子さんはこう話した。
「米国コロンビア大学や米FDA(食品医薬品局)などの研究では、標的遺伝子を破壊・切断すると予期し得ない変異が起る恐れがあると指摘しています。つまりゲノム編集技術の安全性に疑義生じている。だからドイツやニュージーランドはゲノム編集食品を規制し、欧州連合(EU)司法裁判所も規制適用すべきと判断した」
 ところが安倍晋三首相は、ゲノム編集技術を成長戦略と位置付け大胆な政策を実行すると決めた。これを受けて厚生労働省は、昨年10月からゲノム編集食品について、国産も輸入品も届け出だけで販売できる新制度をスタートさせた。
 「新制度はゲノム編集などを使った遺伝子組み換え食品市場の拡大を狙うトランプ米大統領の意向にそったものです」(安田さん)
 疑念をはらせないゲノム編集食品。何らかの規制が必要だ。
 橋詰雅博
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年1月25日号
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posted by JCJ at 14:19 | Editorial&Column | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月24日

拡大運営委を2月26日(水)に、会費と購読料値上げがテーマ

 2020年度は、本部予算案は赤字を組まざるを得なくなっています。会員と読者の拡大はなかなか進まず、この危機的状態を乗り越えるには会費と購読料のアップが必要と考えています。午後2時から6時まで事務所で開く拡大運営委員会では本部・地方支部・部会の財政状態を明らかにした上で、値上げ問題を徹底論議し、結論を出す方針です。多くの地方支部の方の参加をとくに期待しています。


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2020年01月23日

【メディア気象台】 2020年1月中旬まで

◇新聞の総発行部数3780万1249部、前年比5.3%減
新聞協会加盟の日刊紙116紙の総発行部数は2019年10月現在で3780万部1249部だった。前年比(以下同)5.3%減。減少幅は過去最大だった18年と同じだった。部数でみると210万部327部落ち込んでいる。地区別でみると、減少幅は九州が最も大きく6.9%減、大阪(6.4%減)、四国(6.0%減)、東京(5.8%減)、関東(5.6%減)と続く。1世帯当たりの部数は0.04部減の0.66部。人口千人当たりの部数は20部源の30部となった。(「新聞協会報」1月1日号)
◇契約終了通知撤回を〜テレ朝に抗議声明
日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)は10日、テレビ朝日が昨年末、番組リニューアルを理由にして報道番組「報道ステーション」の社外スタッフ約10人に契約終了を通知したことに対する抗議声明を発表した。「真摯に番組制作に取り組んできた労働者の権利と尊厳を踏みにじる行為」であり、「10年前後の経験豊かなスタッフの大量排除は、事実上の番組解体につながるものだ」と批判。今回の強引な労務政策により、番組スタッフ以外にも不安が広まっていると指摘。「メディア関連労組として、雇用不安がジャーナリズムの萎縮につながることを危惧しています」と述べ、契約終了通知の速やかな撤回を求めた。(「しんぶん赤旗」1月11日付ほか)
◇新聞協会、個人情報保護法見直し案に意見
日本新聞協会は10日、個人情報保護法の改正大綱案への意見を発表した。同案には個人情報の不適切な利用に歯止めをかけるため、政府の個人情報保護委員会が先月公表したもの。協会は報道目的での個人情報の取り扱いに関する記述が不十分だとして再考を求めた。新聞協会は個人情報保護法の施行を背景として社会的な萎縮や匿名化が進み、取材活動に甚大な悪影響が出ていると指摘。保護法をたてに不祥事を隠す事業者などがいるとして「個人情報の適正な利用」を求めた。また、報道は規制の適用除外になることが国民に広く理解されるよう、法律の構成を改める必要性にも言及した。(「朝日」1月11日付ほか)
◇「旅券発給拒否は違憲」〜安田純平さん、国提訴
内戦下のシリアで約3年4か月拘束され、2018年10月に解放されたフリージャーナリストの安田純平さん(45)が、外務省から旅券(パスポート)の発給を拒否されたのは「外国への移動の自由を保障する憲法に違反する」として、国に発給拒否処分の取り消しと発給を求めて東京地裁に提訴した。安田さんの代理人弁護士が明らかにした。(「毎日」1月14日付ほか)
◇NHK同時配信認可〜ネット視聴、3月にもスタート
NHKのテレビ番組が放送と同時にテレビで見られる「常時同時配信」が、今春にスタートすることが決まった。総合テレビとEテレビが対象で、過去一週間分の番組がネットで視聴できる「見逃し配信」も始まる。総務省が14日、NHKが申請していた常時配信の実施基準を認可した。(「朝日」1月15日付ほか)
◇大分合同、4月から夕刊廃止
大分合同新聞社(大分市)は14日、4月1日から夕刊を廃止し朝刊に統合すると発表した。地域によっては配達員の確保が難しくなってきたことや、読者のライフスタイルの変化などで新聞を取り巻く環境が厳しくなったことなどを理由に挙げている。(「朝日」1月15日付ほか)
編集部


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2020年01月22日

3・11から9年「大川小の悲劇はなぜ起きたのか」2月13日ジャーナリスト講座

2020年2月13日(木)のJCJジャーナリスト講座は、東日本大震災から9年「大川小の非劇はなぜ起きたか〜「事後対応」という2次的人災に迫る」がテーマだ。
講師はライター兼フォトグラファーの加藤順子さん。大川小訴訟は19遺族・家族への約14億円の賠償で終結。だが、遺族たちがこだわった被告である石巻市側らの「事後対応の加害性」は判決で認められなかった。9年間、説明会や検証委員会、裁判などを取材してきた加藤さんが振り返ります。
時間:午後6時半から9時
会場:日比谷図書文化館4階小ホール
参加費:1000円
要予約:参加希望日、氏名、大学名(職業)、電話番号、メールアドレスを明記。sukabura7@gmail.comに申し込む
お問い合わせ:日本ジャーナリスト会議 電話03・3291・6475(月水金の午後対応)
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2020年01月19日

【今週の風考計】1.19─60年前の258万人スト・13万人国会デモ

★19日は「60年安保」から60年となる。若い人たちに伝えたい。60年前、「昭和の妖怪」と言われた岸信介首相、なにあろう今の安倍首相のお爺さんが、米国のアイゼンハワー大統領と会談し、日本に米軍基地を置き米兵の駐留を認める「60年日米安保条約」に調印したのだ。
★「へちまに歯が生えた顔」とも比喩される岸信介さんは、東条内閣の商工大臣として太平洋戦争を始める詔書に署名し、軍備増強に辣腕を振るい、敗戦後、A級戦犯容疑で巣鴨プリズンに3年も拘束された人物だ。その戦争責任は極めて重い。だが1953年には政界に復帰し、わずか4年で首相になった。
 その岸首相が、意気揚々と帰国して「60年安保条約」案を国会に上程し承認を求めた。だが国会審議は「核の持ち込み」や「日米地位協定」の内容など、判然としない答弁が続き、未曾有の混乱をもたらした。

★5月19日には自民党は単独で「60年安保条約」案を強行採決。火に油を注ぐ暴挙に、国会外での安保闘争は、いっそう激しくなり、国会周辺は連日デモ隊に包囲された。昨年から続く「香港200万人デモ」を、思い浮かべてほしい。これとそっくりな熱い闘いが、日本でも繰り広げられたのだ。
★6月4日には560万人を超える組合員がストに入り、2万の商店がシャッターを下ろし閉店ストを行う。15日には580万人のスト、13万人の国会請願デモが展開された。
 その際、警官隊の暴行やヤクザ・右翼団体の襲撃で多数の負傷者を出し、大学生・樺美智子さんが死亡するや、反対運動は頂点に達した。しかし19日、「60年安保」が自然成立。

★「60年安保」の期限は10年、以後は1年前の予告により一方的に破棄できると定めてある。しかし60年間、同時に締結された「日米地位協定」も含め、破棄どころか全く変更も修正もされていない。核兵器を積んだ戦艦や航空機の通過には事前協議すら適用しない旨の密約まで継続されている。
★日本に米軍基地が131か所もある。その施設内での米軍特権、税金の免除、兵士・軍属の犯罪に対する裁判権放棄など、日本の法律が適用されない事態が放置されたままなのだ。そのうえ日本が提供する米軍への「思いやり予算」は、この43年間で10兆円にのぼる。

★安倍政権は19日、外務省の飯倉公館で「60年安保」60周年記念行事を開く。待てよ!まずは米兵犯罪の裁判権を日本に取り戻すのが先ではないか。 EU諸国では実現しているにもかかわらず、米国から兵器の爆買いばかりに血道をあげる、真逆な愚は、もう止めたらいい。(2020/1/19)
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2020年01月17日

【`19読書回顧─私のいちおし】組織に抗う個人の姿が日常の風景になれ=尾崎孝史(写真家)

尾崎孝史.jpg 
 組織と個人のあり方について考えさせられた年だった。鮮明に記憶しているのは、れいわ新選組の街頭演説会で耳にした言葉だ。「世の中の構造と同じことが創価学会の中でも起こってるよ」。
 参院選の3日前、新橋駅SL広場で声をあげたのは創価学会婦人部の女性。公明党の山口代表に「ガチンコ勝負」を挑んだ学会員、野原善正氏に寄せた応援演説だった。この日の野原氏の演説は、山本太郎『#あなたを幸せにしたいんだ』(集英社)に掲載されている。
 「池田先生が作った公明党さえ守っていれば安全だと教えられているみんな。違うよ!」。応援演説の女性は、濃密な人間関係で構築された組織に身を置きながら、内部告発を続けた。
 駅のホームで雑居ビルの前で、思わず振り返る金曜日の夜のサラリーマン。少なからぬ人が、選挙や個別団体の問題にとどまらぬ何かを感じたようだ。こんな化学反応が起きたのは、「空気を読まない、流されない。這いずり回ってでも体を張ってでも抵抗を続ける」という、山本氏の野良犬魂あってのことだろう。

 米誌タイムが選んだ今年の人は、スウェーデンの16歳だった。『グレタ たったひとりのストライキ』(海と月社)の主人公、グレタ・トゥーンベリ。本はオペラ歌手の母、マレーナが家族の物語から書きはじめる。「歌に対する私の愛は無限大で、ひとつのジャンルや組織に縛られたくなかった。常に主流に反していて、いつも独りだった」
 グレタの父、スヴァンテは舞台俳優だったが、妻の妊娠を機に主夫になる。家族はマレーナの公演にあわせて、欧州の都市を点々とする。「ほかの家族とは違う、あまりにも素晴らしい」日常が、若き環境活動家を生んだのだと納得させられる。
 「誰もかれもがグレタ、グレタ、グレタ」という状況に、「どうにかしているよ」と苦笑する妹のベアタ。来年こそ、組織に抗う個人の姿が、どこにでもある日常の風景になればよいのに、と思う。
「グレタたったひとりのストライキ」.jpg
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2020年01月12日

【今週の風考計】1.12─「エレファント・カーブ」と我が老後!

松が取れた途端、妻が新聞を見ながら、「もう年に1回の旅行は止め! 外食も贅沢、貯金はガタ減りよ」とのたまう。12日付の朝日新聞5面<長寿時代 財布のひも固く>への反応である。この紙面には、同社の世論調査の結果がまとめられている。
 年金世代は、貯蓄の目的が「老後の生活費」88%、「病気介護の備え」71%がずば抜けて高く、「旅行・レジャー」は22%だった。
 年金生活の我が身に置き換えて、妻の叱声に耳を傾けざるを得ない。晩酌も週に2回するか3回にするか、ここが思案のしどころ。

この機会に、世界や日本の経済格差や貧富について、おさらいをすることにした。まずは世界的規模で格差が拡大している実態である。2019年の「世界のビリオネア」(10億ドル以上の資産保有者)は2153人、総額8兆7千億ドル、32年間で29倍、アフリカのGDPの4年分に匹敵する。
アマゾンのCEOジェフ・ベゾスが2年連続のトップ。保有資産額を前年から190億ドル(約2兆1300億円)増やし1310億ドル(約14兆6600億円)となった。日本ではユニクロの柳井正会長が41位、資産額222億ドル(約2兆4600億円)。
 世界の1%の富裕層が強欲に遂行する資産増加ぶりは、この20年の世界経済格差を象徴的に示す「エレファント・カーブ」そのものだといえる。

金持ちの話はいい。貧富の貧に目を向けよう。日本の貧困率は、1人当たりの年間可処分所得によって算定する。最新データによる日本の可処分所得は年間245万円、その額の半分しか所得のない世帯を貧困層と呼んでいる。世界第3位の経済大国でありながら、貧困率は15.6%となり7人に1人が貧困にあえぎ、1人親世帯での貧困率は50.6%まで上昇し、半数以上が貧困に苦しんでいる。
高齢者世帯の貧困状態も深刻だ。65歳以上の高齢者のいる世帯の貧困率は27.0%になる。しかも、単身世帯での貧困率はさらに深刻で、男性単身世帯で36.4%、女性の単身世帯では実に56.2%にもなる。65歳以上の女性の一人暮らしは、2人に1人以上が貧困の状態に置かれている。

家計調査年報(2017年)によると、無職の高齢者世帯が得る収入の平均は月額で12万2千円、年換算で147万円となっている。その一方で、勤労している高齢者世帯の平均貯蓄額は70歳以上で2385万円、60代で2382万円と、現役世代に比べて圧倒的に高く、40代の2倍以上となっている。つまり高齢者世帯になればなるほど、貧富の格差が拡大しているという現実がある。
 さてさて我が老後資金は、本当に大丈夫か。正直いって現実に目を向けるのが怖い。(2020.1.12)
posted by JCJ at 12:34 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月10日

【支部リポート】 福岡 「大きな敵と闘っている」 植村隆講演会に100人超=白垣詔男

 昨年秋、福岡支部に加入した西嶋真司さん(支部幹事、RKB毎日放送OB)の仲介で、今年8月4日(日)、元朝日新聞記者、植村隆さんの講演会を主催して開いた。懇意にさせてもらっている「九州民放OB会」に呼び掛けて共催になってもらった。

 支部主催の講演会は、直近がいつだったか思い出せないぐらい久し振りなので、何人入れる会場を確保すればいいのかから始まってチラシ作成、宣伝方法など五里霧中だった。

 一番、頭を悩ませたのが、「参加者が何人になるか」だった。そもそも植村さんを知っていて話を聞いてみようという人がどれぐらいいるのか。宣伝しすぎて参加者があふれてもいけないし、かといって参加者が極端に少ないと植村さんに失礼だし…。とりあえず、日刊紙にチラシを送ったが、反応がなかった。そこで、記者を知っている、そのうちの2紙に直接「告知」してくれるように頼んで書いてもらった。諸集会などでもチラシを配った。

 結果的に、80人弱座れる会場に100人超の参加者が集まり、座れない30人超は約2時間も立ったままだった。主催者としては心苦しい限りで、冒頭に「お詫び」を申し上げた。植村さんも話の初めに、座れない方々に「お詫び」をしてくれた。植村さんのお心遣いに頭が下がった。

 さて、講演会では、初めに西嶋さんが監督として制作中の、植村さんを主人公にした映画「標的」のダイジェスト版を上映、西嶋さんが解説をした。

 その後、登壇した植村さんは、自らの経歴を交えて、裁判についての説明、解説を熱く語った。その中で、植村さんが、安倍首相と裁判の被告・櫻井よしこさんの「親密な仲」を解説して「私は、大きな敵と闘っている」と解説したのが深く印象に残った。

 なお、当日集めた資料代は、「標的」制作に向けてクラウドファンディングで資金を集めていた西嶋監督に全額、カンパした。                   

白垣詔男

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2019年12月25日号
posted by JCJ at 10:52 | Editorial&Column | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月09日

市民メディア全国交流集会inあだち SNS時代ローカルの「これから」を模索 ケーブルTV、ミニコミ紙、コミュニティFMなど参加=鈴木賀津彦

 多様な市民メディア活動に携わる全国各地の人たちが集まり交流する「あだちメディフェス2019(第17回市民メディア全国交流集会)」が11月23、24両日、東京・足立区の北千住で開催された。情報の発信者に誰もがなれる時代に、市民の発信力をさらに高めて、地域のコミュニティ活動などを活発にしていこうと、開催都市を変えながら毎年開いている。

今年は北千住でインターネット動画の番組を配信する「Cwave」のメンバーらが事務局になり企画・運営した。「動画メディアの進化」「市民が街の魅力を発見する、発信する、発想する」をテーマに、各地のケーブルテレビから、ミニコミ誌やコミュニティFM、インターネットの動画配信で地域情報の発信に取り組む団体や個人、さらにローカルメディアなどを研究課題にしている大学生らが参加し、議論を深めた。

ご当地アイドルも

街歩き企画「北千住リアル謎解きゲーム」なども併催、二日間で600人弱の参加者があった。会場も、銭湯が廃業し、長年使われていないビルの地下空間を劇場のように改装してアートスペースにした「BUoY(ブイ)」をメーンに、東京芸大千住キャンパスや東京芸術センターのスタジオなどで、地域の連携を生み出す効果もあった。

初日は、市民メディアをテーマにネット放送の特番を組んだ「12時間生放送」や、各地のローカルメディアの活動発表のほか、地域の「キーパーソン取材」に行く実践企画など盛りだくさん。懇親会での交流も、ご当地アイドルが出演するなどネット時代のメディア活動の盛り上がりを示すものとなった。

翌日は二つのセッション。まず、シティプロモーションを意識した「足立で生きる≠発想する」のワークショップでは、東海大学の河井孝仁教授の指導で、足立区をもっと生きがいのある町にするために、参加者が企画力や表現・発信力をどう高めるかを考えた。

最先端事例を紹介

「SNS時代のこれからのローカルメディア」のセッションは、著書に『ローカルメディアのつくりかた』などがある影山裕樹さんが、全国で取材した先端事例を紹介。元TBSキャスターで令和メディア研究所主宰の下村健一さんの進行で、各地でメディアづくりに取り組んでいる参加者らの発言を交え「これから」の在り方を議論した。

5Gなど送信速度が高まり、動画の発信などに注目が集まるネット時代だが、一方で地道な雑誌メディアが地域で大きな役割を果たし、活字メディアの未来も語られた。「市民が自主的、主体的に、各自にふさわしいメディアを活用して表現、発信している」取り組みが強調され、情報の単なる受け手ではなく発信者になることで、メディアリテラシーも高められることが示された集会となった。

鈴木賀津彦

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2019年12月25日号
posted by JCJ at 13:50 | メディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月08日

【月刊マスコミ評・新聞】田中真紀子氏の安倍評に納得=白垣詔男

「桜を見る会」の疑惑にフタをさせまいと野党が、異例とも言える、臨時国会の会期延長を求めたが与党側は安倍晋三首相に最後まで「一問一答」形式の審議をさせないままで強引に閉幕した。

12月10日付毎日新聞夕刊2面の「特集ワイド」に田中真紀子元外相が登場。「通算在職日数が憲政史上最長となった安倍首相をどう見ているか」との質問に田中さんは「はぐらかす、ごまかす、強弁する。たちの悪い人。勉強もしていない。権力の頂点に立つと、その人の特性が出ると言うけど、安倍さんは姑息な人だと思います」とズバリ斬っている。その「正確な安倍評」には納得できる。

さて、臨時国会の閉幕にあたって各紙社説がどう主張しているか―。

朝日(10日付)は「政権の専横を忘れまい」、毎日(10日付)「長期政権のひずみ一段と」、西日本(7日付)「疑惑の幕引きは許されない」との見出しで3紙とも「税金による公私混同」「招待者名簿を廃棄した公文書隠ぺい」を指摘している。

それに対して読売(8日付)は「政策論議の劣化を懸念する」との見出しで「首相側は地元後援会員らを多数招待していた。桜を見る会の趣旨に反しており、節度を欠いたとの批判は免れない」「野党5党は…事細かに問題点をあげつらった」と書き、安倍内閣の「公私混同」「公文書隠ぺい」には触れていない。産経(10日付)は「臨時国会閉幕、役割果たしたとは言えぬ」との見出しで「内閣府による招待者名簿破棄などがあり、首相や政府側の説明は十分ではなかった」と書いているが「税金の公私混同」は不問だった。

既に「ジャーナリズム」ではない読売、産経は、「安倍政権応援団」の色彩が強くなっている。「桜を見る会」を扱った社説は読売が11月14日付「桜を見る会中止 疑念の払拭へ政府は襟を正せ」と1回だけ。産経もこの間、11月24日の「桜を見る会 花見をやっている場合か」と題する1回だけだった。その社説では「(安倍)首相在任中の中止も決めるべきだろう」「選挙目当てに私物化したと批判されても仕方あるまい」と指摘している。しかし、後が続かなかった。

これに対して朝日、毎日、西日本は3〜4回、節目節目で、安倍政権が「疑惑解明」に積極的ではないことを指弾していた。

白垣詔男

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2019年12月25日号
posted by JCJ at 14:13 | メディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月07日

【月刊マスコミ評・放送】 NHKの独立性 揺れつつ越年=諸川麻衣 

「桜」で霞みがちだが、NHKのあり方がさまざまな点で大きく問われた一年だった。

「NHKから国民を守る党」の国政進出で注目され、支持する世論が多い「スクランブル放送化」=事実上の公共放送解体。NHKも総務省もスクランブル化は否定するが、衛星デジタル放送で導入されたCAS(限定受信システム)も、将来のネット配信に想定されるパスワードも、実態はスクランブル放送では?

 かんぽ不正を取り上げた『クロ―ズアップ現代+』の続編の中止、経営委による会長への厳重注意という放送法違反の番組への介入、さらにNHK幹部の郵政側への情けない「謝罪」。慰安婦番組の改変問題に匹敵する外圧への屈服だが、真相究明も責任追及もなされず…。

 「官邸に近い」とされる板野元理事の復活人事と、明治憲法を礼賛し、安倍応援団を自認する長谷川三千子経営委員の異例の三期目就任。

 要員と予算を食うばかりの「国策」の4K8K放送。自宅で視聴したことのある人はたった一.五%に過ぎない!

 放送法改正で道筋がついたはずの「ネット同時配信」に、二年ぶりに就任した高市総務相が「既存業務全体の見直しと受信料額の検討」を求めて「待った」をかけた問題。NHKの悲願であるネットからの受信料徴収は遠のいた。高市発言を「桜を見る会」報道と結びつけた今井尚哉総理秘書官兼補佐官の暴言も、NHKを政権に無害なメディアにしておきたいとの狙いを示すものだった。

 さらに秋以降、局内の報道・スポーツの部署で複数の急死者が出たとの情報がある(詳細は公表されていない)。仮に過労死なら、鳴り物入りの「働き方改革」の内実が鋭く問われることになる。

前田晃伸・次期会長は「政権との距離で大事なのは公平感、信頼される番組作りが大事」と述べているが、ここに挙げた諸課題はほぼそのまま来年に持ち越されそうである。そして数年後には世帯数が減少に転じ、今は好調な受信料収入にも黄信号が点る。「経営体として存続するためには、放送法の定める自主自立を投げ捨てて政権にすり寄っても構わない」と言わんばかりの幹部の一連の振舞いは、NHKの独立を財政面で保障するための受信料制度の根拠を、自ら掘り崩すことになる。

一方で今年は、予算などを盾に取った権力の放送支配を防ぐため、放送行政を独立行政委員会に移そうとの動きも改めて活性化してきた。来年は、「オリパラ」などよりこうした問題こそ注目の的かも知れない。

諸川麻衣

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2019年12月25日号
posted by JCJ at 11:11 | メディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月06日

【リレー時評】近現代史を学んで戦争加害の実相を知る=白垣詔男

 昨年、韓国大法院(最高裁)が「徴用工問題」について被害者らに賠償を認めてから、「日韓関係」がおかしくなる一方だ。そうした事態を受けて、「日韓問題」「徴用工裁判」「中国人強制連行・強制労働」などを主題とした講演・学習会が多くなっている。幾つかの講演を聞いて私は、知らなかった日本の近現代史の詳細を知ることができた。
 その中で、「中国人強制連行・強制労働」裁判の弁護団の一員で福岡県春日市の法律事務所所属、稲村晴夫さんの話には学ぶことが多かった。
 私が知らなかった点は@「徴用工」と「強制連行の労工」の違いA強制連行・強制労働での中国人死者数が、「極寒地で劣悪の労働」と言われたシベリア抑留者の2倍近かったB戦後すぐ、中国人を強制連行・強制労働をさせた日本企業が国に損害賠償を求め、国が応じて補償したC中国人強制連行・強制労働についての2報告書(外務省と事業所が作成)を作成側が焼き捨てたが1部が持ち出されて、その内容をNHKがスクープ報道した―などだ。いずれも「周知の事実」とも思われるが私は知らなかった。
 まず、強制連行した韓国人を「徴用工」と呼び中国人をそう呼ばないのは、植民地だった韓国は「内地」で、中国は「外国」だったからだ。また、中国人労工に満足な賃金も食事も与えなかった加害企業が「中国人からモノを壊され、モノを取られた」と国に訴え、「被害金額」として三井は774万円、三菱は286万円(今の貨幣価値では数百億円から1千億円)を手当てしてもらった。国がどちらを向いているか現代にも通じる内容だ。
 そして、「NHKのスクープ報道」。これが明らかになったのは1993年で、政府も強制連行・強制労働を認めざるを得なくなった。当時の柿澤弘治外相はそれでも「反強制的な形でやられたことは遺憾」と、「強制」は認めず、謝罪ではなく「遺憾」でお茶を濁している。
これはNHKの功績だが、「アベチャンネル」化している現在のNHKでは、このスクープは幹部によって握りつぶされるのは確実と思われる。その時代は、まだ「みなさまのNHK」は健在だったことが分かる。この経過はNHK出版が書籍にしている。
 これ以外でも、中国人強制連行・強制労働問題は、一部企業と被害者らが「和解」した際、政府は口を挟まなかったが、今回の「徴用工問題」で安倍政権は、他国の判決にまで口を出し、加害企業にも「徴用工問題」については何の対応もしないよう口出しをした形跡があり、企業側も韓国最高裁判決を「黙殺」している。これもおかしなことだ。
 日本はアジア・太平洋戦争では被害者でもあり、それ以上の加害者でもある。こうした「加害の近現代史」を、私たちはもっと学び、まず「真実」知らなければならない。私は最近、深く反省をしている。
白垣詔男
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2019年12月25日号

posted by JCJ at 15:23 | 政治・国際情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月05日

【今週の風考計】1.5─トランプ大統領の無謀なイラン先制攻撃

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。年末年始、子供や孫に囲まれ、年越しそばを啜り、「おせち」に舌鼓を打ちながら、若い世代の息吹を感じとらせてもらった。

年末はNHK紅白歌合戦、小中学生5人組ユニット・Foorinが “パプリカダンス”に合わせて歌いだすと、小学1年の孫も歌いつつノリノリでステップを踏み始める。知らなかったのが恥ずかしい。いま2020年応援歌として、<パプリカ花が咲いたら…種をまこう…ハレルーヤ…この指とまれ>と、ダンスと共に大ブームであるのが分かった。
その後に続く歌唱も初めて聴くものばかり。半ば頃になって、これも初めて耳にする「白日」の歌唱に釘づけになった。ラフな服装だが熱のこもった裏声を響かせる。テレビ画面の下に載る<時には誰かを…傷つけてしまったり…後悔ばかりの人生だ…降りしきる雪よ、全てを包み込んでくれ…>の歌詞を追う。
 何か琴線に触れる情感とシンパシーが交錯しつつ聴き入る。脇で40歳になった息子が、4人組バンド「King Gnu」の大ヒット曲だという。
後で調べてみると、「King Gnu」は東京芸大出身の4人で構成され、1年前にメジャーデビューしたばかりだ。「白日」は配信限定のシングルだが、すでに再生回数は1億回を突破している。この15日に、初CD「ceremony」 (アリオラ・ジャパン)が発売される。待ち遠しい。年始はスポーツ観戦にふけった。孫とのチャンネル争いも忙しかった。

さて、その間、IRカジノ汚職で自民党議員が逮捕され、他にも特捜部から事情聴取されている政治家5人、さらに疑われる政治家は15人ともいわれる。強行採決までして成立させた安倍政権の目玉政策が、ワイロまみれだったとは呆れはてる。
さらに新年3日、トランプ大統領の命令で、米軍はイラクの首都バグダッドを空爆し、隣国のイラン革命防衛隊「コッズ部隊」を率いるガセム・ソレイマニ司令官を殺害した。イラクの主権すら侵害する前代未聞の作戦は、中東地域に深刻で危険な事態を生み出し、戦争への導火線に火を近づける無謀な挑発となった。
イランの最高指導者ハメネイ師は「厳しい復讐」に言及し、国内では3日、各地で総勢10万人が「米国に死を!」と叫んで司令官の殺害を非難し、反米デモが広がっている。
 米国は、昨年12月末に約750人の米部隊を増派したが、それに加え、4日には3500人の部隊を追加増派し、イランの52か所の重要施設を爆撃すると脅す。これに対抗するイランは、すぐにでもホルムズ海峡の封鎖に踏み切ることも視野に入るだろう。
 またイラン近隣諸国も、一斉に「犯罪的な米国の攻撃」を非難し始めている。湾岸諸国の米軍基地やホルムズ海峡を航行する石油タンカーや貨物船への攻撃が始まる可能性すらある。

だが日本の安倍首相は、この間、フィットネスクラブ通いと映画鑑賞と4日で4回のゴルフ三昧に興じていた。あまつさえイランに対する米国の先制攻撃について一言も言及せず、自衛隊の中東派遣がもたらす深刻な事態への対応にも触れない。
 安倍首相はイランのハメネイ師やロウハニ大統領と昨年6月・12月に会談して、「イランの最高指導者とサシで話せる関係を築いた」と、米国・イランの仲を取り持つ日本の外交を誇っていたが、トランプ大統領に今回の暴挙を諫める覚悟はあるのか。1月中旬の中東訪問は、逆に手痛いしっぺ返しを食らう公算は大きい。(2020/1/5)
posted by JCJ at 10:14 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月04日

【メディアウオッチ】 メディア労組 日韓の交流復活 共同でファクトチェックも=須貝道雄

南・呉握手 .jpg

 日本と韓国のメディア労働者間での交流活動が復活した。新聞、テレビなどの労働組合でつくる日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)と韓国の全国言論労働組合(言論労組=呉政勲委員長)は20005年以来、途絶えていた日韓の交流をこの秋に再開した。「共通の基盤作りをしたい」とMIC議長の南彰・新聞労連委員長は抱負を語っている。

事実と向き合う
12月7日、東京で「日韓新聞記者が語るメディアと憲法」(東京法律事務所9条の会主催)と題する催しが開かれた。講師の南委員長は11月24日にソウルを訪問し、言論労組と交流した様子を報告した。そこで確認したのは、2020年に韓国側を呼び日本でシンポジウムを開くこと、さらにニュースや言説の真偽を確かめるファクトチェックを両国でできないか検討することだった。
南氏はファクトチェックについて「歴史の事実とどう向き合うかの問題だ」と前置きし、ねじ曲げられた言説で不当なバッシングを受けた元朝日新聞記者の植村隆さんのことを指摘。日韓で事実の確認に取り組むことの大切さを話した。
MICと韓国言論労組が交流を再開するきっかけになったのは9月6日に新聞労連が発表した声明「『嫌韓』あおり報道はやめよう」だった。TBS系情報番組で大学教授が「韓国女性が入ってきたら暴行しないといかん」と発言し、『週刊ポスト』が「韓国なんて要らない」という見出しの広告を出した時だ。

香港政府に抗議
この声明に対し、韓国言論労組から呼びかけがあり、接点が生まれた。これまでに日韓で二つの共同宣言・声明を出した。「事実に基づいた報道で、国境を越えて平和と人権が尊重される社会を目指そう」(9月28日)と「東アジアの言論・表現の自由を守るため、市民の自由を弾圧する香港政府に抗議する」(11月25日)だ。
南氏は12月7日の集会で、日韓仲良し大特集を組んだ雑誌『東京グラフィティ』を紹介。「政治に流されず、しなやかな感性を生きる若手編集者がいることに勇気づけられた」と語り、こうした可能性を摘むことがないようにするのもメディア労組の役割だと強調した。
南氏と対談したハンギョレ新聞東京支局長のチョ・ギウォンさんは「韓国には『嫌日』はない。でも昔の植民地支配を正当化する政治家の発言に反感はある」と語り、一部政治家が日韓関係を危うくしていると指摘した。
 須貝道雄      
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2019年12月25日号
posted by JCJ at 11:42 | 政治・国際情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする