2020年02月10日

【リアル北朝鮮】 今年最初の視察は肥料工場 金委員長「食料」アピールか=文聖姫

 新年早々、イラン・イスラム革命防衛隊のソレイマニ司令官が米軍のドローン攻撃によって殺害されたとの衝撃的なニュースが世界を駆け巡った。イランは報復措置としてイラクにある米軍拠点を攻撃したが、米政府は軍事力を行使せず、寸でのところで軍事衝突は回避された。北朝鮮はこの事態をどう見ているのか。
 国営・朝鮮中央通信は11日、ソレイマニ殺害からイランの米軍基地攻撃に至るまでの出来事を客観的に報じたが、いまのところ北朝鮮政府の見解などは発表していない。米国をあからさまに非難することもしていない。
 また、潜伏して表に出てこないのでは?という大方の予想を裏切って、金正恩・朝鮮労働党委員長はソレイマニ殺害後に公の場に堂々と姿を現した。7日発朝鮮中央通信が、金委員長の肥料工場建設現場の視察を報じたのである。
 昨年12月28〜31日、北朝鮮の平壌では朝鮮労働党中央委員会第7期第5回総会が開かれた。事前に「重大な問題を決定する」と予告していた総会では、金委員長が「世界は遠からず朝鮮民主主義人民共和国が保有することになる新たな戦略兵器を目撃することになる」と宣言した。新たな戦略兵器とは、大陸間弾道ミサイル(ICBM)や潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を指すのではないかと言われている。
 安保面ばかりが注目されたが、実はこの総会は、米国との交渉膠着が長引くことを予想して、制裁下でいかに難関を突破するかを協議する場であったと筆者はみている。結論的に言うと、金委員長は「正面突破戦」で難関を克服するよう全国民に呼び掛けた。
 そして、今年最初に視察する場所として選んだのが肥料工場の建設現場だった。最高指導者が食料問題解決のためにいかに尽力しているかをアピールする面もあろう。
 国の状況が目に見える形で悪くなっていると、総会で率直に語った金委員長。北朝鮮は今年、どう動くのか。
文聖姫(ジャーナリスト・博士)
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年1月25日号


posted by JCJ at 09:52 | 政治・国際情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする