2020年03月31日

【編集長EYE】 学童保育の指導員 神経すり減らす日々が続く=橋詰雅博

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 安倍晋三首相が2月27日に新型コロナ禍対策のため専門家にも聞かず唐突に打ち出した全国の小中高校の一斉臨時休校。一方で保育所や放課後児童クラブ(学童保育所)は原則開所にした。だから仕事をもつ一人親や共働き家庭が子どもを預ける学童保育所は、朝から夕方まで長時間、子どもの面倒を見ている。
 東京の学童保育所で10年近く指導員(非正規職員)を務める元幼稚園教諭の女性の声を紹介しよう。彼女が勤めている学童保育所は、新型コロナ感染騒ぎの前は、100人超の小学1年生から3年生を平日の午後2時から6時まで預かっていた。指導員は10人前後だ。
 「28日に担当部署から一斉休校と学童保育の開所などが書かれたファックスが届きました。受け入れ準備が整っていないので3月2日月曜は午後1時から開きます∞3日以降は午前8時30分から開きます∞お子さんが家を出る前は、必ず体温を測り、37・5度あるなら、家で待機させてください≠ネどと書いたお手紙を子どもたちに持たせました。職員はメールで親にも知らせていたようです」
 「3月2日、来た子どもは半分以下でした。意外に少なかったですね。3日以降も60人ほどです。室内は学校より狭く子どもが密集するので感染が心配と思ったからか、子どもを祖父や祖母に預けたかもしれません。テレワークにより家で仕事ができるようになったので子どもと一緒にいるケースも考えられます」
 世話をする子どもの人数が減っても仕事の大変さは変わらない。
 「新型コロナ感染の防止のため以前よりも神経を使っています。窓や廊下に面したドアを常に開けて換気をよくし、子どもの手洗いは5、6回行い徹底させています。集団で遊んでいたら離れるように注意します。マスクを外す子はするように言います。勤務時間が長くなって、収入は増えますが、心労が絶えません」
 神経をすり減らす日々が長く続きそうだ。
橋詰雅博
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年3月25日号

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2020年03月30日

露骨な妨害やめぬ外務省 原爆展や慰安婦問題に介入=橋詰雅博

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 新型コロナウイルス感染の大流行で4月下旬にニューヨークで開かれる予定だった核に絡む重要な2つの世界的イベントに影響が出た。核軍縮の大きな方向性を決める5年1度の核不拡散条約(NPT)の再検討会議が延期になった。この国連本部でのNPT再検討会議に合わせたNY初の原水爆禁止世界大会は中止に追い込まれた。
変更求める
 世界大会の呼びかけ団体の一つである日本原水禁被爆者団体協議会(日本被団協)は被爆者らの派遣を中止。さらに国連本部ロビーで行う予定だった約50枚の写真パネルを展示する「原爆展」も、開催時期の変更を含めて協議を進める方針である。
 しかし、忘れてはならないのはこの展示会を巡る外務省による横ヤリ″s為だ。日本被団協に対して写真パネルの一部を展示しないよう要請し、言うことをきかないなら後援はできないとブラフをかけたのである。
 外務省が目の敵にしたのは、東日本大震災で起きた原発事故の原因や、平和な生活を壊された多くの避難者の困窮ぶり、原発敷地内にたまり続ける汚染水の現状などを紹介した福島のパネルだ。その理由について「原子力の平和的な利用はNPTの柱になっており、原発について扱うのはふさわしくない」と説明した。
 これに対して日本被団協は5年前の原発展でも原発事故を扱ったが、外務省は変更を求めず後援した。今回、除外要求するのは「表現の自由を絶ち切る許し難いものだ」と批判した。その上で国連とは合意済みだから外務省の後援がなくても内容を変えずに展示会を開く構えだった。
 7月に東京五輪を控え外務省が官邸に忖度したのは間違いない。
 外務省の忖度はほかにもある。オーストリアのウィーンで昨年9月に開かれた芸術展「ジャパン・アンリミテッド」で展示されていた安倍政権や福島原発を批判的に扱った作品を2人の自民党国会議員がネットで問題視した。すぐに外務省は日本との国交150年記念事業にふさわしくないと認定を撤回した。芸術展のオーストリア学芸員は、日本で検閲≠ェ強まっていると断じた。
設置を阻止
 また、慰安婦問題の打ち消しになりふり構わず動いている。2019年度「外交青書」の中の「慰安婦問題の取組」ではこう書いている。
〈韓国のほか、米国、カナダ、オーストラリア、中国、フィリピン、ドイツ、台湾等でも慰安婦像の設置等の動きがある。日本政府としては、引き続き、様々な関係者にアプローチし、日本の立場(例えば、「軍や官憲による強制連行」、「性奴隷」といった主張については、史実とは認識していないこと)について説明する取組を続けていく〉
 外務省はドイツやフィリピンで慰安婦を題材にした平和の少女像などのメモリアル設置を阻止している。最近ではウガンダで起きた慰安婦歴史館計画を中断させている。
 5年ほど前、JCJ主催で慰安婦問題について講演した米モンタナ州立大准教授の山口智美さんは、外務省の露骨な妨害をこう語っていた。
「米大手教育出版社のマグロウヒルの教科書に『慰安婦を強制連行した』などの記述が載りました。外務省担当者は執筆者のハワイ大准教授に面談し、訂正を求めました。右派勢力と外務省が手を組んで慰安婦問題の否定に躍起です」
 外務省は安倍政権を下支えする走狗≠ノ成り下がっている。
橋詰雅博
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年3月25日号
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2020年03月29日

【今週の風考計】3.29─猫も感染した新型コロナウイルスの脅威

新型コロナウイルスの猛威は、ついにWHOが「何百万人の死亡もある事態に」と警告を発した。これまで新型肺炎を引き起こしているウイルスは、コウモリの体内で培養され、ヘビやハクビシン、ヒトコブラクダなどの中間宿主を経て、ヒトに感染するようになったといわれている。
 しかし最新の研究によれば、新型コロナウイルスの中間宿主はセンザンコウではないかとの研究も発表されている。
センザンコウは哺乳類で南アジアから中国、台湾、アフリカなどに分布し、中でもマレーセンザンコウは中国南部で食用にされ、そのウロコはリウマチに効く漢方薬として珍重されている。
 中国市場の需要によって密猟され、個体数が激減して絶滅危惧種に指定されている生物だ。センザンコウの体内ウイルスを調べ、その分子構造から治療対策に生かすといい。

さらにペットの猫にも新型コロナが感染するという事実が判明した。これまで飼い犬への感染は報告されていたが、世界で初めてベルギーで飼い猫への感染が確認された。まさに飼い主である人間から猫へ、コロナウイルスを感染させた珍しい事例だ。
 となれば<人間からペットへ、ペットから人間へ>の悪循環だって起きうる。「特に自分自身が感染している可能性がある場合は、ペットとの濃厚接触を避け、自分の顔をなめさせるような行為も控えるべきだ」としている。いや、もし知らずに感染したペットを抱いて、顔でもなめられたら、自分も感染する脅威が待ち受ける。まさに犬・猫・人類が共有するパンデミックとなりかねない。

対策はないのか。新型コロナウイルスを殺す薬はないのか。いま注目されている治療薬は「アビガン」だ。新型のインフルエンザが流行した場合に備えて、国内に200万人分が備蓄されている。
 さらに抗エイズウイルス薬の「カレトラ」、エボラ出血熱の治療薬「レムデシビル」なども、ウイルスの増殖を抑える効果が期待されている。
4月には各国で有効性が確認され、その投与が進めば、一定の抑制効果を発揮することができる。だがこれらの既存薬は検証例が少なく、副作用の問題もある。どうしても新型コロナウイルス感染症の克服には、ワクチンや新薬の開発が求められている。
 EUや 英米などの製薬企業や研究所が連携してワクチンの臨床試験に踏み出し、ワクチンの生産を目指している。日本でもワクチンの開発を急ぎ、「順調に進めば、ヒトでの臨床試験を今年8月までに開始するため、当局と協議したい」(田辺三菱)という。待ち遠しい。(2020/3/29)
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2020年03月28日

ヘイト本 氾濫の舞台裏 加害の自覚ない出版社・取次・書店 最新著で問題点指摘の永江さんが語る=土居秀夫

 
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 嫌韓反中など、差別・蔑視をあおる本が書店に数多く並ぶようになって久しい。出版部会ではその背景を探ろうと、昨年12月に刊行された『私は本屋が好きでした』でヘイト本の舞台裏を描き出したライターの永江朗さんを招き、「なぜヘイト本が作られ売れるのか」と題した例会を2月21日、都内で開催した。
 冒頭、永江さんは、ヘイト本という言葉は使うべきではない。本人が変えられない属性への差別を扇動する憎悪表現というべきだろう、と前置きをして講演に入った。
 『私は本屋が・・』が企画されたのは5年前。その時点でヘイト本のブームは去っていた感があったが、ケント・ギルバートや百田尚樹という新たな書き手が登場。彼らによって差別・扇動本の受け止め方が変わったと、永江さんはいう。安倍晋三政権下で韓国との関係が悪化し、ワイドショーとヘイト本がそれを補強する形になったのだ。
本を選べない
 永江さんの取材は、ヘイト本が消費される場=書店から始められた。その現場はパートやアルバイトが多いうえに、取次が配本した本を売るだけで、書店員は本を選択する意識は薄く責任感はない。取次店は本の内容には触れないのが不文律で、これも責任を取らない。
 一方、作り手の編集者は世の中の見方の一つを本にしているという感覚で、それによって傷つく人の存在がわからず、自らの加害者性を問わない。「出版界はアイヒマンだらけ」すなわち自分がしていることの先に何が起きるのか理解しない。それは想像力の欠如だと永江さんは語気を強めた。
 当事者意識の希薄化の根底には労働疎外がある。IT化と派遣など非正規雇用の増大と下請化によって、編集現場は様変わりした。その中でリスクを減らそうと「柳の下のドジョウ」を狙った本や確実な読者層(中高年男性)のいるヘイト本が生まれたのではないか、と永江さんは指摘する。
 1960年代以降、市場は縮小したのに、70年頃の書籍新刊点数約2万点が2000年代前半には約8万点に。その結果、自転車操業と現場の疲弊が進行、作家も本が売れないことでブックオフや図書館を目の敵にするが、問題は出版業界にある。
 それは著書の中心的テーマである、書店が本を選べない流通システムだ。店頭に並ぶ本は、取次がパターンやランクに基づいて送りつけたものなのだが、そのことを知る人は少ない。
閉塞感背景に
 ヘイト本の社会的背景について永江さんは、90年代のバブル崩壊後の不況、少子化、高齢化などによって閉塞感が増したのではという。韓国の発展、中国の台頭への嫉視があり、不安定化でナショナリズムに頼るところに、第一次大戦後のドイツのナチ化と同じマインドがあると指摘した。
 そして、啓蒙ではヘイト本の状況を変えることはできない。業界の下部構造を変えないといけない、と強調し、小さな書店や出版社が増えていることに未来への希望を見出したいと語った。
 最後に、『私は本屋が・・』を書いた後も、法的規制の必要性については揺れ動いていると心中を述べ、講演を終えた。
 講演後の質疑では、読者層、ヘイト本への批判の必要性、出版再販制の是非、出版人の倫理観など多様な視点から議論が交わされた
 土居秀夫
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年3月25日号

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2020年03月27日

【沖縄リポート】 国交相の取り消し違法判決がドタキャン=浦島悦子

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 3月18日、「明日の判決期日が取り消された」と連絡が入った。一瞬、耳を疑った。私たち辺野古・大浦湾沿岸住民15人が原告となって、沖縄県による埋め立て承認撤回を国土交通大臣が取り消した「裁決」は違法だと、裁決の取り消しと執行停止を求めた訴訟の判決が翌19日に那覇地裁で言い渡される予定だった。
 判決期日は3カ月前の結審時に決定しており、2日前(16日)に裁判所から出廷予定者の確認も済んでいた中でのドタキャン。弁護団事務局が裁判所に理由を問い合わせたが「言えない」との返事。折からの新型コロナウイルス感染が理由ではなさそうだ。
 実は16日、最高裁が、国交大臣の裁決を違法だとして沖縄県が地方自治法に基づき「関与取り消し」を求めた訴訟の上告審判決を26日に言い渡すことを決定。
 17日の地元メディアは「県の敗訴が確定する見通し」と伝えていた。既に出来上がっていたであろう地裁判決の内容に対し、最高裁から地裁の担当裁判官に対し何らかの圧力があり、最高裁判決を受けてから判決文を書き直そうというのか? 
 原告団と弁護団は、判決予定日だった19日、抗議の記者会見を行うことを決めた。ところが当日朝になって、訴訟の一部、すなわち執行停止に関してのみ決定が出された(開廷はなし。裁決の取り消しに関しては持ち越された)。
 その内容を見ると、原告15人中、4人について原告適格を認めている。辺野古新基地建設に関して住民側が訴えたこれまでの訴訟はすべて「原告適格なし」の門前払いだったことからすれば画期的だ。
 執行停止については、「重大な損害を避けるための緊急の必要性」はないとして却下しているが、一部ではあれ原告適格を認めたことで「入口」を突破し、実質審理(裁決の違法性の判断)への道を開いたと弁護団は評価。早期に取り消し訴訟の判決を出すよう求めた(写真)。
 異例づくめの訴訟の行方を注視したい。
浦島悦子
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年3月25日号


posted by JCJ at 07:57 | 九州・沖縄 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月26日

【リレー時評】コロナ猛威で出版界思いがけない事態に=守屋龍一

 新型コロナウイルスの感染拡大が、出版界にも思わぬ事態を引き起こしている。文学賞の贈呈式やイベントの中止だけでなく、「小中高の一律休校」以降、「小学生向けの学習参考書やドリル」「読みもの系児童書」への特需が勃発。「うんこドリル」シリーズは、通常の4倍を超える注文が殺到しているという。
 吾峠呼世晴『鬼滅の刃』(第19巻)が、集英社から初版150万部で刊行され、シリーズ累計4千万部を超えた。しかもコロナ肺炎の拡大が自宅での読書を喚起し、この2カ月で1500万部の売れ行き、今もなお品切れ店が続出。本屋の特設コーナーには1冊もなく、増刷に追われ、いつ入荷するかも不明だ。
 さらに出版社は、ここぞとばかり自宅待機の子供向けに電子書籍や旧刊漫画誌の無料配信を始めている。ゆくゆくは有料の定期配信へつなげたいのは目に見えている。
 2019年出版界の売り上げは1兆5432億円(前年比0・2%増)。だが紙版は4%減、電子版は24%増、出版社は電子書籍やネット配信などへシフトしている。
 紙媒体では週刊誌の落ち込みが激しく、「週刊現代」「週刊ポスト」は、月に3回刊の健康「旬刊」誌へ変更。高齢者向けだから、サラリーマン対象の地下鉄・JR車内広告は止めた。「週刊文春」「週刊新潮」はネット配信に傾注し、ページビューは2億、広告収入も急増。
 コミックや電子書籍が伸びて、集英社は前年の4倍98億7700万円、講談社は72億3100万円(前年比152・9%増)という 驚異的な利益を揚げている。
 この〈2強多弱〉の出版界に、コロナ脅威のおかげでネット販売が急伸しているアマゾンが、さらなる殴り込みをかける。2019年度アマゾンの日本売り上げは1兆7442億円(前年比15・7%増)。そのうち出版物の売り上げは3000億円と推計され、日本の出版物総販売額の約20%を占める。
 膨張するアマゾンが、出版物を出版社から直接仕入れ、取次・書店抜きで読者にネット販売する事業に乗り出す。今でも出版社との直接取引は、3631社(前年比689社増)に及ぶが、さらに拡大。かつ9カ所の物流拠点を増やし、「買切り」による廉価販売も含め、出版界の「アマゾン支配」へ拍車をかける。
 その余波で、日本の書店は、次々につぶれている。昨年650店が閉店し、今や1万800店、この10年間で最大の減少となった。大型書店の閉鎖も目立つ。昨年9月のフタバ図書MEGA岡山青江店1100坪の閉店、今年2月末にジュンク堂京都店とロフト名古屋店が閉店。状況は深刻さを増している。
  新型コロナの脅威で、にわか特需があるとはいえ、根本的な出版界の危機が、解消されたわけではない。
守屋龍一
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年3月25日号
posted by JCJ at 14:48 | <リレー時評> | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月25日

アスベストいまも脅威 原告の訴え国に11連勝 建材メーカーとの裁判でも全面勝利 最高裁判決は今年中に=伊東良平

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 以前によくサラ金の過払い金訴訟についてのビジネスをして利益をあげていた法律事務所のことが伝えられていたが、サラ金訴訟が期限を迎えたり対象が少なくなったこともあってその後はB型肝炎や基地騒音なども扱っていたが、最近建設アスベストについても扱うというある法律事務所のテレビCMを見て驚いた。アスベストも損害賠償稼ぎの対象となっていることを示している。
 こうした背景には建設アスベスト訴訟が勝ち進んでいて2012年の東京地裁以来、昨年の福岡高裁まで国に11連勝していることによる。国から賠償金が支払われることを見込んでいるのだろう。しかし建設アスベストは金銭保証だけではなく、命と健康に対する問題である。過去、建設現場では大量の石綿粉塵が飛び散って被害にあった。
 アスベスト関連疾患の業種別割合は建設業が52.4%を占める(2017年度)。アスベストの発がんリスクは1日8時間・年250日・50年間この環境にいると1000人に1人の過剰発がんを起こすと言われ、肺がんや肺を覆う胸膜にできるがんの一種である中皮腫などのアスベスト関連疾患により多くの被害者が命を落としていて、生存している原告はわずか28%であり、速やかな解決が求められている。
 また、その後や現在でも老朽化や自然災害に伴う建物の取り壊しの際に、きちんとした装備をしないなど防護せずに作業に当たり、労働者や周辺住民が飛散した石綿を吸引する事例が起こっている。石綿含有建材の解体作業では許容濃度の15倍以上の石綿繊維が浮遊しているという。ある資料によると2000年から2040年までに10万人が死亡するという研究もある。
 今年2月に放送された日テレ系「NNNドキュメント」(大阪・読売テレビ制作)でも、静かな時限爆弾といわれるアスベストを取り上げた。
 1995年の阪神大震災の時に崩れた建物から飛散したアスベストを吸った人が約25年間の潜伏期間を経て突然発病して、あっという間に死亡するケースや、いまだ280万棟にアスベストが含まれている可能性を指摘して、建材の老朽化によって多発する被害と迫る脅威に警鐘を鳴らした。
 訴訟原告の連勝で国の責任は確定的になってきたし、並行して行われている建材メーカーに対する裁判でも昨年の福岡高裁や2018年の大阪高裁など6つで全面勝利となり賠償が命じられた。
 今年はいよいよ最高裁の判決が予想されていて裁判は最終局面に入るが、裁判だけではすべての建設アスベスト被害の救済ははかれないと、原告団や支援する人たちでつくる「建設アスベスト訴訟全国連絡会」では被害の救済が出来ない人たちに向けて「補償基金制度」の創設を求めて活動を始めた。
 責任を負うべき国とメーカー、さらに安全配慮義務違反の責任を問われているゼネコン等が応分の負担をして基金を創設して被害者の救済することが求められている。提訴から12年を経てだんだんとそして確実に勝訴の範囲は広がり、次の勝負は最高裁である。
 最高裁は他の判例を見ながら、世論の動きも見ているので、署名活動は有効な手段だといわれている。可能な限り支援をしたい。
伊東良平(神奈川支部)
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年3月25日号

posted by JCJ at 13:18 | 政治・国際情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月22日

【今週の風考計】3.22─<3・11フクシマ>と東京オリンピック

◆新型コロナウイルスが世界各国に拡大し、4か月後に迫る東京オリンピックにも暗雲が広がっている。日本国民の7割が期日に「開催できない」と、世論調査に答えている。
 今から6年半前の2013年9月7日、安倍首相がIOC総会で行った、「フクシマについてはアンダーコントロールされている。東京オリンピックは安心安全」とのトンデモ演説を思い出してほしい。あらためて、そのフェイクの重大さを忘れてはならない。

◆2011年3月11日に起きた東日本大震災・福島原発爆発事故─「3・11フクシマ」からの復旧もままならないなか、嘘と金をばらまいて、無理筋で招致した東京オリンピック。先日、麻生財務相が発言した「呪われたオリンピック」も、コロナは去っても放射能は残る「3・11フクシマの逆襲」と捉えたら正解かもしれない。
◆実際に、破損した福島原発の原子炉は、今もって「アンダーコントロール」などされていない。かつ漏れ出る放射性廃水は巨大なタンクに貯蔵されたまま。満杯で収容しきれず、2022年からは福島の海から太平洋へ放出する計画だ。放射性残土を詰めた20万袋に及ぶ<フレコンバッグ>も、いまだに野ざらしになっている。

◆かつ汚染廃棄物の処理費や貯蔵費が想定以上にかさみ、2014年から年間350億円、2017年からは470億円、2020年からは700億円、それ以降も、ますます膨らむという。
 政府はその財源ねん出のため、再生可能エネルギーの普及などに使い道が限られている税金を、流用できるよう法改正に躍起だ。本来の自然エネルギー開発費を、まさに原発政策の失敗の穴埋めに充てるとは、言語道断である。
◆さらにテロ対策の新基準が導入されて以降、各地の原発は再稼働に向けた安全対策費や施設の維持費、廃炉費用がかさむ。その総額は電力11社で約13兆5千億円という。もはや原発に依存せず、再生可能エネルギーを拡大するのは、世界の流れだ。
 関西電力の汚職まみれの<原発マネー>3億6千万円の還流といい、電気料金の値上げの裏で役員報酬カット2億6千万円の補填など、信じられない退廃の源となっている「原発」、元から立たなきゃダメ。

◆それにしても福島で、7月22日、東京オリンピックのソフトボール試合が、東京での開会式に先駆けて2日も早く開かれる意味は、どこにあるのか。またも「復興神話」を広げたい安倍首相のパフォーマンス? ゴメンこうむりたい。(2020/3/22)
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2020年03月15日

【今週の風考計】3.15─休校の孫2人を預かって痛切に感じる事

安倍首相が突然「小中高の一律休校」を指令してから、1週間たった8日、都心に住む息子から小学校に通う2人の子供を預かってほしいと、泣き言が入った。
 共働きの中やりくりしてきたが、どうしても昼間の面倒が見られない事態になったという。郊外の拙宅で預かるのを承諾し、この1週間、老夫婦で面倒を見てきたが、3度3度の食事だけでなく、宿題をやらせゲーム時間を抑えるなど、その大変さが実感できた。
 預ける場所や親類のいない親は、どれほど苦しんでいるか、察して余りある。

まず朝、2人の孫の体温を測り、宿題の進捗を報告せねばならない。小学3年の孫には、国語の漢字書き取り、童話の感想文。算数はドリル、理科はキッドで「おもちゃ作り」、社会はタブレットを使った新聞づくりなどが並ぶ。
これを2週間ほどで、こなさねばならないのだから、老爺心ながら子供のシンドサは思いやられる。さらに宿題一覧表の最後には、「あまった時間は読書やスタディアプリなどを使って学習しましょう。おうちですごせる工夫をしましょう。みんなで協力してこのくなんをのりこえましょう!」の一文まで書かれている。

小学3年の孫に宿題をやらせるうえで最も苦しんだのが、貸与されたB5版タブレットの小さい画面を使っての新聞づくりだった。文字入力の仕方から、割り付け、写真の取り込み、見出しづけの工夫、どれも中途半端な理解をしている孫だけに、時間のかかること甚だしい。
 四苦八苦、キーッとなる孫をなだめながら、やっと仕上がった新聞は、タブレットから担任の先生に直接送信する。いまやパソコン教育がここまで進んでいることに驚かされた。
と同時に3年生すべてが、ここまでタブレットを使いこなせるのか、疑問に思った。授業についていけず、親も手助けできなければ、落ちこぼれが進むのは必然だ。子供をパソコンン教室に通わせている親もいるという。その費用が払らえる親ならいい。貧しき者はどうなる。
 誰もが等しく教育を受け、能力が身につくよう、学校もカリキュラムへの配慮や落ちこぼれをなくす補習教室の開催など、検討してしかるべきだ。

おっと学校から「読書」の宿題もあった。図書館は閉鎖されているので、小生の書架から探し、2冊の本を引っ張り出した。かしわ哲『茅ケ崎のてっちゃん』(講談社)と中沢啓治『はだしのゲン』(全8巻 汐文社)。小学3年の孫は手に取って、字の多い本より、後者のマンガを選んだ。1週間で4巻まで読み終えた。きっと何か心に残るものがあるだろう。(2020/3/15)
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2020年03月14日

【おすすめ本】古川隆久『建国神話の社会史  史実と虚偽の境界』国民教化の手段として使われた歴史=上丸洋一(ジャーナリスト)

 「2千年にわたって同じ民族が、同じ言語で、一つの王朝を保ち続けている国など世界に日本しかない」─閣僚の一人がそう発言して<おわび>に追いこまれたことは記憶に新しい。
 もちろん「日本」という国号をもつ統一国家も天皇も、2千年前には存在しなかった。だが建国神話をそのまま歴史に接続させて「世界に冠たる日本」を誇る思考は、保守派の間で今なお生き続けている。
 本書は、8世紀初め、権力の正統性を語るために書かれた古事記、日本書紀の建国神話が、江戸時代の国学者によって再発見されたのち、帝国憲法下の日本で国民教化の手段として使われた歴史を平明な文章でたどる。

 興味深いのは、天皇の神格性が強調された戦時中の学校で、子どもたちが建国神話を半信半疑で受け止めていたという事実である。
 太平洋戦争下の茨城県の国民学校で、「国史」の時間に「天孫降臨」の掛け図を見せられた児童の一人が言った。
「先生そんなのウソだっぺ」
 教員は教員で、想像上の神話を歴史事実として語る矛盾に苦心したという。著者はこう述べる。
「建国神話を事実とみなす考え方は……人々を戦争に駆り立てる方向に作用しました」「(戦後になって)建国神話が日本という国家の正当化の根拠や教育から排除されたのは当然すぎるほど当然なことでした」
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posted by JCJ at 17:24 | おすすめ本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月12日

自衛隊の中東派遣 新型肺炎の国内感染 危機の悪乗り 改憲ねらう=丸山重威

 「私の手で改憲を」と宣言した安倍晋三首相は「危機」にまともな対応をしないまま「改憲ムード」の醸成に利用する政治手法に本格的に乗り出したように見える。中東への自衛艦派遣や新型コロナウイルス国内感染への対応、数々の疑惑への検察人事はそれで、メディアの鋭い批判が求められる。
 2月2日、中東に派遣される海上自衛隊の護衛艦「たかなみ」が横須賀基地を出発した。国会にも諮らない閣議決定で、有志連合に「情報活動」で「貢献」するため「調査・研究」の名目での派遣。攻撃を受ければ海上警備行動の発動もあるとし、戦争に巻き込まれる危険な派遣だが、メディアの対応は割れている。
 つまり朝日は「政府はいったん立ち止まり派遣の是非から検討し直すべきだ」(1月10日)と主張したのに対し、読売は「緻密な計画で万全の体制を」「さまざまな状況を想定し訓練を重ねることが大切」(12月28日)とし、「襲撃」には「応戦」も想定した。河野太郎防衛相は1月17日「自衛隊が何らかの武力紛争に巻き込まれる危険があるとは考えていない」と述べたが、「何かあったら……」の不安は解消されていない。
救出イメージ先行
 「何かあったら…」以上に危機を煽って問題を拡大しているのが新型コロナウイルスの感染だ。
 ここで政府がいち早く打ち出したのが、特別機の派遣。首相は「帰国支援は考えていない」(1月24日)としていた外務省を押し切って26日特別機派遣を決めた。
 戦争法で強調した紛争地から母子を連れ帰る絵の実践だ。しかし、連れ帰ってからの検診、入院、隔離政策など、具体的な対策は全くないままで、検診も少数しかできず、宿泊ホテルは他人と同部屋、飛行機代を徴収しようとして問題になった。
 さらに横浜に帰ってきたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の対策はすべて後手後手に回り、3000人以上が長期間不自由な船室内に閉じ込められる結果になり、かえって被害を拡大。船内の感染者は13日までで218人に達した。
 この状況を「改憲」に利用したのは伊吹文明元衆院議長。30日二階派の会合で「緊急事態に個人の権利をどう制限するか。憲法改正の大きな実験台」と発言、下村博文選対本部長も1日「改憲議論のきっかけに」とした。28日の衆院予算委では馬場伸幸維新幹事長の質問に安倍首相も「与野党の枠を越えた活発な議論を」と答弁した。
 野党は「人命に関わる問題の悪用だ」(枝野幸男立憲民主党代表)などと批判、沖縄タイムス(2日)東京新聞(8日)などが社説で批判したが、産経は「首相には非常大権がない」ことをあげて「憲法改正は待ったなし」などと論じた(1日)。
疑惑もみ消し人事
  国会でも,ほとんどまともに答えない安倍首相は、法律に違反して検察庁人事に介入。1月31日、2月7日定年退官の予定だった黒川弘務・東京高検検事長の定年延長を閣議決定した。
 稲田伸夫現検事総長の後任に黒川氏を起用するための人事とされ、現在捜査中のIR疑獄、「桜を見る会」の政治資金規正法事件、河井前法相夫妻の公選法違反など、追い込まれた安倍政権の事実上の「指揮権発動」宣言とも見られている。
 首相は年頭所感や年頭記者会見、NHK日曜討論など(既報)に続き20日の通常国会施政方針演説では「(改憲の)案を示すのは国会議員の責任ではないか。憲法審査会でその責任を果たしていこう」と演説。27日の衆院予算委でも「(日本防衛の)中核たる自衛隊をしっかり憲法に明記し、その正当性を確定することこそ安全保障、防衛の根幹」と述べ、異常な執念を見せている。
 丸山重威
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年2月25日号

posted by JCJ at 15:19 | 政治・国際情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月11日

3・11から9年 「山さ逃げよう」消えた証言 ジャーナリスト講座「大川小の悲劇」 なぜ川へ真相なお不明=須貝道雄

■加藤順子さん(20年2月13日).jpg
 東日本大震災から9年。あの時、宮城県石巻市立の大川小学校では校庭から逃げ遅れた児童74人(行方不明4人を含む)が津波の犠牲になった。2月13日に開いたジャーナリスト講座では「大川小の悲劇はなぜ起きたか」をテーマに、ライターでフォトグラファーの加藤順子(よりこ)=写真さんから話を聞いた。

川に向かい歩く
地震が起きたのは11年3月11日午後2時46分だった。大川小に津波が到達したのは同3時37分。この51分の間、校庭に避難した児童らはずっと並んだままだった。
移動を始めたのは津波が来る2分ほど前、目的地は「三角地帯」と呼ぶ新北上大橋のたもとにある堤防の一角だった。子どもたちは海水が遡上するだろう北上川に向かって歩いたのだ。
家族が作成した資料によれば、校庭から移動して先頭の子が約150b進んだところで、高さ8・6bに達した津波にのまれた。「当時の学校は防災に対する認識がいかに浅かったかがわかる」と加藤さんは語気を強めた。
 大川小のすぐ裏には山があり、ふだんからシイタケ栽培や写生の授業で児童らはよく入っていた。険しい道ではなく傾斜角度は9度。「普通の階段の半分くらいの傾斜だ」。なぜ走って40秒で行ける裏山に上らなかったのか。それが遺族の疑問だった。

聴取メモは廃棄
津波で亡くなったある6年生の男児は校庭で「山さ逃げよう」と訴えていたという。石巻市教委が生き残った児童(4人)からのヒアリング内容として、家族に口頭で説明した。
ところがその後、「山さ逃げよう」という発言は報告書に出てこない。どの記録にも残っていない。ヒアリング時のメモ、原資料は廃棄されたという。証言した児童たちは今、20歳近くになる。市教委の資料には自分たちの話が反映されていないという不満が当初からあり、市教委に不信感を抱いていると加藤さんは説明した。
大川小の事故については石巻市の調査のほか、文科省が乗り出して2012年に事故検証委員会が設置され、14年に報告書が出た。結局、なぜ山に逃げなかったかの真相は解明されなかった。教師でただ一人生き残った先生の証言がいまだ十分に聞きとれていない状況のままだ。
加藤さんは「報告書の内容は遺族が2年かけて調べた情報を超えていない」「委員会設置に尽力した前川喜平氏は官僚的な対応で、家族からの怒号が飛び交う中で、みなから納得を得たと思うと言って、報告を終わらせた姿は忘れられない」と手厳しく批判した。

揺れながら決意
高校時代に教科書に載っていた朝日新聞・深代惇郎(1929~75年)の天声人語を読み、ジャーナリズムに憧れたという加藤さん。大学在学中に阪神淡路大震災(95年)があった。東京の友人らは次々とボランティアに出かけた。水泳部で飛び込みをしていた加藤さんは練習のため、ボランティアをすることができず、残念だったと振り返る。
その後、気象予報士となり、TBSのお天気番組などに10年近くかかわったが、現場取材をしたくてライターを志望。11年3月11日は東京・大手町のビルで就職情報誌の記事を書いていた。急にゆらゆら揺れ出した机にしがしがみつきながら「これは大きな災害だ。絶対に取材に行くぞ」と考えた。大川小問題に直面し「ずっとウオッチすることが課された使命だと思った」という。
須貝道雄
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年2月25日号
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2020年03月10日

カジノ隠しに躍起 エンタメ性ではぐらかす 横浜IR産業展 経済効果業者の言い分PR=保坂義久

住民投票のぼり.JPG
 1月29日、30日の両日、横浜市みなとみらい地区にある展示場パシフィコ横浜で「統合型リゾート産業展」が開かれた。29日の開会前には、会場へ向かう連絡通路で、横浜市の統合型リゾート(IR)誘致に反対する「カジノ誘致反対横浜連絡会」のメンバーが、産業展入場者に向かいカジノ反対をアピールした。
 「カジノの収益の源泉は客の負債。横浜市は市の財政への寄与を期待しているが、ギャンブルで自己破産し生活保護受給者が増えれば、財政にも悪影響」「IRは施設内に客を囲い込むから、周辺の観光地にカネが落ちるわけではない」「安倍首相はカジノが成長産業だと言っているが、世界的にはカジノ産業は伸びていない」などと訴えた。
 この抗議活動をスマホで撮影する入場者と思われる人もいた。テレビ局も数社、反対派のインタビューを取材していた。

海外事業者目立つ
 会場でひときわ目立ったのは、ラスベガスサンズ、メルコリゾーツなど海外のIR事業者のブースだ。サンズなどのブースにはステージで派手なショーが行われていた。
 エンターテインメント性を売り込んでいる一方でスロットマシンなどギャンブルに関する展示は全くない。IR担当副大臣だった秋元司衆議院議員が収賄罪で逮捕・起訴されてカジノは大きくイメージダウン。このためカジノ隠し≠ノ躍起と感じた。
 大手ゼネコンはIRとは直接関係ない直近の事業事例をパネルで紹介していたが、IR施設建設が狙い。
大手家電メーカーの担当者にIRと展示の関わりを質問すると、パネルの半分を示して「向こう側の展示は、直接関係はないですよ」と笑う。最新技術を示してなんとかビジネスチャンスを得ようというわけだ。
 会場には昨年12月発行の横浜市の広報紙の特別号が積まれていた。IRについて「子どもから大人まで誰もが訪れ、楽しむことのできる施設と、これを収益面で支えるカジノ施設を一体的につくり、(民間業者が)運営するもの」とPR。

韓国は地域が荒廃
 経済波及効果や市の増収効果などについて具体的な数値を挙げているが、よく見るとその横に「効果(数値)については事業者から提供された情報です」とただし書きがつく。業者の言い分をそのまま載せている。市が十分な調査・研究をした上でカジノを誘致したのではないことが明らかだ。
 カジノ誘致反対横浜連絡協議会の後藤仁敏共同代表はこう市の姿勢を批判する。
 「私も展示会を見ましたが、賭けごとにかこつけて商売しようとしていることに腹が立ちました。大阪で明らかにされた事業者の募集要項によると、カジノ運営企業に利益が出なかった場合、自治体が補償すると決められている。横浜市に文書開示を請求したところ、文書は黒塗りだった。
 韓国の江原にあるカジノは唯一自国民が入場できるが、ギャンブル依存症が増加し、地域が荒廃してしまった。観光地として魅力ある横浜が、カジノに手を出すべきではない」
 保坂義久
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年2月25日号
posted by JCJ at 11:35 | 関東・甲信越 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月09日

【JCJ抗議声明】植村東京高裁判決 フェイクニュースを追認      

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JCJ抗議声明 植村訴訟東京高裁判決  フェイクニュースを追認
                
 元朝日新聞記者の植村隆さんが1991年に報じた韓国で初めて名乗り出た元従軍慰安婦証言などの記事を、2014年に「捏造」記者と攻撃した西岡力・麗澤大学客員教授と「週刊文春」発行元の文芸春秋を訴えた東京訴訟控訴審で東京高裁(白石史子裁判長)は3月3日、植村さんの訴えを再び退け、西岡氏らを免責した。
 植村バッシングは、「従軍慰安婦問題は朝日新聞の捏造」との主張であり、慰安婦問題の存在を否認する「歴史修正主義」に他ならない。西岡氏はその担い手として「捏造」記者攻撃に火をつけ、煽った。だが、我々は西岡氏の主張が虚偽であったことを知っている。それどころか西岡氏自身が自らの様々な主張について、不都合な事実を意図的に隠し、事実でないことを書き加えていた「捏造者」だったことが、法廷で明らかにされてきたからだ。

 しかし、高裁は一審の「女子挺身隊の名で」という記載は「強制連行を意味する」「(植村は)事実と異なる記事を書いた」とする認定を支持した。
 だが、植村さんは記事本文に「だまされて慰安婦にされた」と書いている。記事全体を読めば判決の認定の誤りは明らかだ。改めて言おう。「いわゆる『従軍慰安婦』とは、かつての戦争の時代に、一定期間日本軍の慰安所等に集められ、将兵に性的な奉仕を強いられた女性たちのこと」であり、慰安婦犠牲者は日本軍に「性的慰安」の奉仕を強制され、被害と苦痛を訴える人々である。これが日本政府の公式定義だ。
 西岡氏の植村記事批判は最初「誤報」との指摘だった。そして2014年の朝日新聞の「吉田清治証言記事取り消し」を契機に、「捏造」記者攻撃にエスカレートした。その結果、植村さんと家族は大きな被害を受けた。内定していた大学教授の職を失い、勤めた別の大学には爆破予告や学生を殺すとの脅迫が殺到した。家族には「娘を殺す」との脅迫状が送りつけられた。実際に大学を電話で脅迫した男が逮捕され、罰金刑を受けた。植村さんの娘をSNSで誹謗中傷した男にも責任が問われた。
 だが、裁判所は西岡氏らの言説が植村さんへの「名誉毀損に該当する」としたが、その被害を評価すらしなかった。

 西岡氏は高裁判決に「完全勝訴」とコメントした。だが、「義母の裁判に便宜を図るため記事を書いた」「妓生に身売りされて慰安婦になった経歴を意図的に隠した」との西岡氏主張は「真実と認めることは困難である」と認定された。植村さんは「判決を放置したらフェイクニュースを流し放題という大変な時代になる」と指摘した。考えて欲しい。自分が仕事として当たり前に取り組んだ取材・記事が、四半世紀後に突然批判され、バッシングの「標的」とされる恐ろしさを。重ねて言おう。植村さんは記者として取材し、金学順さんの証言を伝えるという当たり前の仕事をしただけである。

 高裁判決は「慰安婦問題に対する歴史認識、国の公式見解も踏まえていない」。さらに名誉毀損の法理すら無視した「真実相当性」の認定は、司法が積み重ねてきたこれまでの判例をも逸脱した不当なものであり、この先に待つのは日本の民主主義の崩壊と言論の自由、ジャーナリズムへの死刑宣告に他ならない。日本ジャーナリスト会議(JCJ)は東京高裁判決に強く抗議し、植村さんの闘いを支持する。
2020年3月9日 
日本ジャーナリスト会議
posted by JCJ at 14:06 | パブリック・コメント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月08日

「思想信条の自由」侵害の恐れ マイナンバー 公務員保有調査=編集部

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 普及が進まないマイナンバーカードの取得率を上げようと、政府が公務員と家族の保有状況調査を繰り返している。カード取得は「法令上も任意が原則」で「取得強制」は明らかにおかしい。
 国家公務員向け調査では、用紙に交付申請をしない理由を問う欄もある。調査用紙を作ったのは内閣官房と財務省。政府は「あくまで取得の勧奨」だと言うが、本人だけでなく家族が取得しない理由まで、しかも何回も「報告」させるのは事実上「強制」そのものだ。今後の動きに注意が必要だ。
 国家公務員と家族に調査用紙が配布されたのは昨年10月と12月。地方公務員と家族には総務省が各自治体に依頼する形で昨年6月、10月、12月と3回の調査が行われた。3月には再び、国・地方公務員への調査をする予定だという。
 国家公務員向け調査用紙は「本人、家族全員にカードの一斉取得」を要請。保有、交付申請、申請の予定を尋ね、申請しない場合、理由の記入まで求めた。カードの非保有者に繰り返し調査用紙を配る例もあった。
 マイナンバー(個人番号)は早い話が国民総背番号制度だ。政府は同じことを2003年、「住基(住民基本台帳)カード」で目論んだが利用者が伸びず、2016年1月にマイナンバーに模様替えした。カード普及率は導入4年を経て15%にすぎない。政府の宣伝ほど国民に需要も利便もない。現に麻生財務相自身が「俺も正直言って、使ったことは一度もない」と語っている。
 政府は、19年度中に国・地方の全公務員がカードを取得。20年度にポイント付与制度で景気対策としてカード活用。健康保険証(20年春から開始)として21年3月から本格活用。22年度中にほとんどの国民がカード保有とプランを描く。
 だが、住基カード、マイナンバーカード導入検討時から懸念されている集積された個人情報の悪用による「監視・管理国家化」への歯止めは何一つ担保されていない。「思想信条の自由侵害の恐れ」すらある今回の公務員調査を見れば懸念はさらに強まる。全国で起きているマイナンバー違憲訴訟の行方と併せ、注視する必要がある。    
編集部
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年2月25日号

posted by JCJ at 13:21 | 政治・国際情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【今週の風考計】3.8─ジェンダー平等へ「#手を取り合おう」

3月8日は国際女性デー。国連開発計画が、世界人口の8割を占める75か国で、女性たち自身も含めてジェンダー調査を行ったところ、10人中9人が女性に対する偏見や先入観を持っているとの報告を発表した。
 とりわけ性差別的な偏見の割合が多かったのは、ワースト1位のパキスタンで99.81%、続くカタールとナイジェリアが99.73%だった。ジンバブエでは96%の人が、女性への暴力を容認できると答えている。

日本はどうか。女性に何らかの偏見を持つ人が、男性では73%、女性では65%いるという。先進7か国では、日本が男女ともに最高の割合でワースト1位となっている。
 驚くのは、日本の女性は女性に偏見を持つ割合が高いという現実である。そこには、これまでの古い社会通念や家族観が反映しているのは間違いない。「女は家にいるもの」「女性は男性の3歩後ろを歩く」とか、「社会のことには口を挟まない」などと説き、また積極的に立ち上がる女性に対し、女性の中から「足を引っ張る」言動も起きている。
 いまだに目に見えない枷が女性の間で浸透し作用しているのだ。もちろん男性たちが、こうした風潮を助成している責任の重大さは計り知れない。

昨年12月、世界経済フォーラムが発表した「ジェンダー・ギャップ指数」では、なんと日本は対象国153カ国中121位、過去最低ランクを記録した。106位の中国、108位の韓国よりも劣る。
 分野別にみると、男女間の年収格差108位、管理職の男女比の差131位。最も深刻なのは政治参画の順位で、国会議員の男女比では135位、閣僚の男女比では139位、安倍政権下では19人の閣僚中、女性はわずか3人、世界のワースト10に入ってしまった。
 昨年11月、フィンランドで世界最年少・34歳の女性首相が誕生している。2年半前にはニュージーランドで、当時38歳の女性が首相に就いている。日本は世界の流れから遠く引き離されている。
いま大事なのは、女性に靴のヒール6センチとか4センチのパンプスなどと義務づけるより、スニーカー全てOKを求める「#KuToo」の取り組みが象徴するように、身近なところから職場内のジェンダー平等を求める運動を、着実に広げていくことだろう。

3月に入って、新聞やテレビ、ウエブメディアなど10社が会社の枠を超えて連携するプロジェクトを始めた。「#手を取り合おう」「#メディアもつながる」のハッシュタグをつけて、女性の地位向上を目指し、だれもが尊重され、自由に生きられる社会に向けて、企画や情報を発信している。ここからシスターフッドが広がるよう応援したい。(2020/3/8)
posted by JCJ at 08:59 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月07日

【月刊マスコミ評・放送】 新社屋建設の次はヒトへの投資を=岩崎貞明

 ローカルテレビ局で、このところ盛んに新社屋の建設が続いている。
 地上波放送のデジタル化が完了したのは2012年3月だが、早いところでは2006年ごろには撮影機材やスタジオ設備などのデジタル化を進めていた局もあったから、そろそろ15年を経て、また機材の更新時期を迎える、という事情がある。
 また一方で、CM広告収入が今年度の下半期から目に見えて減少傾向となり、スポットCMのセールスが前年比90%を割り込む局・地域も出始めた。大規模な設備投資をするなら今のうちだ、という経営判断もあるだろう。
 かつて某ローカル局の社長経験者は「放送局の社長がやるべきもっとも重要な仕事は、機材の更新時期を見極めること。ほぼこれに尽きる」と語っていた。
 日本テレビ系の広島テレビ(広島市)は、繁華街の近くにあった本社から、JR広島駅新幹線口の前の再開発事業に参画して、ホールも備えた立派な新局舎に移転した。しかし広島駅の北側はまだまだ人通りの少ない地域で、この移転が吉と出るか凶と出るか。
 フジテレビ系の福島テレビ(福島市)は、以前の社屋の隣に、サイズを小さくした新社屋を建てた。一人当たりの専有面積も小さくなったということだが、「身の丈に合わせた局舎にした」ということだ。
 同じフジ系の沖縄テレビ(那覇市)は、バスターミナル近くに新社屋用の土地を確保していたが、空港の進入路にあたって高さ制限にひっかかり、新社屋の計画が白紙になったという笑えない話もある。
 TBS系では東北放送(仙台市)や南日本放送(鹿児島市)など老舗の局がいよいよ新社屋建設計画の最中で、長崎放送(長崎市)も駅前再開発に乗って新局舎に移転する予定だという。
 その長崎放送では、経営の先行き不透明感から、中高年層の大幅な賃金ダウンを含む新人事制度を労組に提案して、労使紛争の種となっている。昨年の年末一時金も超低額回答だったことから労組が無期限ストに突入し、社長が組合員との対話に臨んでようやく収拾した経緯もあった。
 カネのあるうちにハコモノ投資を、という経営の考え方もわかるが、放送局の最大の資産は番組制作などに携わる働き手にあるはずだ。人的資産の価値向上に向けて、この春闘では改めて「ヒトへの投資」に期待したい。
 岩崎貞明
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年2月25日号

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2020年03月06日

【支部リポート】東海 名古屋城整備訴訟の原告に 強権ふるう河村市長が被告=加藤剛

 名古屋城の整備をめぐる問題で市民を原告、市長を被告とする裁判が二つ進行中だが、マスメディアの扱いがまだ大きくないので市民には余り知られていない。
 そのうちの一つの裁判に東海支部の会員である私が原告として名を連ねていることもあって支部の機関誌や会報には名古屋城の「木造復元」にからむ話が時々掲載される。
 その裁判は「名古屋城天守の有形文化財登録をめざす会」の会員有志が名古屋市の河村たかし市長に対し「名古屋城天守の『木造復元』計画に絡む基本設計費八億円余の支出は違法だから返せ」と求める住民訴訟だ。
 背景には名古屋城が戦争末期に米軍の名古屋大空襲で焼失したこと、戦後本山革新市政の時に市民の寄付などで燃えない耐火建築の天守閣を再建したこと、河村市長が「それを壊して『木造で復元』すれば観光客が増える」と言って天守の解体と「木造復元」を急いでいることなどの経緯がある。 
 まだ文化庁の許可も下りていないのに億単位の大金が次々に支出されるのを阻むためである。 
 もう一つはこの名古屋城「木造復元」問題に絡む重要な情報(基本設計の詳細や図面、市長や市職員が文化庁を訪問した時の文化庁担当者の発言)が市民に公開されず、公開請求をしても黒塗りの多い文書しか出て来ないという情報隠しが目立つことだ。
 このため「名古屋市民オンブズマン」の新海聰弁護士らが河村市長に対して「情報公開請求」の民事訴訟を提起した。
 「木造復元」計画が本決まりにならず完成予定が何度も延期されて、「漂流」とか「座礁」「頓挫」「落城」などとささやかれる河村市長にとって二つの裁判はまさに前門の虎、後門の狼である。
 両方とも裁判長は同じであり、市側の代理人(弁護士)も同じ人物である。余談だが市側の代理人は女性ジャーナリストへの人権侵害で訴えられた被告男性の代理人と同じ人物である。
 そんなこともあって私はこのところ月一回くらいのペースで二つの裁判を傍聴している。
 加藤 剛
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年2月25日号

posted by JCJ at 14:37 | 東海・中部 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月05日

【月刊マスコミ評・新聞】 毎日も指摘 首相のおかしな答弁=山田明

 新型肺炎が国内外を揺るがしている。グローバル時代の感染症拡散は、中国が世界経済で大きな位置を占めていることを改めて示した。
 日本も製造業や観光業などで、中国依存が顕著だ。消費増税の影響とともに、新型肺炎拡大による景気悪化が懸念される。
 感染リスクとからめ、自民党の国会議員などから憲法を改正して「緊急事態条項」を新設すべきだという声が出ている。国民の不安を改憲の口実にするもので、不謹慎でふまじめとの声が上がる(東京2月4日)。
 国会では「桜を見る会」やIR汚職などで論戦が繰り広げられている。毎日9日社説「安倍首相の国会答弁だれが聞いてもおかしい」は、首相の繰り返す破綻した強弁が本来の国会論戦を妨げているのではないか、と指摘する。安倍首相にやましいことがなければ、調査して証拠を示せばいい。どう考えてもおかしい、首相の居直りと強弁に、マスコミ全体が問題にすべきだ。
 IR汚職が政界中枢にまで及びつつある中で、安倍政権は検察組織のトップ人事にまで介入する動きをみせた。
 朝日11日社説の検察と人権は、異例の人事膨らむ疑念と問題を投げかける。「いまや政権にモノを言えない空気が霞が関を覆い、公文書の隠蔽・改ざんなど深刻なモラルハザードを引き起こしている。ついに検察も。そんな受け止めが広がり、政治になびく風潮がさらに強まることを、憂う」。
 来月3月11日には、福島第一原発事故から10年目に入る。原発事故の周辺地域を見ると、「復興五輪」などと浮かれておれない。全国に避難している人たちに思いを寄せたい。原発賠償関西訴訟原告団は、「ふつうの暮らし 避難の権利 つかもう安心の未来」を求め、国や東電の責任を問い続けている。
 司法判断により再び運転停止に追い込まれた四国電力の伊方原発は、重大トラブルが連続している。1月25日には、3号機の核燃料プールの冷却装置が43分間にわたって停止した。あの過酷事故を思い起こさせた。
 東京2月1日「こちら特報部」は、電源喪失という重大事態でありながら、事故情報が県や地元の伊方町に伝えられただけで、住民にはすぐに知らされなかったと。今回も地元住民がおきざりにされた。
 私たちは決して3・11原発事故を忘れてはならない。
 山田明
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年2月25日号


posted by JCJ at 15:49 | メディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月04日

日本デマゴーグ国家=@ジャーナリストの仕事は真実を伝えるのが仕事 西山元毎日記者が語る=古川英一

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 日韓学生フォーラムの初日、沖縄返還をめぐる密約をスクープした元毎日新聞の記者・西山太吉さんが講演をした。西山さんは、学生たちが見守る中、ゆっくりと席につくと、眼光鋭く、そしてかみ砕くような口調で「日本の情報公開は最も遅れている。その具体例として沖縄の問題がある」と語り出した。
 1969年から始まった沖縄返還交渉は、時の佐藤栄作首相が自分の任期内に実現しようと期限を区切った段階で、交渉としては米国に敗北、その結果、国民向けには「核抜き本土並み」としながらも実態は「有事核つき、自由使用」で1972年の沖縄返還を果たした。その経緯は国民に知らされることはなかったと西山さんは指摘する。
 さらに、その後のイラク戦争においても、実は米国の要請で航空自衛隊が、戦闘地域に多国籍軍の兵士を輸送していたことが判ったとして、沖縄返還の「核抜き本土並み」とイラク戦争の「日本が独自に」というのは国の2つのデマであると批判した。
 その上で、西山さんは「日本が民主主義国家、平和国家と言う印象があるが、そうではなく実際に起きていることをカモフラージュするデマゴークの技術を持った国家である。だからこそ、そうした実情を知って提示していくのが、本来のジャーナリストの仕事だ」と学生たちに
訴えかけた。
 西山さんは講演会のあとも福岡市内での交流会に参加し、学生たちの質問に応じていた。自身が記者として打ち込んだ沖縄返還の問題を、歴史的な眼で捉え、伝えていこうという、強い熱意、著書にサインを求めたところ、その字は90歳近いとは思えぬほど力強かった。
古川英一
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年2月25日号

posted by JCJ at 11:44 | 政治・国際情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする