2020年03月08日

「思想信条の自由」侵害の恐れ マイナンバー 公務員保有調査=編集部

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 普及が進まないマイナンバーカードの取得率を上げようと、政府が公務員と家族の保有状況調査を繰り返している。カード取得は「法令上も任意が原則」で「取得強制」は明らかにおかしい。
 国家公務員向け調査では、用紙に交付申請をしない理由を問う欄もある。調査用紙を作ったのは内閣官房と財務省。政府は「あくまで取得の勧奨」だと言うが、本人だけでなく家族が取得しない理由まで、しかも何回も「報告」させるのは事実上「強制」そのものだ。今後の動きに注意が必要だ。
 国家公務員と家族に調査用紙が配布されたのは昨年10月と12月。地方公務員と家族には総務省が各自治体に依頼する形で昨年6月、10月、12月と3回の調査が行われた。3月には再び、国・地方公務員への調査をする予定だという。
 国家公務員向け調査用紙は「本人、家族全員にカードの一斉取得」を要請。保有、交付申請、申請の予定を尋ね、申請しない場合、理由の記入まで求めた。カードの非保有者に繰り返し調査用紙を配る例もあった。
 マイナンバー(個人番号)は早い話が国民総背番号制度だ。政府は同じことを2003年、「住基(住民基本台帳)カード」で目論んだが利用者が伸びず、2016年1月にマイナンバーに模様替えした。カード普及率は導入4年を経て15%にすぎない。政府の宣伝ほど国民に需要も利便もない。現に麻生財務相自身が「俺も正直言って、使ったことは一度もない」と語っている。
 政府は、19年度中に国・地方の全公務員がカードを取得。20年度にポイント付与制度で景気対策としてカード活用。健康保険証(20年春から開始)として21年3月から本格活用。22年度中にほとんどの国民がカード保有とプランを描く。
 だが、住基カード、マイナンバーカード導入検討時から懸念されている集積された個人情報の悪用による「監視・管理国家化」への歯止めは何一つ担保されていない。「思想信条の自由侵害の恐れ」すらある今回の公務員調査を見れば懸念はさらに強まる。全国で起きているマイナンバー違憲訴訟の行方と併せ、注視する必要がある。    
編集部
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年2月25日号

posted by JCJ at 13:21 | 政治・国際情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【今週の風考計】3.8─ジェンダー平等へ「#手を取り合おう」

3月8日は国際女性デー。国連開発計画が、世界人口の8割を占める75か国で、女性たち自身も含めてジェンダー調査を行ったところ、10人中9人が女性に対する偏見や先入観を持っているとの報告を発表した。
 とりわけ性差別的な偏見の割合が多かったのは、ワースト1位のパキスタンで99.81%、続くカタールとナイジェリアが99.73%だった。ジンバブエでは96%の人が、女性への暴力を容認できると答えている。

日本はどうか。女性に何らかの偏見を持つ人が、男性では73%、女性では65%いるという。先進7か国では、日本が男女ともに最高の割合でワースト1位となっている。
 驚くのは、日本の女性は女性に偏見を持つ割合が高いという現実である。そこには、これまでの古い社会通念や家族観が反映しているのは間違いない。「女は家にいるもの」「女性は男性の3歩後ろを歩く」とか、「社会のことには口を挟まない」などと説き、また積極的に立ち上がる女性に対し、女性の中から「足を引っ張る」言動も起きている。
 いまだに目に見えない枷が女性の間で浸透し作用しているのだ。もちろん男性たちが、こうした風潮を助成している責任の重大さは計り知れない。

昨年12月、世界経済フォーラムが発表した「ジェンダー・ギャップ指数」では、なんと日本は対象国153カ国中121位、過去最低ランクを記録した。106位の中国、108位の韓国よりも劣る。
 分野別にみると、男女間の年収格差108位、管理職の男女比の差131位。最も深刻なのは政治参画の順位で、国会議員の男女比では135位、閣僚の男女比では139位、安倍政権下では19人の閣僚中、女性はわずか3人、世界のワースト10に入ってしまった。
 昨年11月、フィンランドで世界最年少・34歳の女性首相が誕生している。2年半前にはニュージーランドで、当時38歳の女性が首相に就いている。日本は世界の流れから遠く引き離されている。
いま大事なのは、女性に靴のヒール6センチとか4センチのパンプスなどと義務づけるより、スニーカー全てOKを求める「#KuToo」の取り組みが象徴するように、身近なところから職場内のジェンダー平等を求める運動を、着実に広げていくことだろう。

3月に入って、新聞やテレビ、ウエブメディアなど10社が会社の枠を超えて連携するプロジェクトを始めた。「#手を取り合おう」「#メディアもつながる」のハッシュタグをつけて、女性の地位向上を目指し、だれもが尊重され、自由に生きられる社会に向けて、企画や情報を発信している。ここからシスターフッドが広がるよう応援したい。(2020/3/8)
posted by JCJ at 08:59 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする