2020年04月30日

【森友事件】 再調査拒否に厳しい視線 赤木さん「手記」が問いかけたもの=木村真

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 森友問題の公文書改ざん事件で改ざん作業をさせられ、自死に追い詰められた近畿財務局職員・赤木俊夫さんの「遺書」とも言うべき手記が公開され、大きな波紋を呼んでいる。
 手記は、財務省からの改ざん指示を実名入りで書いた生々しい内容。「修正作業の指示が複数回あり現場として私はこれに相当抵抗しました。楠管財部長に報告し、当初は応じるなとの指示でしたが、本省理財局中村総務課長をはじめ田村国有財産審理室長などから楠部長に直接電話があり、応じることはやむを得ないとし、美並近畿財務局長に報告した」などの記述を読むと、2018年6月の財務省による調査報告書では見えなかった細部が浮かび上がってくる。
あまりに酷すぎる
 さらには、「刑事罰、懲戒処分を受けるべき者」として、「当時の佐川理財局長、理財局次長、中村総務課長、企画課長、田村国有財産審理室長ほか幹部、担当窓口の杉田補佐(悪い事をぬけぬけとやることができる役人失格の職員)」を告発している。
 会計検査院の検査や野党国会議員からの資料請求に対する隠ぺいについても、「資料はできるだけ開示しない」「文書として保存していない」など本省の指示を具体的に書いている。そして麻生財務相や太田理財局長(当時)の国会答弁は「詭弁を通り越した虚偽答弁」と断じている。
 「抵抗したとはいえ関わった者としての責任をどう取るか、ずっと考えてきました」。結び近くでこう書いた赤木さんは、直後に自らの命を絶つ。
 しかし、改ざんを指示した連中は、昇進や栄転に(佐川元理財局長はその後国税庁長官に。佐川氏の後任理財局長・太田氏は主計局長となり事務次官の最有力候補。近畿財務局に直接電話し改ざんを強要した中村課長はイギリス公使に等々)。あまりにひどすぎる。
 赤木さんの手記のおかげで、森友問題は何も解決などしていないことを、多くの人が思い出すことになった。そもそも公文書改ざんは、森友学園に国有地をタダ同然で差し出した「背任事件」に、安倍昭恵が関与していたことを隠すために行われたのであり、異常な国有地売却こそが核心だ。昭恵も安倍首相本人も何の責任も取っていないのだから、解決などするはずがない。
 安倍首相と麻生財務相は、赤木さん手記が公となったその日のうちに「再調査の考えはない」と述べた。この傲岸不遜な態度が多くの人々の憤りを呼び起こし、赤木さんの妻が第三者委による再調査を求めインターネットサイトchange.org上で始めた署名はごく短期間で30万を突破(同サイト史上最速最多の賛同数とのこと)。
再喚問求める署名
 たまたま私たち「森友学園問題を考える会」も昨年10月から佐川元理財局長の再度の国会証人喚問を求める署名を集めていたのだが、半年かけてやっと9,500筆だったのに、手記公開後は爆発的に伸び、3月末までに10万を超えた。
 ところがその頃から新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化し、私たちの署名も4月8日の提出予定を延期せざるを得なくなった。
  とはいえ国民の厳しい視線には、森友問題を放置している安倍政権に私たちの生命と生活に直結するコロナ対策をさせて大丈夫なのかという疑問が込められている。
  赤木さんが文字通り命をかけて書き残した手記が忘れられることなどあってはならないし、現に忘れられてなどいないのだ。
木村真(大阪府豊中市議)
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年4月25日号

posted by JCJ at 14:56 | 事件 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする