2020年05月22日

【おすすめ本】毎日新聞「桜を見る会」取材班『汚れた桜 「桜を見る会」疑惑に迫った49日』─人びとの怒りの声を背に数々の疑惑を追い続けた記録=藤沢忠明(しんぶん赤旗記者)

 本書は日本共産党の田村智子参院議員の質問に端を発した「桜を見る会」疑惑を、記者自身が怒りや危機感を持って追い続けた生々しい記録です。
 安倍政権の政治モラル崩壊が凝縮された「桜を見る会」は毎年、開かれ、多くのメディアが取材してきました。それが、なぜ問題にされてこなかったのか―。
 本書も紹介しているように、この安倍首相の私物化疑惑をスクープしたのは、赤旗日曜版の昨年10月13日号です。『世界』1月号の「メディア批評」は、「赤旗にあって大手メディアにないものは『追及する意思』ではないか」と書いています。実際、田村質問の扱いは、「毎日」を含め、目立つものではありませんでした。

 毎日新聞・統合デジタル取材センターの記者らが、ことの重大性に気づいたのは、ツイッターにあふれる「モリカケと同じ、税金の私物化だ!」などの怒りの声です。
 一方で、「これほどの問題をなぜ報道しない」とのメディア批判もあり、結成された取材班が「桜を見る会」で何が起きたのか、何が問題なのか―と報道機関への叱咤激励の熱量の大きさも感じながら模索する姿が率直に記述されています。
 その結果、「いつまでやっているのか」というSNS上の批判について、「その批判は違う。桜を見る会には日本という国の根幹に関わる問題が凝縮されていることが、本書を読めばわかっていただけると取材班は信じている」と述べています。
 注目したのは、疑惑追及のさなかに首相側が呼びかけた会食を「毎日」は欠席したことです。メディアはどちらを向いて仕事をするのか、いうまでもないことです。(毎日新聞出版1200円)
「汚れた桜」.jpg
posted by JCJ at 08:42 | おすすめ本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする