2020年06月02日

【沖縄リポート】 感染非公開も植民地≠ネればこそ=浦島悦子 

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  沖縄の「日本復帰」から6年後の1978年に始まり、毎年行われてきた「5.15平和行進」が今年、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、初めて中止となった。しかし、「平和行進」が問い続けてきた「復帰」の内実、今もなお変わらない日米による植民地的な沖縄支配の実態は、コロナ禍の中でいっそうくっきりと浮かび上がっている。
 3月末、在沖米軍嘉手納基地内で3人のコロナ感染が報道されたが、直後に米国防総省は、すべての米軍基地の感染状況を非公開とする方針を発表。以来、一切の情報は閉ざされたままだ。「基地内で感染者が増えているらしい」との噂もある中、米兵たちはマスクなしで出歩いたり、集団で公道を走っている。基地のゲートに入るときは検温が行われているが、出るときはフリー。「民間地に出てくるときこそ検温してほしいよね…」と市民は眉をひそめる。
 4月10日には、普天間基地からPFAS(有機フッ素化合物の総称)を含む大量の泡消火剤が基地外の民間地に流出し、保育園や住宅地に泡が降り注いだ。PFASは発がん性が指摘され、環境中に半永久的に残留すると言われる有害物質だ。撤去作業に当たった宜野湾市消防本部が断念せざるを得ないほどの量だったが、米軍は傍観。あまつさえ同基地のスティール司令官は「雨が降れば収まるだろう」と発言、コロナ禍に追い打ちを掛けられた市民の憤激を買った。
 一方、日本政府が強行する辺野古新基地建設工事は、受注業者作業員の感染が判明した4月17日以降中断しているものの、沖縄県が県独自のコロナ緊急事態宣言を発した翌朝(21日)、沖縄防衛局は、大浦湾の軟弱地盤改良工事に伴う設計概要変更申請を県に提出(それも、沖縄県北部土木事務所の窓口に始業と同時に置き去るという、既視感のあるやり方で)。
 どさくさ紛れの「火事場泥棒」、コロナ対策で職員の出勤を減らしている県への嫌がらせだと県民は猛反発している。
浦島悦子
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年5月25日号

posted by JCJ at 14:26 | 九州・沖縄 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする