2020年08月19日

【スポーツ】 楽しむ環境条件の再検討を=大野晃

 長い梅雨が明けて、猛暑が続いた。
 新型コロナウイルス感染症の感染対策に加え、屋外でのスポーツにも危険をともなう悪条件が重なった。
 それでもプロ野球やサッカーJリーグなどプロ競技は観客制限で継続し、高校野球は、中止となった全国大会の代替試合が炎天下で繰り広げられた。
 さらに、涼しい高原などでの夏季トレーニングはウイルス感染症対策で自粛に追い込まれ、多競技で猛暑の中での鍛錬が続いた。
 マスメディアは、悪条件を乗り越える競技者の強い希望や意志を伝え、美談仕立てでもあった。 しかし、なぜ子どもまでが、悪条件でも競技に挑まざるを得ないかの分析は、表面的に流れていた。
 災害で荒れる梅雨から熱中症の危険をはらむ猛暑へ連続する気象条件は、地球温暖化を背景に、今年特有ではなく、恒常化すると気象関係者は危惧している。
 1年延期された東京五輪・パラリンピックが、悪条件下で開催されることは、十分に予想される。悪条件開催は、巨額資金で放映権を握る米国テレビが引っ張ったと批判するマスメディアだが、猛暑の中での高校野球を推進して顧みない。ご都合主義と映って不思議はない。
 かねてから、学校教育の一環に固執する文科省指導により、夏休み期間限定の全国大会が、不健康な条件下での競技を、子どもたちに強いていると批判されてきたが、一顧だにされなかった。
 極端に短縮された夏休み前の、猛暑の中での体育授業で、熱中症に襲われた児童も出た。ウイルス感染症対策で、競技に取り組む環境条件がさまざまに制約された中でこそ、改めて競技を楽しむ環境条件を多方面から再検討し、健康なスポーツライフを構築する道筋を見出すべきではないのか。
 文科省の硬直した対応をただし、スポーツ基本法に基づくスポーツ庁の行政責任だろう。
 競技団体の最重要課題であり、マスメディアの姿勢も問われる。
大野晃(スポーツジャーナリスト)
posted by JCJ at 01:00 | スポーツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする