2020年08月25日

【リアル北朝鮮】 金正男暗殺を描いた映画 事件から3年半 秋に上映=文聖姫

 朝鮮労働党委員長、金正恩氏の異母兄である金正男氏がマレーシアのクアラルンプール国際空港で暗殺されたのは2017年2月のことだ。白昼堂々、国際空港のロビーで実行された殺害は、世界に衝撃を与えた。しかも実行犯は20代半ばの若い女性2人で、犯行の一部始終は監視カメラにも納められていた。
 当初、マレーシア当局は8人の北朝鮮人が関与しているとしていたが、4人は事件直後に出国、大使館員ら2人も後に出国した。唯一逮捕された1人も証拠不十分で釈放され、不起訴となり、帰国した(1人は行方不明)。
 この事件を扱ったドキュメンタリー映画が10月、日本で公開される。タイトルは「わたしは金正男を殺してない」。監督は米国人のライアン・ホワイトだ。映画は、実行犯として逮捕されたベトナム人のドアン・ティ・フォン、インドネシア人のシティ・アイシャの生い立ち、家族、裁判過程などを中心に描いている。
 彼女たちの弁護を引き受けた弁護士チーム、事件を追い続けるマレーシア人ジャーナリストのハディ・アズミ氏、金正恩氏に関する著作があるワシントン・ポスト紙の北京支局長、アンナ・ファイフィールド氏らの証言を通じて、事件の背景が浮かび上がっていく。
 「確実なのは、この(金正男暗殺)事件が北朝鮮の体制には全く影響しないということだ」。筆者は当時、本欄でこう書いた。あれから3年半が過ぎた今でも、その考えに変わりはない。この3年半の間に金正恩体制は盤石のものとなった。そればかりか、金正恩氏は中国の習近平国家主席、ロシアのプーチン大統領らと次々会談し、文在寅大統領との3度にわたる南北首脳会談も実現した。
 そして、悲願であった米国大統領との会談も2度実現させた。トランプ氏という変わり種だからこそ可能だったのかもしれないが。米大統領との2度目の会談場所は、ドアン・ティ・フォンの母国、ベトナムのハノイだった。
 文聖姫(ジャーナリスト・博士)
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年8月25日号


posted by JCJ at 01:00 | 政治・国際情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする