2020年08月27日

【焦点】 売り上げ激減の音楽エンタメ業界 オンラインライブが希望の星=°エ詰雅博

 ぴあ総研によると、音楽ライブ・エンタテインメント市場は、2019年は過去最高の約6300億円を記録したが、20年はコロナ禍のせいで約1840億に激減する見込み。前年より3割にも満たないことになる。
 音楽イベントを手がけるロッキング・オングループ社長で音楽評論家の渋谷陽一さん(69)は、8月18日、日経Web中継セミナーに出演し、エンタメ業界の現状と、先行きなどについて語った。
 「今のエンタメ業界は死にかけている。深刻な事態だ」という。コロナ禍前のような仕事ができないからで、事業者は収入がほとんどなく、ミュージシャンやスタッフなどに報酬を支払えない状況がずっと続いている。近ごろはやっとライブ演奏ができるようになったが、しかし、国のコロナ感染拡大防止ガイドラインにより会場の定員の半分しかお客を入れることができないのがネックだ。
 「定員1000人のところは、最大で500人までです。売り上げが半分に落ちても収入があるからいいじゃないかと思う方が多いだろうが、そうではない。ミュージシャンやスタッフなどへの報酬の支払いを考えると、完全に赤字です。定員の半分では利益を得られない。赤字を生むだけです」
 だからマスク着用や検温、消毒、換気を徹底するから定員まで入れることを国が許可してほしいと要望する。
 「そうすれば、間違いなく業界は息を吹き返します。『3密状態をつくるのか、バカなことを言うな』と思われるかもしれませんが、このままの状況を続くと、業界の多くの人は食べていけなくなる。コロナウイルスというリスクを恐れながらも、ビジネスが成り立つように知恵を働かす時期にきている」
 こうした苦しいもとで、オンラインライブが希望の星≠ノなると断言する。
「韓国の男性ヒップポップグループ『BTS』(防弾少年団)のオンラインライブは2時間のコンテンツで約65万人が視聴し、20億円の収入をあげた。たった1回でこれだけの収入です。インパクトはものすごい。日本に目を転じればサザンオールスターズ6億5千万円、星野源3億円、それぞれ収入があった。オンラインライブなら演出を変えて、2カ月から3カ月に1回できる。エンタメのビジネスモデルを根底から崩す転機になれる。コロナ禍によってVR(仮想現実)ゴーグルを装着すれば配信されたコンサートの臨場感を味わえるといったテクノロジーの発展と共にオンラインライブという有望ビジネスの誕生が速まった。そのマーケット規模は大きくなる可能性を秘めている」
 あるライブ・エンタメ市場調査では、5年後に占めるオンラインライブは市場の10%を超えるそうだ。
橋詰雅博
posted by JCJ at 01:00 | 焦点 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする