2020年09月06日

【今週の風考計】9.6─またも「大阪都構想」を住民投票に付す愚の行き着く先

◆人口270万の大阪市をつぶし、4つの特別区に分割する「大阪都構想」が、5年前に住民投票で否決されたにも関わらず、再び是非を問う住民投票が、18歳以上の大阪市民を対象に11月1日に行われる。公明党は都構想に反対してきたが、大阪府内で得た4議席に、維新が対抗馬をぶつけると脅し、無残にも賛成に転じたためだ。
 コロナ禍が拡大する中、なぜ今再び? の疑問や批判の声は大きく広がる。

◆北区、中央区、天王寺区、淀川区に分割される特別区といえども、その業務遂行には、膨大なコスト・経費がかかる。そのうえ大阪市という大きな財源を背景に実施してきた独自の住民サービスが、維持できなくなる危険は大きい。
 これまで大阪市は、18歳までの医療費助成、地下鉄・市バスの敬老パス、ひとり親家庭への医療費助成、新婚・子育て世帯向けに分譲住宅の購入には利子補助など、数多くの住民サービスを実施してきた。それが脅かされるのだ。
◆「水道」「消防」「都市計画」にかかわる権限も全て府に奪われ、特別区の住民の生活環境の保全が危うくなり、経済政策と連動した税収確保にも大きな影響が出てくる。
 「介護保険」についても、その事務作業は「府」と「特別区」に分けられないので、年間予算6400億円、400人の職員を抱える「一部事務組合」を新設して、そこで一括して担うというのだ。こんなムダはいらない。
◆国からの地方交付税も、4つの「特別区」それぞれが必要経費を算出して交付を受けるのではなく、今後も「大阪市」が存続しているとみなして計算し、大阪府が交付を受けるという。これでは「特別区」が実際に必要とする額には、200億円も不足するといわれる。

◆特別区の区役所はどこになるのか。はじめは4つの特別区に新庁舎を設置するとしていたが、600億円も必要となり、公明党の要望を受け、いまの大阪市役所・中之島庁舎を北区とともに合同で使う案が浮上した。淀川区の職員は8割、天王寺区の職員は5割が、中之島庁舎へ通い、間借りして仕事をこなすことになる。
 行政サービスは、「ニア・イズ・ベター」が鉄則だが、災害時の復旧・復興の拠点ともなる市役所が、そばにないとなれば、住民の不安は増すばかりだ。住民の住む自治体の区域外に本庁舎がある例は、鹿児島と沖縄の離島だけ。

◆「大阪都構想」の問題を深く掘り下げるオンライン講演会が開催されます。ぜひ参加を!
JCJオンライン講演会:大阪都構想 七つの大罪
日時:9月13日(日)午後2時〜3時30分
講演@「大阪都構想、七つの大罪」ジャーナリスト・幸田 泉さん
講演A「維新の歴史と大阪のたたかい」大阪市をよくする会・中山直和さん

参加費:500円

【参加ご希望の方は https://peatix.com/event/1606843をパソコンなどで開きpeatixを通じてお支払い手続きをしてください。講演前日の9月12日にZoomのURLをメールでお送りします】
(JCJ会員とメディアを考える会・大阪の会員は無料。onlinejcj20@gmail.comに別途メールで申し込んでください)
主催:日本ジャーナリスト会議(JCJ)関西支部、メディアを考える会・大阪
お問い合わせ:03・6272・9781(JCJ事務所) または090・6673・7377(清水)へ

posted by JCJ at 07:00 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする