【出版】 コロナ禍で激変する業界の動きに注目 

◆8月の書籍・雑誌販売額840億円(前年比1.1%減)。書籍433億円(同4.6%増)、雑誌406億円(同6.5%減)。月刊誌335億円(同6.8%減)、週刊誌71億円(同5.1%減)。返品率は書籍37.2%、雑誌40.1%、月刊誌39.9%、週刊誌40. 8%。
◆8月の書店閉店49店、7月14店に比べ増加─TSUTAYA(蔦屋書店)2店、未来屋3店、文教堂2店、くまざわ書店2店、書店とらのあな4店。
◆アマゾンジャパンが物流拠点を新たに府中9400坪、上尾2万2600坪、久喜4万5800坪、坂戸2万3500坪を開設し、合わせて21拠点となる。
◆集英社決算─売上高1529億400万円(前年比14.7%増)、当期純利益209億4000万円(同112.0%増)。雑誌638億9700万円(同24.4%増)、書籍103億2300万円(同16.4%減)。『鬼滅の刃』の大ヒット20巻で5000万部を発行、コミックスの売り上げ431億1400万円(同52.3%増)、コロナ禍を吹き飛ばす好決算の原動力となった。
◆光文社決算─総売上高184億7700万円(前年比9.0%減)、雑誌60億7900万円(同8.1%減)、書籍27億7800万円(同9.3減)、当期純損失24億200万円。2年ぶりの損失となった。とりわけ雑誌5月号が発売できず、合併号に加えて書店休業も相乗し、出広も減少が大きい。
◆出版協は「外税表示」の恒久化を要望。来年4月1日から消費税額を含めた「総額表示制度」が義務化されることに対し、「再販商品である出版物については、消費税率改訂のたびに事業者に新たな諸費用・負担がかかり、在庫書籍の絶版化を再び招きかねず、読者・消費者にとって最大の文化的不利益となる」との理由から、総額表示に反対の意思を表明している。
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2020年10月11日

【今週の風考計】10.11─「レジ袋」有料化が招いた思わぬ波紋からの考察

「かごパク」なる困った事態が起きている。7月1日から「レジ袋」が有料化となったせいか、スーパー備え付けのかごに、買った品物を入れたまま、かごごと持ち帰る事例だ。
 とりわけカートに乗せて駐車場まで運び、自分の車に乗せて帰ってしまう人が多いという。店長は頭を抱えている。
そういえばスーパーのレジで精算後、そばのカウンターで、マイバックに入れ直す場面を見ていたら、ホルダーに巻かれた無料の「ポリ袋」を適当に切り、その中に生鮮食品を入れるだけでなく、缶詰やカップ麺まで一つ一つ「ポリ袋」に入れる御仁がいる。
 さらには「ポリ袋」だけ、ぐるぐる巻きとって持ち帰る主婦もいる。「レジ袋」が家庭内になくなったため、この無料の「ポリ袋」を生ゴミの収容に使うのだという。まさに庶民の知恵だ。

「レジ袋」を有料化したのは、プラスチックゴミを減らすためである。日本では年間900万トンのプラごみが発生し、再利用や焼却などの処理に苦しみ、プラスチック製品の生産削減が進む。
 世界全体では、プラごみが海に年間800万トンも流れだし、ストローを鼻につまらせて苦しむウミガメやビニールを飲みこんだセグロカモメが見つかり、また魚の内臓に蓄積された微小プラなど、生態系や漁業に深刻な悪影響を及ぼしている。
これまで先進国から排出されたプラごみは「リサイクル資源」として、主に中国に輸出されてきたが、3年前に中国は輸入を中止した。
 代わりにベトナムやマレーシアへ輸出先が変わったものの、すぐに各国の処理能力が限界に達し、洗浄・選別が不十分なまま海などに捨てられる事態となっている。日本は昨年90万トンものプラごみを輸出している。

少しでも事態を改善するため、このほど「バーゼル条約」が改訂され、来年1月から運用されることになった。「バーゼル条約」は、有害廃棄物の輸出入を制限する法的拘束力のある国際条約で、1989年に採択されている。
この条約にプラごみを新たな対象に加え、海外輸出を規制する。とりわけ汚れたプラごみ─飲食物や泥・油が付着し分別・粉砕処理もされず、リサイクルしにくい弁当容器やペットボトルなどは輸出ができない。
 だが、この「バーゼル条約」にはプラごみ排出1位の米国が加盟していない。輸出削減にどこまで効果があるか、不安も広がる。
さてさてスーパーなどで、私たちが無料をいいことに無制限に巻き取る「ポリ袋」、これもまた自然には分解しないプラごみと同じもの。
 ただ「ポリ袋」は、燃やしても有害ガスは発生しないとはいえ、「レジ袋」はいらないと断って「ポリ袋」を乱用すれば、結局はプラごみを増やしている事実には変わりがない。よくよく考えて使おう。(2020/10/11)
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2020年10月10日

【焦点】 コロナで電子図書館の導入加速 100超の自治体が住民サービスで=橋詰雅博

 電子出版制作・流通協議会(電流協)が実施した自治体が運営する公共図書館へのアンケート調査(約500カ所が回答)によれば、コロナ禍による全面休館は80%で、その期間は1カ月以上2カ月未満だ。
 一方、同じく電流協が行った公共電子図書館(スマホやタブレット端末で閲覧できる電子書籍を貸し出す)アンケートでは、35都道府県の100を超える自治体が取り入れている。増えたのは図書館を訪ねるや書籍にふれる必要がないからコロナ感染防止になり、住民サービスとして導入が加速したから。
 電流協の9月末のオンラインオープンセミナーに登場した専修大文学部の野口武悟教授は「コロナ禍で電子図書館への注目が高まっている。新聞は一般記事ばかりではなく、『読書の機会を保てる』とか『補完的な活用ができる』といった社説でも取りあげていた。休館中は、自分のウエブサイトに電子書籍情報を流すところが多かった。さらに30を超える自治体は、電子図書館の導入を予定しているとアンケートで答えている」と述べた。
 セミナーでは、これからは待ちの姿勢≠ナはなく、出版社や貸し出しサービスをサポートするベンダー側と関係を強化する、独自資料の情報発信を行うなど電子図書館への要望があった。
橋詰雅博

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2020年10月09日

【沖縄トピックス】辺野古、沖縄の民意は底堅い 強硬路線がつまずけば菅政権のダメージに=阿部岳

 振り返っても、安倍晋三氏が沖縄に関して信念を語った記憶がない。「沖縄に寄り添う」と言いながら、沖縄に対する構造的差別を強化し、基地を固定化した。負担解消へ「できることは全てやる」と言ったが、実態は「できないことを全てやらなかった」だけだった。
 直前の民主党政権は辺野古新基地建設が鬼門となり、自壊した。沖縄の強固な反対と米国の強硬な要求の板挟み。やっかいで避けられない命題を、安倍氏は菅義偉氏に丸投げした。
 その菅氏は沖縄対策の全てを辺野古から逆算して取り仕切った。政権発足当初こそ「できる限り県民に理解してもらえる方向で」などと手探りだったが、徐々にアメとムチをふるっていく。
 当時の仲井真弘多県知事に公約違反の基地受け入れをのませる局面では、振興予算増額などのアメをばらまいた。仲井真氏が次の知事選で新基地反対の翁長雄志氏に敗れると、菅氏はムチを握り締めた。
 選挙で相次いで示される反対の民意にも関わらず「粛々と進める」と繰り返し、翁長氏から「上から目線だ」と批判された。わずかに試みられた対話の期間、日本の高度経済成長の陰で米軍が沖縄の土地を強制接収していた歴史を翁長氏が説いても、菅氏は「私は戦後生まれなので、歴史を持ち出されたら困る」などと都合の悪い事実から目を背けた。
 各省庁の権限を総動員して脱法的に行政手続きを進め、現場には本土の警察官や海上保安官を投入して市民の抵抗を強制排除した。菅氏でなければ新基地工事はここまで進まなかっただろう。
 一方、安倍氏になかった哲学が菅氏にあるかと言えば、それもない。菅氏に備わっているのは米国に隷従し、沖縄の反対を徹底的に踏みつぶそうとするサディスティックな情念だけである。
 対する沖縄の反対の民意はなお底堅い。軟弱地盤など工事の実現性を揺るがす技術的困難も、厳然とそこにあり続ける。
 ここまで強硬路線を主導してきた菅氏は、今さら撤退も修正もできない。硬直した方針は、案外もろいものである。首相肝いりの案件でつまずけば、新政権は大きなダメージを負うことになる。
阿部岳(沖縄タイムス編集委員)
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年9月25日号

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2020年10月08日

【沖縄リポート】 菅首相「国策」ごり押しの恐れ=浦島悦子

            IMG_1118.JPG 名護十字路で意見書呼びかけの街宣
 念願してきた安倍政権の終焉を喜んだのも束の間、出来レースのような菅義偉内閣の誕生。安倍政権の防衛大臣として辺野古新基地建設を推進してきた河野太郎氏を沖縄担当相に当てたことにも、菅政権の沖縄への姿勢が見て取れる。
 長年にわたる安倍政権の「沖縄いじめ」を実質的に担ってきたのは菅官房長官だった。故翁長雄志前知事が菅氏を、「沖縄の自治は神話だ」と言った米軍統治時代のキャラウェイ高等弁務官になぞらえたように、沖縄の民意を踏みにじって「粛々と」新基地建設を強行し、名護市長選、県知事選など県内の重要選挙にカネと権力をフルに注ぎ込んで県民や地元の分断を図る、その陣頭指揮を執り、沖縄の自治権をことごとく圧殺してきた。
 菅政権のもとで、沖縄はより一層の苦境を迎えるのではないかという暗澹たる思いをぬぐえない。
コロナ禍真っただ中の4月21日、沖縄防衛局が県に提出した、大浦湾の軟弱地盤改良工事に伴う設計概要変更申請書の告示縦覧を、県は緊急事態宣言解除後の9月8日に開始した。28日までの縦覧期間中に広く意見を求める。甚大な自然破壊が予想されるこの変更申請をデニー知事は認めない姿勢を示しており、「辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議」は、できるだけ多くの意見書によって県を後押ししようと県内外に呼び掛けた(意見書の書き方等は同会議HP参照)。
 この意見書運動は、理不尽な新基地建設を断念させるための大きなステップとして、県内だけでなく全国各地、様々な団体によって取り組まれており、県の担当部局によると告示前にすでに500通以上が届き、告示後は数えきれないという。
 一瞥しただけでも申請書はあまりにもずさんな内容で、突っ込みどころ満載だ。しかし菅政権は、県民・国民のどんな意見にも耳を傾けず、粛々と「国策」をごり押ししそうな予感がする。解散総選挙も含め、菅政権にどこまで迫れるかが問われる。    
浦島悦子
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年9月25日号




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2020年10月07日

【スポーツ】 人間的な主張が競技者を強くする=大野晃

 全米女子オープンテニスで2年ぶり2回目の優勝を飾った大坂なおみさんの意志の強さが際立った。
 新型コロナウイルス感染症の感染拡大で、十分な練習ができなかったが、蓄えた力を存分に発揮し、試合中の動揺を抑えて、勝ち抜いた。
 驚かされたのは、人種差別による黒人犠牲者たち一人一人の名前を書いたマスクを着けて、無観客の7試合に姿を見せ続けたことだった。
 静かだが、試合に臨む社会的意志を明確に示し、ミスプレーで投げやりになる悪いクセを乗り越えた黒い肌が耀く22歳である。
 黒人男性が白人警官に銃撃された人種差別に抗議して、前哨戦の準決勝を棄権して騒がせたが、出場し、テレビ映像などでの意志表示に転換し、「差別への問題意識を世界中の人に持ってもらいたかった」と強く訴えた。競技者である前に人間であることの自己表現だ。
 国家利益を優先した競技の政治利用が批判されることは多いが、平和の希求や差別の撤廃は大坂さんが言うように人権問題である。五輪精神の根源でもある。
 スポーツ人気が高い米国では、黒人競技者の活躍が顕著だが、白人社会の差別意識は根深い。
 1968年メキシコ五輪では表彰台での黒人競技者の人種差別抗議が非難された。バスケットなどプロ競技者の人種差別抗議行動も批判されてきた。
 大坂さんを苦々しく思う政治家などはいるだろうが、差別を拒否する競技者の強固な意志は、五輪運動を前進させる。
 人類の発展に寄与するスポーツの価値を高める。
 社会的使命を自覚したトップ競技者の意志は、競技への気構えを鍛え、競技力までも強めることを、大坂さんは証明した。
 競技をそこなう独善的な意思表示は問題をはらむが、人間的な主張を抑えて、自由に競技へ専念することなどありえない。
 社会的人間である競技者を、家族や支援者との関係に閉じ込めようとしてきたマスメディアへの警鐘でもある。
大野晃(スポーツジャーナリスト)
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年9月25日号


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2020年10月06日

【JCJ声明】菅首相に日本学術会議の6人任命拒否の理由、根拠の説明と撤回を求める

 菅義偉首相が、日本の各分野を代表する学者が集い、政府から独立した立場で提言などを行う「日本学術会議(会員210人)」の3年ごとの半数改選にあたり、同会議が推薦した105人の新会員のうち6人の任命を拒否した。同会議は菅首相に対し、6人の速やかな任命と任命拒否理由の説明を求めている。日本ジャーナリスト会議は同会議の要請を支持し、菅政権に「任命拒否を撤回し、6人をただちに任命すること」、「拒否の理由と根拠を、国民の前で速やかに説明すること」を求める。

 「学者の国会」とも言われる同会議が1949年、独立機関として設立されたのは、滝川事件や天皇機関説事件など、戦前の権力による学術研究や論説への侵害、統制の反省によっている。それゆえに「日本学術会議法」で独立性が保証されている。
 今回の問題の「推薦制」は中曽根政権下の1983年に導入されたが、首相による任命は、天皇の首相任命と同様の「形式的任命行為」にほかならない。そのことは当時の国会議事録でも、「法解釈上も政府側が『拒否、干渉しない』仕組み」と明言され、与野党合同で提出した付帯決議も可決されている。
 だが今回、加藤官房長官は「法律上、推薦の中から選ぶことになっている」「義務的に任命しなければならないというわけではない」と、すり替えた。

 10月2日の野党合同ヒアリングでは内閣府と内閣法制局が、「2019年に合議し、解釈を『確定』させた」と回答したが、解釈変更の有無は答えず、「義務的に任命しなければならないわけではない」と加藤発言をなぞった。
 だとすれば、第二次安倍政権7年8カ月の負のレガシー、「その時々の政府の都合で法解釈を変えてしまう」手法が繰り返されている疑いはぬぐえない。今回の任命拒否は、「人事問題ではなく、政治と学術の関係に対する菅政権の政治的介入」に他ならない。菅首相には責任ある説明が求められる。
 さらにその後、今年9月にも内閣府が法制局に照会していたことや、2016年にも日本学術会議の会員補充人事に、政府が推薦候補の差替えを要求するなど、介入を図ったことなども明らかになってきた。
 菅政権による日本学術会議への介入は明らかに不当であり「違法」だ。日本ジャーナリスト会議は、「#日本学術会議への人事介入に抗議する」多くの人たちとともに、菅政権の暴挙に抗議する。

 2020年10月5日
                                               
日本ジャーナリスト会議
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【おすすめ本】 左右社編集部編『仕事本  私たちの緊急事態日記』─コロナ禍のなか77人が綴るテンヤワンヤの貴重な記録に乾杯!=南陀楼綾繁(ライター) 

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東京都などに緊急事態宣言が発令されたのが4月7日。
 その日に原稿依頼を始め、さまざまな仕事に就く77人に月末までの日記を書いてもらったのが本書だ。刊行は6月末。
 編集者によると、寄稿を断る人も締め切りに遅れる人もいなかったという。それだけ切実に伝えたいことがあったのだ。
 いつまで休館すればいいのか悩む映画館支配 人。従来の葬儀ができないことに戸惑う葬儀社スタッフ。練習できないことに焦りを感じるピアニスト。ベルリンで自粛生活を過ごすイラストレーターなどなど。
 水族館では休館中でも動物が運動不足になるのを防ぐため調教を行うなど、その仕事固有の事情が判って興味深い。
 図書館が全面休館したことにより、資料を参照できなくなる校正者の記述には、自分もそうだったと共感する。
 同じ日の出来事にどう反応したかを知るのも、複数の日記を読む面白さだ。星野源に便乗した安倍首相の動画を見て、怒りを表明している人が何人かいた。
 じつはこの本は、出た直後に読むよりは、少し時間が経ったいま、読む方が面白いと思う。あれだけの非常事態だったのにもかかわらず、過ぎてしまうと、だんだん印象がぼやけていっている。巻末の年表とあわせて日記を読むと、そのときそのときの出来事がくっきりと蘇るのだ。
 ところで、この77人に1年後の同じ期間の日記を書いてもらって刊行したらどうだろう? その間の仕事や感情の変化をとても知りたい。私は絶対に買います。
(左右社2000円)
                               仕事本.png
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2020年10月05日

横浜カジノ反対署名活動スタート 林市長「むちゃぶりできず」と方針転換=伊東良平

                                                      
横浜カジノ.JPG
 横浜カジノの予定地とされる山下ふ頭に隣接する山下公園で8月22日に行われたカジノ反対市民集会に引き続いて、いよいよ9月4日から住民投票実施のための署名活動がスタートした(写真)。今のところ滑り出しは順調だが、期間が2カ月間と決まっていて、この間に最低6万2万筆を集めなければならない。直接請求の署名活動は詳細が法律で決まっていて、ただ署名を集めればいいというわけではなく、まず署名を集める受任者というものを登録しなければならず、この受任者が集めた署名簿でなければならない。
 署名活動を進める「横浜カジノの是非を決める横浜市民の会」では今回の署名スタートまでに受任者を実に4万3千名集めて背水の陣で臨んだ。つまり、受任者1人が自分を含めて2名署名すればゆうに6万筆を超えるが、会では、市長リコールが出来る数の50万をめざそうと勢いを上げている。
 ここにきて、林文子市政を支える保守層からもカジノ誘致反対の声が上がりはじめている。港湾運送事業の発展を推進していて、山下ふ頭の地権者である横浜港運協会はカジノに反対し退去はしないと明言している。また神奈川県議会議長や自民党県連代表を長年歴任した保守の重鎮もカジノ不要を表明している。
 さらに9月の横浜市議会では自民党市議からも市長に対しIRカジノについて事業効果を再確認する必要があり、事業の推進は冷静に進めるべきとの意見が出された。その後、誘致撤回を求めている野党側の要望書に対して市長は「国家プロジェクトだが、むちゃぶりできない」と回答、会見で本年度の関連予算の減額と来年度の事業費見直しを示唆した。
 かつてIRカジノはトランプ米大統領による開放圧力と噂されたが、すでにラスベガス・サンズ等の米国系事業者は撤退している。世界のカジノ事業者はコロナ禍で財務内容が悪化しており新たに投資するような余裕はなくなっている。秋元司衆議院議員の再逮捕でカジノ整備法の基本方針はさらに厳格さが求められることになる。すでにIRカジノ構想は破綻している。
 日本に興味を持って観光で訪れるアジアの人々をギャンブルに誘い込み、持ち金を巻き上げて市の財源にすることに全く道理はないし、また行政が博打を市民に奨励することなどあってはならない。
 伊東良平
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2020年10月04日

【今週の風考計】10.4─学術会議6人の任命拒否は、菅首相の赤狩り″だ!

「ガースー」といわれる菅首相が、1月も経たずに、6人の赤狩り″に着手! 憲法23条に手を突っ込み、強権政治をスタートさせた、この怖さ! 「しんぶん赤旗」(10/1付)がスクープした日本学術会議・新会員6人の任命拒否は、前代未聞の暴挙だ。

日本学術会議は210名の会員(任期6年)によって組織され、3年ごとに半数が改選される。今年は半数改選の年で、8月末には同会議が責任をもって新会員105人を選考し、総理大臣に推薦、そのまま任命されるのが常識だった。2004年度以降、新会員が任命されなかったケースは一度もない。
ところが内閣府は、菅政権発足後の9月24日、同会議から提出された推薦名簿から6人を外した案を用意し、それを受けた菅首相は、28日に99人の任命を決裁したという。任命拒否の理由や経緯についてはダンマリだ。
 任命を拒否された6人は、安倍政権が強行した安保法制や共謀罪、辺野古新基地建設などに対し、その学問的な見識や研究から、反対の意見を表明してきた。それを理由に任命しないのだとすれば、憲法第23条が保障する「学問の自由」を侵害するのは明白である。

安倍政権の7年8カ月、集団的自衛権の行使容認に向け内閣法制局長官の交代、黒川検事長定年延長など、人事に介入して強引に政策を進めてきた。安倍政権時の9月2日ごろにも、内閣府は内閣法制局に、学術会議の会員任命に関する法解釈を巡り、問い合わせをしている。
 その時々の政府の都合で、法解釈を変えてしまう手法を、菅政権でも継承し、「学問の自由」を踏みにじる暴挙へと、その本質をむき出しにした。
「学問の自由」を保障する憲法23条は、明治憲法時代に起きた滝川事件や天皇機関説事件など、学者の研究や論説が国家権力に侵害された歴史を踏まえて作られている。
 これを冒してでも、政府に批判的な学者は狙い撃ちで排除し、さらには組織に対しても、研究活動の萎縮や忖度を浸透させる効果も視野に入れる、その悪どさは極まりない。
 現に日本学術会議は2017年3月、軍事研究には手を染めないとの新声明を出すなど、軍事技術の開発に科学者の協力を求める安倍政権に釘を刺していた。政権の意に添わない同会議は目の上のタンコブ、掣肘したくてたまらないのがホンネ。さっそく同会議の人事に介入してきたのだ。

菅首相が記者会見したのは、就任した9月16日以降、2週間で2回の計40分だけ。学術会議6人の任命拒否についても理由など記者の質問には答えないまま。
 その一方、これまで記者会見は、「新型コロナの感染防止策」を理由に1社1人の参加制限を設けているにもかかわらず、テレビ・新聞19社の首相番記者60人とオフレコ朝食会を、3日・10日の2回も計画している。3日は、都内・渋谷のレストランで記者(朝日新聞、東京新聞、京都新聞は欠席)と90分ほどパンケーキを食べながらオフレコ懇談会を開いた。
 また首相補佐官(年収約2300万円)に、柿崎明二・共同通信社前論説副委員長を起用した。裏で繋がる政治記者を側近に引き立てるなど、メディア支配の巧妙さはズバ抜けている。
こうして「官僚・メディア・学者の支配が進むうちに、私たち一般市民も『怖いからデモやSNSの政府批判をやめよう』という空気になりかねない」と、社会全体の萎縮を指摘する学者の発言は、傾聴しなければならない。(2020/10/4)
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2020年10月03日

【お知らせ】 10月10日(土)JCJ賞贈賞式にご参加を!午後2時から5時までライブ配信

CIMG6421.JPG 昨年8月のJCJ賞贈賞式=東京・千代田区のプレスセンターホール
 
 日本ジャーナリスト会議(JCJ)は毎年、優れた新聞報道や出版物、テレビ番組などにJCJ賞を贈っています。今年は5件が選ばれました。
 10月10日(土)午後2時から5時まで、東京・麹町のエデュカス東京で受賞者をお迎えしてJCJ賞の贈賞式を開きます。今年は新型コロナ問題があり、関係者だけの集まりになりました。代わりに贈賞式の模様をネットで中継し、オンラインで視聴できるようにします。受賞者のスピーチはいつも示唆に富んでいます。ぜひご参加ください。
 参加費:500円。Peatixを通じてお支払いください。詳細は下記をご参照ください。
 20年度日本ジャーナリスト会議賞一覧
【JCJ大賞】
★安倍晋三首相の「桜を見る会」私物化スクープと一連の報道 しんぶん赤旗日曜版
【JCJ賞】     4点(順不同)
★三上智恵『証言 沖縄スパイ戦史』(集英社新書)       
★吉田千亜『孤塁 双葉郡消防士たちの3・11』(岩波書店)    
★森友問題で自殺した財務省職員の遺書の公開(週刊文春)
赤木雅子 相澤冬樹
★「ヤジと民主主義〜小さな自由が排除された先に〜」北海道放送 

【10月10日贈賞式の視聴方法のご案内】
JCJ賞贈賞式のネット中継の視聴をご希望の方は、ネットのPeatixという支払いサイトから参加費500円をお支払いください。
@https://zosyoshikijcj63.peatix.com/ をパソコンやスマホでクリックして開きます。
A初めてPeatixを使う方は、最初に氏名、メルアド、それにPeatix用のパスワードを自分で決めて入力します。
B参加券の枚数を選び、金額を確定します。
C支払いはクレジットカードか、コンビニ払いか選び手続きします。
D贈賞式の前日、10月9日にネット中継のURLをメールで送りします。10日午後1時45分ごろから、パソコンなどでURLをクリックして視聴します。
(なおJCJ会員は参加費無料。onlinejcj20@gmail.com にメールで申し込んでください)
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2020年10月01日

【映画】 自主制作映画を見せる場を拡大させるイベントに参加=伊東良平

               「自主制作映画見本市4」.jpeg
 自主制作した映画を上映してきた人たちやグループ、団体が協力して上映の場をつくっていこうという「自主制作映画見本市」(写真)が9月26日に東京都文京区民センターで開かれた。4回目の今回は「ヒロシマナガサキ最後の二重被爆者」など6作品が上映され、上映後は監督など制作者のトークも行われた。
 筆者が特に興味を覚えたのは、2001年に制作された「人らしく生きよう国労冬物語」と今年制作の「生きるのに理由はいるの?津久井やまゆり園事件が問いかけたものは・・」の2本である。
 前者は国鉄の分割民営化の実態を15年にわたって描いており、差別と解雇の記録である。改めてこのやり方が現代に通じるリストラの原点だったことがわかる。また、その真の目的は総評が進めていた左翼労働運動を解体することだったことも理解できた。後者は事件に至るまでの植松聖被告の足跡を丁寧にたどり、なぜ事件を起こしたのかを丹念に追った。こうした事件を起こしたのは必ずしも植松被告の特性ではなく、管理中心だった施設から影響されたものではないのかという鋭い問いかけが印象的だった。
 このような自主制作映画は採算をとるのが難しく、制作者は資金調達が大きな負担になっているという。主催した「憲法を考える映画の会」では映画の上映の機会を広げるため市民活動や市民運動の場において利用されるように、こうした場をつくって上映の促進を図っていきたいとしている。
伊東良平
posted by JCJ at 01:00 | 現代アート・映画・演劇・音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする