2020年10月13日

【スポーツ】 コロナ禍を契機に競技環境が好転も=大野晃

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大対策で、観客制限などを余儀なくされたプロ競技が、未曽有のシーズンの大詰めを迎えている。
大坂なおみが全米オープンテニスで2年ぶり2回目の優勝を飾ったのに続き、極端に試合数を減らした米大リーグで、復活したダルビッシュ投手が8勝をあげ、日本人史上初の最多勝に輝いて、カブスの地区優勝に貢献した。感染拡大の勢いが止まらぬ米国で、日本人競技者が活躍した。
 日本のプロ野球では、巨人の菅野投手が開幕から最長新記録の13連勝し、セ・リーグ独走を支えた。
 大相撲では、中止となった夏場所で朝乃山が大関昇進したのに続き、秋場所で正代が初優勝して大関となった。
 一方、プロ野球の阪神は、集団感染の相次ぐ発生で波に乗れず、大相撲は、三段目力士が感染死する不幸に見舞われ、秋場所は両横綱はじめ休場者続出だった。
 コロナ禍の明暗を分けたのは、練習不足が避けられない中での、競技者の気構えと鍛錬の工夫や集団の力を引き出すことにあった。
 総合力を競ったプロ野球では、出場機会を生かした若い力の伸長が目立った。ピンチをチャンスに変える頼もしさを持っていた。それはベテランの冷静な意欲にも表れていた。
 自律的な生活態度とプレーへの集中が重要だった。どこかに甘えやミスがあれば、成功は覚束ない。古い体質からの脱却が不可欠になった。
 観客制限は、貴重な観戦機会となったファンにプレーへの集中を促し、静かだが、熱っぽい応援が続いた。競技者も、ファンも、競技を楽しむ喜びを、改めて実感したようだ。
 それは、球団などの経営に大きな影響を及ぼした。利益優先から、競技者やファン第一の知恵が求められた。中止に追い込まれた社会人、大学、高校では、競技会のあり方が見直されている。
 政府の無策による不自由なコロナ禍を契機に、スポーツ界の先導で、競技環境が好転する可能性もある。
大野晃(スポーツジャーナリスト)

posted by JCJ at 01:00 | スポーツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする