2020年11月10日

【スポーツ】 五輪拠点で感染騒動=大野 晃

 五輪代表の強化拠点である東京のナショナル・トレーニングセンターで合宿中だった体操の金メダリスト・内村航平さん(31)が、PCR検査で陽性が確認されたと発表された。
 10日後に控えた東京での体操の国際大会を目指す日本代表合宿での2回目の検査結果で、同センターでは初めての新型コロナウイルス感染症の感染確認だった。
 体操ニッポンをリードしてきた実績のあるベテランが五輪拠点で感染したと、五輪代表たちに衝撃を与えた。
 ところが、再検査で一転、陰性が発表され、数日間の個室隔離と体操場の使用禁止にとどまり、関係者は胸をなでおろした。
 同大会は東京五輪延期決定後、初めての国内での五輪競技国際大会で、中国、ロシア、米国からの参加者を含め、毎日の検査で安全を見極める東京五輪の実験の場とされていた。
 競技者を検査漬けにしても、結果次第で競技中断の騒ぎになる難しさを示し、感染対策の万全を期す強化拠点も例外でないことは、選手村のあり方など五輪開催へ不安材料となった。
 横浜スタジアムでの観客制限緩和の技術検証が行われるなど、来年の東京五輪へ向けての開催実験が始められているが、東京などで感染拡大の収束は見えず、危うさをともなっている。
 政府や組織委員会は、さまざまな制限緩和を急いでいるが、競技第一の姿勢が貫かれていると言えるのか。
 競技者やファンの安全、安心を改めて重視することが求められる。
 米大リーグでドジャースが32年ぶりにワールドシリーズを制し、日本も、セ・リーグで独走しながら足踏みしていた巨人が2年連続で、パ・リーグは12連勝したソフトバンクが3年ぶりに王座に就いた。
 ファンには、安全を確認しながらの我慢のシーズンだったが、競技者の熱意を支えてきた。
 競技や観客に負担を強いても五輪開催能力や競技力を誇示しようとする国威にこだわるスポーツ祭典を、競技者やファンは、望んではいない
大野 晃(スポーツジャーナリスト)
posted by JCJ at 01:00 | スポーツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする