2021年01月02日

【おすすめ本】 ちゃんへん.著 木村元彦構成 『ぼくは挑戦人(ちょうせんじん)』―「切ない凄い面白い」3拍子そろう世界的パフォーマーの行動力=鈴木耕(編集者)

 読後感は3つ。最初は「この話、切ない」、二番目は「この男、凄い」、そして最後は「この本、面白い!」である。ほぼこれに尽きるが、それじゃ書評にならない。3つの中身に触れてみよう。
@この話、切ない。
 著者「ちゃんへん.(金昌幸」の生まれは京都府宇治市ウトロ地区。戦前に朝鮮から渡来した人たちが集まり暮らし始めた場所。つまり著者は在日朝鮮人で、小学校では「岡 本」と名乗る。しかしなぜそうしなければならないのか、幼い彼には理解できない。理解できないまま壮絶なイジメにあう。
 だが著者は祖母と母の庇護の下、真剣に自分の生き方を掴み取る。それがヨーヨーとの出会い。母と祖母の鮮烈な魅力が生き生きと描かれ、切ないが胸を打つ。
Aこの男、凄い。
 ヨーヨーにはまった著者は、次にジャグリングに挑戦。めきめき上達し中学3年で単身アメリカへ渡り、パフォーマンスコンテストに出場し、金メダルに輝く。
 だが渡米に当たって国籍問題が家族に大きな亀裂をもたらす。中学生に国籍選択という非情を押し付ける国家。それを克服する少年の強靭な魂。そこから世界的パフォーマーへの道を切り拓いていく過程は「挑戦人」というタイトルそのまんま。
Bこの本、面白い。
 著者の行動力は凄い。ブラジルや南アのスラム街で公演。マイケル・ジャクソンや金正恩など超有名人たちと出会うエピソード。中東問題すら身体で理解しようとする姿勢。自らのルーツを訪ねて南北朝鮮を旅し、さらに中国からサハリンに脚を伸ばす。
 まさに圧倒的な行動力、息もつかせぬ展開。面白い!としか言いようがないじゃないか。
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posted by JCJ at 02:00 | おすすめ本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする