2021年01月03日

【今週の風考計】1.3─コロナ禍への対応に必要な「ワンヘルス」という考え方

あけましておめでとうございます。
 新年を迎えてもコロナ感染拡大は止まず、いつ収束するか不安が続きます。対応に手をこまねいているうちに変異種まで生まれ、私たちは深刻な人類文明の危機に直面しています。
 “巣ごもり”の身であるだけに、新聞やテレビなどの情報に接し、いろいろ考えることがありました。

新型コロナがヒトへ感染したのはコウモリからだといわれ、世界で見つかる新たな感染症の7割近くが動物に由来するそうです。
 地球温暖化により永久凍土が融解したため、埋もれていたトナカイの死骸が地上に露出。そこから炭疽菌やウイルスが発散し周辺の住民に甚大な病害をもたらした例もあります。南極大陸の氷に閉じ込められた病原菌が再活動する可能性だって十分にあるとのこと。
米国の研究者は2015年、アラスカやチベット高原の地下50メートルの氷をとり出したところ、未知のウイルスが28群も発見されたと報告しています。
 ウイルスは環境によっては、100万年くらい生き残るそうです。いま人類は未知のウイルスに脅迫されているのが現実でしょう。
 森林火災や陸地の砂漠化により、野生動物が人間の生活圏にまで進出し、捕食せざるを得ない事態も生まれています。こうした動物からのウイルス感染も視野に入れなければなりません。

どうしたら良いのでしょうか。感染症対策のキーワードとして、「人の健康・動物の健康・自然環境の保全」を一つのものとしてとらえる、「ワンヘルス」という考え方が浮上してきています。
 人の健康は、生物の健康と健全な自然環境の保持によって維持されるという考え方です。私たちはさまざまな生き物の恩恵を受けて生きています。生物の健康が脅かされ、多様性が急速に失われれば、人類や社会の健康も損なわれます。
だからこそ「人類・生物・環境」を三位一体として、ひとつの健康「ワンヘルス」を大切にする対策をとるべきときです。
 まず「ワンヘルス」を脅かす原因は、地球温暖化による気候変動、そして私たちが営む経済活動による環境破壊にあります。コロナウイルスによるパンデミックの発生は、この手痛い代償でもあるのです。

「地球温暖化に効くワクチンなど存在しない」以上、自分たちの手で、まずCO₂の排出量を削減し、ゼロに向かって手を打っていくことから始めねばなりません。やっと日本政府も、昨年10月下旬、「2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする」と表明しました。
 菅政権は待ったなし、クリーンエネルギーへ切り替える具体策が急がれます。(2021/1/3)
posted by JCJ at 08:00 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

米メディアの矜持をみた 米大統領選 健全な民主主義を守る姿勢 TBS萩原NY支局長 現地報告

                                         写真 ホワイトハウス JCJ-1.jpg
バイデン氏当確が打たれた11月7日のホワイトハウス前

歴史的にまれにみる疫病下の米大統領選だった。気に入らない「メディアをフェイクニュース」と呼び、世論調査の結果をウソと決めつける。トランプ大統領の悪態が炸裂するなか、「健全な民主主義を守る」という米メディアの矜持も目の当たりにした。大統領選の取材にあたったTBSテレビのニューヨーク支局長、萩原豊さんの現場レポートを届ける。
                  ☆
 「後ろに、フェイクニュースが見えるぞ。見てみろ!あそこにいるフェイクニュース全員を見ろ!」
 トランプ大統領が指差したのは、私たち報道陣。集まっていた2万人の視線が一斉に向けられた。同時に大きなブーイングが巻き起こる…。最後の最後まで、メディア敵視≠フ姿勢を剥き出しにした。
投票日前夜、中西部ミシガン州の空港で行われた「最後の集会」に立ち会った。支持者は最低気温2度のなか、隙間なく集まっていた。同州では、10月から新型コロナウイルスの新規感染者が急増、1日4000人近くになっていたにも関わらず、支持者の多くがマスクをしていない。トランプ氏は日付を越えて1時間以上にわたり、最後の訴え≠行った。
冒頭のメディア批判はトランプ氏の常套句で、予想はしていたが、敵意をぶつけられと動揺してしまった。選挙戦の後半になっても自らの劣勢が続くと、その姿勢は一層、露骨になった。世論調査の結果をウソと決めつけ、バイデン氏とメディアは結託しているなどと根拠なく主張。市民との「信頼」を礎とする報道機関にとって、現職の大統領が、気に入らないメディアを「フェイクニュース」と呼ぶこと自体、許しがたい。「メディアは国民の敵」という表現も少なくなかった。

テレビの利用
 メディアへの敵視は、その影響力を認めている裏返しでもある。そもそも、トランプ氏は、「メディアが生んだ寵児」だ。陣営の巧みな「メディア戦略」が如実に表れたのは、新型コロナに感染したトランプ氏が退院する場面だ。メディア各社に予告された時間は、米三大ネットワーク(NBC、ABC、CBS)のテレビ局で夕方のニュース番組が一斉に始まる時刻である。トランプ氏はホワイトハウスのバルコニーに立ち、コロナに勝った「強い大統領」を演出した。
生中継した三大ネットやCNN、FOX、 MSNBCの24時間ニュースチャンネルの画面を占拠することになった。投票まで1カ月を切った段階での大統領の容体は、最重要ニュースである。生の報道番組と時間帯が重なっていたテレビ各局は、一連の場面を映さざるを得なかった。結果としてテレビが利用された。(→続きを読む)

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posted by JCJ at 02:00 | 政治・国際情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする