2021年01月05日

【リアル北朝鮮】 反動思想文化を排除 欧米からの流入に法で対処=文聖姫

 今年日本でも大人気を博した韓国ドラマ「愛の不時着」には、防弾少年団(BTS)をこよなく愛する北朝鮮の若い女性が登場する。彼女がこっそりBTSの動画を見ていたところを目撃した主人公の女性が、それをネタに彼女を脅して協力を強要する、というシーンが登場する。
 ドラマなので大げさに描写している部分もあるが、北朝鮮の人々の間で韓国のドラマや映画、K−Popが密に見られているという話は、昔からよく伝えられてきた。筆者自身は十数回の訪朝過程で、そのような現場を目撃したことはない。ただ、ある女優がドラマの中で履いていた上げ底の靴を履いた女性の集団を平壌で見かけたことがある。「もしや韓国のドラマの影響か?」と思った。
 2003年に滞在していた折、ハリウッド映画「タイタニック」の朝鮮語吹き替え版があるのを知った。最初は貸してくれると言っていた友人も、何があったのか、結局は貸してくれなかったので。実物は見ていない。しかし、「タイタニック」が北朝鮮当局からも奨励されていたのは事実だ。階級差別をきちんと描いているからだという話を聞いたことがある。内容によっては米国の映画でも許容されるということだ。
 だが、これは例外に過ぎない。基本的には韓国や欧米の映画やドラマを北朝鮮の国民が公に見るのは不可能だ。
 12月4日に開かれた最高人民会議(国会)常任委員会全体会議では、「反動思想文化排撃法」をはじめとするいくつかの法律が採択された。「反動思想文化排撃法」の条文は明らかにされていないが、朝鮮中央通信が報じたところによると、「反社会主義思想文化の流入、流布を徹底的に防ぎ、われわれの思想、精神、文化を守護する」ために必ず守るべき規則が記されているという。
 韓国や欧米のドラマや映画、音楽が国民の間に何らかの形で浸透しているのかもしれない。法律で取り締まらねばならないほど深刻なのだろうか。
文聖姫(ジャーナリスト・博士)
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年12月25日号


posted by JCJ at 02:00 | 政治・国際情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする