2021年01月17日

【今週の風考計】1.17─国会紛糾で菅首相に向かうブーメラン=<自滅の刃>

国内で初めてコロナ感染者が確認されてから1年。いまや感染者は32万6千人、死者は4500人、恐るべき拡大の惨状が続く。遅れに遅れて発出した2度目の「緊急事態宣言」、11都府県に拡大したものの、収束すら見通せない。
東京都内では「自宅待機」感染者は週に3千人を超え、6700人が入院・療養先すら決まらない。単身者からは「コロナで死ぬか餓死で死ぬか」の悲鳴があがっている。

感染拡大を抑え込めない菅内閣の支持率は33.7%、「危険水域」に近い。これまで菅首相は5人以上の会食に参加し、さらには「緊急事態宣言」の対象県・福岡を静岡と言い間違え、「国民皆保険制度」の見直しすら示唆する発言など、挙げて責任は「ガースー」自身にある。
18日からの通常国会では、後手後手のコロナ対策に加え、感染症対策特措法の改定に向けたゴリ押し審議が始まる。
 入院を拒否した感染者に科す罰則を「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」「コロナ感染者の受け入れ勧告を拒否した病院名の公表」など、法案の内容を巡って紛糾するのは間違いない。
当然だ。コロナ感染で入院したくても入れない実態を放置して、罰則のみ優先するなどトンデモナイ。また民間病院にしろ、受け容れたくとも看護師や施設の補充・援助などの裏付けがなければ、どうやって責任ある医療ができるのか。医者の苦衷も理解できる。

長野県の松本モデルが示すように、症状に応じた受け入れ態勢を各種病院との間で計画を作り、コロナ治療への広域な医療体制を敷いている自治体もある。政府は各自治体に援助・アドバイスし広域医療の構築を強化すべきでないか。
それにしても肝心のPCR検査、いまだに軽視するのは重大な誤りだ。ノーベル賞受賞の本庶佑教授が「羽鳥慎一モーニングショー」で、改めて「PCR 検査能力の大幅な拡充と無症状感染者の隔離の強化」を訴えている。
 人口1000人あたり検査数を見ても、いまだに日本は0.5人、米国は3.9人。なぜ自動PCR検査システムを活用しないのか。これをトレーラーに搭載し、各地を回れば12時間で2500件の検査ができるという。
 これを1000台用意すれば1日250万件の検査が可能だ。トレーラーは1台1億円、自動PCR検査システムの設置も含め、この国会で企てる新たな「GoTo」追加予算1兆860億円の1割1086億円を投入すれば実行できる、と力説している。

厚労省は昨年5月、「検査拡大」によってコロナ擬陽性の多発が弊害を呼ぶとの文書を作り、政府中枢に説明して回っていたという。こんな文書に固執し、感染を広げてきた責任は誰がとるのか。
 やっと政府は、この11日になって都市部で不特定多数を対象にした1日数百〜数千件のPCR検査を実施すると公表したが、なんと実施時期は3月だ。
業を煮やした自治体の中には、自主的にPCR検査に取り組むケースが増えてきた。東京都・世田谷区を始め、広島県が広島市民80万人を対象にした集中的な検査を実施する。
 感染拡大を抑え込めない現状では五輪開催にも赤信号がともり、菅政権の窮地どころか菅首相自身、党総裁選での再選もおぼつかない。まさに<自滅の刃>が迫っている。(2021/1/17)
posted by JCJ at 08:00 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする