2021年07月02日

【リアル北朝鮮】5年ぶり党規約改正 集団指導体制へ転換か=文聖姫

 北朝鮮で今年1月に開催された朝鮮労働党第8回大会では、5年ぶりに党の規約が改正された。最近、その内容が明らかになった。
 『日本経済新聞』6月10日付によると、序文から「先軍」の文字が消え、「主体」も大幅に減ったという。「金日成同志と金正日同志の遺訓」という表現も削られた。先軍は金正日政権時代を象徴する言葉だ。金正日政権時代、北朝鮮では建国以来最悪と言われる経済難に見舞われた。その困難を乗り切るうえで、金正日総書記は軍事優先路線を掲げ、核兵器やミサイルの開発を進めた。主体は金日成主席が提唱した主体思想からきている。
 先代を象徴する言葉が消えるか、大幅に減った点、さらには両先代の「遺訓」という表現が削除された点などを考えると、金正恩総書記がいよいよ“独り立ち”を宣言したものととれる。すでに自らの体制は十分に固まったといえるが、今後はさらに先代のやり方にこだわらず、自らの方法で国を運営していくと予測するのも可能だ。
  今回の党規約改正では、「人民大衆第一主義」が打ち出されたという。第8回党大会で北朝鮮指導部は5カ年経済計画を発表した。具体的な内容は明らかにされていないが、同計画に沿って経済が運営されており、『労働新聞』などのメディアでは連日達成された成果が報じられている。一方で、思うように成果が出ていないのではないかとも思われる。というのも、6月に入り、立て続けに党の会議が開催されているからだ。そこでは、経済問題と人民生活の安定が強調されている。最近の論調を見ても、北朝鮮の喫緊の課題が経済の立て直しであることが分かる。
 一方、改正された規約では、「第一書記」のポストを新設し、「金正恩総書記の代理人」と規定した。現段階では第一書記が誰なのかは明らかになっていない。だが、金正恩総書記に継ぐポストが新設されたことは、北朝鮮が集団指導体制を推し進める兆候ではないか。
  文聖姫(ジャーナリスト・博士)
 JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2021年6月25日号
 

posted by JCJ at 01:00 | 政治・国際情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする