2021年07月04日

【今週の風考計】7.4─日本を襲う「線状降水帯」と気候崩壊への対応

ちょうど1年前の7月4日、熊本県南部地域を襲った集中豪雨は甚大な被害をもたらした。今なお多くが仮住まい生活だ。これも「線状降水帯」が原因だという。その長さは約277キロ、総降水量は最大値633.3ミリに及んだ。
 そして今年もまた、集中豪雨が太平洋側に沿って、沖縄から四国、近畿、伊豆半島、熱海、箱根、房総地方まで連続して襲っている。
「線状降水帯」とは、発達した複数の積乱雲が線状になって並び、数時間にわたり同じ地域に停滞するか、通過しながら数百ミリの大雨をもたらす。台風を除けば、日本で起きた集中豪雨の約3分の2が「線状降水帯」によるものだという。
 なぜ発生するのか、大まかには地球温暖化による気候変動によるものの、詳細なメカニズムの解明や予測はできていない。

目を転じれば、カナダ西部が熱波による記録的な猛暑に見舞われ、6月29日の気温は49.6℃に上昇。ブリティッシュコロンビアでは1週間に719件の突然死が報告されている。もともと6月の当地域は平均気温が25℃ほど、2倍の暑さが襲ったことになる。
米国・北西部のオレゴン州ポートランドでも6月28日の気温が46.7℃、63人が死亡。ワシントン州シアトルでも42℃超を記録し、アスファルト道路が歪み、送電線が溶けたという。
 このような異常気象がカナダや米国北西部を襲い、熱波と干ばつの影響で山火事の発生数が今年、過去最高を更新するとの警告まで出ている。
昨年、シベリアの気温が過去最高の38℃まで上昇し、北極圏の永久凍土が急速に融解している。地球の冷却機能は失われ、平均気温の上昇につながっている。

いまや世界は異常気象に包まれ、気候変動どころか気候崩壊にさらされているのが実態だ。これも私たち人類が、無制限に二酸化炭素CO2を排出し続けた結果なのだ。
 米国のジャーナリストであるデイビッド・ウォレス・ウェルズが著わした『地球に住めなくなる日─「気候崩壊」の避けられない真実』(NHK出版)が、世界で大反響を呼んだ。
現状の温室効果ガス・CO2の排出ペースが続けば、今世紀末までに平均気温は4℃上昇するという。今でも2030年には地球の気温が1.5℃上昇するといわれる。
 さらに2050年までには、世界で100都市以上が浸水し、熱波、大洪水、大気汚染、経済破綻などが広がり、数億人が貧困にあえぐ壊滅的な危機に至ると予測している。 

それでは私たちはどうしたらよいか。この6月初旬に刊行された宇佐美誠『気候崩壊─次世代とともに考える』(岩波ブックレット)が、「気候正義」という概念を提起して、グローバルな視点から示唆に富む提言をしている。
 しかも次の世代を担う若い人びととの対話を通じて、理解と認識を共有する作業は貴重だ。ぜひ読んでほしい。(2021/7/4)
posted by JCJ at 06:00 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする