2021年07月11日

【今週の風考計】7.11─「ソーバーキュリアス」の陰で居酒屋の悲鳴

「ソーバーキュリアス」なる語句を知った。英語で「Sober Curious」。酒は飲めるのだが、あえて飲まない人たちを指す。「Sober=しらふ」「Curious=ふりをする」を組み合わせた造語だ。
 欧米の若者を中心に、トレンドになっているそうだ。日本も例外ではないという。日本の若者の半分以上は、ソーバーキュリアス的なライフスタイルを選択しているとか。
「本当にそうかい?」─疑問に思ってしまう。緊急事態宣言が発せられ、酒類の販売禁止が要請されているのに、渋谷や歌舞伎町など繁華街の路上で、缶酎ハイや缶ビールを座り飲み、酔っぱらっている若者の映像が、テレビから流れる。これは例外か。

それにしても巣ごもり″を強いられる我が身にあっては、家での晩酌、ビールのロング缶は欠かせない。サラリーマンや労働者だって、帰りがけに「ちょっと一杯」の息抜きは必要だろう。ストレスの多い毎日にあって、「ソーバーキュリアス」などと洒落ている<優雅な一日>はないだろう、それが実態だと思う。

東京都に4度目の緊急事態宣言が発令された。12日から8月22日までの6週間だ。再び飲食店に酒類提供の全面禁止が要請される。
 居酒屋は「また酒が悪者にされるのか」と怒りの声を挙げる。「五輪をやるなら、居酒屋もやらせてくれ、酒がダメなら潰れるしかない」と憤るのも無理はない。
 しかも政府は、金融機関に対し、酒の提供禁止に歯向かう居酒屋・酒卸業者に「金を貸すな」みたいな脅し・締め付けを依頼しようなどという。まさに言語道断、撤回するのは当然だ。

筆者も時には行く、東京・新宿のビア&カフェ「ベルグ」副店長・迫川尚子さんの<酒に罪はない─新宿駅最後の小さなお店の悲鳴>という一文を読んだ。
 「時短営業、酒類の提供自粛は本当に厳しく、赤字は何百万円にも上ります。創業して50年たちますが、最も危機的な状況です。…コロナ対策は万全を期したうえ、…うちは仕事帰りの労働者が立ち飲みで、さくっと飲んで、ちょっと摘まんでさっと帰るというスタイルの店、お酒に罪はないですし、軽く一杯、というささやかな楽しみまで奪わなくても良いのではないかと思うのです」(「女性のひろば」8月号)

顧みれば、コロナ感染防止を目的に飲食店や居酒屋に発令された規制は、時短要請や酒類の販売自粛・禁止など、昨年11月28日から今年の8月22日まで、連続して6か月間に及ぶ。
 コロナ対策の全てが「現場に尻ぬぐいさせる」対応では、誰も政府の緊急事態宣言など、信用しなくなるのは当たり前。
 「ああいえば上祐」じゃないが、「いずれにせよガースー」の菅政権の発令など、信頼はもう吹きとんだ。退場してもらうしかない。(2021/7/11)
posted by JCJ at 06:00 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする