●飲食店の短縮営業が、25日から全面解除! 酒の提供制限・夜8時も撤廃。11月に入れば「Go To イート」食事券の利用まで再開する。
観光業界が手ぐすね引いて待つ「Go Toトラベル」も、装いを新たにして始まるだろう。それもこれもコロナ感染拡大が収まり、経済を回していく措置の引き金にするためという。
●22日の新規コロナ感染者数は日本全国で325人、死者は12人と激減。東京都ではここ1週間連続で新規感染者が50人を下回り、22日は26人、今年の最少水準となっている。
●なぜか。8月以降、急速にワクチン接種が進み、感染拡大にブレーキがかかった、それが減少の要因だと指摘されている。だが医者や感染・疫学の専門家も確定的な理由が挙げられず首を傾げている。
政府のコロナ対策が急激に進んだとも、繁華街への人流が急減したとも思えないのに、ワクチン接種だけで、こうも激減するのか、もう一つ、頷けない気持ちが誰しも残る。
●その一方、北海道や青森などでは「リバウンド」、すなわち再拡大への兆候が見られると、警鐘が鳴る。冬を迎え気温と湿度が下がるにつれ、コロナ感染が広がりやすい環境になるからだ。
また早めにワクチン接種を受けた人は6カ月が経過、感染予防効果が下がって感染の度合いが高まる。いわゆる「ブレークスルー感染」の危険も増す。
●専門家は「第6波は必ず来る!」という。この兆候を早期に掴んで抑え込むには、ワクチン接種の加速、PCR検査の徹底が重要だと呼びかけている。
あわせてコロナ感染による軽症・中等症への治療対策、宿泊療養の体制を充実させる取り組みが重要になっている。
●世界全体でみれば、感染者は1日あたり47万人、死者8千人と増え続ける。ワクチン接種率が高い英国でも再拡大が進み、1日に新規感染者が5万人、若い世代の感染は深刻だ。
●ロシアでは、デルタ株より感染力の強い新しい変異型ウイルスが猛威を振るっている。20日、1日あたり新規感染者数は3万4千人を超え、死者も1028人と過去最悪を更新。30日から1週間、ロシア全土で出勤を禁ずる「非労働日」が実施される。
まだまだコロナは抑え込むどころか、感染拡大が止まらない。日本も世界の現実を直視し、万全を期すべきだ。
●期待していいニュースがある。米国のメルク社が開発中の「モルヌピラビル」である。コロナウイルスの増殖を抑える飲み薬で、発症初期の患者が重症化するのを防ぐ効果がある。
認可されれば世界で初めて実用化される。外来で診断された患者に対し使えれば、医療機関の負担は大幅に軽減できる。
日本でも導入に向け、政府は力を尽くしてほしい。(2021/10/24)