2021年10月31日

【今週の風考計】10.31─原則「防衛費はGDP比1%以内」を壊す倍増化の妄動!

この11月5日、98歳になる作家の佐藤愛子さん、『九十八歳。戦いやまず日は暮れず』(小学館)が面白い。私たちもまた、<選挙戦すんで10月終えて>─家計や商売のやりくり、<戦いやまず日は暮れず>の猛烈な日々が続く。愛子センセイの怒りにシンクロして、めげずに立ち向かおう。

まずガソリンの高騰が直撃する。レギュラーガソリンの店頭価格が、全国平均1リットル167.3円、8週連続で値上がり。長崎県の五島列島・福江島では1リットル185円だ。
 経済活動の再開で原油需要が増えるのに、中東・ロシアなどの主要産油国が、増産ペースを抑えているため、世界の原油価格が値上がりし、約7年ぶりに1バレル=85ドル台をつけた。年内に1バレル=100ドルに達するとも言われている。
 暖房用灯油の値上がりも続く。18リットルあたり1910円、前週より50円高い。これも7年ぶり。

ガソリンや灯油だけじゃない! 火力発電の燃料に使う石炭や液化天然ガスの輸入価格が上昇したのを理由に、11月の電気・ガス料金が、3カ月連続してアップする。
 鉄骨などに使われる鋼材も上昇、マンションも最高値が付く。一都三県では、新築マンション1戸当たりの平均価格が6702万円と高嶺の花。
気候変動がもたらす地球環境の悪化は、さまざまな分野に影響をもたらしている。小麦類も不作で19%値上げ。パンやパスタ・うどん、ケーキ類の値段も上がる。コーヒーや大豆油も追随する。
 北海道に赤潮・沖縄に軽石で、漁業に甚大な被害が出ている。サンマとサケは記録的な不漁。サケの切り身(100g)が270円(10%アップ)。野菜・果物類も1割ほど高くなる。

こうした家計への影響を、どう緩和するのか。岸田政権は本当に「聞く耳」を持っているのか、真価が問われる。
 経済対策を盛り込む補正予算を組んでも、追加の財政支出が効果を発揮するのは、どんなに早くても来年2月以降になる。
2022年度予算案も年内編成を目指すという。中国の戦力増強・北朝鮮からの脅威を理由に、総選挙で掲げた「敵基地へのミサイル攻撃能力の開発、防衛費をGDP比 2%に倍増する軍備増強」の行き着く先がどうなるか、不安は増すばかり。

日本の2021年度防衛費は5兆3422億円、7年連続で過去最大を更新した。新型ミサイルや次期戦闘機の開発を強化し、自衛隊の指揮通信システムを守る「サイバー防衛隊」も新設される。さらに極超音速(ハイパーソニック)兵器の開発・研究費として90億円が計上されている。
今から45年前の1976年11月5日、三木武夫内閣で「防衛費は国民総生産(GNP)比1%を超えない」と閣議決定した。以来、日本の歴代内閣は、防衛費を国内総生産(GDP)比で、ほぼ1%以内に収めてきた。
 2020年のGDPは538.7兆円、2021年度の防衛費もギリギリ1%を守ってきた。この原則を、岸田政権はぶち壊すのか。倍増の10兆6800億円の軍事費など、トンデモナイ。絶対に許してはならない。(2021/10/31)
posted by JCJ at 06:00 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする