2021年11月09日

【スポーツ】下剋上のプロ野球=大野晃

 激戦のプロ野球セ・リーグでヤクルト、パ・リーグでオリックスが、ともに、2年連続最下位から一気に頂点に上りつめた。
ヤクルトは、2位の阪神と大接戦で、6年ぶりの優勝。 オリックスは、2位のロッテと最終盤までもつれる競り合いで、試合日程終了後に、実に25年ぶりの栄冠が待っていた。
 ヤクルトの高津臣吾監督は、就任2年目、オリックスの中嶋聡監督は、1年目の快挙だった。新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止対策で、観客が制限され、延長戦のない異例のシーズンで、ヤクルトは、開幕時に主力を感染などで欠き、苦しいスタートだったが、若手とベテランが補って乗り切り、入国制限で遅れた新戦力の外国人競技者が合流して、勢いをつけた。 東京五輪で本拠地の神宮球場が使えないハンデも、しのぎ切った。
 オリックスは、2017年に練習拠点を神戸市から大阪市の舞洲に移して、じっくり育った競技者たちが力をつけ、セ・パ交流戦で11年ぶりに優勝して、波に乗った。 イチロー外野手の大活躍以来、四半世紀を経ての優勝だ。

 厳しいシーズンは総合力がものを言うが、ヤクルトは、救援投手で米大リーガーでもあった高津監督の指導で、投手陣のチーム防御率が飛躍的に高まり、強力打線を支えた。
 オリックスは、エース山本由伸と高卒2年目の宮城大弥の両投手が安定した力を発揮し、強力な上位打線が爆発した。2軍監督から昇格した中嶋監督の、競技者の能力を見抜いた適材適所の起用が効を奏した。
 両チームの共通点は多いが、何よりも、競技者たちが互いに補い合うチーム一体の闘いぶりを貫いたことと、優勝への意欲を高めたことが大きい。
 競技者たちは、低迷の悔しさをバネに、諦めずに挑んで、自信を深めていったことを強調した。
 両監督は「負け犬」からの脱却を訴え続け、競技者の自主性を引き出すことに腐心したらしい。目標を高く持ち、力を合わせ、着実に、諦めずに努力を続けた成果が、下克上を可能にしたようだ。
 大野晃(スポーツジャーナリスト)



posted by JCJ at 01:00 | スポーツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする