2022年01月07日
【沖縄リポート】設計変更「不承認」をめぐる闘い=浦島悦子
11月25日、玉城デニー知事は、沖縄防衛局による辺野古新基地建設のための設計変更承認申請(軟弱地盤改良工事等)について「不承認」の判断を下し、同局に通知した。昨年4月、県に提出されてから1年半、私たち県民が一日千秋の思いで待っていた判断だ。
「辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議」は翌26日昼休み、県庁前で、これを支持する緊急集会=写真=12月3日夜には同じく県庁前での集会と国際通りデモ行進(参加500人)を行い、辺野古ゲート前の座り込み抗議行動でも連日、「知事の不承認を支持するぞ‼ 工事を即刻中止せよ‼」のシュプレヒコールが響いた。
4日には、コロナ禍で休止されていたゲート前県民大行動(毎月第1土曜)が1年2か月ぶりに開催された。デニー知事も駆けつけ、不承認判断の根拠や「新基地を自ら提供しない」決意を述べ、800人の参加者の熱烈な支持を受けた。
これに対し国=沖縄防衛局は7日、行政不服審査法による審査請求(不承認の取り消し)を国土交通大臣に行った。2018年、沖縄県の埋め立て承認撤回を取り消した時と同じ手口だ。当時、行政の不当な処分に対する国民(私人)の権利救済のための法律を国家権力が悪用・濫用するものだと、全国の行政学者から非難を浴びた手法を、再び使ったのだ。全国知事会も、地方自治を脅かすものだと懸念を示している。
国の対抗手段は県も県民も織り込み済みで、出来レースを見せられているようなうんざり感があるが、しかし国の「やりたい放題」を許せば「法治国家」は崩壊する。司法の在り方も含め、全国民的課題として取り組む必要があると思う。
来年1月23日に投開票される名護市長選に向けても自公政権は攻勢を強めている。5日に行われた渡具知武豊現市長の選挙事務所開きには菅義偉前首相や、このほど当選した島尻安伊子衆院議員が駆け付け、また辺野古周辺3区の区長とも面談するなどテコ入れを行った。
浦島悦子
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2021年12月25日号