2022年01月16日

【今週の風考計】1.16─「EABO」で南西諸島にもくろむ危ない日米の軍事計画

通常国会が明日17日から始まる。会期は6月15日までの150日間。コロナ変異株「オミクロン」の急拡大に、どう対応するのか論戦となる。
 政府・与党は7月10日投票の参院選をにらみ、野党の反発が強い法案は見送り、61本に絞り込んで22年度予算の早期成立を目指し、実績づくりに躍起だ。

さらに沖縄は秋まで連続する県・市の首長選挙や議会選挙など、「選挙イヤー」を迎える。その初戦となる名護市長選が16日告示され23日投票に向けて闘われる。
 与党が推薦し辺野古の米軍新基地建設を容認する現職の渡具知武豊氏と玉城デニー知事が支援し辺野古新基地建設に反対する岸本ようへい氏による一騎打ちの「天王山」の戦いとなる。
とりわけ在沖米軍基地内のコロナ感染者が急拡大し、累計6700人(1/13現在)を超える。辺野古の米軍新基地建設への怒りや疑問のみならず、「日米地位協定」の改定を求める声が噴出するのは当然だ。

政府は、ここにきて露骨な「アメと鞭」を使い分けた交付金の支給操作を繰り広げている。たとえば沖縄振興予算を前年度より約300億円も削り、10年ぶりに3千億円を下回る露骨な「玉城県政」ツブシを仕掛ける。これも9月末の沖縄県知事選挙を視野に入れての、汚い対応に他ならない。
過去にも、2010年の名護市長選で、辺野古への基地移設に反対する稲嶺進氏が当選すると、交付金の支給を止めている。そして4年ほど前の2018年4月、辺野古基地建設を容認する現職の市長が当選するや、米軍再編交付金2年分まとめて約30億円を支給した。
 以降、毎年15億円に近い交付金が支給されている。ここまで沖縄を愚弄した「金で面をひっぱたく」差別を続けるとは、怒りも極まる。

沖縄県や名護市だけではない。南西諸島に連なる鹿児島県・馬毛島や沖縄県・石垣市にも及ぶ。
 種子島の西12キロにある約8平方キロの無人島・馬毛島に、米空母艦載機の陸上離着陸訓練(FCLP)を移す計画および自衛隊基地整備に伴い、防衛省が米軍再編交付金を支給する計画だ。「アメと鞭」の交付金支給を餌に、反対する現在の西之表市長に受け入れを迫る。
 石垣市でも、昨年6月、平得大俣に陸上自衛隊のミサイル基地建設の容認への報償として、防衛予算からゴミ焼却施設の改修費用が支給されている。

台湾有事を視野に、日米両国は鹿児島県の大隅諸島から沖縄県の先島諸島へと連なる南西諸島に軍事網を広げるため、自衛隊と米軍の基地増強・一体化を図る「遠征前進基地作戦」(EABO)の具体化が急速に進んでいる。
 石垣島へ陸自の地対艦・地対空ミサイル両部隊を配備するだけでなく、奄美大島や宮古島にも地対艦ミサイル部隊を置く動きが強まる。今や南西諸島が米中の軍事衝突の最前線、戦場になる危険が迫っている。(2022/1/16)
posted by JCJ at 05:00 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする