2022年01月30日

【今週の風考計】1.30─大阪府・市政の実態を知るにつけ思い起こす政治家

立憲民主党の菅直人・元首相が、一民間人・橋下徹氏について「弁舌の巧みさではヒトラーを思い起こす」と指摘するや、ご本人の橋下氏が「ヒトラーにたとえるのは国際的にはご法度」とかみついた。
 何を思ったか、維新のお歴々を初め国会議員までもが「人権問題だ」と騒ぎ出し、「民間人の橋下氏」に代わって、公党として抗議文を立憲民主党へ提出するなど、頓珍漢な攻撃をしている。
過去にさかのぼるが、橋下氏に対し、石原慎太郎・元東京都知事から「彼の演説のうまさ、迫力っていうのは若いときのヒトラーですよ」「ヒトラーの伝記を読んでもそうだけどね、彼に該当する政治家だね、橋下徹ってのは」と称賛された際には反論せず、橋下氏の「ダブルスタンダード」が問われている。

さて、この橋下氏が率いた維新主導の大阪府・市が進める「カジノを中核とする統合型リゾート」計画(IR)が、“泥沼”化している。人工島・夢洲の用地がヒ素やフッ素で汚染しているだけでなく、地震による液状化を防ぐ対策が必要になり、790億円もの公費を支出する事態に陥ったからだ。
 松井一郎市長は、知事時代の住民向け説明会で「IR、カジノに税金は一切使いません。民間投資で行う観光振興策だ」と大見得を切った。だが過去の約束にそむいて、大阪市民の税金を投入してまで、米国のカジノ企業MGMとオリックスに優遇措置をしてやる理由は、どこにあるのか。

新たに790億円もの支出を図るカジノ「整備計画案」が出たのが、昨年12月23日。府・市民への告知もゆきわたらぬまま、年明け直後の1月7日から「公聴会」と「説明会」を開催している。
 「公聴会」には政策決定権者が出席せず、問題点を指摘する公述人しかいない。参加者も少なく4回開いて、この29日に終了。市民への「説明会」といっても、2月14日には終了という性急さだ。
松井市長は、税金投入の批判を避けるため、借地権契約とか特別会計の港営事業会計からの支出だとか、言いつくろっているが、巨額な市民負担である事実に変わりはない。算定資料すら「黒塗り」では、790億円で収まる保障すらない。

こうも強引な大阪府・市政が続けられるのは、「二重行政」の解消を口実に、維新の会・知事と市長が歩調を合わせ、府・市民の税金や有形無形の資産を、私物のように処分する事態が常態化しているからだ。例えば大阪の二つの大学合併はどうか。
まず府・市長の権限で予算・決算を専決処分ができる実態を見てほしい。吉村大阪府知事や松井大阪市長の専決処分の行使率は、大阪府46.8%(2位の埼玉県が19.8%)、大阪市86.9%(2位は市長が維新の堺市84.2%)、ともに全国ワースト・ワン。これを見ても議会を軽視し、府・市長の権限で予算・決算を専決処分している事態が分かるというもの。

いま大阪府議会は定数88、大阪維新の会が51人、圧倒的過半数を握る。大阪市議会は定数83、大阪維新の会が40人、過半数までに2人足りない。加えて昨年10月の総選挙では、大阪府内の19全選挙区で、日本維新の会が立候補した14人が全員当選。まさに維新の会の独壇場となっている。
 加えて2月の大阪市議会には、定数83を2つ削減の81とし、大阪維新の会が絶対過半数を握るべく、来春の市議選からの適用を目指す。大阪府議会も定数88を9減らし79へともくろむ。この事態こそ、あの独裁政治家が目指した絵図ではないか。(2022/1/30)
posted by JCJ at 05:00 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする