2022年11月06日

【今週の風考計】11.6─秋の絶景を満喫した2年半ぶりの<紅葉紀行>

<ねずこの森>と秋
紅葉が見たくて、2年半ぶりに奥信越への旅に出た。あずさ5号、観光バス、ロープウェイを乗り継ぎ、まずは白馬・岩岳山頂テラスへ。近年、人気が急上昇する場所だ。
 標高1289m、周囲の山肌を彩る黄色のブナやミズナラ、真っ赤なモミジやウルシ、そこへヒマラヤスギの緑がアクセントをつけ、『鬼滅の刃』の聖地<ねずこの森>へと、錦秋が広がる。
目を上げれば左に唐松岳、そして右へ白馬鑓ヶ岳・杓子岳・白馬岳の三山が、雪をかぶって延びる。「山頂の冠雪」と「中腹の紅葉」から「山麓の緑」、まさに北アルプス「三段紅葉」を満喫した。

絶景の苗場ドラゴンドラ
次はスキーで有名な新潟県魚沼にある苗場へ。床の一部がガラス張りの田代ロープウェイに乗り、眼下にエメラルドグリーンの湖水を湛えた二居湖や田代湖を望む。山頂駅で降りれば目の前に草紅葉が広がる苗場山や上越国境の雄大な山々が見渡せる。
 500mほど歩いて、日本最長5481m・約25分の空中散歩を楽しむ「苗場ドラゴンドラ」に乗る。眼下に広がる紅葉は、ブナやカラマツ、ミネカエデだろう。その鮮やかなオレンジ色が陽に輝き、赤い実をつけたナナカマド、モミジの赤も際立つ。

スティーヴィー・ワンダーへの想い
その日は、越後湯沢駅から東へ魚野川を越えて岩原ゲレンデにあるリゾートホテルを予約済み。部屋に入ると、広い窓から越後湯沢の街並み、その先に大源太山、さらに奥は谷川連峰の山並みが見渡せる。温泉もヒノキ風呂と岩づくりの露天風呂にたっぷり、そこからの絶景がいい。
それよりもホテル内にあるミュージックバー<VINIL LOUNGE73>に驚いた。マニアがうらやむ1980年代の名機JBL4343の巨大スピーカーが据えられ、マッキントッシュのアンプを駆動し、収蔵された1,000枚以上のレコードから、Djの選曲したジャズが流れ、ワインやスピリッツと共に堪能できるのだ。
ちょうどマイルス・デイヴィスの「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」のレコードジャケットが置かれ、曲が流れていた。そして上を見れば、スティーヴィー・ワンダーの「Hotter Than July」が目に入る。
 おお、やるじゃないか。スティーヴィーといえば、1976年にリリースされた「キー・オブ・ライフ」に夢中になった筆者だけに、目の見えない彼が歌うアルバムには思い入れがたっぷりある。
選曲や音量調整に余念のない、歳のほどは息子ぐらいのDjに声をかけ、「キー・オブ・ライフ」をかけてもらう。さらに筆者が若いころ、ジャズ喫茶での交遊や往年のブルーノート盤を収集した経験など、自慢げに語ってしまったが、彼は嫌な顔せずに聞いてくれる。なんと彼の出身地は筆者の住む町の隣という奇遇。

奥只見湖と燧ケ岳
熟睡した翌朝、またも快晴。最後の紅葉地・奥只見湖に向かう。352号線を経て奥只見シルバーラインの中間・銀山平で降り、外輪船ファンタジア号に乗って40分の遊覧である。
 左右の山並みを彩る紅葉が人造湖をとり囲む。終点の奥只見ダム近くに来て、進む船から振り返れば、間隔のあいた両耳がピンと突き出た姿の山に目がいく。これぞ尾瀬沼を懐にする燧ケ岳の裏面だ。特徴ある裏の山容が望めるのはここしかない。絶好ポイントだ。
 「大きい秋」を見つけた<紅葉紀行>─ここで閉めるのが潮時。筆を擱く。(2022/11/6)
posted by JCJ at 01:00 | TrackBack(0) | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする