2022年11月13日

【今週の風考計】11.13─奄美から与那国を覆う日米共同・軍事演習10日間の怖さ

「キーン・ソード23」
★最大規模の日米共同・統合実動演習「キーン・ソード23」が始まった。日本の陸・海・空3自衛隊と米軍が、中国からの「武力攻撃事態」を想定し、沖縄南西諸島を舞台にして、10日から19日まで10日間、実弾射撃演習や補給などの後方支援を含む共同演習が展開されている。弾道ミサイル発射への対処や宇宙、サイバー、電磁波領域での作戦も訓練する。
★この演習には、自衛隊から2万6千人・艦艇20隻・航空機250機が参加。米軍も1万人・艦艇10隻・航空機120機、さらに米軍宇宙軍も加わる。またオーストラリア軍から艦艇1隻とP-8A哨戒機1機、カナダ軍から艦艇2隻とCP-140哨戒機1機が参加する。
★沖縄では、県内にある自衛隊駐屯地・米軍基地に配備された軍備一式のみならず、本土の各地にある自衛隊や米軍の陸・海・空の軍備品が数多く沖縄島しょに運び込まれている。まさに奄美諸島から与那国島まで、南西諸島全体が戦争体制に組み込まれたような事態が広がる。
 「本土決戦」に備えるための捨て石にされた、77年前の「沖縄戦」を思い起こさずにはいられない。

本土の軍備一式が沖縄へ
★鹿児島県・奄美大島では自衛隊の地対艦誘導弾と米軍の高機動ロケット砲システムを組み合わせた訓練を行い、徳之島では南西諸島で初めて日米のオスプレイ連携の実習に入る。
 また防衛省はチャーターした民間船「はくおう」を使い、鹿児島港で自衛隊員や車両73台を登載し、奄美大島の名瀬港を経て沖縄・中城湾港の西埠頭に運び込んだ。沖縄に運ばれた車両は、国道58号など一般道を使い、陸自の那覇駐屯地などへ輸送される様子が確認されている。地対空誘導弾パトリオット(PAC3)に関連した車両も運搬されたという。
★米軍も負けずにアラスカ空軍基地所属のF22Aラプターステルス戦闘機6機を、米空軍嘉手納基地に着陸させ、巡回配備を計14機に増強して軍事演習「キーン・ソード23」に備える。在沖米海兵隊も陸上自衛隊の水陸機動団と共同で訓練する。
 那覇軍港に船で陸揚げされた米海兵隊のMV22オスプレイ3機は、米軍普天間飛行場に移動し準備を整える。米空軍輸送機C17で自衛隊の中距離地対空ミサイルを発射地点に運搬する訓練も、嘉手納基地や東京の横田基地で行う。

「沖縄戦」の悲劇を繰り返すな
★「キーン・ソード23」の最終盤には、陸上自衛隊の16式機動戦闘車(MCV)を、C2輸送機で福岡・築城基地から那覇空港を経て、台湾に近い与那国駐屯地まで運び込むという。しかも与那国町の一般道路を使っての走行訓練も行う。このMCVは105ミリ砲を登載した最新鋭の装輪装甲車である。
 与那国島での戦闘を想定しているかのような日米軍事演習を活発化させれば、米中対立の火種となる台湾情勢を刺激するのは間違いない。
★改めて言おう。あの「沖縄戦」を繰り返してはならない。一度、ネットを開いて「キーン・ソード23」と入れて検索し、そこにある<「キーン・ソード23」の画像をすべて見る>をクリックすれば、ずらっと並ぶ画像に背筋が寒くなる。自衛隊・米軍が運び込んだ「敵基地攻撃能力」を持つ、陸・海・空3軍の実態が掴め、その怖さが一気に迫ってくる。(2022/11/13)
posted by JCJ at 01:00 | TrackBack(0) | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする