2023年02月26日

【今週の風考計】2.26─「Colabo」への異常なバッシングを許すな!

歌舞伎町の「バスカフェ」
★「Colabo」に対するバッシングや妨害が激しくなっている。「Colabo」は、東京都からの委託を受けて、性搾取や虐待の被害に遭う若年女性や少女に寄り添い、支援事業をする一般社団法人である。
★2013年に立ち上げ、これまで続けてきた地道な活動に対し、ハンドルネーム<暇空茜>(ひまそらあかね)なる人物が、ネット上で「Colabo」に関するデマや中傷攻撃を始め、その後フォローワーの一部には過激な書き込みだけでなく、直接の妨害行動に及ぶなどエスカレートしている。
★居酒屋や風俗店が並ぶ東京・新宿区歌舞伎町。その中の新宿区役所前に「Colabo」が運営するピンクの改装バスを駐車し、無料で利用できる10代向けの夜カフェ「Tsubomi Café」をオープン。周囲にテントやイスなどを置き空腹の女性たちへの食料提供や家に帰りたくない少女らを受け入れる居場所&シェルターとなっている。
★現場を取材した安田浩一さんは、「家出してスーツケースを引っ張る10代女性や薬物の影響らしくもうろうとして倒れ込んでいる若年女性を目の前で見ました。…そいう女性を救済するColaboの役割は、絶対に重要です」と述べている。

「Colabo」に対するヘイトクライム
★ところが大事な役割を果たしている「バスカフェ」近くに、複数の男性が無言で立ち、利用者や関係者を撮影、その映像をネットに投稿し中傷するなど、深刻な事態が生まれている。女性を食い物にする性産業従事者の影も見え隠れする。
★こうした行動を誘引するきっかけとなったのが、ハンドルネーム<暇空茜>なる人物のネット上の書き込みである。この人物は東京在住・40代の男性と分かっているが、彼は「Colabo」の委託料の精算内容に不正があるとして、東京都に住民監査請求を起こした。だが監査結果は、「不法・違法・不正は認められない」となった。
★なのに、いまだに「Colabo」への攻撃をやめず、またフォローワーも「Colabo」を面白おかしく揶揄し中傷する動画や投稿を大量に流している。1月22日、弁護団は「若年女性の居場所事業への深刻な憎悪犯罪(ヘイトクライム)」だとして、抗議声明を発表している。

異常な国会での「Colabo」攻撃
★にもかかわらず、あろうことか「日本維新の会」浅田均・参議院会長が、1月27日の参院本会議で東京都の「Colabo」支援に関連し、「無駄な行政支出」であり、「利益誘導」があるなどと攻撃する異常な事態が起きている。
★再度、歌舞伎町の「バスカフェ」現場の映像を見て驚いた。1月18日夜8時ごろ、NHK 党の新宿区議候補が黄色いコートに名前入りのタスキをかけ、「NHK撃退」と書かれたノボリの傍でカセットから音声を流し、「バスカフェ」に出入りする女性の数をカウントするなど、信じがたい迷惑行動を繰り広げていた。なぜなのか。
★2月22日の参院本会議である。NHK党の浜田聡・政調会長の発言を聞いて頷いた。なんとガーシー議員への懲罰に対する、同党の弁明発言の中で「Colabo」問題を持ち出したのだ。
 ガーシー議員が最近立て続けに「Colabo」の不正や利権につき、数多くの質問主意書を提出している。その現状を踏まえれば、「ガーシー議員を除名に追い込み、質問主意書を提出できなくすることで、このColabo問題 に注目が集まることを防ごうとしている可能性をここで指摘させていただきます」と、懲罰の不当性を主張したのだ。
 かつ日本維新の会や都議会・自民党が「Colabo問題」の追究に奮闘していることに敬意を表し感謝するとまで持ち上げた。呆れて開いた口がふさがらない。
★ジェンダー平等・女性差別の禁止など、大きな流れに挑戦するかのような日本維新の会やNHK党の動きは、ますます「Colabo」に対するネット上のデマや中傷をあおり、バッシングに手を貸すのは目に見えている。その責任は重大で見逃すわけにはいかない。(2023/2/26)
posted by JCJ at 01:00 | TrackBack(0) | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする