2024年05月06日

【追悼】元事務局長 林 豊さんを悼む 部会・研究会立ち上げに貢献=吉原功

 TBSのOBで元JCJ事務局長の林豊さんが3月17日、逝去された。享年78才。
 御子息によれば死因は心臓と肝臓ということだが、そうした疾患で苦しんでおられたことを知っていたJCJの仲間はいないのではなかろうか。もの静かで我慢強い人であった。

 TBSにはアルバイターとして入社したそうで、民放労連の「二重身分反対闘争」の成果で正社員になれたという苦労人。その闘争を指導した組合執行部にたいする感謝の念と組合活動の重要性を強く心に刻んでいる人でもあった。JCJへの加入も自然の成り行きだったと思われる。
 JCJでは前後2回にわたって事務局長を務め、「JCJの見える化」に努めると同時に、事務所移転問題にも精力的に取り組まれ、会議や研究会が比較的ゆったりとできる地下鉄神保町近くのへの移転を可能にされた。またJCJ活動を活発に展開するための部会や研究会の立ち上げにも多大な貢献を果たした。送部会の立ち上げにも加わり、放送をめぐる問題を討議しJCJ賞推候補作品を選考するための活動を粘り強く続けられた。またJCJデジタル写真教室も立ち上げ写真に対する会員の理解と技術向上に貢献した。

 さらに忘れられないのは「ジャーナリズム研究会」の組織化と活動に対する貢献だ。1970年代初頭、JCJは、マスコミの問題点を鋭く抽出した『マスコミ黒書』を出版した。このような研究が再び必要なのではという声がJCJ内でしばしば出るなかで、「やりましょう」と積極的に動いたのが林さんだ。10名前後のメンバーが集まり、ほぼ定期的に研究会を開くことができ、その成果を2冊の本としてまとめることができたのは事務的な仕事を一手に引き受けてくれた林さんのおかげだ。

 現役時代から行きつけという銀座のバーに連れて行ってくれた事がある。「ここは男が一人で静かに飲むところなんだ」と言って。ダンディな紳士でもあった。御冥福を!
   JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2024年4月25日号
posted by JCJ at 01:00 | TrackBack(0) | 追悼 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする