2024年05月22日

【出版界の動き】生成AIが創作者の権利と意欲を損なう危機=出版部会

◆「AIと著作権」を巡って
 高い機能を持つ生成AI が多種多様な分野に進出し、創作者の著作権が侵害されるケースが頻出し、社会的な混乱が生じている。あらためて創作者や権利者から、現在の著作権法に謳われる法規制について、その見直しが叫ばれている。政府も各種対応に追われている。
 この緊急テーマになっている 「AIと著作権」を巡り、どこまでコンセンサスが得られ、どこから先に議論の余地があるのか、上野達弘・奥邨弘司 編著『AIと著作権』(勁草書房 2月刊)が注目されている。世界各国の最新動向と日本における議論状況を踏まえ、今後の法規制の在り方を考える珠玉の論攷と座談会が収められている。
 本書では、著作権法30条の4を始めとするAIに関係する著作権法上の条文につき、細かな文言の使い方や他の条文との関係、改正の経緯(旧条文との関係)、主張立証責任の分配などの観点から、様々な解釈論が展開され、必読の書といってよい。
 さらに「山陽新聞」(5/12付)の社説が、<AIと著作権 創作意欲奪う>と題して、国の文化審議会がまとめた「考え方」を簡潔に要約し、クリエーターの創作意欲にかかわる問題を指摘している。読んでほしい。

◆KADOKAWA 3月期連結決算、増収減益
 2024年3月期(2023.4.1〜24.3.31)の連結決算では、売上高2581億円(前年比1.0%増)、営業利益184.5億円(同28.8%減)、経常利益202億円(同24.1%減)、当期純利益113.8億円(同10.2%減)の増収減益の決算となった。「出版・IP創出」は売上高1420億円(同1.4%増)、営業利益103.6億円(同21.3%減)。

◆八重洲ブックセンター、6月14日オープン
 東京駅構内のグランスタ八重洲(東京・千代田区)の地下1階にグランスタ八重洲店をオープンする。昨年3月に営業を終了した八重洲本店の「レガシーを継ぐ」新店舗。売場面積72坪。営業時間は午前10時から午後9時まで。

◆講談社「じぶん書店」がサービス終了
 電子書籍ストア「じぶん書店」は“自分の電子書店を簡単に開設できるサービス”として2017年にスタート。会員登録を行ったあと、講談社の電子書籍から自分が推奨するタイトルを選んで自分だけの電子書籍ストアを作るというユニークなスタイルで、作家が自らストアを立ち上げるケースも多かった。
 5月30日でサービス自体を終了するので、自分で購入した書籍の閲覧ができなくなる。代替として、2024年4月30日時点で購入済みの書籍については、QUOカードによる返金対応が5月12日まで行われた。

◆日販グループの23年度決算概要
 12億円の経常赤字を計上。なかでも取次事業は36億円の赤字。それ以外の海外事業、エンタメ事業は増収増益で26億円の利益を計上する見通し。2期連続赤字の取次事業の立て直しが最優先課題となっている。

◆「期間限定 謝恩価格本フェア」開催
 インターネットを通して5月14日〜7月16日正午まで開催。書店の棚にない本、全集、稀少本など出版社121社の約5300アイテムを、定価・価格の45%引きで販売。販売サイトは楽天ブックス: 謝恩価格本フェア https://books.rakuten.co.jp/event/book/bargain/shaon/ からアクセスを。
posted by JCJ at 01:00 | TrackBack(0) | 出版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする