◆原田和明『ベトナム戦争 枯葉剤の謎』 飛鳥出版 5/15刊 2000円
ドキュメンタリー映画『ドクちゃん ─フジとサクラにつなぐ愛』が日本全国で順次公開中。日本製「枯葉剤」がベトナム戦争の際に使われていた。しかも残った枯葉剤が日本全国の国有林46カ所に不法投棄されていた! 占領下の沖縄に持ち込まれた毒ガス“サリン”。日米軍事同盟が隠した“化学兵器”の正体を暴く。改めて「枯葉剤の謎」を追った貴重な一冊。
◆犬飼 淳『インボイスは廃止一択─消費税の噓がよくわかる本』 皓星社 5/20刊 2000円
「政治の世界では裏金がまかり通る中、「STOP!インボイス」を叫ぶ市民は、「脱税」「ネコババ」と叩かれた。大手メディアが黙殺する中、消費税とインボイス問題にくらいつき、政府と対峙した著者と「インボイス制度を考えるフリーランスの会」の闘いを追い、インボイス制度の欠陥を分かりやすく説く。
◆ 黒井千次『老いの深み』中公新書 5/22刊 840円
90代の大台へと足を踏み入れた作家が綴る老いの日々。少しずつ縮む散歩の距離、少量の水にむせる苦しさ、朝ぼんやりと過ごす時間の感覚など、自身に起きる変化を見つめる。一方、年長者が背筋を伸ばしてスピーチを聞く姿に爽快感を覚え、電車の乗客の「スマホ率」など新たな発見も。「ファックス止り」の自分をなぐさめ、暗証番号を忘れて途方に暮れて……。老いと向き合い見えたこと考えたこと。(版元の紹介から)
◆小島俊一 『2028年 街から書店が消える日─本屋再生! 識者30人からのメッセージ』 プレジデント社 5/24刊 1700円
日本から街の本屋が消える! この事態に出版界のプロフェッショナル30人が、熱く本音を語る。出版界の現状を俯瞰しながら、いかに打開するか、再生への道筋を探る。本書を通して本屋が消え続ける理由をつかみ、さらに本屋の明るい未来への希望も感じ取ってほしい。
◆森まゆみ+山ア範子+仰木ひろみ『谷根千の編集後記』月兎舎 6/1刊 1600円
保育園のママ友だった著者3人、ともに1950年代生まれ。子を産み育てながら取材に編集に営業に奔走する。それぞれ主要に活躍する場は違うが、雑誌作りに当たっては一緒になって笑い、泣き、励まし合って歩んだ25年、編んだ地域雑誌「谷中・根津・千駄木やねせん」通巻94号分の編集後記を一冊に。
◆安田浩一『地震と虐殺─1923-2024』中央公論新社 6/19刊 1800円
関東大震災の発生直後、各地で飛び交ったデマによって多くの朝鮮人が命を奪われた。100年余りが経過した現在、歴史的事実を葬ろうとする者たち、人災を天災の中に閉じ込めようとする政治家、差別行為にお墨付きを与える行政……。差別やヘイトクライムの問題を長年追ってきたジャーナリストが、虐殺事件が及ぼし続ける様々な事実を浮き彫りにする。