2024年06月03日
【沖縄リポート】あまりにも愚かしい工事止めねば=浦島悦子
国が代執行(昨年末、県に替わって辺野古設計変更を承認)に基づく大浦湾側工事に強行着工して3か月後の4月14日、作業船が並ぶ大浦湾に面した瀬嵩の浜で、「民意・自治・尊厳を守り抜く沖縄県民大集会」(主催:辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議)が開催された=写真=。
当初4月6日の予定が荒天のため順延。この日は、年に一度、一族郎党が先祖の墓前に集まる清明祭(シーミー)の時期にかち合ってしまい、朝からあいにくの雨にも見舞われたが、全県から集まった1800人の熱気が雨を吹き飛ばし、「晴れ男」を自称する玉城デニー知事が挨拶に立つ頃には雨も上がった。
デニー知事は「新基地を造らせないこと、沖縄を戦場にさせないことが、未来の子どもたちへの最大の責任だ」と訴えた。行政法学者の徳田博人琉球大学教授は、問題を解決できない司法を批判し「県民を守らない法の不備は県の条例で補填すべき」と提起した。
浜での集会に呼応して海上アピールを展開したヘリ基地反対協海上チームも集会に合流。代表して発言した小学校教師Mさんは、息子も一緒に参加していること、集会には来れなくても日常の場で行動・発信していくことの大切さを語った。
代執行後も、それに屈しない現場行動が、変わらず、たゆみなく、辺野古ゲート前で、土砂搬出元の安和・塩川港で、大浦湾海上で続けられている。海上チームは連日、カヌーや船を出し、海上作業ヤードや護岸工事の監視・阻止行動。辺野古陸上では、作業車両搬出入ゲートが米軍の要請で突然、集会テントから遠いゲートに変更され、行動参加者は負担を強いられつつも、地道な座り込みを続けている。
今後、軟弱地盤改良工事に必要な膨大な量の砂をどこから持ってくるのか、既存の作業船も技術もない工事をどうやるのか…先が見えないまま、大規模な自然破壊と血税の膨大な無駄遣いが続く。国の試算でもあと最低12年、実際には半世紀以上かかるだろうと言われる、あまりにも無謀で愚かしい工事を1日も早く止めるために、国民的議論を!
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2024年5月25日号