2024年07月04日
【映画の鏡】都知事選で首都圏の上映℃ゥ粛 関心高まる選挙期間中こそ上映を『#つぶやき市長と議会のオキテ【劇場版】』=鈴木賀津彦
上映後の舞台トークで
東京都知事選の投開票は7月7日。広島県安芸高田市長から転じて出馬した石丸伸二候補にどれほど票が集まるのか、注目している。
4月の本欄では、広島ホームテレビが市長の石丸氏と議会の対立の様子などを密着取材したドキュメンタリー番組がアーカイブ配信900万回以上の反響があり、映画になった『#つぶやき市長と議会のオキテ【劇場版】』を話題作として紹介した。「地方政治の実態に密着して取材すると、こんなにも面白いドキュメンタリー番組のできることを広島のローカルTV局が示してくれた」と記したのだ。
なので、石丸市長が都知事選に突然出馬表明した直後の“上映自粛”の対応にはガッカリだった。映画の公式ホームページで5月17日、選挙に影響することを懸念して上映予定を変更、25日から予定通りに公開するものの「東京都での公開を月内でいったん終了」し、首都圏では6月から「選挙後まで行わないことを決定」したと発表した。
6月29日からだった横浜シネマリンでの上映予定も7月20日からに変更、結局、知事選前に首都圏で上映されたのは都内2館で7日間だけだった。
この判断を批判するつもりはないが、「本作は石丸伸二市長を応援したり、批判したりするために制作したものではなく、地方政治のあり方」を描いたと説明しているのだから、選挙期間中を含め予定通りに上映した方が良かったのではなかろうか。関心が高まる選挙期間中にこそ政治を身近に考える絶好のネタを提示してくれているのだから。
首都圏以外では予定通り6月から上映しており劇場に足を運んでほしい。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2024年6月25日号