8月6日、式典(午前8時〜同50分)開始3時間前の午前5時から、開始後の9時までの4時間、公園利用者の入場を規制する。午前5時になると、公園内にいる人たちに、公園の外に出るよう要請する。午前6時30分になると、式典参列者の入場を開始する。参列者は会場入り口(6カ所)で、手荷物検査を受けて園内に入り、参列者席入り口(1か所)で金属探知検査を受ける。参列者席のうち、先着順である被爆者・遺族席(約1600席)と一般席(約1200席)は定員に達した時点で入場不可とする。
この間、式典会場の中央にある原爆慰霊碑への参拝を希望する者については、午前5時から7時までの2時間、専用出入り口と専用通路を使って手荷物検査と金属探知検査なしに参拝ができるようにする。
以上のような入場規制をしたうえで、公園内においては、午前5時から9時までの間、次のような行為を禁止する。
危険物、大きな音を発するもの(マイク・拡声機・楽器類等)、プラカード・ビラ・のぼり・横断幕等、式典の運営に支障を来すと判断されるものの持ち込み▼ゼッケン・タスキ・ヘルメット・鉢巻等の着用▼小型無人機(ドローン等)の飛行▼ものを投げる、大きな声を発する、立ち入り不可エリアに無断で侵入するなど、式典の妨げとなると判断される行為▼他の公園利用者の通行その他の公園の利用に支障を来すと判断される行為(例示された具体例は省略)◆公園の利用者間の調整を図るために市職員等が実施する警備に支障を来すと判断される行為(具体例は省略)
専制行政 猛省を
広島市の平和記念公園は、都市公園法上の都市公園で、地方自治法244条にいう公の施設だ。広島市は平和記念公園設置条例を制定していないので、同公園の管理は「広島市公園条例」の定めにより行われる。広島市公園条例6条は、公園の損壊などにより利用が危険である場合、公園工事のためやむを得ない場合その他管理上必要がある場合、「公園の利用を禁止し、または制限することができる」と定める。8・6規制がこの場合にあたらないことは言うまでもない。今年の平和記念公園の入園規制は公園条例に背くものであり、問題である。
法的根拠がなくても、都市公園の入園を制限できるのか。答えは「ノー」である。誰でもいつでも自由に利用できる都市公園の「使用の自由」を制限する場合は、法的根拠に基づかなければならない。広島市がやろうとしていることは、専制行政(支配)ともいうべきもので、猛省を求めたい。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2024年6月25日号