2024年07月27日

【JCJ広島支部】学習交流会 日鉄呉跡地の軍事拠点化問題を考える会参加者発言1=編集部

                
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軍部復活させぬ 森 芳郎さん
 昨年9月末に閉鎖された日鉄呉跡地約130fを防衛省が一括購入して「多機能な複合防衛拠点」をつくろうとしている。呉市議会や経済界には「停滞感のある呉には明るいニュース」とする声も多い。日鉄は「社の方針に合致する」と防衛省の意向を評価し、県・市との三者協議にも不参加を表明している。
だが、戦中の呉を思い起こし不安を訴える声も少なくない。4月7日発足の「日鉄呉跡地問題を考える会」は、市民の危惧を受け「子どもたちの将来のためにどのような跡地活用が最善なのか」を市長に問う署名に取り組んでいる。
このまま計画が進めば、海上自衛隊呉基地は南西諸島に戦車や弾薬を運ぶ「海上輸送群」の新設に加え、大規模な兵站も備えた軍事拠点となってしまう。
 呉には、旧軍港市転換法によって平和産業港湾都市として復興してきた歴史がある。呉を戦前のような軍都に戻させないために全力を挙げる。

                 
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進む日米一体化 久米 慶典さん
 岩国基地には現在、常駐の米海兵隊航空部隊のほか、米海軍の空母艦載機と米空軍が一時的に展開。海上自衛隊も配備され、米軍の統合基地化が進んでいる。「本土の嘉手納化」だ。
米軍約120機、自衛隊約35機の常駐は嘉手納を上回り極東最大級。米軍の新しい世界戦略、とりわけ対中国、ロシアのさまざまな重要任務を持つ出撃拠点となっている。その中で、呉に新たな「防衛複合施設」をつくる目的は何か。
 広島湾一帯には岩国基地の他、呉の海自基地や広弾薬庫、秋月弾薬庫、川上弾薬庫、陸自第13旅団があり、日米の軍事施設集積地帯化が進む。
 岩国基地と呉基地の距離は直線で約30`。岩国の海自掃海ヘリは呉の掃海艇とセットで運用される。日鉄跡地の新施設はその強化と日米共同作戦体制が進む中で地域全体の出撃拠点化を図るのが目的。呉の「防衛複合施設」化は、広い意味で米軍岩国基地の機能強化に他ならない。

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市の姿勢を問う 湯浅 正恵さん
 今、「平和」という言葉を「安全保障」に言い換えて戦争する国へと転換しようとしている。戦争するには、国民が「国家のためなら命の一つや二つ失ってもしようがない」「我が身を守るためなら他者の命を奪っても仕方がない」と思える大きな価値観の転換が必要だ。イスラエルのガザ侵攻はまさにそれで、自分たちの国を守るのはパレスチナ人の人権よりずっと大切だという考え方に基づくものだ。ジェノサイドは許されず、黙っていてはいけない。その思いで私たちは昨年10月13日から毎夕、原爆ドーム前に立って声を上げている。ところが、「国際文化平和都市」を名乗る広島市はイスラエルに抗議しないばかりか8・6式典には招待するという。いくつかの疑問点を挙げ公開質問状として出したが、市は「外交は国の専権事項」として独自の判断は避け、2万5千筆の署名も添えて求めたのに式典への招待を取り止めようとはしない。軍拡に走る国に追随していく広島市であってよいのか。
         JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2024年6月25日号
     

 
posted by JCJ at 02:00 | TrackBack(0) | 中国・四国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする