2024年08月06日

【放送】「市民ネット4議案否決」テレビ朝日HDの株主総会 市民株主運動デビュー報告=杉浦ひとみ(テレビ輝け市民ネットワーク)

「テレビ耀け!市民ネットワーク」は6月27日、テレビ朝日HDの株主総会で株主提案議決権を行使し4議案を提示した。
会社が株主に送る総会案内には、会社からの議題3つ、株主提案(いずれも当ネット)が4議題が掲載されたが、「会社は反対」とのコメントが株主提案議題のそれぞれに付されていた。

 総会は早河洋氏(会長)が議長となり進行。
 報告案件に続く決議事項として、会社議案3件の説明に続き、与えられた提案株主からの説明時間は6分。「提案は全て会社応援のため」と簡潔に説明した田中優子共同代表は「会社が全てに反対の意を示したことは大変残念である」と結んだ。

 議案説明と予め寄せられていた質問にへの会社回答に続く採決前の報告事項・決議事項への出席株主からの質問では、最初に一般株主の男性が当会提案の@前川喜平氏の社外取締役について質問。「会社の拒否は不満」としながら中身は、かつて読売が報じた「出会い系バー通い」への揶揄。「名誉棄損にあたる」との指摘に、会場から拍手が沸いた。
 また当会提案のA第三者委員会設置と調査、公表を定款に定めることについて、会場から「どのような根拠に基づきこのような提案に至ったのか」との質問があり、阪口徳雄当会事務局が「政治圧力」と「同社番組審査会」を巡る経過を指摘、「市民として真偽検証を求めた」提案趣旨を説明。テレ朝側は篠塚社長が「調査はしたが圧力はなかった」と回答をした。
 当会の提案への説明を求める質問はさらに続き、最後の質問も「番組審議会の任期の是正」に関するもの。

 当ネットからは、同社の番組審議会委員を20年務め、そのうち10年は委員長に在任する見城徹氏が社長の幻冬舎の書籍を、数十分の時間を割き書籍を何度も映した事実の説明。「大下容子ワイドスクランブル、羽鳥モーニングショーという番組内で広告と思われる放送がなされたとのことだが、番組を見ていないので説明を求める」との会場からの質問に答えた。
 テレビ朝日側は「視聴者にとって有益な情報だと番組側が考え企画・制作された。これは広告ではない。昨年度は情報番組では、28社の出版物を60回放送している」というものだった。

 会場では当ネットの提案議題について、具体的な話に及ぶにつれて、拍手が徐々に大きくなっていき、今回初めてチャレンジした株主提案権の行使について確かな手ごたえを感じることができた。
 テレビ輝け市民ネットワークは昨年発足、テレビに報道機関の役割をもっと果たしてほしいと、市民が株主となって応援する活動だ。注目と支援をお願いする。
          JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2024年7月25日号 
posted by JCJ at 02:00 | TrackBack(0) | 放送 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする