2024年10月14日

【日韓学生フォーラム】幌加内で現代史学ぶ ダム工事の犠牲者追悼=古川英一

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 日韓の学生、若手記者らが現場を歩く9回目の日韓学生フォーラムは8月下旬の北海道、札幌から北へバスで4時間あまり。車窓に広大な青空と小さな花を咲かせているそば畑が広がる幌加内町の人造湖・朱朱鞠湖を訪れた。

 今は観光スポットの湖は戦時中に雨竜ダムがつくられた工事で210人が犠牲になった。うちの45人は朝鮮半島からの人で、その多くが強制連行された人たちとされる。
 隣の深川市の住職、殿平義彦さんたちのグループは、今から30年近く前、朱鞠内で遺骨の発掘を始め、後に日韓などの学生も参加して2001年までに合わせて23人分を発掘した。
「かつてあたり前の言葉として使われていた『強制連行・強制労働』を今、マスコミはほとんど使わない。報道が政治的状況、権力者の意向で変わってしまう。」殿平さんの指摘が響く、共同墓地で、フォーラム参会者25人は墓標に手を合わせた=写真=。 

 朱鞠内にはもう一つの碑がある。1959年、同地の小学校で人形劇を披露していた深川西高校のボランティアサークル「あゆみ会」の活動を北海道新聞が「共産党の触手が伸びている」など、事実ではない報道をし、リーダーの2年の生徒が抗議の自殺をした事件の慰霊碑だ。
 道新OBでJCJ北海道支部代表委員の高田正基さんは碑前で「学生は激しい新聞批判を残して亡くなった。だが道新は1人の若者を死に追いやった責任は取っていない。新聞記事は人を殺すことも救うこともできる」とメディアの責任の大きさを訴えた。

 九州から参加した学生は「今の学生はSNSばかりだか、現場に行ってみることの大切さがわかった」と話した。また韓国からの参加者も「現場で学び、僕ら若者が次の世代につないで行きたい」と語った。
   JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2024年9月25日号
posted by JCJ at 02:00 | TrackBack(0) | Editorial&Column | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする